ManCityを追うものは一兎を得ず

水色と白

マンチェスターシティとレアル・マドリー。時々それ以外

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Real Madrid -August-

こんにちは。

tadashiです。

 

レアルマドリードの8月をプレイバック

 

カルロよ、何を想う。

 

 

 

 

8月15日 vs アラベス 4-1 win

静かな幕開け

ラ・リーガ開幕戦。

この夏のレアルマドリードは開幕時点では静かだった。やはりこのコロナ禍で選手獲得に費やす予算はないのか、と感じていた。

現に、バイエルンからアラバをフリーで獲得したのみ。

一方で、セルヒオ・ラモスはフリーでPSGヴァランがプレミアリーグマンチェスターユナイテッドへ。そして監督のジネディーヌ・ジダンは退任

一度にチームの要を3人失ったが、それに代わる補強は特になく新シーズンをスタート。

それでも、洗脳されたマドリディスタはやはり期待してしまうものだ。

 

 

ジダンの後にエル・ブランコを率いるのはかつて10回目の欧州制覇を達成したカルロ・アンチェロッティ

マドリディスタにはとても思い出に残っている監督だ。

 

当時カルロ・アンチェロッティのアシスタントコーチをしていたジダンが彼のあとを引き継ぎ、欧州3連覇を果たした。

そのジダンが退任したあとに当時のボスだったアンチェロッティがバトンを受け取るのはマドリーらしいロマンがあってとても良い。

 

レアルマドリードは、勝利ももちろんだが、サッカー界におけるロマンを振りまいてほしいと常に思っている。

 

 

互角の前半

ジダンと同じく中盤アンカーにカゼミーロを置いた4-3-3の布陣で昨シーズン残留を果たしたアラベスのホームに乗り込んだ。

3枚しかいないCBを全員起用し、新加入アラバを左SBでスタメンさせた。

アンチェロッティになったことでの変化はあとで話すとして、守備に回った時はモドリッチが1列前に上がって4-4-2を作る。

WGのアザールとベイルも下がらせ、しっかりと守備をさせる意識は最初から見られた。

 

 

久しぶりに観客の入ったラ・リーガ

 

その観客の後押しを受けたのはホームのアラベスだった。

 

GKのクルトワからのゴールキックではフィールドを縦に圧縮し、マドリーのビルドアップに対して5人でプレスをかける。

攻撃後の守備への切り替え(ネガティブトランジション)も非常に速く、コンディションも含め、攻守の切り替えはマドリーよりも高かったと思う。

ゴールキックスローインでは足元のパスをしっかり繋ぎ、マドリーのボールを奪ったら縦に速くとメリハリがついていた。

特に今シーズン加入したルジューヌが左CBの位置から効果的にサイドチェンジを繰り出していた。

攻撃時にSBやWGで幅を使うマドリーの戻りの遅さをついていて、効率的な攻撃に思えた。

 

レアルマドリードは、アラバが想像以上になじんでいて、攻守に渡って存在感を見せていた。オーバーラップもパスも高いレベルにあり、CBでのプレーも十分に期待させるほどだった。

クロースがいなかったので、ビルドアップはモドリッチのタスクに。

アラバのあがったスペースに下りてきてボールを受けていた。

今シーズンはモドリッチの負荷が下がってほしいが今のところフル稼働しそうで怖い。

 

前半だけで言えば互角。

いや、それ以上にアラベスのプレーの方がよく見えた。

 

 

マドリーらしさの後半

ベイルの何本かのシュートしかこれといって印象のなかったマドリーは、得意の「なんだかわからないけど、優勢になる」というらしさを見せる。

後半開始早々、アラベスのミスでポンポンとボールがベンゼマの前に転がり、それを決めて先制。

 

アラベスは自分たちのミスで自らを追い詰めるような格好になっていった。

強度の高くないサイドの守備の穴をつこうとしたまでは良かったが、その攻撃の展開に耐えられる技術と組織がまだそなわっていないように感じた。

 

 

前半とマドリーが変えてきたのは、右サイドの配置。

 

前半は、ベイルが外、バルベルデがハーフスペース、ルーカスバスケスが後ろと初期配置からあまり変わらないトライアングルを形成。そこからベイルが中央に動き、クロスのターゲットになったりミドルシュートを打っていた。

一方、後半はベイルがハーフスペースに入り、その後方にバルベルデ。ルーカスバスケスを開かせて、前半のバルベルデを頂点とした二等辺三角形から、ルーカスバスケスを頂点とした二等辺三角形へと形を変えた。

 

前半のベイルの積極的な外から中への移動とミドルシュートは、アラベス守備陣にベイルの存在を強く植え付けた。また、後半はベイルがそこまで積極的ではなくハーフスペースで顔を出してボールをはたいていく姿を見せていた。

これにより、右サイドはベイル含め、そこまで攻撃に転じてこないという意識を持たせた。

3点目のバルベルデのドリブルは、意識の緩急と言うのだろうか、気の緩みを意図的に作り上げたことで生まれたゴールだった。

 

結果としては4-1と圧勝した。

1失点は仕方ないと思ったが、78分に見せたベンゼマロドリゴの統率のとれてないCBへのプレッシングがあったように、まだまだおとして込めてないところがあるのは許容範囲なのだろうか。

 

とにかく開幕を勝利で始められたのは精神的にとても良い。

 

 

8月22日 vs レバンテ 3-3 Draw

バランスを見る

強豪チームから勝ち点を奪うことに定評のあるレバンテとの対戦が開幕2試合目でやってきた。

マドリーはカルバハルが怪我から復帰しベンチ入り。

モドリッチが内転筋を痛め出場不可。

インテリオールにアセンシオの可能性を示唆していたアンチェロッティだったが、インテリオールはイスコがスタメンとなった。

 

レバンテは、フォワードのソルダードグラナダから獲得したが、怪我によりベンチ外となっている。右SBのデ・フルートスは元マドリー。

 

前半は開始早々のベイルのゴール以降は、スコアは動かず。

 

 

マドリーは、主に左SBに入ったアラバと左インテリオールのバルベルデでバランスを取っていた。

ベイルとイスコのためにバランスを取る必要があった。

右サイドから中央に動くベイルとドリブルではがしてリズムを作るイスコは、ゲーム展開からすると必要な存在なので、アラバとバルベルデは彼らの動きを見ながらチームが崩れないようにポジショニングを取っていた。

 

アラバは、ビルドアップでは開いたり、イスコと位置を変えたりしてレバンテのブロックを動かし、ボールが前進できたら中央よりに位置し、被カウンターを防ぐようなプレーを見せていた。

バルベルデはイスコがドリブルで上がっていくし、ベイルが中央に動くため、少し低い位置で全体を俯瞰。

イスコが引いた位置で受けようとしたら一列前に上がるなど要所で気の利いた動きをしていた。

 

レバンテも悪くはなかったが、イスコのはがせるドリブルに合わせて後ろから選手が飛び出してくるので、きつかっただろう。センターライン付近まではボールを運べるのに、意外にもマドリーはそれ以降の残りの3分の2を固くし、侵入させていなかった。

 

そして相変わらずカゼミーロは恐ろしいぐらい適当なパスで観客を魅了する

 

守備合戦

守備(失敗)合戦の略。

 

後半開始15分で逆転される。

悪いのはだれだ。

今のところだれがラインを統率するのかよくわからないマドリー

だれかが寄せればそれにつられて全体が寄っていく”みんなでスライドしようぜ大作戦”は、レバンテの逆転ゴラッソを呼び込むプレー。

アラバがスーパーなのはわかったけど、アラバを基準にコントロールするとアラバのいるサイドに寄ってしまう、ということだ。

 

フィニッシュまでいけない展開で前半と逆の立場となったマドリー。

レバンテは、奪ってショートカウンター!で十分戦える。勝ち点獲得も近い。

 

マドリーは、前線のターゲットを外して、ヴィニシウス、ロドリゴ、アセンシオ、カルバハルを次々と投入。

おそらく中央からの展開は阻害されるから攻撃の基準をサイドにしたい狙い。

 

これが功を奏した。

サイドを基準にしたマドリーの攻撃は、レバンテからすると奪えればサイドから攻められるということなので、レバンテが少し前に出てきた。

これが守備合戦レバンテのターンとなった。

 

そして、73分のヴィニシウスのゴールはそんなレバンテからカルバハルがボールを奪ってカウンターだった。

ああ、なんともったいないことを…。

 

今日の試合はこれで終わらないのが守備(失敗)合戦の名がついた理由。

 

両チームはもう1点ずつ追加して3-3のドロー決着。

心配である。

 

チームを救ったヴィニシウスの2点目、チーム3点目のゴールはぜひハイライトを見てほしい。

ヴィニシウス覚醒か!とだれもが言いたくなるシュートのうまさ。

 

ジダンマドリーとの違い

2試合を終えて、明確にジダンマドリーとの違いが見えた部分があった。

 

1.ベンゼマとの距離

孤立していたベンゼマ支援を強化したアンチェロッティ大臣の政策は目に見えて効果があった。

 

昨シーズンまでのマドリーは、WGがサイドに張り付き、オフザボールの動きも少なかったので、ベンゼマがボールを受けに下りてきても下げるしかない場面が多かった。

しかし、この2試合はベンゼマの周りには衛星のようにWG+インテリオールが周回し、よりコンビネーションで攻めているように感じた。

ベンゼマ支援が成功すれば彼のピチーチも現実的な目標になる。

ライバルはヴィニシウスかな?だと良い。

 

2.ペナルティエリア基準の攻撃

ゴールからより近いところでシュートを打てば当然入る確率は高い。

ということなのだと思う。

 

昨シーズンまで、サイドで崩していざクロスを上げてもベンゼマしかターゲットがいないという状況が多かったが、今シーズンは必ずと言っていいほどベイルも中で競っている。まだ、得点にはなっていないが、クロスに対して常に二人が狙っているというのは守る方からするととても嫌な感じがする。

 

なので、ビルドアップから崩しまで左サイドに偏っているのは仕方ないのかも。

ショートカウンターでもっとベイルを活かしてもいいのに。

 

 

3.WGを含めた4-1-4-1の守備ブロック

WGのアザールとベイルをしっかり守備ブロックとして計算に入れた形で陣形を作っていた。

その強度は置いといて「今の時代、攻撃だけやっていていいのは、メッシとロナウドだけだよ。チャンピオンズリーグではネイマールとエンバペもめちゃくちゃ守備するだろ?」という脅しがロッカールームであったあとかないとか、非常に二人には効果抜群。

 

まあ、問題は後ろがミゲル君だったとき、左サイドの守備はアザールでもヴィニシウスでもかなり危うい。左CBの負担は大きい。

というのは次の3節ベティス戦を見た人は感じたはずだ。

 

ちなみにジダンマドリーでは、前から猛烈にプレスしていた。

怪我人が増えすぎてからはちょっと落ち着いたけど、CLでのマンシティとの試合は面白かった。

 

 

8月29日 vs ベティス 1-0 win

ヴィニシウスがレギュラーを勝ち取る

開始5分のヴィニシウスのプレーでご飯がおかわりできて、Twitterなら140文字×3ぐらいは書けそうな始まりだった。

アンチェロッティ開幕から2試合の左WGのスタメンにアザールを起用していた。

元々のポテンシャルもそうだし、マドリーが獲得に要した費用もそう。さらにはこのオフシーズンのアザールの調子を見て、アンチェロッティは期待を込めて、悪く言えば最後のチャンスをアザールに与えたのだと思った。

 

結果はこのベティス戦のスタメンのとおり。

途中出場ながら2試合でゴールという結果をあげたヴィニシウスが左WGのスターティングイレブンに名を連ねていた。

 

ペジェグリーニベティスは丁寧にビルドアップしながらもフェキルで速く攻撃することもできる。

よりサイドの守備は重要だった。

 

5分のシーンは、左サイドから大きく展開し、ベティスルイビルがドリブルしたところをスライディングで、ヴィニシウスがカットしたところから始まった。

そのままドリブルで持ち上がるヴィニシウスに、ベティスはたまらず足をかけたがか彼は倒れずにドリブルを続行。

ベンゼマとうまく背後を取り、緩急のみを使ってディフェンダーを振り切るとフリーのベンゼマにラストパス。

得点にはならなかったが好調なのが見て取れた。

 

ベンゼマだけでなくヴィニシウスも得点源となればレアルマドリードはもっと強くなる

 

ヴィニシウスが来てから何度も言っているが、彼が得点能力を備えたら世界一になれると思っている。

ドリブルの技術だけで言えばネイマール、メッシと別に比較しても良いぐらい。

ゴールに直結するドリブルが圧倒的に少なく、シュートに苦手意識を持っていることがヴィニシウスの最大の弱点なのだ。

 

それがもし今シーズン克服されれば、アザールは置いといて、最高のアタッカーが生まれることになる。

 

ちなみに守備面でもだいぶ改善され、状況に応じた守備でのプレー選択ができている。

アタックするところ、引くところ、我慢するところなど。

このシーンもミゲルがすでに後ろに対応できる状態にいたのが確認できていたからスライディングでボールを取る選択をしたのだと私は思う。

 

狙われるところはいつも同じ

いつも同じ。

 

3試合ともWGの戻りの遅さを突かれている。

 

ベティス戦も例にもれず。

例えばマドリーの攻撃後、左サイドでベティスがボールを持つと、右サイドではボランチの選手より高い位置に右SBが上がっている。

戻りが遅いので簡単にサイドチェンジ。その対応にミゲルが追われる。アラバがそのスぺースを埋める。というスライドが発生。

及第点はヴィニシウスのみ。

ベイル、アザールロドリゴはもう少し、いや、めちゃくちゃがんばってほしい。

 

あとは、モドリッチ、クロースがいないときのビルドアップの問題。

カゼミーロはバルサブスケツマンチェスターシティのフェルナンジーニョではないので、気を利かせてプレス回避に参加してくれるわけではない

 

仕事を理由にいつも父兄参観に来ない父親のように何かに理由をつけて姿をくらましている

イスコはパスでリズムを作るタイプではないので、オープンな展開とそうでないときではインテリオールを任せられるタイミングが変わる。

少なくともベティス相手には厳しい。

中央でボールロストすると終わる。

まあ、しかしだれかが困っているときに手を差し伸べてくれるのがカゼミーロで、彼はそのためにいるのだが。

 

 

おそらく人を選ぶミゲル

あまりの怪我人の多さで昨シーズンいきなりレアルマドリードトップチームの試合に出ろと言われ、思いの外やれていて将来を有望されている左SB。

空間把握能力が抜群で、下りてくるベンゼマの足元にミドルパスを精確にあてられるほど冷静で状況が見えている。

今日のベティス戦もおそらくベティスはミゲルが持った時は他よりも強めにプレッシャーにいくようにしていた。それでも崩れなかったのは素晴らしいと思う。

 

ただ、万能型ではないから、パスコースなくて自分で打開するのは厳しく(メンディーはわりと可能)ベンゼマのように下りてくる人が必要。(アザールとヴィニシウスは遅い)

 

まだ若いので、プレーが成熟していないのは当たり前。

モドリッチやクロースがいるマドリーで多くプレーさせて、慣れてもらいたい。

その点で言えば守備面でフォローが期待できるアラバとのペアは理想的。

左サイドで詰まった時に何かしら打開策を得るまでは失敗してアラバにフォローしてもらうのが良いだろう。

 

 

余談だけど、CBにアラバが入るとタスクが多すぎる

右にミリトン、左にミゲルくん、前にはカゼミーロとイスコだった。

ミリトンのカバーリング、ミゲルとイスコのフォローだけでなく、パサーにもなる必要があった。業務量過多。

怪我をしないことを切に願う。

 

 

エンバペに見るマドリーの価値

移籍市場がそろそろ閉幕する約1週間前。日本にもあるニュースが報じられた。

 

レアルマドリード エンバペ獲得にPSGへ1.6億ユーロの公式オファー

 

レアルマドリードがついに動き出した!

と、マドリディスタだけでなく世界中がざわめきだした。

 

今夏はマンチェスターシティが投じたグリーリッシュへの1億ユーロ、チェルシールカク獲得にと費やした9500万ユーロが高額な取引だった。また、バルセロナの杜撰な経営体制により、ラ・リーガにとっても価値のあるメッシが退団し、PSGが射止めた。

サッカービジネスはオイルマネーや国家資本に支配され、今後も長くプレミアリーグ+PSGが中心となるだろうとだれもが思っていた。

 

そのふざけた世論に一石を投じた、いや、元々考えていたかのように満を持してエンバペ交渉のテーブルにPSGを引っ張り出したレアルマドリードのペレス会長。

私のTwitterのタイムラインではそれはたくさんの人が驚きと称賛、そして多くのペレスの思惑の推測が流れてきた。

 

結局、PSGは1.8億ユーロまで引き上げられた移籍金にたいしても首を縦に振らなかった。

カタールワールドカップへの広告塔としてのPSGの役割を考えると来年に迫った今のタイミングでPSGのアイコンであるエンバペをレアルマドリードに売却するというのはカタール側が納得しなかったと私は見ている。

金の問題ではない。というわけだ。

 

と、まあエンバペ獲得バトルは検索エンジンSNSで検索すれば経過も結果もいくらでも出てくるのでここら辺にして、マドリーにとってもっと大切なところを書いてみようも思う。

 

 

エンバペは今シーズンでPSGとの契約が切れる。

今より好条件でPSGから契約延長の打診を受けているが、もうすでに3回拒否しているとの噂。

 

PSGでスターとしてプレーしているエンバペが、そのチームの懇願を振り切ってでもプレーしたいクラブ

 

 

 

それがエル・ブランコ レアルマドリード

 

 

 

多くのスタープレーヤーが口にする言葉。

 

レアルマドリードでプレーすることが夢だ(夢だった)

 

これこそがレアルマドリードのサッカー界での価値だ。

 

 

移籍市場最終日でマドリーにやってきたフランスの18歳カマヴィンガ。

PSGも狙っていた逸材であるが、彼は幼い頃からレアルマドリードでプレイしたいと夢見ていた

PSGだけでなく、ユベントスマンチェスターユナイテッドが興味を示して、獲得に乗り出していた。それでも彼のなかではレアルマドリードでのプレーがなによりも優先された。

まだ若い将来有望な選手がそう思っている。

これがどれほど素晴らしいことか。

 

これまで長きにわたり保持してきた栄光と名誉。

エレガントに勝利にこだわったその白い輝きが今もこれからもサッカー選手を惹き付ける。

ペレス会長は2000年からだが、その前からもレアルマドリードは栄光とともにあった。だれにとっても憧れの存在だった。

 

これまで在籍した選手たちの貢献がこのクラブを高め、真っ白なユニフォームを身にまとい、見せてきた光景はなによりもまばゆい。

 

マリアーノのようにレアルマドリードにしがみつく選手がいるのも気持ちはわかる。

アザールレアルマドリードのプレーを夢見ていた選手の一人だ。

 

マンチェスターユナイテッドのポグバ、ドルトムントのハーランドもいつかレアルマドリードでのプレーを夢見る選手の一人だとも言われている。

 

 

ジダン体制ではミゲルやブランコといった下部組織の選手の起用も見られた。今シーズンの補強の少なさから見るとカルロ体制でも若手選手の起用は十分あるだろう。

しかし、03年代からレアルマドリードを眺めていた者から言わせれば、若手の育成?マドリーに必要なのはスタープレイヤーの仲間入りができる選手。這い上がってくるべきだ。と思ってしまう。

 

 

移籍市場から見たジネディーヌ・ジダンの功績

レアルマドリードでもっとも成功した人物と言っても良い。

 

選手としてラ・リーガやCLを優勝し、世界一も経験。

監督してもラ・リーガだけでなく前人未到のCL3連覇。

獲得したタイトルの数でもちろんその監督の功績を語ることは可能だ。しかし、ジダン監督はレアルマドリードにもっと大きな功績を残している。

 

今夏までにレアルマドリードが選手の売却によって得られた金額が約2億ユーロにものぼり、そのおかげでエンバペ資金を工面できたと言われている。

 

売却した主な選手

ウーデゴー、ヴァラン、オスカル・ロドリゲス、レギロン、ハキミ、デ・フルートスなどなど。 

 

 

隣のライバルがなかなか形容しがたい経営をしていた中でここまで利益をあげられるのは数えるほどしかないだろう。

 

この経営を可能にしたのがジダンの功績だ。

 

チャンピオンズリーグで見事3連覇を達成したあとのジダンマドリーは苦悩が続いた

ジダンがフロントにたいして選手獲得の希望をどれだけ出していたかはわからないが、少なくとも満足の行く補強が行われたことは一度もなかっただろう。

 

一番の問題はクリスティアーノロナウドがマドリーを去ってから、マドリーにやってきた選手はなかなかフィットしなかったこと。

偉大な既存選手はトップフォームを維持し続け、世代交代の遅れたチームとも揶揄された。

 

しかし、ペレス会長の意向を汲み取り、財布の紐をがっちり締めたレアルマドリードを率い、ベテランと若手を起用し、怪我人が大量に発生しながらもやりくりをし、失点しようが得点をして勝つレアルマドリードから舵を切り、安定した守備で最小得点で勝てるチームを作り上げたジダンは本当に偉大だ。

 

さらに、一度は退いたものの愛するクラブが窮地に立たされたときに、厳しい状況であるにも関わらず監督として再度戻ってきたことをマドリディスタは一生忘れない

 

 

そういった意味でもジダンは銀河系レアルマドリードの一員なのだと思う。

 

 

予想フォーメーション

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怪我人みな戻ってきたときの今シーズンの基本メンバーはこうであってほしいというスタメン。

モドリッチの年齢を考えてフル稼働ではなくバルベルデが少しずつ主になっていくのが未来のマドリーを考えると良いと思う。

アザールではなく、ヴィニシウスというのはこの3試合でもはやゆるぎないものになったのではないか。

 

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一方で、プランBというか控えメンバーがこちら。

モドリッチは控えというよりはターンオーバーでしっかり出場してもらいたい。

ミゲルがどこまで成長するか、個人的に理想を言えば、ミゲルが基本スタメンに名を連ねてほしい。ブランコにももちろん期待している。

 

さて、問題はCFである。

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マリa……

これ以上言うと頭痛で声が出なくなるのでやめておこう。

 

来夏のエンバペに全力の期待を。

 

チャンピオンズリーグ

最後にチャンピオンズリーグの話題を出しておきたい。

8月中に行われた組み合わせ抽選会ではまたもセリエAインテルと同組に。

もうドローなんてしないでインテルとマドリーは初めから同じ組に入れておいてくれてもだれもなにも思わないのではないか。

 

マドリーは、インテル(イタリア)、シャフタール(ウクライナ)、シェリフ・トラスポル(モルドバ)が同居するグループD。

シェリフだけ本当に初めて聞いたチームなのでまったくわからないが、他2チームは昨シーズンも同じグループだった。

昨シーズンは、マドリーが1位、シャフタールが3位でヨーロッパリーグにまわり、インテルが最下位という結果に。

 

インテルはこれにより国内に専念することができ、スクデットユベントスから奪還している。しかし、ルカク(チェルシー)、ハキミ(PSG)が抜け、コンテが退任。

新しくシモーネ・インザーギが監督となったインテルは同じようにマドリーを苦しめるのか。

ちなみにハキミは元マドリーの選手。今の右サイドバックの現状を見るとなぜ、ハキミを残しておかなかったのか理解ができない。あの当時でさえ、カルバハル以外にいなかったというのに。

 

シャフタールは、監督が注目ポイント。

イタリアのフランチェスコ・デ・ゼルビ

サッスオーロを率いてチームをセリエAでも戦えるチームに仕立てあげた監督。セリエA内でのステップアップも期待されていたなかでシャフタールに就任したことは、なにかシャフタールのプロジェクトやデ・ゼルビの野望がありそうで怖い

選手を眺めていたがシャルケにいたコノプリャンカしか知らなかった。が、ウクライナのチームはブラジル人プレーヤーをうまくフィットさせるチームが多く、若いブラジル人が何人かいるので、ヨーロッパの舞台で活躍し5大リーグにやってくる選手が出てくるかもしれない。そんなところも注目したい。

 

 

8月は長かった。

 

それでは!

《マンチェスターシティ》今シーズンを考える

こんにちは。

tadashiです。

 

 

 

今回は開幕3試合とCLの組み合わせからマンチェスターシティの今シーズンを考えたいと思います。

 

 

 

 

プレミアリーグでの振る舞い

昨シーズンのマンチェスターシティは、コロナによるCL集中開催の煽りを受け、チームとして未完成のまま、個々のコンディションは調整できていないままシーズンをスタートさせ、一時期14位にまで落ちる苦しい序盤を経験しました。

 

今シーズンもCL決勝で同リーグのチェルシービッグイヤーを目の前で掲げられ、シーズンオフに行われたEUROではデ・ブライネが怪我をしました。

グリーリッシュは獲得できましたが、ハリー・ケインは結局トッテナムに残留したため、ストライカーが不在のままシーズンが開幕ということになっています。(結局、アグエロを超えるストライカーの獲得は実現しなかった)

 

 

 

開幕3試合で2勝1敗

 

これをみなさんがどう考えるのかはわかりませんが、私は良かったと思います。

 

開幕戦はトッテナムに負け、次のノリッジアーセナルには大勝しました。

 

トッテナムはある程度までマンチェスターシティのボール保持を許容し、前線の3枚はカウンターに全神経を集中させる戦い方を選び、見事にマンチェスターシティを打ち破りましたし、ノリッジは逆に不用意に前に突っ込みながらも引いた時もスペースメイクにまんまと引っかかるシティが大好物な対戦相手でした。

アーセナルに関しては多くを語ろうとしてもアルテタは大丈夫だろうか、という言葉でとりあえず納めざるを得ません。

 

くわしくはこちら

tadashicity.hatenadiary.jp

 

 

開幕戦でトッテナムに完封されて嫌な流れとなりましたが、残りの2試合をともに5-0で終えました。結果としては点の取れない試合も点の取れた試合もありましたが、この3試合ともシティの戦い方が大きく変わることはありませんでした

偽SB、エデルソン経由のビルドアップ、サイドで幅を取りスライドさせ、縦パスを狙う、ペナルティーエリアの奥深くに侵入し、触れば入るパスを出す。

形作られたマンチェスターシティの攻撃は揺らぐことはありません。それが封じられようが、いまいが。

 

 

このようにシティ自身はリーグを通して戦い方を変えずに、対戦チームの戦術がペップシティと相性が良いか悪いかという結果でリーグは展開していくと推測されます。

 

現段階の戦力で言えば、負けている状態で得点の切り札となる選手がフォーデンぐらいしかいないことから負けていても勝っていても前半から後半までそこまでスピードを変えることなく進めてくるだろうなというのが私の目論見です。

これまで通り下位チームには大勝すると思いますし、どの監督にもシティの2-3-2-3対策を取られると思いますが、そこはもう戦術と配置で殴るという物理攻撃ではないかと思われても仕方ないほど徹底的に「ペップシティ」でシーズンを戦うでしょう。

 

 

CLの組み合わせから考える

グループリーグの組み合わせは以下


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マンチェスターシティは、グループAに入り、PSG(フランス)、ライプツィヒ(ドイツ)、クラブ・ブルージュ(ベルギー)との組み合わせとなりました。

この3チームで、グループ2位以上を争うことになりました。

 

過去の対戦成績

それでは、これまでのこの3チームとの対戦成績を見てみましょう。

 

【PSG】3勝1分0敗

【LEIPZIG】今回初対戦

【CLUB BRUGGE】今回初対戦

※一応、監督も調べましたが対戦なしでした。

 

マンチェスターシティは、3チーム中2チームと初対戦になります。

ライプツィヒのような縦に速いラングニック派のチームにはあまり良い印象がありません。2シーズン前に所属していたアンヘリーニョも力をつけてシティに挑むはずなので楽しみですね。

 

初対戦ということはペップの奇策が発動する確率も低く、安心して試合を見ることができます。

なぜそんなことが言えるかというと、ペップの奇策には独自に編み出されたリスペクトポイント(通称:RP)が関係してくるので、初対戦であればそのRPが0だからです。

 

日程

日程もすでに発表されています。


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おそらくこのグループで鍵を握るのが、クラブ・ブルージュとの試合です。

シティは、6試合の真ん中2試合をクラブ・ブルージュと行いますので、この結果によっては、11月12月という過密日程に入っていく時期にフルメンバーで戦う必要が出てくるので、かなり重要な2試合となります。

 

 

プレミアリーグの日程との兼ね合いはどうでしょうか。

 

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矢印はカタールワールドカップ予選を表しています。

このカレンダーとプレミアリーグの日程を見てもらうとわかるのは、9月28日(日本時間では29日)PSGとの初戦が最もタフな時期となります。

 

プレミアリーグチェルシーと試合をしたあとパリへ移動し、その後リバプールとの試合です。この3試合すべてがアウェイゲームとなり、試合だけの疲労ではなく、移動による疲労も重なります

ここから先は、代表選手を多く抱えるシティは、中3日、4日で試合をこなしていく選手が増えてきます。

 

ペップがどんな奇策対策を実施してくるかを期待したいなと思います。

 

 

 

戦術的アプローチの新たな側面

デ・ブライネとフォーデンが怪我で不在とはいえフルメンバーで3試合を戦いました。

 

そのなかで見えた新たなアプローチを見ていきましょう。

 

SBというポジションの破壊

少しだけ大げさな見出しにしてみましたが、ペップがバイエルン時代から試行錯誤を続けていた”偽SB”がいよいよ”偽”ではなくなるというのが今シーズンのマンチェスターシティです。

 

一昔前のSBと言えば、攻撃では主に大外レーンを担当し、タイミングよくオーバーラップをしてサイドを駆け上がり、クロスをあげてアシストというのが役割でした。

大外レーンを外れるのは、ディフェンス時のスライドぐらいでした。

 

では、マンチェスターシティのSBについてここ3試合を見てみます。

 

平均ポジション

1.vs トッテナム

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2.vs ノリッジ

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3.vs アーセナル

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この平均ポジションとシティの戦術から読み取れることをまとめます。

 

・ビルドアップでは、内側に絞りCB+GKからのパスの選択肢の1つとなる

・前にいるWGとの連携で、大外レーンとハーフスペースを使い分ける

・大外レーンにいくのは攻撃時のボールが相手陣内に運べてから

 

 

1つ目については、およそセンターハーフやアンカーポジションの選手の役割です。

ビルドアップが手詰まりにならないように、自分のポジションで相手を引きつけ、常に複数のパスコースをCBに与える役目です。

 

2つ目、3つ目については、WGやSHの選手の役割です。

ピッチを広く使うために幅を取り、サイドを起点にゴールに迫る役目です。

 

 

つまり、何が言いたいかというと、もはやペップシティのチームにはSBがいないのです。いなくなったと言ってもいい。

そこにはSBという名前のスタートポジションを持った、ミッドフィルダーサイドアタッカーの選手がいるだけと言えてしまうと思っています。

 

 

恐ろしい未来

個人的にはそれはそれは恐ろしいことだと思います。

これがスタンダードにならないことを願うばかりです。

SBというポジションの選手を育てる指標が完全に消滅する可能性すらあります。

 

中盤やサイドアタッカーの選手を育て、ビルドアップから崩しのシステムに合わせて選手を配置したときにたまたまSBというポジションになる、というぐらいの意味しか持たなくなってくるような気がします。

 

まあ…シティのIHで下りて強力な潤滑油(就活では死語)となれるのがベルナルドしかいないので、(そうしたのはペップですが)SBがやらないとだれがパス出すんでしょうか、という状況です。

 

さて、SBの未来はどこにあるでしょう。

 

 

 

レジスタエデルソン

システム表記の罠

2,3年前に元バルサインテル、そしてPSGに所属していたチアゴ・モッタが、PSG U-19を率いていたときに、GKも含めてシステムを表記した2-7-2という数字の羅列に驚いたのを覚えています。

 

その時にはさすがに「奇をてらうのは良いけど、それはないだろう」と思っていました。

 

しかし、

 

もしかしたら、ペップシティのビルドアップはそのようなシステム表記になっていくのではないかというお話です。

 

 

アーセナル戦のあるシーンを切り取ってみました。

18分のシーンです。

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エデルソンが両CBよりも前に出てボールをキープし、下りてきたベルナルドとパス交換をします。

ハーフラインよりアーセナル側は見えないのでわかりませんが、開始から人に意識を置いて守備をするアーセナルだったので、おそらくマンツーマンかと思います。(ジャカとホールディングが逆)

 

アーセナルは守備では5-3-2となり、前のオーバメヤンやサカがCBを見るタスクとなっていたはずです。後ろの3枚はそれぞれシティの中盤3枚を見ていました。

このようにエデルソンがCBよりも高い位置でボールを触ることでどのようなことが起こるでしょうか

 

 

 

答えは簡単です。

フィールドが11vs10になってしまうということです。

※上の空白を選択し、ドラッグしてみてください。答えが浮かび上がります。

 

 

 

元々、CBをそれぞれ見る予定だったオーバメヤンとサカは、フリーのまま少しずつボールを動かすエデルソンを無視するわけにはいきません。

 

だれかがエデルソンにプレスをかける必要性が出てきます。

そうすることで、フィールド上のどこかで必ず1人フリーになります。

おそらくアルテタが仕込んでくる人に強く意識を持った守備をスカウティングし、フィールドの人数を増やすというアプローチをペップがしてきたのだと思います。

 

ちなみにここでは、スミスロウがベルナルドを追ってそのままエデルソンにプレッシャーをかけました。

エデルソンが引きつけてパスをしたもののスミスロウの足に当たりあわやゴールとなりかけました。

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恐ろしいのは、あれだけ詰められた状態でもエデルソンがロドリへのパスを狙っていたことです。

このシーンでは、だれもがスミスロウのプレッシャーにたまらず横パスを選択すると思いますが、エデルソンはその先の展開を予測してパスを選んでいました。

もし、エデルソンのパスが成功していたとしたらどうなっていたでしょうか。

 

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一気に4人置き去りにされてしまいました。

 

フィールド上の人数を増やして、相手に判断を促し、空いたところを攻めていく。

 

昨シーズンから少しずつ見せていたエデルソンの持ち上がりも今シーズンは増えてくるかもしれません。

 

エデルソンはGK?

今のマンチェスターシティのビルドアップは、エデルソンの存在がかなり大きくなっています。

エデルソンを含めたサイドチェンジや縦パスは相手の守備組織を破壊し、よりスムーズにフィニッシュまで進むためのバニラエッセンスのようなものです。

 

最近になってようやく、マンチェスターシティは、エデルソンがビルドアップに絡む時間が少ないほど成績が良くないことに気が付きました。

 

さっそく開幕3節でもはっきりと見えたので紹介しておきます。

 

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左:トッテナム戦 右:アーセナル

まずは、パスを出した位置のプロットをピッチ内に落とし込んだものです。(参考:WhoScored.com)

敗戦したトッテナム戦ではほとんどのパスがペナルティーエリア内で行われていて、大勝したアーセナル戦は、半分ぐらいのパスがペナルティーエリア外から行われているのがわかります。

 

続いては平均ポジションです。

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開幕3試合と大敗した昨シーズンのレスター戦を持ってきました。

すべての試合を整理したわけではないのですが、傾向はしっかりと出ていることがわかると思います。

エデルソンが高い位置を取ったり、ボールに多く触れてビルドアップに関与することがシティのサッカーを体現するための要素の1つのようです。

 

レスターのロジャース監督は、シティのビルドアップからエデルソンを排除する、という戦術により見事にマンチェスターシティを倒しています。

このエデルソンを排除する、というのがシティの攻撃の一連の流れにエデルソンを関与させない、ということになり、シティの攻撃は停滞。

カウンターを何度も浴びて負けてしまったということです。

 

 

ポジションがシームレスになってくるペップシティ。

冗談ではなく、エデルソンがSBをやる日も近いかもしれませんね。

 

 

 

 

 

デ・ブライネが怪我をする時期を考える

デ・ブライネの近年の稼働率

ここ数年のデブライネはシーズンをフルで走り切ることがありません。

クラブ、代表と連戦により、体だけではなく心までも疲れ果ててしまう傾向にあります。

特に年末年始はデブライネがインタビューなどで過密日程に対して不満を漏らし、その後の試合で怪我をするというパターンが恒例となっています。

 

ここ数シーズンのデブライネの稼働ぶりを見てみましょう。

 

 

17-18 プレミアリーグ 37試合 CL 8試合

ロシアワールドカップ 6試合

18-19 プレミアリーグ 19試合 CL 4試合

19-20 プレミアリーグ 35試合 CL 7試合

20-21 プレミアリーグ 25試合 CL 8試合

EURO 6試合

 

 

今のデ・ブライネは国もチームも背負っていて、そんなストレス下で結果を残し、ここまで試合に出ているのは立派の一言です。

 

ロシアワールドカップのあとの怪我による長期離脱、昨シーズンの中盤での数ヵ月の離脱が注目されますが、デ・ブライネはそれだけでなく細かく休みを取っています。

 

今シーズンも少なくともリーグでは5試合以上の欠場を考慮しておく必要があると勝手に考えています。

 

 

現在の状況

すでに2試合の欠場です。

昨シーズンCL決勝チェルシー戦で、後半にリュディガーに受けた眼底の負傷からEUROポルトガル戦での靭帯の損傷。

デ・ブライネはいまだに万全な状態でピッチに戻れていません。(レスター戦ではベンチに入れるようです)

12月から離脱を繰り返し、2月、4月、5月、7月と怪我により離脱をしています。

 

十分すぎる休養を得られたとも言えますが、試合に出ていない時間の長さはこれから始まる過密日程を考えるとネガティブなものになりそうです。

 

デ・ブライネは疲労の蓄積がプレー精度に顕著に表れるプレーヤーなので休息は必須。

怪我をしていなくてもしていてもある程度のタイミングで休むことになると推測します。

 

 

怪我のタイミング

それではデ・ブライネがおよそどの時期に怪我をする(休息をとるか)考えてみます。

サッカーカレンダーに再登場してもらいましょう。

 

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大本命は9月下旬のチェルシー→PSG→リバプールのアウェイ3連戦の後でしょう。

おそらくリバプール戦後に、自身の疲労について言及し、代表戦で足首を痛めると思います。

 

 

対抗馬は、年末です。

例年プレミアリーグもCLもない週に国内カップ戦が入りますので年末年始に休みはありません。

ここら辺でデ・ブライネがイングランドの過密日程に苦言を呈し、僕らもスーパーマンじゃないんだ…みたいなことを言って年始の試合で右足鼠径部を痛めるでしょう。

 

 

ダークホースは、次節で復帰し、シーズン終了まで離脱がない、です。

デブライネはかなりゆっくりと休養を取ることができました。

その間にグリーリッシュが加入し、手薄だったIHのポジションを高いレベルで担えるプレーヤーだということもわかりました。

デブライネが毎試合出場し、ネガトラもポジトラも全力でやる必要はないのです。

しっかりと出場時間をコントロールすることで、適度な負荷と緊張感を保ったままシーズンを走り切ってもらうことが可能です。

 

 

さて、世界中で私しかやっていないであろうデブライネの「いつ離脱する?」は、どういう現実が待っているでしょう。

 

 

ビッグイヤーのために

そろそろまじめな話をして終わりたいと思います。

 

ペップは昨シーズン2年の契約延長をクラブと交わしました。

これにより2023年までペップシティが続いていくことになります。

 

それはつまり、ペップシティが初のビッグイヤーを掲げるチャンスは今シーズンを入れると残り2回ということです。

 

 

マンチェスターシティはペップのもとでトレーニングを積み、戦術を叩き込まれ非常に安定した勝利をプレミアリーグで積み重ねていきます。

この結果は、みなさんご存知のとおり、この4年間で3回プレミアリーグを優勝することを可能にしたことで大成功となっています。

 

では、ペップシティがプレミアリーグを優勝した年のチャンピオンズリーグの優勝チームを見てみましょう。

 

 

17-18 レアルマドリード (ジダン)国内リーグ3位

18-19 リバプール  (クロップ)国内リーグ2位

20-21 チェルシー (トゥヘル)国内リーグ4位

()は監督名

 

安定したリーグでの戦い方はチャンピオンズリーグの優勝になんの関係もありません

必要なのは爆発力、高いモチベーション、そして勝者のメンタリティです。

 

そんなことはだれもが知っています。

 

 

 

じゃあ実際にCL優勝に必要なものはなにかと言えば「大舞台での理不尽オーガナイズ」でしょうか。

プレミアリーグで勝つには、もう十分すぎるほど安定してますし、下位チームにはエデルソンが絡めば目を閉じていても大勝できる。

 

トーナメントという負けたらそこで終わりな大事な一戦で安定を崩すことをペップが許容できるかだと思います。

 

私はそれを”理不尽オーガナイズ”と呼びたいと思いますが、つまり、配置でもいい、戦術でもいい、選手でもいい、試合の中に理不尽を作れるかがビッグイヤーを掲げられるかのポイントになろうかと考えます。

 

と、ここで上にあげたCL優勝チームを見てみると、それはそれは理不尽さに固められた理不尽さで勝利をもぎ取るようなチームだということがわかります。

 

レアルマドリードは、理不尽を集めたチーム。説明も不要です。

 

リバプールも同様。ゲーゲンプレスというピッチ上にカオスを意識的に作り出す戦術と、マネとサラーというこれまた理不尽なアタッカーにより理不尽のオンパレードです。

 

最後にチェルシー。途中就任からビッグイヤー獲得なんて理不尽以外の何者でもないですよ。シティの安定したビルドアップもカンテという理不尽なボールハンターにより封じられました。

 

理不尽のゲシュタルト崩壊に陥りそうです。

 

 

さて、マンチェスターシティには相手チームから理不尽と恐れられる選手が果たしているでしょうか。

 

・デ・ブライネ

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気持ちはわかります。しかし、得点を決められる選手がいて初めてサッカーは勝てるスポーツです。チャンスを生み出すだけではだめです。

 

ここではっきりと言っておきますが、私はデ・ブライネの0トップは断固として反対です。

デ・ブライネが真ん中にいて点が取れるわけではないすし、ポゼッションを高めるだけ高めて調子の良い選手が調子の良さで点をとるのは、CLの一発勝負の戦いでは厳しいと感じています。

 

・フォーデン

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これもわかります。しかし、彼にはまだ経験値が足りない。もう少し。もう少しなんです。もう少しで爆発すると思うんですが、今シーズンのCLではないと思っています。しかし、可能性があるとすればフォーデンだと思います。

 

 

おそらくウォーカーが二人いれば、理不尽オーガナイズが可能で守りきれるチームになるでしょう。

なにかひとつでも爆発的ななにかを。

これがマンチェスターシティのビッグイヤー獲得の条件です。

それ以外はもうすでにペップがもたらしてくれているはずです。

 

 

ストライカー不在、本職左SB不在のマンチェスターシティは、今シーズンどれだけの栄光をファンたちに届けられるのか。

始まったばかりの新シーズン楽しみに見ていきたいと思います。

 

それでは!

ManCity -August-

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引用:Mancity公式Twitter

こんにちは。

tadashiです。

 

 

 

 

8月8日 コミュニティシールド vs レスター 0-1

プレミアリーグFAカップの優勝チーム同士が争うシーズン初めのタイトルマッチがコミュニティシールド

一応、レビューを書いてみたがほとんど日の目を浴びなかった。

 

tadashicity.hatenadiary.jp

 

このオフシーズンは、EUROあり、コパアメリカあり、オリンピックあり、と代表選手を抱える強豪チームは苦労するオフとなる。

ちなみに来年の夏はカタールワールドカップがある。

来シーズンも同じ状況になりそうなことは容易に想像できる。

 

想像はできるもののそれに合わせて選手を選ぶことはできない。だれもが代表選手になりたいはず。

そもそも来シーズンの始まりにコミュニティシールドに出ているなんて保証は どこにもない

 

 

 

8月16日 プレミアリーグ第1節 vs トッテナム 0-1

プレミアリーグ開幕戦。

 

ハリー・ケインがどちらのチームで開幕を迎えるのか!なんて言っていたが彼はベンチ外。

試合はトッテナムの新監督がなんとも効率的な、実践するプレーヤーはとてもしんどいカウンター戦術で見事に勝利した。

 

3トップが守備に回らず、中盤3枚が全力のスライド。

スターリングに集めて、タンガンガでスターリングのドリブルをタンガンガすることで、ボールを回収するスターリング以外には通用しなさそうな無慈悲な戦術でマンチェスターシティの攻撃をシャットアウト。

昨シーズン大敗したレスター戦を思い出させるほどCBには自由にボールを持たせていた。

 

tadashicity.hatenadiary.jp

 

開幕戦から戦術バトルが見られるとは思っていなかったので心躍ってしまったのが正直なところ。

 

 

 

シティは、というと、メンディー偽SB継続中

まだまだ荒削りながら挑戦する姿勢は評価したいが、アンカーの横で受けて、ターンに手こずるようでは戦術に組み込めるか未知の領域

相変わらずケイン以外にCFを狙いにいかないフロントの姿勢は挑戦と呼んでいいのかはさらに未知の領域

このオフと開幕戦ですでに不可思議な動きを見せるマンチェスターシティ。

 

そうそう。

試合を見ながら書いているメモに「シティにはパスの出し手がいない」という言葉が書いてあった。

このトッテナム戦はまさにそうだったと思う。

グリーリッシュまでも前に出てトッテナムを崩そうと試みるが、そもそも引いてカウンターの相手にシティの選手まで前に群がったらスペースはなくなる

左SBはメンディーだし、フェルナンジーニョだけはトッテナムの3トップが消していたので、工夫されたフェイクのパスが一向に入っていなかった。

これではペップシティはきつい。

 

後半、デブライネとジンチェンコが入ってようやくパスが出るようになったが遅すぎた。

トッテナムは最後まで「攻められてもどこかで奪ってカウンターすればいい」という姿勢は崩さなかった。

 

 

それにしても観客の帰って来たスタジアムというのは熱狂的で感動的で、サッカーはスタジアムの熱が込みなんじゃないかと思うほど。

どう攻めてどう守るかなんて考えずに狂喜乱舞した方が楽しいに決まってる。

 

 

ちなみにマンチェスターシティ。CFがいないまま次節にはさらにとんでもないことになる。

 

 

8月23日 プレミアリーグ第2節 vs ノリッジ 5-0

ものすごく相性の良い相手ノリッジ

今回の対戦も余裕綽々でした。

 

しかし、スターティングメンバーは、フェラントーレス1トップ、WGグリーリッシュ、ジェズス。

唯一のCFジェズスをわざわざWGで起用し、WGとして獲得したフェラントーレスをCFで起用するペップ。

 

だって、CF足りないんだもん。というペップの声が聞こえてくる。

 

Not enough.…Not enough.

(わかる人にわかる、ペップの同じ単語二回目に間を空けてゆっくり言うやつ)

 

試合は、昨シーズンもプレミアでシティと対戦してたよね?と昨シーズンの対戦表を確認してしまうほどノリッジがまるでマンチェスターシティと初対戦のチームかのような振る舞いでぼこぼこにされていた。

 

5レーンを埋めるシティに4バック+左WGラヒカで対応。

スペースメイクの動きにつられてパスコースを空け放題。

 

パサー ウォーカーが誕生し、あろうことかジェズスがWGとして非常に軽快な動きを見せた。

 

ジェズスは得点に対してドライだ。

かつて所属していたジェコ、バロテッリアグエロなんかと違ってチャンスメイクでも十分だと思っているように見えた。

献身的に守備もするし、ボールをキープできるし、さらしてかわせるし、WGで開花しそうだなとは思う。

思うけど、じゃあCFはどうするの?という問題に直面したまま、マンチェスターシティはトッテナムに交渉を依頼するがレヴィ会長どうしても首を振らない

気づいたらSNSで、ケインが残留を宣言してThe End

 

試合だって5-0である必要のない試合でもあった。

ベルナルドがスタメンで、彼の動きがシティの攻撃を円滑に運ぶことが十分に示され、カンセロが入った左SBは、驚くほど困難がなかった。

 

2試合続けて試合に出たグリーリッシュは1年目のジレンマがなさそう。

さっそく初ゴールを記録したし、左ワイドで右足でつっかけるドリブルはテンポが独特で奪われにくい。インサイドハーフもできるのは疲れたデ・ブライネを休ませられるのでプラス。

 

パルマーが68分に出場。

グリーリッシュのサイドでインサイドハーフで出場。

約25分のプレーで見えたのは機動力の高さ。これぞシティの選手と言えるチャンネルランはもはやユース選手は体に染み込んでいるのでは。

身長が高く、ハイボールの処理に期待できるならより使われるかもしれない。

 

 

少しだけノリッジの話をすると、チェルシーからギルモアをローンで獲得し、この試合は4-3-3のアンカーで出場。

けっこう楽しみにしていたけど、シティが全然手を抜いてくれないのでギルモアの良い部分が見えたとは思えない。

シティ相手にもGKから繋ごうとする意識がチームに共有されていたけど、シティはノリッジの高いSBにIHのスライドで対応していて後ろはしっかり人数を余らせていたので、ボールを運べてもあまり続かなかったノリッジ

 

ただ、ビルドアップの整備するぐらいなら守備をもう少し見直した方がいいのでは?と思わざるを得ない結果だった。

 

 

8月29日 プレミアリーグ第3節 vs アーセナル5-0

窮地に追い込まれたアルテタ。

 

さっさとおれのところに戻ってこいよ、と言わんばかりに、前半の内に一人少なくなったアーセナル相手に守備ですらもさぼらず5点も叩き込む鬼畜の極みペップシティ。

 

まず、良かったことは開始早々に得点をあげられたこと。

アルテタのプランを崩し、ピッチ上のアーセナルイレブンに焦りと不安を与えられた。

 

ベルナルドはいったいどこにいるのが正しいポジションなのかわからないほどとにかくフォローに走り回っていた。

これこそがベルナルド。

 

7分の先制点はそんなベルナルドがビルドアップのフォローに入り、ギュンドアンとパス交換して、右サイドのジェズスに大きく蹴りだす。

だけでは飽きたらずボールをキープするジェズスのフォローに行き、DFを自分に寄せてからジェズスがダイレクトでクロスの上げられる優しいパスでプレアシスト。

クロスは思いの外緩いボールでシティをよく知るアルテタアーセナルは面食らって、ペナルティエリア内でCBが被ってしまいギュンドアンがヘディングで沈める。

冨安がアーセナルに決まったようで、まずは山なりのクロスにかぶらないでクリアできることがスタメンの条件か

 

開始早々はアーセナルもプランを練ってやってきたのが見られた。

5分のところでは、左サイドから右、左とシティDFを揺さぶってクロスを上げている。

 

 

15分間シュート2本で2点。

決定率の悪さが異様に目立つシティにとって驚きの数字。

この2失点ともなんでもないディフェンスのミスなのがこれまたなんとも悲しい。

 

試合が終わってみるとアーセナルは開幕3連敗。

無得点。

 

アーセナルがこの2試合無得点だったことはもちろん知っていたし、できればシティ相手のアーセナルを見て、問題がどこなのか探ってやろうと思っていたけど、前半でジャカが退場してしまい、なんだか悪いところがよくわからないまま5点も取られてしまった。

 

おそらくアルテタがやりたいことはすべてシティがやっている。

アルテタは今のところペップの下位互換としか見られない。

きつい言い方ではあるが、プレシーズンという時間を使ってもここまで攻守に戦術が浸透できないのは、選手と監督に共有するべき何かが欠けているとしか思えない。

 

 

後半は、ジンチェンコが出場

決定的な仕事はなかったが、この安定感はペップシティに絶対に必要な部分

カンセロ、ウォーカーで縦に急ぐのも、ジンチェンコのように横で揺さぶるのもどちらも好き。

 

エデルソンがついにパスコースを作るCBよりも前に出てボールを触り始めた

中盤でプレーする日も近い。

シティのビルドアップはもうエデルソンがいないと成立しないのでは。

 

とすると開幕戦のトッテナムや昨シーズンのレスターは非常に理にかなっていた

負けるな!今シーズンも進化だペップ!

 

 

そのほかの出来事

ペップ代表監督を希望

 

8月26日のペップの言葉。

「マンシティの7年間のあとは、休みを取ろうと思っている。少し立ち止まって、私たちがしてきたこと、インスピレーションを振り返ってみようと思う。そして、南アメリカやヨーロッパの代表チームの監督をやって、コパアメリカなんかでプレーしたい。そういった経験をしたい」

 

昨シーズン2年間の契約延長をして、最大7年間の長期政権が決まったペップシティ。

我々シティズンも、ペップがこんなに長く同じチームにいるなんてよほど居心地が良いんだなと思っていたところだけどやはりペップは常に先を、新しいことを考えていた

 

個人的には次はセリエAかな?と思っていたので意外でもあった。

ローマにいた時代はそこまで良い思い出ではなかったのだろうか。

今はだいぶイタリアも戦術的になったと思うが。

 

この発言の数日後、さりげなく弁明をしていて「もちろん残り2年以上いる(シティに)可能性だってある」と言っていた。

 

ペップが代表監督だと戦術を落とし込むのに合宿だけで足りるのか心配にはなる。

 

とにかくあと2年以内にCLを取りたい

 

 

ルベンディアス契約延長

今夏最大のシティズンの心の補強と言っても良いビッグニュースがこのルベンディアスの契約延長。

 

ベンフィカの若きポルトガル人を獲得したら、守れるわ、パス出せるわ、何よりコンパニー後のリーダーシップを発揮する選手となってくれるわ、とフロントは即座に交渉開始したのが良い話すぎてできすぎている。

 

それに飽きたらずルベンディアスは、チャンピオンズリーグのベストディフェンダーを受賞。

 

完璧すぎる

 

どんなときもチームメイトのことを考え、まだ若いのにだれよりもチームを鼓舞する。

良い守備をしたときに、その選手を褒める姿は完全に「最高のボス」そのもの。

 

キャプテンになるのはいつですか?

 

マンチェスターシティに最高で最強なポルトガル人がいる間にタイトルを総取りしていきたい。

 

ちなみに何か弱点がないと不公平すぎて、シティを高みにあげてくれて大好きな選手なのに、「嫌いだ全部好きなのに」とBUMP OF CHICKEN藤原基央のようになってしまうので、少しだけパーソナルなところを調べてみた。


www.youtube.com

 

 

しかし

 

弱点がない。

 

ポルトガルでプロのシンガーをやっている彼女も美人でナイスバディ。

本人も素晴らしい筋肉と端正な顔立ち。

本当にドン引きするぐらいの異常性癖がないとバランスが取れない

 

いや、でも、マンチェスターシティにこれからも栄光をくれるのであれば喜んでそんな完璧なルベンディアスのこともずっと応援したい。

 

 

移籍市場での振る舞い

2008年に莫大な資本を手に入れ、大型補強を敢行してきたマンチェスターシティ。

しかしここ数年はお金はあるが、選手が来ない。というなんとも悩ましい状況になっている。

 

特に今シーズンはアストンビラからグリーリッシュの獲得のみ。(日本円で約150億)

 

逆に手放した選手は以下のとおり

アグエロ(→バルセロナ フリー)

エリック・ガルシア(→バルセロナ フリー)

 

 

欲しかったのに取れなかった選手

・ハリー・ケイン(トッテナム残留)

・ヌーノ・メンデス(PSG移籍)

 

ジェズスをWGで起用し始めたことで、本職CFと本職左SBがいない珍しいプレミア王者となっている。

 

さて、マンチェスターシティは今夏で、移籍市場における絶対的な経験値不足を露呈したと私は思っている。

それは遡れば、メッシがフリー移籍でシティに、という噂から始まっていたが、日本で追えた情報で今夏の動きをまとめてみる。

 

・ハリー・ケイン獲得のためにトッテナム レヴィ会長と交渉するもテーブルについてもらえず、ケインがSNSで残留宣言して終了

⇒もうこの時点で移籍市場は終盤に差し掛かり、プレミアリーグは開幕

 

・敏腕代理人ジョルジュ・メンデスにロナウドのユナイテッド移籍の当て馬にされる

ユベントスを退団することが決まったロナウドがシティと個人合意していると世界中で報道されたが、実際は古巣マンチェスターユナイテッドへ移籍。

 移籍金を出し渋ったのかそもそも当て馬にされたのかこのマーケットでは散々だ。

 

・本職左SBスポルティングのヌーノ・メンデスを移籍最終日にPSGに競り負ける

⇒PSGがシティの想定よりも多くお金を積んだのかわからないが、最終日に名乗りを上げ、ものにできないまま終わるのはファンとしては寂しい。

 

グリーリッシュが早々と決まったものの、それからほとんどケイン獲得に向けた動き意外の情報がなかった。

ふたを開けてみると、34人もの選手がローンで他チームにいっているようで、育った選手はいずれ売っていくというスタイルは変わらないかもしれない。

唯一の功績は、ストーンズ、ルベンディアス、エデルソンとの契約延長だろう。

 

 

8月はリーグの開幕、移籍市場のデッドラインがあるので非常に賑やかでエキサイティングな月。

 

9月からは国内外のカップ戦も入ってきたりしてもう少しバラエティーに富んだ内容になる予定。

 

CLの組み合わせ抽選会の話忘れた。

マンチェスターシティは、今夏マドリーと壮絶なエンバペバトルをしたPSG、アンヘリーニョがいるがバイエルンに監督とチームの要を強奪されたライプツィヒ、そしてベルギーのクラブ・ブルージュと同組。

 

 

それでは!

2年間に見る久保建英 ラ・リーガ第3節 マジョルカ vs エスパニョール

こんちには。

tadashi(ただし (@tadashi0716) | Twitter)です。

 

2シーズンぶりにマジョルカに帰ってきた久保建英

同じ昇格組のエスパニョールとの試合を見て、この2シーズンで見られた久保建英について書きたいと思います。

まったくもっての主観ですので、批判は快く受け止めます。

 

楽しんでいただけたら。

 

 

 

 

19-20シーズン

2019年の夏に久保建英は、JリーグFC東京からレアルマドリードへの移籍が決定しました。

ジュニア時代をバルセロナで過ごした久保は18歳にして禁断の移籍を体験。

プレシーズンでは、レアルマドリードのクラッキたちと同じピッチで堂々とプレーする久保の姿がありました。

 

しかし、18歳の日本人に対して、マドリーはレンタルでの武者修行を提案。

カルバハル、アセンシオ、ルーカスバスケスなども過去に経験していることですが、まずは試合の出られるチームで1部の試合に慣れていくという育成方針となりました。

 

マジョルカは12-13シーズン以来の1部でのプレーということもあり、年間を通して苦戦。結果的にマジョルカは1年で2部への降格が決まってしまいます。

 

この1年の久保の成績は35試合出場4ゴール4アシスト

 

チームの1部残留には貢献できなかったものの特にコロナ中断明けの久保の活躍は遠い日本でも十分に聞こえてくるほどのものでした。

古巣レアルマドリード相手に積極的にドリブルを仕掛ける姿にだれもが来シーズンに期待していました。

 

このシーズンのマジョルカは久しぶりの1部参戦ということろもあり、試合を支配する戦い方はできずに1部チームの攻撃を受け止めながらなんとかカウンターで手数をかけずにシュートで終わるといういわゆる弱者の戦い方で挑みましたが、9勝6分23敗の19位という成績で降格となってしまいました。

 

久保は主に右サイドを主戦場としていましたが、ボールを持つ時間は限らていました。

その中でインパクトを残そうと果敢にドリブル、パスにトライしていた印象です。

しかし、マジョルカの戦い方の性質上、前線右サイドでボールを持てたとしてもフォローはほぼなく、前線のクチョエルナンデスやブディミルが飛び出す、といったアクションしか得られませんでした。

また、基本的に「守備から」ゲームに入っていたマジョルカは、ボールを奪える位置も自陣後方であり、久保もその守備に参加してます。

そのため、前線に駆け上がろうとしても距離が長くいたずらに体力を消耗してしまい、ゴール前で決定的な仕事ができなかったと思います。

 

当時も在籍していたサルバ・セビージャやババ、ラゴジュニオールなど能力のある選手はいたものの今一つ久保とは合っていなかったし、欲しいタイミングでボールが出てこなかったというのも試合の中では見えました。

 

上でも書いていますが、この時の久保はボールを持てる回数も時間も限られていたし、フォローも少なく、チームとのコンビネーションもそこまで高くなかったため、ドリブルでの単独突破の回数が目立ったように思えます。

対峙した相手をかわすことはできてもそれがゴールにつながるわけでもなく、怖さが欠如したプレーであったことは間違いない。

終盤の中断明けからようやくそのドリブルの開始位置をゴール前に移すことができたので、怖さを作り出すことができるようになったのが、20-21、そして今シーズンにつながったと言えると思います。

 

 

マジョルカvsエスパニョール

20-21シーズンの久保建英

21-22シーズンもレアルマドリードEU枠の関係で、ラ・リーガ内でのレンタル移籍となりました。

多くのクラブが候補となる中、レアルマドリードと久保は2シーズン前に所属していたマジョルカを選びました

久保はインタビューの中で、マジョルカが僕を必要としてくれた、と言っていましたが、買取オプション付きのローン移籍にしなかったレアルマドリード久保建英を評価し、必要としていると思っています。

このレンタル移籍でのレアルマドリードとのやりとりで早くも来シーズンが楽しみになったラ・リーガファンは多いはずです。

 

 

さて、エスパニョール戦はマジョルカと久保の3試合目です。

20-21シーズンはビジャレアルヨーロッパリーグを経験したものの出場機会を求めてヘタフェへ移籍。

ボルダラス監督の負けないサッカーのためになかなか自分が求めるようなタスク、プレーができなかった久保は不完全燃焼のシーズンを過ごしたのは間違いない。

そんな中で始まった東京オリンピックでは開催国のエースとしてメダルには届かなかったものの4位で大会を終えました。

6試合3ゴール1アシスト。

国際大会U24とはいえ活躍を見せ、そしてぎりぎりでメダルに届かなかっただれもが経験できるわけではない最高の敗北を得た久保は大きな決意を持ってこのシーズンに入ったはずです。

 

チームへの合流が遅れた中でも開幕戦に出場。

2年前には見られなかったフィジカルを使ったドリブルを見せてくれるなど、少ない時間でインパクトを残していました。

第2節のアラベス戦はトップ下でスタメン88分間の出場。

シュートを一本も打てなかったものの、キーパス2本でボールタッチも多く、2年前よりもチームメイトからの信頼を得られているように思えました。

 

おそらくこの2試合で久保建英は、オリンピックの失意の感情を完全に断ち切り、心を切り替え、メンタル的にもフィジカル的にも素晴らしい状態になっているはずです。

 

 

キックオフ直後

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スタメン紹介では、4-2-3-1で久保建英がトップ下の予想でしたが、試合開始直後から久保建英は右サイドに入っていました。フェルナンド・ニーニョとダニ・ロドリゲスの2トップとした4-4-2でマジョルカは試合を開始します。

解説の方からも話がありましたが、エスパニョールが4-4-2で始まったところを見て、4-4-2をぶつけたてきたのだと思います。

 

個人的には右SBのマフェオとのコンビネーションが見られると思い、非常に楽しみではありました。

 

試合は全体を通してどちらに転ぶかわからない展開でした。

マジョルカは両SBを押し上げセンターの2枚とCBでボールを運びます。

一方のエスパニョールはそこまでSBは上がりません。マジョルカ久保建英、エムバウラというサイドアタッカーをかなり警戒しているようでした。

 

前半は中へ意識

久保建英は、前半非常に良いプレーを連発していました。

まずは9分のヘディングシュート

これはカットインからのシュートをフェイクとしたプレーで、パスを出した後に大外に走りこんだ久保に進化を感じました

 

それと21分のニーニョへのラストパスも素晴らしかったです。

久保のような選手は、ドリブルするときにボールを見る必要はありません

常に顔をあげ、味方の動きを認知しながらプレーを選択することができています。

時間のない人はハイライトを見ていただきたいのですが、あのラストパスにエスパニョールDFはだれも反応できていません。

 

42分のカットインからシュートは、後半にもありましたがシュートの威力もありキーパーに防がれてしまいましたが、非常に可能性のあるプレーです。

ドリブルの流れでパスも出せる、と相手が認識しているからこそシュートを打つ時間的余裕がゴール前で生まれるのだと思います。

 

試合は27分にCBからのロングボールで右から左ペナルティーエリア奥深くに侵入したマジョルカペナルティーエリア内でのこぼれ球を拾ったダニ・ロドリゲスのゴールで先制します。

結果的にこの1点が決勝点となっています。

 

後半のマジョルカの守備

マジョルカが最終的に勝利をあげることができたのは、引かなかったからです。

 

1点差で勝っている状況では、引いてブロックを作りたくなるところですが、ルイス・ガルシア監督は前半よりも、エスパニョール陣内で素早くプレスをかけるチーム戦術を取っていました。

 

特に顕著だったのがサイド攻撃後の逆SBの位置

例えば左でエスパニョールを崩し、クロスまでいったもののだれにも通らず逆サイドに流れてしまったときに一番最初にエスパニョールの選手にプレッシャーをかけていたのは右SBのマフェオでした。

この一人目のプレスにより前に蹴りだせないエスパニョールに対して、2人、3人と少しずつ人数を増やして囲い込むプレッシングは、エスパニョール優位の時間帯でも発揮され、途中勢いが出てきたエスパニョールを止めることを可能にしました。

 

後半の久保の印象的なプレーは2つ。

1つ目は53分のニーニョとのパス交換

相手陣内のセンターサークル付近でボールを奪ったマジョルカは縦、横とニーニョと久保の二人でエスパニョールをあざ笑うかのようにパス交換をしていました。

最後に左足でドリブルを始めようとした久保に意識が向いたDFの隙間を縫って中央に走るニーニョにパスを出しています。

惜しくもパスは通らなかったですが、あの囲まれている状況でニーニョが中央に走る姿が見えていて、かつパスを出せる技術にため息がもれました。

 

81分のカットインからのシュートはカウンターからのフィニッシュ

1点差で勝っているときのカウンターはフィニッシュで終わるのが定石。ニーニョがもたつき、右サイドの久保にパス。

久保は迷わず細かいタッチから左足を振りぬきました。

ボールを枠をそれていきましたが、狙ったところボールスピード、どちらも良くて、照準が定まってくれば得点になりそうなプレーです。

カウンターのときもしっかりと前線に走っている久保の献身性にも好評価です。後半は守備に回る時間もあったというのに。

 

88分に交代した久保に対して会場はスタンディングオベーションでした。

ぐるっと回ってベンチに戻る途中、久保は会場にいた子供にユニフォームを渡している姿を中継カメラに抜かれていました。

すでにラ・リーガで名前が知れ渡り、久保にあこがれてサッカー選手を目指す子供たちが出てくるのかと考えると感慨深いです。

 

マジョルカは、中盤センターに入るババが攻守に渡って圧倒的な存在感を見せていました。特に守備については満点を上げたいほど。

危険箇所の予測だけでなく、1対1の強さもあり、彼のところでボールが奪えたのがマジョルカのリズムを崩さなかった要因の1つだと思いました。

 

マジョルカはこれで開幕から2勝1分の無敗です。

面白くなってきましたね。

 

 


www.youtube.com

 

 

2年間の成長

最後に、2シーズン前のマジョルカでの久保建英と何が変わったのかを書いて終わりにしたいと思います。

当然、監督が変わりチームのスタイルが変わったのは大きな違いですが、久保建英の変化は2つあると思っています。

 

それは、守備への意識とその対応、そして自らの武器を活かす、です。

 

 

1つ目の守備への意識とその対応については、この試合でとてもよく見られました。

前半にマフェオとともにライン際でエスパニョールの選手を囲んだシーンがありました。

そこではすんなりとボールを奪えたわけではありませんでしたが、2年前にはなかった意識だと感じました。

また、後半には相手のCBにハイプレスをかけ、ボールを奪ったものの倒されてしまったシーンがありました。CBから見えるパスコースを消しながら瞬間的にスピードをあげ奪えたこのプレーも2年前では空振りに終わり、背後のスペースに配球されることが多かったことからチーム内での連動、意識の共有含め、守備というものに久保建英が頭を働かせているなと感じたプレーでした。

 

エスパニョールが後ろから繋いでいるときも、まず背後のスペースを首を振って確認したあとにプレッシャーをかけるという動きをしていて、成長が大きく見られました。

 

 

2つ目の自らの武器というのはもちろんテクニックを活かしたドリブルです。縦をちらつかせてカットインからのシュートもこの試合2本もあり、得点の可能性を感じさせるプレーでした。

 

しかし、私が注目したのは前半の久保建英がヘディングシュートをしたシーンです。

相手陣内のペナルティーエリア前でボールを受けた久保は、右SBのオーバーラップを確認し、カットイン。

しかし、相手もそのプレーはわかっていてラストパス、シュートを警戒されている中、左SBオリヴァンにパス。大外を選択した久保のプレーです。

 

2年前までは自分の武器を相手にぶつけて勝ってやろうという意識が非常に強く、実際にそういったプレーが多く、跳ね返されてそのまま守備に追われるシーンもありました。

この試合の久保はその自らの武器は当然持ちつつ、それを引き出すことを相手にちらつかせてプレーを選択できているように私には見えました。

この2年間の経験、オリンピックでの歓喜と挫折は想像以上に彼の能力を引き出してくれたのかもしれません。

 

 

 

久保建英ラ・リーガ3年目のシーズン。

ここで結果を残し、来シーズンは開幕からレアルマドリードでプレーすることを期待して今シーズンでのマジョルカでのプレーを楽しみたいと思っています。

 

もう一度言いますが、久保建英の守備の入り方自分の武器のちらつかせ方は、これでまだ20歳かと唸るほどです。

 

 

普段ラ・リーガを見ない人も久保建英のプレーだけは見ておくことをおすすめします。

 

 

それでは!

セルヒオ・ラモスもメッシもいない!?それでもリーガは面白い! ~スペイン ラ・リーガ20チームを語る~

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こんにちは。

tadashi(ただし (@tadashi0716) | Twitter)です。

 

本日はスペインのサッカーリーグ ラ・リーガ1部で戦う20チームについて様々な角度から語り、ラ・リーガの魅力を伝えてみようという内容になります。

私が20年間のめりこみながら時には離れながら見ていた何かが伝えられるかもしれません。

 

すでにラ・リーガを愛しているみなさま。仲間です。お友達になりましょう。

一緒にラ・リーガを盛り上げていきましょう。

 

ラ・リーガレアルマドリードバルセロナアトレティコマドリードしか知らないみなさま。

おめでとうございます。

これから新しいものを知ることのできるチャンスを持っています。うらやましい!

 

 

難しいことは抜きにして各チームの”ここに注目してみては?”というポイントをかいつまんでいきます。私ももちろんすべてを知っているわけではないので、今シーズンは自分が注目したいところの視点も込めています。

また、あえて画像をほとんど貼らずに言葉だけで紹介しています。

興味があったら試合を見たり、調べたりしてみて、その姿やキャリアを確認して見てほしいなという思いもこめました。

 

さて、こういう紹介記事というのはどうしても昨シーズンの順位で上から順番に紹介する手法が多いので、この記事では下位チームから書いていきます

 

ぜひ読んでみてください。

 

 

 

 

サッカーとしてのラ・リーガの魅力

この章では、各チームを紹介する前にスペインのサッカークラブはどういったサッカーをするのかを簡単に説明します。

 

 

まずは、ラ・リーガのレギュレーションです。

下の図を見てください。

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ラ・リーガ レギュレーション

※下記公式HP参照

 2部については、上位2チームが自動昇格。3~6位は昇格プレーオフを実施し、1チームが昇格。

 

www.laliga.com

上のラ・リーガのHPはとても見やすく、色彩も鮮やかで、眺めるだけでも面白いです。

 

 

 

では、さっそくラ・リーガの面白さを紹介します。

私の考える他リーグとの異なる魅力的な部分は3つあります。


1.熾烈な欧州大会出場権争い

ラ・リーガにおいてのチャンピオンズリーグ争いは残り1枠の勝負です。

まず間違いなくレアルマドリードバルセロナアトレティコマドリードは3位以内に入ってきますので、実はシーズン開始から残りの1枠を残りの17チームで争うことになります。

レアルマドリードバルセロナアトレティコマドリードが過去10年間でチャンピオンズリーグを逃したのは10-11シーズンのアトレティコマドリードだけです。 

 

 

ヨーロッパのコンペティションに参加するために最初から3チームが埋まっているリーグはおそらくスペインだけだと思います。

これをどこかのチームが崩すのか、それとも粛々と残り1枠を狙うのかといったチームの戦略も面白いポイントです。

 

ヨーロッパリーグなら上位3チームは狙ってないので、どのチームがチャンピオンズリーグを目指しているのか、ヨーロッパリーグを狙うのかというところに注目しましょう。

 

 

ちなみに余談ですが、クラブの考えでヨーロッパの大会に参加しない方が良いと考えるクラブもあります。

良い成績を残してヨーロッパの大会に出場したところまでは良いのですが、その年にリーグでうまくいかず下位に沈み2部へ。なんてこともあります。

クラブとして街のために1部定着を続けることの方がよほど重要だ、という選択を取るクラブもあるみたいです。

クラブ経営は難しいですね。

 

 

2.美しいパスサッカーが主流かと思いきや…

スペインリーグのサッカーと聞いて多くの人が頭に浮かぶのは、2010年ごろのスペイン代表が見せたパスサッカーだと思います。

 

当然、スペインリーグ ラ・リーガでも同様に華麗なパスサッカーの応酬かと思っている人がいたら違います。

 

ドリブルで仕掛けるわ、ハイボールで前進するわ、ハードなタックルはかますわの試合展開です。

それはやはり上でも説明しているように上位チームが完全に固定され、揺るがないからです。そして、その上位チームが圧倒的に強く、ポゼッションも高いため、中位以下のチームが同様の戦術で戦っても無駄に勝ち点を落としてしまうからです。

 

ポゼッションを高め、試合を支配するのはレアルマドリードバルセロナ、セビージャ、ベティスぐらいでしょうか。アトレティコマドリードも近年シメオネがその傾向を取り入れています。

 

それ以外のチームは手数をかけず前に運び、サイドアタッカーが仕掛け、ストライカーがゴールを奪うというのがラ・リーガの多くの攻撃パターンです。

 

つまりイングランドプレミアリーグやイタリアのセリエAよりもスピーディな試合が見られるのがラ・リーガの魅力です。 

 

乾がエイバルであれだけ活躍できたのは”仕掛けるドリブル”という武器を持っていたからだと私は思っています。

 

 

またまた余談ですが、圧倒的に強い上位陣に対抗するために、守ってカウンター!というのは戦術的に他国より遅れを取っているのでは?と思っている人がいたらそれはNO!!です。

そういったポゼッションも高く、個の能力も高いレアルマドリードバルセロナなどに対抗するために、守備戦術が発達しているのです。

上位チームと中位以下のチームの対戦の際にはぜひとも前からのプレス、ミドルゾーンのブロック、引いた時のライン形成などに注目してみてください。

 

 

3.頻繁に起こる番狂わせ

上位チームが崩れないリーグと言いましたが、長いシーズン番狂わせがたびたび起こるのもラ・リーガの魅力です。

昨シーズンはアトレティコマドリードが13-14シーズンぶりの優勝を果たしましたが、これにはバルセロナレアルマドリードが見事に番狂わせの役者となってしまったからです。

バルセロナグラナダカディス、ヘタフェに、レアルマドリードレバンテ、アラベスカディスに負けています。

そしてこの2チームに勝ったチームはどのチームも残留しているので、気持ちの面でも番狂わせを起こしてやろうと意気込んで試合に入るチームが多く、好ゲームになることも多いです。

 

なんで上位チームが試合を落としてしまうかというと、万全の状態でフルメンバーがそろわないからです。

ラ・リーガは常に上位チームがヨーロッパの大会を同時にこなしています。また、代表選手を多く抱えており、ナショナルマッチウィークには選手たちが各国代表に召集されます。

心も体も疲弊しきってメンバーをあれこれ変えながら戦っているので、下位相手に取りこぼすことがあるのです。

時期的にはチャンピオンズリーグとリーグが重なる10月から年末にかけて、そしてチャンピオンズリーグのトーナメントが始まる2月から4月にかけて注目すると、素早い出足からゴールを奪う中位以下のチームの勝利が見られると思います。

 

 

 

各チーム紹介

スペインリーグ ラ・リーガの魅力をお伝えしたところで、いよいよ各チームの紹介に入りましょう。

最近では、各チーム日本語のアカウントもあるようで、そういったものも紹介しながら一言ずつ添えていきたいと思います。

※すべてのチームのすべての試合を見ているわけではありません。あくまでリーガを長く見てきた個人の意見としてとらえて楽しんでもらえると嬉しいです。

 

 

 

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21-22シーズン 各チームロゴ

 

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各チームのロケーション



【凡例】

コーチ

主な移籍(←:in →:out)

魅力を一言

今シーズンの注目ポイント

 

ラージョ・バジェカーノ 2部 6位(プレーオフにより昇格)

twitter.com  

  • コーチ アンドーニ・イラオラ
  • 主な移籍(←:in →:out)アントニン(→グラナダ ※ローンバック)
  • 魅力を一言 マドリード第3のクラブ
  • 今シーズンの注目ポイント 1部残留は果たされるか/レアルマドリードのレジェンド ジダンの息子が所属

 

日本での知名度は低いことは重々承知です。

もちろん日本語のツイッターアカウントもなく、有名な選手がいるわけでもありません。

2部でも6位からプレーオフで勝ち上がったわけで1部残留ができるのかも怪しいクラブでしょう。

 

監督のイラオラは今シーズンよりラージョ・バジェカーノを率います。スペイン代表経験もあるビルバオで15年間プレーした1部を良く知る監督です。

1部での監督経験がないことが心配な要素ではありますが、マドリードのクラブとしてマドリードダービーでは一矢報いてほしいです。

近年では11-12シーズンから5年間1部に在籍していました。

 

そして、注目ポイントはジダンの息子ルカ・ジダンです。

レアルマドリードのトップチームでもプレー経験があり、昨シーズン2部でも11試合に出場し、3試合で無失点を達成。まだ23歳と若いです。ジダンに似ていますよ。当たり前ですが。

 

かつてお父さんが率いたチームを相手にゴールを守るルカ・ジダンを見てみたいと思いませんか。

 

 

マジョルカ 2部 2位

twitter.com

 

スペインにあるバレアレスマヨルカ島マジョルカはあります。それはそれは住みやすいようで、当時レンタルで在籍していた久保建英も気に入っている様子でした。

バカンスで一度訪ねてみてはどうでしょう。

 

注目ポイントはなんといっても久保建英です。来シーズンはヴィニシウスがEU国籍を取得するでしょうからマドリーでも選手登録が可能となります。

つまりマドリー以外のチームでプレーをする最後のシーズンとなるのです。

それがこのマジョルカなのですから注目しないわけにはいかないでしょう。

 

また、シュトゥットガルトから加入のマフェオは右サイドで久保建英とユニットを組む機会が多くなる選手です。24歳の右SBでプレミアリーグマンチェスターシティ出身。昨シーズンまではウエスカで岡崎と同僚でした。彼にも注目してみてください。

 

ちなみにマジョルカにはかつて大久保嘉人が在籍しており、デビュー戦でゴールをあげたことは懐かしい記憶です。

 

 

エスパニョール 2部 1位

twitter.com

  • コーチ ヴィセンテ・モレノ
  • 主な移籍(←:in →:out)
  • 魅力を一言 中村俊輔も所属した1部在籍年数6番目のバルセロナのもう一つのチーム
  • 今シーズンの注目ポイント ラウール・タムードを追い越せレアルマドリード出身のラウール・デ・トラスのゴール/唯一の五輪戦士オスカル・ヒルの挑戦

 

日本になじみが少しだけあるのは、中村俊輔が在籍したことのあるチームだったということぐらいでしょうか。

昨シーズンの降格で、1部在籍の連続記録も途絶えたもののスペインで1部在籍年数が6番目に長い記録を持っています。

これより上にいるチームはレアルマドリードバルセロナアスレティック・ビルバオアトレティコマドリードバレンシアのみです。すごい記録です。

中村俊輔が加入した09-10シーズンには生え抜きのDFハルケが開幕直前に心臓発作で死去した悲しいニュースも記憶に新しいかもしれません。

 

今シーズンの注目ポイントは、かつての点取り屋ラウール・タムードを追い越せる才能ラウール・デ・トラスです。

ラウール・タムードって自分の中では今でいうイアゴ・アスパスみたいな存在なんですよね。

加入当時は振るわなかった得点力も昨シーズンは2部で爆発。

23ゴールで得点王となっています。ぜひ彼のゴールに期待してください。

 

また、昨シーズンエスパニョールからオリンピック代表に選ばれた選手もいます。

それは右SBのオスカル・ヒルです。

直前までオリンピックに参加して日本にいましたが、さっそく招集メンバーに名を連ねていました。彼のプレーもチェックしてみてください。

 

 

エルチェ 17位

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  • コーチ フラン・エスクリ
  • 主な移籍(←:in →:out)ピアッティ(←無所属)カシージャ(←リーズ:プレミアリーグ
  • 魅力を一言 税金未払い、3部落ちを経験した2000年代に苦労したクラブ(魅力なのか…?)
  • 今シーズンの注目ポイント ラウールグティという選手/日本語公式Twitterの躍進

 

エルチェは日本語公式Twitterがあって、少しずつ知名度を上げようと努力しています。

昨シーズン14-15シーズンぶりに1部で戦い、見事に1部残留を決めました。

過去経営の問題で3部落ちも経験している苦労クラブがどこまで1部残留を続けられるか。

 

監督はフラン・エスクリ。私はもちろん知らないです。

調べてみると面白くて、12-13シーズンに就任したエスクリバはエルチェを率いて2部優勝。降格した14-15シーズンまでエルチェの監督をやっていたようです。

今回昇格時は別の監督でしたが、再度1部での勝負。(その間ヘタフェ、ビジャレアル、セルタを率いていたので1部での経験は十分です)

リベンジですね。

 

注目ポイントは、その名前から

マドリード方面で気にかけられているラウールグティ

中盤ならどこでもできる24歳。

サラゴサから2020年にやってきた選手です。

名前のプレッシャーに負けずにぜひ今シーズンもエルチェのためにプレーしてほしいと思います。

 

 

アラベス 16位

twitter.com 

 

長らくリーガを見てきた人であればこの00-01シーズンのアラベスの快進撃を知っている人もいるのではないでしょうか。(私は知りませんでした)

ヨハン・クライフの息子ジョルディ・クライフが在籍し、リバプールUEFAカップのタイトルを争いました

 

そんなクラブに原大智が加入

さっそく1部挑戦というのはロマンがあります。

原大智FC東京の下部組織出身の22歳。

チームが苦しいときに走って、ゴールを決めてくれるそんな存在でした。

昨シーズン途中にクロアチアのイストラに移籍し、14試合で2ゴール4アシストと結果を残しています。

彼のプレーをぜひとも注目してほしいです。

 

日本人が在籍しているし、日本語公式Twitterでも開設してほしいなと思います。

 

 

ヘタフェ 15位

twitter.com 

 

10年ぶりにヘタフェの監督に戻ってきたのがミチェル氏です。

 

現在2部レガネスに所属する柴崎がかつて所属していたことでも日本では認知されているクラブかもしれません。左足のボレーシュートバルセロナ戦で決めたシーンは今でも覚えています。

 

昨シーズンは久保建英もプレーし、久保建英のゴールで残留を決める非常にスリリングなシーズンを過ごしました。 

今シーズンは、もっと安定して残留を決めるためにプレーしてなくてはいけません。

 

注目ポイントは、バルサ、マドリー出身の若者たちです。

 

ククレジャ、アレニャ、ウーゴ・ドゥーロ

 

ククレジャはオリンピックにも出場していたもじゃもじゃ頭のサイドアタッカー

彼がもじゃもじゃ頭である理由は、試合を見に来てくれる母親が自分のことを見つけやすいように。なんとも心優しき選手ですね。

 

昨シーズンはここに久保建英もいたんです。

残留のため勝ち点が必要で、守備的な戦いが先行していたため、これら若手が同時にピッチに立つことが少なかったのは残念でした。

これらアタッカーが見事にかみ合えば順調に勝ち点を拾っていける戦いができることでしょう。

 

 

レバンテ 14位

twitter.com 

  • コーチ パコ・ロペス
  • 主な移籍(←:in →:out)ソルダード(←グラナダ
  • 魅力を一言 2つのクラブが1つに。他サポーターとの繋がりも強い1部に定着したバレンシアのもう一つのサッカークラブ。
  • 今シーズンの注目ポイント 強豪チームに強いレバンテの上位3クラブとの直接対決

 

元々は2つのクラブだったレバンテ。

バレンシアとはライバル関係で、近年はレバンテも力をつけていて、バレンシアダービーも頻繁に行われています。

 

様々な1部のクラブで活躍し、昨シーズンはグラナダのFWソルダードを獲得し、得点力を高めようとする意識を感じます。

 

レバンテはあまり詳しくないのですが、

注目ポイントは、強豪チームとの相性の良さに注目です。

 

上位3クラブとはアトレティコマドリードレアルマドリードバルセロナ

 

アトレティコマドリードには1勝1分け

レアルマドリードには1勝1敗

バルセロナには1分け1敗

 

昨シーズンはこの6試合で8ポイントも勝ち点を獲得。これは素晴らしい結果。

 

今シーズンの最初の対戦はレアルマドリードとのホームでの試合です。

そんなレバンテに一度、注目してみてはいかがでしょうか。

 

 

バレンシア 13位

twitter.com 

  • コーチ ホセ・ボルダラス
  • 主な移籍(←:in →:out)マンガラ(→契約満了)クトローネ(→ウルヴス:プレミアリーグ
  • 魅力を一言 ラ・リーガ優勝経験もあり、アイマールダビド・ビジャもいた強豪クラブ
  • 今シーズンの注目ポイント ダニエル・ヴァスの起用法/オリンピック代表選手で活躍するのはだれだ

 

ここ最近のバレンシアは、低調なシーズンを送っているようですが、強豪クラブなのです。

アイマールがタクトをふるった2000年代初期はチャンピオンズリーグ決勝にも駒を進めるほどのチームでした。

リーガの優勝経験もあり、優勝争いが当たり前の時期もありました。

ロナルド・クーマンが監督になってから少しずつ変わっていったとか、、、

 

さて、今シーズンの注目ポイントはダニエル・ヴァスという選手の起用法です。

ダニエル・ヴァスは32歳のデンマーク代表です。

昨シーズン彼は右SBをやっていました。

しかし、彼のポジションはサイドアタッカーです。

プレシーズンマッチや開幕戦を見ると中盤真ん中でのプレーもしています。

万能がゆえに様々な場所でプレーすることを求められる彼は今シーズンどこでプレーをしていくのでしょう。

 

もう一つの注目ポイントは、オリンピック代表の2人の選手、スペインのカルロス・ソレールと韓国のイ・ガンインです。

 

ともにオリンピックではチームの主力としてプレーし、ソレールは6試合に出場し1アシスト、イガンインは4試合で3ゴールと活躍しました。

 

今のところ目立った補強もなくこの戦力でシーズンを戦っていくことになると考えると、明るい未来のためにこの若い2人が引っ張っていかなくてはいけないですね。

そんな2人の選手にぜひ注目してみてください。イ・ガンインはわりとラフプレーで呆れられていたときもありましたね。

 

ちなみにサッカー解説者、ジャーナリストの小澤さんが愛しているクラブです。

 

 

カディス 12位

twitter.com

 

Cádizと書きます。

昨シーズン15年ぶりに1部挑戦となり、まさかの12位でフィニッシュ。悠々と1部残留を決めたこのクラブは100年以上の歴史を持つクラブです。

1部残留はなんと25年ぶり。地元のファンからしたらお祭りでしょう。

実はこのカディスにも日本語公式Twitterがあります。

日本公式インスタグラムもあります。インスタグラムはとてもおしゃれでした。ユニフォームはどこで買えるのでしょうか。

 

選手名鑑のリンクもついているので、楽しめると思います。(21-22シーズンは未更新。期待して待ちましょう)

 

注目ポイントは、1部定着を目指して戦力を一新しているところと大ベテランネグレドです。

ネグレドマンチェスターシティにもいたことのある実績あるストライカーです。

彼の得点力を活かしたサッカーを展開すれば今シーズンも残留のチャンスは大いにおると思っています。

 

マドリディスタからするとチュストがローンで加入しているので、ぜひ試合に出場してもらいたいと思っています。

 

 

オサスナ 11位

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  • コーチ ハゴバ・アラサテ
  • 主な移籍(←:in →:out)キケ・ガルシア(←エイバル)
  • 魅力を一言 ラウール・ガルシアを育てたクラブ
  • 今シーズンの注目ポイント 現実的には残留狙い/チミーアビラのドリブルに期待

 

日本代表の監督もしていたことのあるハビエル・アギーレが監督だった2002年から2006年がオサスナのピークでした。

ラウール・ガルシアを中心に最高位の4位を獲得。

そこからは長らく低迷している様子です。

 

今シーズンも残留が目標だろうと思いますが、エイバルからキケ・ガルシア、マジョルカからブディミルを獲得しており、得点数が下から8番目だった攻撃の改善を狙っているようにも見えます。

 

個人的に注目したいのは、チミーアビラです。

昨シーズンは微妙でしたが、久保建英も所属していた19-20シーズンはドリブルも効果的で得点も決めていました。

今シーズンは、加入したストライカーと合わせて得点を決めていったほしいです。

 

 

アスレティックビルバオ 10位

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  • コーチ マルセリーノ
  • 主な移籍(←:in →:out)
  • 魅力を一言 バスク人のみで構成されるバスク魂のチーム
  • 今シーズンの注目ポイント もう一人のウィリアムス、ニコ・ウィリアムス

 

ビルバオの魅力はそのクラブとしての一貫性です。

バスク人でチームを構成すること。

獲得する選手は、親がバスク人バスク生まれ、バスクのチーム出身という条件でチーム強化を行っていますが、ビルバオは2部に落ちたことのないチームの3チームのうちの1チームです。(残りはレアルマドリードバルセロナ

 

コパ・デル・レイでは23回優勝の経験があり、昨シーズン、一昨シーズンでは決勝までいっています。

 

そんなこのクラブの注目ポイントは、ニコ・ウィリアムス

です。

ビルバオにはすでにイニャキ・ウィリアムスという選手がいて、ニコはその実の弟です。

昨シーズンの試合では兄弟そろって試合に出場するというフリオ・サリーナスの兄弟同時出場以来の記録を出しました。

昨シーズンはまだたったの2試合の出場ですが、まだ19歳でこれから兄の背中を追いかけて成長してほしいです。

 

ちなみにビルバオにはラウール・ガルシアという選手がいて、私が高校生のころけっこう好きだった選手です。当時はたしかオサスナにいて、オサスナにもこういう良い選手いるんだと思った記憶があります。

そんな彼ももう35歳。月日の流れを感じます。

 

 

グラナダ 9位

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ディエゴ・マルティネスのもと昨シーズンヨーロッパリーグベスト8という快挙も達成し、1部でもトップ10に入る成績を残し、今後も1部で戦っていけるチームです。

しかし、移籍予算が潤沢あるわけでもなく、他チームからのローン選手でチームを組み立てている節もあるグラナダ

今シーズンはヨーロッパリーグベスト8の資金でそこからの脱却を図れるのか、というろことです。

ですが、移籍の様子を見るとフリーでの獲得がほとんどです。

ビジャレアルからバッカ、バルサからモンチュ。

スペイン代表監督の経験もあるロベルト・モレノはどのようなチームを作り上げるのでしょうか。

前監督のように着実に勝ち点を積み上げられるかは気になるところです。

 

注目ポイントは、ローン選手が攻撃の核となっていた現状をどうするか

という点です。

チェルシーケネディマンチェスターシティのエレーラというドリブル、パスを高い次元で繰り出していた選手がいなくなったグラナダの今シーズンはどうなるのでしょうか。

 

選手としてはマチスに注目してください

昨シーズン32試合に出場し、5ゴール5アシスト。ストライカーのソルダードが移籍してしまったので、今シーズンも中心として二桁ゴールを目指してほしいです。

 

余談ですが、もう一人右SBのフルキエという選手にも注視してもらいたいです。

スキンヘッドで見た目は怖いですが、プレーも怖い。

サイドからガンガン前に持ち運ぶ姿は、「そこ行くのか」と時折思わせてくれるDFの選手なのに少しだけボールを持つとわくわくする選手です。

 

 

セルタ 8位

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セルタと言えばモストボイですよね。相変わらず出てくる名前が古いです。

この20年間なかなか安定した成績を出せていないセルタですが、ここ10年は2部から上がって以降踏みとどまっています。

一昨シーズンと17位でぎりぎりの残留でしたが、昨シーズンは8位。久しぶりに中位でフィニッシュしました。

 

魅力は書いてある通りおじさんたちの存在です。

気の抜けた顔のイアゴ・アスパスといかつい顔のノリート

この二人のおじさんが今のセルタを支えています。

イアゴ・アスパスは昨シーズン14ゴール13アシスト、ノリートは7ゴール5アシストです。

 

若者よもっとがんばれ!

 

と思うかもしれませんが、サンティ・ミナとデニス・スアレスもちゃんとこの二人を追ってきています。

うまく攻撃が融合し、下手な負け方をしなければ久しぶりにヨーロッパの舞台への挑戦権に手が届くかもしれません。

 

そのセルタの戦いに注目してください。

 

 

ビジャレアル 7位

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昨シーズンの前半戦久保建英が所属していたのがこのビジャレアルです。

 

また、現在はJリーグを運営する日本プロサッカーリーグの常任理事をされている佐伯夕利子さんがスタッフとして最近まで活躍していたのも有名です。

日本にはけっこう関係のあるクラブかもしれません。

 

 

今シーズンの注目は、ウナイ・エメリとものすごく相性の良いヨーロッパリーグビジャレアルは出られないというところです。

監督のウナイ・エメリは過去10シーズンでヨーロッパリーグの決勝に6回出場し、5回勝利。セビージャ時代には3連覇も達成しているほど得意としている大会です。

その大会に出られないウナイ・エメリは今、何を思い、今シーズンは6位以内に食い込むか、他チームに行くかもしれませんね

 

選手で注目してほしいのは、パウトーレスとジェラール・モレノ

パウトーレスはオリンピック代表でも見せた効果的なビルドアップと戦況を変える縦パス。今のDFは守備だけでは一流になれないなと思わせてくれる選手です。

 

ジェラール・モレノ遅咲きのストライカ。現在29歳です。

昨シーズンは23ゴールとゴールを量産。

万能型のストライカーで、下りてゲームを組み立てながらゴール前に得点のために顔を出す。現代のストライカーという感じで、トッテナムのハリー・ケインやリバプールのフィルミーノとも張り合える選手だと思います。

 

 

レアルベティス 6位

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  • コーチ ペジェグリーニ
  • 主な移籍(←:in →:out)エメルソン・ロイヤル(→バルセロナ
  • 魅力を一言 ダービーの熱量/サイドを駆け上がる40歳ホアキン
  • 今シーズンの注目ポイント ライバルセビージャに追いつけるか/銅メダリストライネスのドリブル

 

セビージャとのダービーはWOWOWでも何度も見てきましたが、画面越しからもその熱量が伝わってきました。この両チームの試合は、順位や戦力など関係ないものです。

また、前監督のキケセティエンからポゼッションサッカーを見せています。乾も少しだけプレーしたチームですが、乾はだいぶ苦労していた印象でした。

 

注目ポイントは、魅力の一つでもある40歳ホアキンです。

昔のようなスピードにのったドリブルは確かに減ってしまいましたが、それでもベテランならではのプレーでいまだにピッチで存在感を発揮しています。

もう一人注目しておくべきは、

オリンピック銅メダリスト メキシコのライネスです。

日本も苦しめられたドリブルはリーガでも必ず通用します。

セビージャとのダービーでドリブルを見せるライネスに期待し、ぜひ注目してください。

 

 

レアルソシエダ 5位

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  • コーチ イマノル・アルグアシル
  • 主な移籍(←:in →:out)
  • 魅力を一言 マドリードよりも先に”レアル”の冠を持っている10年に1回トップ3に肉薄するチーム
  • 今シーズンの注目ポイント おじゃる丸(オヤルサバル)の活躍/キャリア晩年を迎えるダビド・シルバ

 

レアルソシエダで思いつくのはやはりあの02-03シーズンの若きシャビアロンソを司令塔にFWの2人が大暴れしたシーズンでしょう。

右サイドのカルピンも含め、終盤で勝ち点を落とさなければおそらく優勝していたであろう快進撃でした。

レアルという名はマドリーよりも先に持っていたので、スペインではラ・レアルと呼ばれているようです。

 

注目ポイントは日本の実況で一躍有名になったおじゃる丸オヤルサバルです。

レアルソシエダには強力なアタッカーが何人もいて、その中でも中心となっているのがおじゃる丸オヤルサバル

オリンピックの日本戦でも最後の最後に2人を引き出すダイナミックな仕掛けでアセンシオをフリーにさせられてしまった苦い記憶も。

 

そして、ダビド・シルバです。

マンチェスターシティで10年間多くのタイトルを獲得したダビド・シルバが次に選んだクラブがこのソシエダというクラブ。

狭いスぺースでのプレーは世界一ダビド・シルバももうキャリア晩年。いつプレーが見られなくなるかわかりません。

彼の雄姿を少しでも長くこの目に焼き付けておくべきだと思います。

 

 

セビージャ 4位

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  • コーチ ロペテギ
  • 主な移籍(←:in →:out)
  • 魅力を一言 ラ・リーガ随一のポゼッションサッカー
  • 今シーズンの注目ポイント 上位3チームを崩せるか/アナリスト若林さん

 

各ポジションに優秀な選手をそろえ、それをロペテギがまとめあげたことで、昨シーズンはどのチームよりもポゼッション率が高く、試合展開をコントロールできるチームへ。これはここ近年のラ・リーガでは驚くべきことです。

 

ちなみにロペテギと言えば、スペイン代表でもレアルマドリードでも監督を勤めていましたが、ワールドカップ前にレアルマドリードの監督となることを発表し、スペイン代表解雇、そしてレアルマドリードでも全然勝てず数試合で解雇。ということがあったのは記憶に新しい。

 

ちなみにセビージャには若林大智さんというアナリストがトップチームで活躍しており、私もTwitterをフォローしてその活躍を見ています。

19-20シーズンでのヨーロッパリーグ優勝は、本当にすごいことだと思いました。

今後もヨーロッパの舞台で活躍してほしいです。

 

 

バルセロナ 3位

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  • コーチ ロナルド・クーマン
  • 主な移籍(←:in →:out)メッシ(→PSG:リーグ1)アグエロ(←マンシティ:プレミアリーグ
  • 魅力を一言 見るものを興奮させるクライフイズム
  • 今シーズンの注目ポイント 新加入選手は登録されるのか!?/新生バルサの顔ペドリとフレンキー・デヨング

 

 

レアルマドリードとライバル関係を長く続けてきたカタルーニャ州の強豪チーム。

ペップグアルディオラが率いて欧州を勝ち取ったあの時代がもっとも有名で印象的だと思います。

 

このオフシーズンでのバルセロナはメッシが話題の中心です。

もちろんご存知のとおりメッシは6月30日に契約満了となり、コパ・アメリカ後のバカンス終了後には新契約選手としてバルセロナに再加入することが双方で合意していたようです。

なのになんで?

という感じですね。

それはラ・リーガサラリーキャップ云々という話がありますが、詳しくはサッカージャーナリストの小澤さんのyoutubeを見てください。

 

注目ポイントはバルサの新加入選手の登録です。

今のところピケが減棒を受け入れて3人ほどの選手を登録することが出たようです。

今後も在籍する選手に減棒を提案していくようです。

果たして何人の選手が登録されるでしょうか。

 

もう一つの注目は、新生バルサを背負っていく二人のミッドフィルダー ペドリとデ・ヨングです。

この二人のプレーのすべては、中盤でプレーしているすべての選手に参考にしてもらいたいぐらいです。

多くは語りません。エレガントです。

 

 

今シーズンより、ヨハン・クライフの息子ジョルディ・クライフバルサフロントに入ったようです。

クライフイズムによる新生バルサ大いに期待です。

 

 

レアルマドリード 2位

 

 

2000年代のフィーゴジダンロナウドベッカムという銀河系軍団のせいで、銀河系であることを世界中から強要されてきた悲しきエル・ブランコ

エル・ブランコとは白い巨人という意味

 

タレントを多く擁したメンバーは、それぞれの個人能力をいかしたおよそ戦術には取り入れないようなボール保持で前進し、打てるところでシュートを打って決めます。というスタイル。

失点は仕方ないが、その失点すらもDFの個人能力でなんとかする。

戦術はレアルマドリードに対抗するためにできたと思えるような個人型のチームです。

 

昨シーズンに選手としても監督してもレジェンドであるジダン、そしてカピタンでありDFリーダーのセルヒオ・ラモスセルヒオ・ラモスの相棒ヴァランを同時に失ってしまいました。かわりの獲得はアラバのみ。

他にも得点を全然取らない前線や高齢化した中盤と、クルトワのいるGK以外すべてが不安要素のレアルマドリード。でも勝つのがレアルマドリードです。

 

私はマドリディスタなので、注目ポイント多めです笑

 

1つ目はモドリッチ。CL3連覇の立役者そしてレアルマドリードの心臓です。

モドリッチは今年で36歳。

そろそろ本当にモドリッチにかわるダイナモを手に入れないと世代交代の最中にCL圏を逃してしまいそうです。

ポストモドリッチ筆頭はバルベルデウルグアイの手足の長いナイスガイです。完全にモドリッチに置き換わるとは思いません。むしろその推進力はモドリッチにはない良い部分。

走ることをいとわない献身性、言われればどのポジションでもやる忠誠心。マドリディズモをこれからも見せてくれるでしょう。

モドリッチのそばでビルドアップを学び、ボックスtoボックスの世界1位となってほしい。

 

昨シーズンはベンゼマの調子に得点数が左右されるという状況でした。

ベンゼマの23点の次はカゼミーロの6点です。

今シーズンはだれが得点を決めてくれるのか。アザール、アセンシオ、ヴィニシウス。今のところは期待はしていません

 

最後に注目したいのはEU国籍の取得です。

現在、外国籍扱いなのはブラジル国籍のヴィニシウス、ロドリゴミリトンと日本国籍久保建英です。今シーズンの始まりまでにはヴィニシウスがEU国籍を取得すると言われていたのにあろうことか、その取得が遅れてしまったようです。

 

ラ・リーガの外国籍選手の登録可能人数は3人なので、久保建英がローンで他チームに出されることとなりました。

さて、だれがEU国籍を取得してくれるのでしょうか。

 

レアルマドリードについては語りたいことが多すぎますが、もうやめておきます。

 

 

アトレティコマドリード 1位

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ここまで同じ監督がずっと同じチームを率いていて良いのか、と不安にもなりますが、アトレティコマドリードシメオネは切っても切れない関係なのです。

 

シメオネは現役時代、アトレティコマドリードでプレーし、ラ・リーガのタイトルを獲得。

現役の最後の方にはまたアトレティコマドリードに戻ってアトレティコマドリードのためにプレーしました。

ちょうどベッカムレアルマドリードに入団した2003年のことです。

その当時のアトレティコマドリードは、2001年に1部に昇格し、フェルナンドトーレスがトップデビューを果たしたあたりのことです。

現役引退後、指導者となったシメオネは11-12シーズンに監督としてカムバック。

そこから今も監督はシメオネです。

 

12-13シーズンからはチャンピオンズリーグ圏内に常に入り、13-14シーズン、そして昨シーズンに優勝しています。

2部から戻ってきたアトレティコマドリードか躍進し続けているのはシメオネのおかげであり、そのシメオネを切ってしまうのは、この流れを断ち切るようなもの。

そんなことできそうにありません。

 

注目ポイントはジョアンフェリックスです。

いくらで加入したんですか?という移籍金でアトレティコに加入。その価値はある選手だと思っていますが早く怪我を治してその甘いマスクでファンをもっとたくさん獲得してほしいです。

 

また、この夏サウールを売却するのか?というニュースが流れ込んできていますが、このシメオネイズムの継承者はこのままではコケ一人となってしまいます。

諦めない、戦う、これだけシンプルなことを愚直に行えるアトレティコマドリードの戦士は後継者を育てられるか。

ついてくる若手がいるのかこれが21-22シーズンのポイントでしょう。

 

 

セルヒオ・ラモスとメッシという存在

 

その国のリーグの価値について思ったことをSNSで呟いています。

 

レアルマドリードがかつて銀河系軍団として外国から次々と有名な選手を買い、ファン獲得につながらなさそうな選手は切っていったことがありました。

 

サッカーファンとして、ペレス会長とクラブの考えは許せるものではありませんでしたが、結果として当時セリエAが一番だった日本での人気が少しずつスペインに傾き始めた要因でもあったのは事実です。

 

そしてこの夏のセルヒオ・ラモスとメッシの退団というのは、同時に

ラ・リーガの象徴を失ってしまったまさにラ・リーガの危機的状況とも言えます。

私は、レアルマドリードからサッカーファンになったので、セルヒオ・ラモスがいなくてもラ・リーガを見ようと思いますが、今ではPSGを見たいと思う人の方が多いのではないでしょうか。

 

また、メッシの退団によるバルセロナのイメージの悪さはぬぐい切れないものです。

杜撰な経営管理とともに、そのトップを選んだ一人ひとりに重く重くのしかかってくる現実です。

 

少なくともラ・リーガは新しいフェーズに入っていくことになります。

新たな魅力を創出し、よりスペクタクルなリーグとしてより広く発信していく必要があるでしょう。

 

レアルマドリードのペレス会長が執拗にエンバペの獲得を公言しているのは、金儲けかもしれませんが、ラ・リーガの拡大にはとても魅力的なプロジェクトです。

 

 

 

21-22シーズンはどんなシーズンとなるのか。

優勝はどのチームに、CL、ELはどのチームに、久保建英原大智は活躍できるか、番狂わせは起きるのか、上位3チームの牙城を崩すことができるのか。

 

いつだってラ・リーガは魅力的です。

 

私はただのファンですが、ラ・リーガはいつまでも一番のリーグです。

 

 

それでは!

8月8日 コミュニティシールド vs レスター

こんにちは。

tadashiです。

 

 

プレミアリーグ優勝チーム マンチェスターシティ

 

FAカップ優勝チーム レスターシティ

 

この2チームがシーズン開幕に華を添える

 

それがコミュニティシールドです。

 

 

 

圧倒的なチーム力でプレミアリーグを制したマンチェスターシティと決勝でチェルシーをくだしたレスター。

 

今回は最初ということもあり、感想メインにシティに注目して書いていきます。

 

 

スタメン

両チームのスタメンはこちら

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ユーロ、コパアメリカと二つの国際大会があったため、そこに主力として参加していた選手たちはこの試合には出場しませんでした。

 

ペップも言っている通り、全員で集まって練習をすることが難しいままシーズンをスタートするため、序盤は厳しいのは間違いない。

メンバーの入れ替えが少ないことはポジティブに働くかもしれません。

 

レスターは主力もばっちり出場していますね。

バカンスの期間を短くしたのか、強行出場なのか。

ただ、今シーズンもロジャース監督のレスターは手ごわいことがわかりました。

 

期待していたこと

上で述べているようにデブライネなどの主力選手が出場しないことで、期待したことは以下の2つでした。

 

 

・若手のプライオリティ

・ベルナルドの起用

 

若手のプライオリティ

1つ目は、プレシーズンマッチ(以下、PSM)から1つ下のカテゴリーの選手を試していたペップがコミュニティシールドにだれを使ってくるのかというところを期待していました。

結果的にスタメンは、PSM3ゴールのエドジーPSMでダビド・シルバに近いとみなが言っていたパルマでした。

 

 

エドジーは前半は明らかに緊張からか目立つことはできていませんでした。何度かゴール前でパスが受けられていたけど、うまくシュートが打てず。

後半は良い感じに力も抜け、左サイドからドリブルを仕掛け、何度か成功していました。それによりシティが優位に試合を進めることができていました。

 

パルマーはというと、守備では普段のデブライネのように一列前でCBを牽制し、攻撃ではハーフスペースをファーストポジションにしながら、レスターSBの裏をフリーランニングで取っていく

エドジーよりも前半から試合に入り込めていたように思います。

身長も高くこれまでにないシティのIHが生まれるかもしれないです。

 

ここから第二のフォーデンが出てくることを期待しています。

 

 

ベルナルドの起用

今夏に退団したいことを告げていたと言われるベルナルドシルバ。

コミュニティシールドは、74分からの出場でした。

 

左のIHに入ったことで、グリーリッシュやメンディーと小気味良くパスをつないでいました

グリーリッシュの持つタイミングに合わせてペナルティーエリアの奥にフリーランニングを見せたりとコンビネーションは悪くないように思えました。

 

ベルナルドの投入に合わせて、グリーリッシュがサイドから中に入ることも増え、メンディーも大外をオーバーラップする姿も見えた。

SB内、WG外というのをベルナルドの投入でSB外、WG内というスイッチに切り替えたようにも見えた。

 

 

ベルナルドが退団したいというのならそれを尊重したいとは思うけど、昨シーズンデブライネ不在時にその穴を埋めることができたのはベルナルドだけだった。

デブライネに依存していたマンチェスターシティにおいて、彼に手を差し伸べることができたのは、ベルナルドだけだった。

 

チームメイトが得点をしたときにだれよりも早く走って祝福してくれるのはベルナルド

 

グリーリッシュが来て、フォーデンが台頭してきたことと、イベリア半島に戻りたい気持ちが今ちょうど重なっているのかもしれない。

 

もう少し彼の動向を見守りたいと思います。

 

 

メンディーの魔改造

ペップが今シーズン初めに手掛けているのがこれだと思いました。

銀髪のフランス人は試合開始からジンチェンコのような位置取りをスタート。

 

少し戸惑いながらもフェルナンジーニョの横をキープし、マークするペレスを内側に寄せ、そのスペースをギュンドアンがフリーで使う、といった左サイドが円滑に回っているように思えました。

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図のようにギュンドアンが開くことで、レスターは迷いますが、中央を薄くすることはまず考えられないので、必然的にギュンドアンはフリーになります。

そのひとつ前でエドジーがピン留めしているのもポイントです。

 

緊張の見えたエドジーがなかなか周りを使えなかったこともあってチャンスにはならなかったけど、メンディーは前半かなりインナーラップを見せていましたし、

19分のカウンターの起点となるスルーパスを出してそのままゴール前に入り込むなど精力的な動きを見せていました。

 

ウォーカーに仕込んだように、メンディーもついにシティのSBとなるのでしょうか。

 

個人的には、メンディーまで魔改造されてしまったらメンディーの良さも消え、オプションがなくなってしまうのでほどほどにしてほしいなと思っています。

 

グリーリッシュ出場

さあ、65分にグリーリッシュが出場です。

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加入早々から色気全開の宣材写真で世界中を虜にした彼のプレーもやはりエレガント。右足でボールを運ぶその軸足はセクシーそのもの。

靴下を半分までしかあげないその脛もセクシーダイナマイト

ルイコスタを尊敬してると思ったが、そうではなかったことだけが残念。

 

約25分間のプレーを見て思ったのは、まだ万全ではないのかドリブルは少なめでした。

左ワイドでボールをキープし、釣られたSBの裏をIHで狙う。

右足で持っているのでその足でスルーパスが出せる

チャンスクリエイトがデブライネに次いでいた昨シーズンのスタッツは嘘じゃないかもしれないと思いました。

明らかにスターリングにはないプレー選択でした。

 

それはパルマーでもベルナルドでも同様でしたが、これはデブライネとのコンビネーションが楽しみだなと思わせてくれました。

 

 

敗戦を受けて

88分のPK献上。

イヘアナチョのPK成功により0-1で敗戦。

 

敗戦はしたもののシーズン初戦はどうだったのか。

 

まず、守備について

昨シーズン途中から安定して守れていたIHを一列前にあげた4-4-2でレスターに応対。

これは前半よりも後半の方がうまく機能していた印象でした。

 

CBに素早くプレスをかけ、下りてくるマディソンをケアし、パスコースを塞ぎロングボールを蹴らせることに成功していました。

 

失点に関しては、シーズンの大事な場面で起きるロドリのエラーですね。

しかし、ロドリはあの時点で前へのパスコースがなかった状態でした。

ロドリを敗因にあげるのはかわいそうだとも言えますが、後ろに下げるならGKに下げるべきだとも思ったのは私だけではないでしょう。

フェルナンジーニョはああいった場面で適当に遠くの方に前に蹴ることも見られます。

こういったときの潔さはフェルナンジーニョを見習ってほしいとも思います。

 

 

 

では、攻撃に関して。

両チームに言えたことですが、前半からチャンスはポジトラでの推進力によって多く生まれていました。

相手のネガティブトランジションを上回る切り替えの速さでゴール前に侵入。

レスターはわかるが、シティがこれに付き合う必要があったのかは疑問でした。

おそらくメンバー構成的にそっちの方が効率的に攻められたのだと思います。

 

特に前半のメンディーからの攻撃は昨シーズンにないオプションになると感じたところです。

 

レスターは、マディソンがだいぶ頭を使ってシティの中盤を引き出していました。

20分過ぎからだったと思います。

これにより重心を低くしたかに見せて足の速い選手で後ろの広いスペースを使うという攻撃は、レスターの選手たちの特性をいかした非常に効果的な攻撃だと思いました。

 

 

シーズンのスタートは敗戦から始まったマンチェスターシティ。

 

次は16日のトッテナム戦。

リーグ戦開幕です。

 

ケインやベルナルドの去就も気になるところですが、まずは合流した選手たちが無事にベストコンディションに戻れるように、その時が来るまでPSMから調整している選手たちが結果を出せるように応援していきましょう。

 

 

それでは!

マンチェスターシティ 20-21シーズンレビュー

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こんにちは。

tadashiです。

 

今シーズンのプレミアリーグを2年ぶりに優勝で終えたマンチェスターシティ。

一時は今シーズンのシティはだめだと思われた中で、見事な修正を見せた。

復活と呼んだ人もいたが、復活と呼ぶにはあまりに短期間で、あまりに変更が少なかった

復活ではなく、単なる修正だった。

ペップは、シーズン序盤のチーム状況、スカッド、このコロナ禍のサッカー、そして現代サッカーのハイインテンシティ、ファンマ・リージョのアシストを得て、効果的にかつ対策されにくい修正を施したのだ。

 

 

さて、前置きはこのくらいにして今シーズンのペップシティを印象的な風景を切り取って振り返っていこう。

 

 

 

 

 

始まりは突然に

マンチェスターシティの新シーズンの開幕は、非常に物足りないものだった。

物足りないという表現が適切かはわからない。それでもやはり物足りなさを感じたスタートだった。

 

世界中に蔓延した新型コロナウイルスの影響により、サッカーは絶望の状況を迎えた。

それでもかろうじて無観客という形で再開したヨーロッパサッカーは、確実にゆっくりと今シーズンのチーム作りに影響を与えた

 

チャンピオンズリーグでトーナメントに進んでいたマンチェスターシティは、集中開催という手段で試合をこなし、失意の中ようやく19-20シーズンを終えた

 

 

準備期間はほとんどなかった。

それでもプレミアリーグは20-21シーズンをスタートさせた。

 

開幕時点での戦力の上積みは、ボーンマスから獲得したオランダ人ディフェンダーのナタン・アケとバレンシアの20歳のウインガー フェラン・トーレスだけだった。

 

かわりに抜けたのはダビド・シルバ

空いた穴が大きすぎた。

 

 

ルベンディアスの加入がもたらしたもの【第2節~第13節】~重心低め4-2-3-1期~

 

第1節が延期となっていたマンチェスターシティは、2試合目となった第3節 レスターと戦う。

選手のコンディションの問題が危惧されたが、第2節では19-20シーズンにダブルをくらったウルヴスに勝利したシティ。ファンもみな、そこまで崩れないまま尻上がりにベストコンディションへ向かうだろうと思っていた。

 

 

結果は5失点の大敗であった。

どれだけ好意的にこの試合を捉えても長い長いシーズンにポジティブな予想はできなかった。

疲れのとれていない重い11人が苦しそうにボールを追いかける姿が思い出される。

 

tadashicity.hatenadiary.jp

 

 

だれもがチャンピオンズリーグリヨンに負けた心の傷が癒えていないこと、昨シーズンの守備のほころびが修正できていないことを語った。

だれもがまるで評論家のように今シーズンのマンチェスターシティのネガティブな側面を記事にした

  

 

そんな中で現れたのが、ポルトガル人CBのルベンディアスだ。

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9月27日。コロナ禍であったからこそ可能だったこのタイミングの移籍で、ベンフィカからやってきた23歳は、イングランドではまだ無名だ。

 

 

加入後たった2回の練習をこなして挑んだ第4節リーズユナイテッド戦でプレミアリーグデビュー。

 

tadashicity.hatenadiary.jp

 

チームとしてはドローで終わったが、堂々のデビューを見せたルベンディアス。

 

この試合の後から第27節マンチェスターユナイテッド戦までの間に複数失点はたったの1試合だけだった。

マンチェスターシティにとってのルベンディアスは、コンパニー退団後に不足していたピッチ上のキャプテンという存在だ。

ディフェンス能力の高さはベンフィカでも証明していたかもしれないが、彼の言葉や行動がストーンズを引き上げ、チームを統率し、守備の向上したシティと言われるまでになった。

 

たった一人の加入でチームがここまで変わるものかと驚いた。

 

守備の安定を手に入れたマンチェスターシティは、リーグの順位を順調にあげるものだと思っていたが、

 

第13節を終えてマンチェスターシティは勝ち点20の9位

 

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こんなことをだれが予想できただろうか。

 

 

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第13節までの基本フォーメーション及びスターティングイレブンは図のとおり。

第4節以降ルベンディアスが加入して守備が劇的に向上した。

4-2-3-1で左SBはカンセロとメンディー、右WGはフォーデンとマフレズを使い分けていた。フェラントーレスとベルナルドシルバ、そしてラポルトはサブの扱い。
 

 

失点は12失点でかなり少なかったが、問題は得点力不足

 

リーズ戦からリバプール戦までの5試合はすべて1得点のみで複数得点はなし。

トッテナムには無得点で敗退。

 

tadashicity.hatenadiary.jp

 

 

1得点だったマンチェスターユナイテッドWBA戦で引き分けた第13節時点で、累計得点数は18点

昨シーズンの37得点と比較すると物足りなさが否めない。(38試合で比較しても20点以上少ない)

 

失点は12失点だが、昨シーズンの14失点とあまり変わりがないことを見ると、単純に攻撃における優位性が効かなくなってしまったと言える。

 

理由は明白である。

攻撃面で言えばアグエロの不在デブライネへの依存

そして守備で言えば4-3-3のブロック守備ボールロスト後のハイプレスの限界であった。

 

このマンチェスターシティが短期間で、かつ、少ない変更で、修正できたのはこの問題を解消したからである。

 

ここからマンチェスターシティはプレミアリーグをひっくり返していく

 

 

 

ストライカギュンドアン【第14節~第29節】~4-3-3ゼロトップ期~

第13節のWBA戦までの12試合のうち半分の6試合で4-2-3-1のシステムを採用し、アンカーを2枚並べ、その一角にギュンドアンを起用していたペップ。

これは守備の安定コンディションの整っていない選手たちへの配慮でもあったと推察できる。

しかし、これでは前に必要な選手の数が足りなくなり、5レーンを活用した攻撃を展開することが難しくなった。

この回答には、一瞬だけ「カンセロのフリーロール」が組み込まれたが、守備の面で課題が多く断念。

 

そうこうしているうちに12試合を終えてしまったが、マンチェスターシティはこの次の第14節セインツ戦をターニングポイントに、状況を大きく変えていく。

 

第14節セインツ戦から第29節ウルヴス戦まで15連勝。

コンペティションで見ると21連勝を達成し、これは5大リーグでの歴代3位の記録になった。

プレミアリーグでは第20節で首位となった。

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この図は、プレミア開幕からマンチェスターシティの順位の推移を表したものだが、20節で首位にたってから一度もその座を明け渡すことなくリーグを走り切っている。

 

チャンピオンズリーグでもグループリーグ突破を決め、素晴らしい流れで後半戦を戦うことができた。

 

 

 この間の基本フォーメーション及びスターティングイレブン

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この時期はFWが固定されず、ギュンドアンの得点能力を最大化するためのゼロトップでひたすら勝ち続けた。(年末のウォーカーとジェズスのコロナ感染も影響はあると思うが)

WGはフォーデン、マフレズ、スターリング、フェラントーレスをうまく融合させ、FWにはベルナルドシルバ、デブライネ、フォーデン、ジェズスをコンペティションの勝ち上がり、スケジュールを見ながら起用。

デブライネが怪我で離脱したリーグ戦5試合は、その穴をすべてベルナルドシルバが埋めている

DFラインでは年末ごろにカンセロがブレイクした形となったが、終盤にはウォーカーとジンチェンコの安定感抜群コンビに落ち着いている。

 

 

ここまでの成績を収めることができた要因がペップの少しの変更である。

 

 

ペップの少しの変更

前項で、私が挙げた問題点を今一度復習しておこう。

もう少しわかりやすく4つの問題としてみた。

 

 

1.アグエロの不調によるスコアラー不在

2.シティにおける王様デブライネへの依存

3.4-3-3ブロックでの守備の弱点

4.ボールロスト後の相手陣内からのハイプレスの限

 

 

 

まず、スコアラーの問題。

これはほとんどの人たちが予想していなかった方法で解決された。

 

それはギュンドアンをゴール前に飛び込ませることだ。

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もしかしたらペップではなく、リージョの提案かもしれないが、第13節の後半からギュンドアンのポジションが高くなった。この試合では得点が必要だったからもしれないが、ギュンドアンは先制点を決めている。

 

この試合からギュンドアンは怒涛のゴールラッシュ。

0トップを採用したのもギュンドアンの覚醒に合わせてのこと。

ジェズスを起用しても同様の効果が得られた。

引いてボールを受けに来たFWの裏をギュンドアンが狙う縦のポジションチェンジで多くのチャンスと得点を得た。

第13節から12試合で11ゴール。2021年になってからは9試合9ゴールと絶好調だった。

結局ギュンドアンはチーム内得点王でシーズンを終えた。

 

 

 

第13節WBA戦で露見されたのが、デ・ブライネ依存による得点力不足であった。

 

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WBA戦はそれが顕著に表れた試合でもあったが、前半戦のマンチェスターシティは、なかなか相手の守備をこじ開けられずに攻めあぐねる展開が多かった。

このWBA戦では残り10分の時間帯で、ひたすらデブライネがクロスをあげ、跳ね返されるというシーンがあり、これでは点が取れないと強く思ってしまった

現に、後半残りわずかでデブライネがクロスをあげるシーンになると、シティファンは肩を落として「今日は終わりだ…」と思うほどだ。

 

昨シーズンまでのシティでは、デブライネがインナーラップし、ペナルティーエリアぎりぎりのラインから高速クロスをニアサイドに蹴りこみ、大外で待つスターリングやアグエロが触るだけでゴールというシーンを何度も見てきた。

 

パスだけに特化した選手ではなく、相手の嫌がるところに走ることのできるアジリティの高い選手なのがデブライネ。

少なくとも前半戦のデブライネは、まるで走るだれかにパスを放るマシーンのような役割となっていたことを考えるといたたまれない。

デブライネはいつだってプレーで知らしめていた。ラストパスを出すためにいくらでも走れると。

 

その解決策を見出したのが第14節のセインツ戦であった。

 

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ベルナルドシルバがボールを持ち、デブライネが走る

 

今までのデブライネがボールを持ったら周りが走る、という状況から一筋の光が見えた試合だった。

私はこの試合を見て、マンチェスターシティが戻ってくると思ったことを今でも覚えいている。

現にSNSでも、この状況を打開するのはベルナルドシルバだとつぶやいていたほどだ。

 

引いた位置から最高のパスを出す、ペナルティーエリア手前から人外なミドルシュートを叩き込む、そして前線に走りこんで高速クロスを放つ、そのどれもがデブライネで、そのどれもが均等に行われる可能性があることが重要なのだ。

 

 

 

プレミアリーグだけでなく、ヨーロッパ中で流行しているのがゴールキーパーからのビルドアップ、広いピッチにうまく人を配置したプレス回避である。

たぶんその流行の最もたるチームはマンチェスターシティであり、ビルドアップが詰まったり、相手がハイプレスであれば、エデルソンに下げてサイドチェンジを行う。

サイドで奪おうとしたり、プレス回避のために大きく蹴られるロングボールを回収したりする守備はマンチェスターシティにまったく通用しなくなった。

マンチェスターシティも同様のことを他チームにやられていた

 

少しだけ図を使って解説したい。

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3バックでも、4バックでも、GKがボールを持つと 、CB、WB、SBがサイドラインまで開く。

マンチェスターシティは序盤戦、この相手GKにプレスをかけ、WGでペナルティエリア幅に開くCBをマークした。

4-3-3による守備を行っていたのだ。

 

すると図からもわかるが、サイドラインに開いた選手がぽっかりと空いてしまう。簡単に前進されてしまうのだ。

これはボールロスト後のハイプレス時にも同様で、無類の強さを誇った18-19シーズンのようにはいかず、GKを経由したプレス回避ではがされてしまった。

そもそも全体的に能力が向上した現代フットボールの選手たちは下位チームでも中央の選手(センターハーフセンターバックゴールキーパー)には技術の高い視野の広い選手を置いている。

 

どのチームにもなんとなくボールを動かされるようになったマンチェスターシティが変えたのが3つ目と4つ目の変化

4-4-2守備への移行ボールを持たれることの許容だ。

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これによりファーストディフェンスの3トップを簡単に突破されなくなり、だれかが飛び込んでどこかが数的不利になることも減った

これまでのマンチェスターシティは、ボールを持つことが自分達を守る最大のディフェンス行為だったのだが、ルベンディアスという最強の盾を得たことで「引いて受けても守れる」という自信を得てしまった

 

これは強い。

(最大の要因はハイプレスを連続するインテンシティに耐えられる陣容ではなかったのかもしれないが)

 

 

とは言え、選手を獲得するとか監督を変えるとかそういったことをせずに既存の戦力でシーズン途中でチームを引き戻したマンチェスターシティのスタッフたちにはありがとうと伝えたい。

 

 

そのほかに印象に残った試合はこの2試合。

 

まずは、カンセロロール初お披露目のニューカッスル戦。

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 次がチェルシー戦。

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 13節のデブライネ依存の現実を受け入れ、14節とニューカッスル戦で戦術に1さじ加え、チェルシー戦で形とした。

この4試合の約1か月のシティの動きは、ペップと選手たちの苦労とその結果が見られたとても良い例であったと思う。

 

 

 

フォーデンの独り立ち

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今シーズンのフォーデンを語らないことには、マンチェスターシティの振り返りにはならない。

今シーズンもっとも早く得点とアシスト両方で、二桁を達成したシティグループの才能は、大切に大切に育てられた結果ついに、いや、当たり前のようにチーム内での地位を確立した。

 

もっとも僕らの記憶に刻まれたのはチャンピオンズリーグラウンド8ドルトムント戦の2ndレグでのミドルシュート

ショートコーナーからボールを受けたフォーデンは、左足を振り抜き、ニアサイドにボールが吸い込まれた。

 

そして、プレミアリーグ第23節のリバプールのゴールも忘れられない。

左からのサイドチェンジでボールを受けたフォーデンは、そのままペナルティエリア内に侵入。

左足の細かいタッチで一瞬のコースを作り出したその刹那にはボールはゴールネットを揺らしていた。

 

マンチェスターシティの未来そのものだ。

 

右足を軸に軽く跳ねるように左足でドリブルする彼の活躍をもっとも喜び、当然に実現させたのはペップである。

 

 

個人的には、敗戦したプレミアリーグブライトン戦のハーフラインからのドリブルシュートが衝撃だった。

チームでパスを繋いで崩していくマンチェスターシティが彼の台頭により、個人能力で得点が取れてしまった。

 

おそらく個人の突破で得点が取れたのはこのゴールだけだったと記憶している。

 

 

今のマンチェスターシティにはない突破力を感じ、彼が得点源となる日ももうすぐそこに来ているはずだ。

 

 

カラバオカップ4連覇とプレミアリーグ制覇【第27節~第37節】~気の抜けた総力戦期~

先にも書いたが、リーグを折り返した第20節にはプレミアリーグで首位に立った。

一時期14位という位置にいたマンチェスターシティはもうどこにもいない

連勝街道まっしぐらの絶好調ペップシティであった。

 

21連勝を達成したチームは、もうプレミアリーグ優勝は手中に収めたようだった。

 

照準は、初のビッグイヤー獲得。

 

ペップには珍しく、ターンオーバーも駆使しているように見受けられた。

4-3-3、3-4-2-1、4-2-3-1、3-3-3-1というシステムを使った。

特にチェルシー戦の3-3-3-1は我々を大いに混乱させた。

こういうことをするからチャンピオンズリーグへの不安は増すばかりであった。

 

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参考までに3-3-3-1のときのフォーメーション図を貼っておく。(ちなみに負けた)

 

 

コンペティションで優勝の可能性があったマンチェスターシティ

ペップは誇張表現なくトップチームのメンバーをすべて起用している。

第3ゴールキーパーのスコットカーソンも36節のニューカッスル戦で出場し、見事勝利に貢献した

 

 

4月にはカラバオカップ決勝トッテナムをくだして4連覇を達成

マンチェスターシティのための大会とも言えるカラバオカップでは、一貫してステッフェンがゴールマウスを守った

 

しかし、第27節(今シーズンはコロナの影響もあり、変則的なスケジュール)から第37節までのシティは少し気が抜けていたかもしれない。

マンチェスターユナイテッド、リーズ、チェルシー、ブライトンに敗戦。

 

 

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それまで2敗だったマンチェスターシティは、残りの10試合で4敗した。

 

それにしても負けた相手がなんとも後味が悪い。

お隣さん、ペップの師匠、オイルマネー先輩に負けたのはあまり気持ちの良いものではない。

ほぼ優勝を決めていたのは本当に良かったと思った。

 

マンチェスターユナイテッドにも、リーズにもカウンターを華麗に決められ、チェルシーには史上最大の奇策で普通に負けてしまい、ブライトンには身長のあるCB2人に決められ逆転負けを喫した。

 

もう一度言うが、早めに優勝を決めて本当に良かった。 

 

 

 

そしてチャンピオンズリーグ

2月から再開した決勝トーナメントでは、ベスト16でメンヘングラッドバッハを、ベスト8でドルトムントと、ドイツ勢4連戦を全勝で突破。

鬼門であったベスト8を危なげなく通過した。

 

 

ここら辺から我々ファンは手が震えてくる

次を抜ければついに決勝。

 

相手はフランスの絶対王者パリサンジェルマン

ネイマールとエンバペを擁する昨シーズンのファイナリストだ。

 

SNSでは、ベスト4でペップが奇策にでないだろうか、と心配する声が数多くあった

 

結果はみなさまご存知のとおり、ジンチェンコ大活躍、PSGの自滅感も否めなかったが、勝利をおさめ、初の決勝進出。

 

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相手はチェルシーに決まった。

 

SNSでジンチェンコ大活躍の得点シーンを分析したものがあるので貼っておくので、思い出してジンチェンコのプレーを再度振り返ってほしい。

 

 

 

奇策が出ずに勝利をおさめたマンチェスターシティは決勝で不思議な戦い方をするのであった。

 

 

アグエロの退団とラストゲームプレミアリーグ最終節】

マンチェスターシティに初優勝をもたらした偉大なレジェンド

 

セルヒオ・アグエロ

 

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11年にわたる彼の功績はおそらくだれも超えることはできないだろう。

クラブ最多得点の記録は偉大すぎるが、彼のキャラクターはとても愛らしい。

ここまで偉大な記録とのギャップを持った選手もいない

 

 

アグエロは退団を決め、シーズン終盤にはバルセロナへのフリー移籍がアナウンスされた。かつてペップが率いたカタルーニャへ。

それでも、ファンの心はアグエロから離れることはない

 

それはアグエロが、心のなかでいつまでもマンチェスターシティのアグエロだからだ。

今シーズンのアグエロはコンディション不良、怪我、そして新型コロナウイルスと満足のいくシーズンを過ごせていない。

 

アグエロプレミアリーグ第5節アーセナル戦、第6節ウェストハム戦でスタメンとなったが、第26節再度ウェストハム戦でスタメンとなるまでは途中出場がたったの3試合だけだった。

得点は第37節までに2点。

歴代最高のストライカーが少し寂しい感じもした。

 

チャンピオンズリーグでは、7試合に出場したが先発出場は1回。

得点は2得点であった。

 

 

第37節のブライトン戦で、2点リードしながら10人のシティはブライトンに逆転されて負けてしまう。

プレミアリーグで優勝を決めたからと言ってこのレジェンドを負けのムードで送り出すわけにはいかないとだれもが心に思っていた。

 

最終節

 

そのアグエロはピッチに立った。

65分に現れたアグエロの姿は少しの観客と全世界のテレビの前の人たちが待ち望んだ姿だ。

これまでマンチェスターシティでもっとも得点をあげ、多くのタイトルに貢献したお茶目なアルゼンチン人に素晴らしいリーグラストを。

そう、だれもが願ったが、アグエロはそんなことは関係がなかったようだ。

 

出場してたったの10分で2ゴール

 

そしてそれをアシストしたのは今のマンチェスターシティで一番長く時間を共にしたフェルナンジーニョからのものだった。

 

 

アグエロおおおおおおおお!

 

 

という実況はマンチェスターシティのアグエロのものだ。

私たちはずっとそう思っている。

 

 

すぐそこまできていたビッグイヤーチャンピオンズリーグ決勝】

プレミアリーグ最終節 アグエロの2ゴールを含む5発快勝で早々に優勝を決めたリーグを締め括った。

残すところはビッグイヤーだけ。

チャンピオンズリーグのタイトルだけだった

 

そう。

"だった"と言わざるを得ない

 

マンチェスターシティは届かなかった。ペップはまたも届かなかった。

マンチェスターシティでヨーロッパの頂点に立つ挑戦は、来シーズンに持ち越すことになる。

 

それも良い。

なぜなら2021年の4月にペップはマンチェスターシティとの契約を更新したからだ。

 

少しだけ試合の話を。

 

 

チャンピオンズリーグ決勝【マンチェスターシティ0 - 1チェルシー】 

スターティングイレブン

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全シティファン絶望ギュンドアンアンカーシステム。

なぜなら今シーズンロドリもフェルナンジーニョも出場しなかったのは、唯一この試合だけだったからだ。

 

マンチェスターシティは、チェルシーのコンパクトな守備におおいに苦しめられた。

後ろの7人がブロックをつくり、マウントとハヴァーツでハーフスペースを埋める。

唯一、ボールを受けられたのは左のハーフスペースだったが、それはデ・ブライネだからスペースとしてボールを受けられただけ

 

マンチェスターシティがここまでフィニッシュでもたついたのは、幅を取る両サイドで質的に大敗したからだ。

チェルシーのWBは最高の自信を持ってプレーしていた。途中からスターリングは、突破を諦めていたように見えた。

 

 

一方のチェルシーマンチェスターシティをどう攻略したのかを簡単に考察。

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マンチェスターシティは、今シーズン4-4-2ブロックで受ける守備に切り替えたことにより、相手チームのGKがわりとボールを持てることが多かった。例に漏れずチェルシー戦も同様だった。

少しだけ違うのは、上の図を見るとわかるが、マンシティは4-4-2と言いつつ、両サイドが高い位置で、3CBの両CBをマークするような立ち位置を取っていた。

これでは4-2-4である。

 

引いてチェルシーのWBをマークすればいいのに、と思った人もいるだろう。私も思った。

しかし、前半何度なくヴェルナーが裏を狙った

後方の選手からヴェルナーへパスが出されていた。

マンチェスターシティは、こういった展開に弱い。なぜならウォーカーを除いてシティのディフェンダーにはスピードが少し足りない。

そうなると後ろからパスを出されないようにする必要があるため、上の図のようになる。

もちろんカンテとジョルジーニョの中央も厄介なので、デ・ブライネ、フォーデン、ギュン、ベルで抑える。

残りはチェルシーの前線3枚に対してシティのDFが4枚。同数以下にはできないので、やはり上の図のようになる。

前半40分、42分とまったく同じようにGKからWBにボールを逃がされてそこからゴール前に運ばれたのが失点の要因だった。

 

 

チェルシーがうまかったのは、ウォーカーサイドにボールを逃がしたことだ。

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ウォーカーが一列前に出てWBに対応することになるので、ヴェルナーやハヴァーツとよーいどん!で走り合うのはルベンディアスとジンチェンコになる。

逆にジンチェンコサイドに逃げていたら、走り合うのはウォーカーとストーンズ

チェルシーが選択したプレーの正しさをシティファンならわかるだろう。

 

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そういうことだ。

 

 

マンチェスターシティは、来シーズンもう一度同じ舞台を目指す

そしてビッグイヤーを掲げる。

これを期待して新シーズンに向かいたいものである。

 

 

 

[コラム]カンセロロールとはなんだったのか

コラムと題して語るのは今シーズンのマンチェスターシティでのカンセロの活躍だ

 

一瞬のうちに多くのメディアや個人が「カンセロロール」という言葉で、マンチェスターシティの試合におけるカンセロの役割について分析した。

 

私もこのタイミングで”カンセロロール”について語ってみようと思う。

 

まず、カンセロロールはほんの一瞬の出来事だった。

偽SBとは違うカンセロの動きはつかみにくく、チャンスクリエイトに長けたプレーは攻撃に新たなアクセントを与えた

 

 

結論から言うと、”カンセロロール”はただの”カンセロのフリーロール”である。

 

 

ここで私の考える偽SBといわゆるカンセロロールとの違いを説明する。

この違いはボール保持ネガティブトランジションでの役割を見ることで明確になる。

 

【ボール保持】

ペップがバイエルンで編み出した偽SBは、SBの選手が内側に入り、アンカーの横に位置取ることで、より安定的なビルドアップと、ウインガーへの質の高い配球を狙ったものである。

これはマンチェスターシティでも同様で、ジンチェンコやカンセロがアンカーの横に並んだり、ウォーカーがCBの横に入ったりと従来のSBと異なる動きを指導していた。

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第16節エバートン戦のボール保持の形を例に。

この試合左SBのカンセロがロドリの横に動き、スターリングとマフレズが幅を取っていることがわかる。 

右SBのウォーカーはCBと同じ位置で内側に絞っていることも見て取れる。

 

 

一方で、今回アーセナル戦で構想を得て、第15節ニューカッスル戦で披露された”カンセロロール”とはどういうものかというと、SBがアンカー、IH、トップ下の位置をボールと相手の配置によって様々に変えていくものである。

 

 第15節ニューカッスル戦を例に。

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カンセロがロドリの位置も飛び越えてトップ下のデブライネの位置まで上がっていることがわかる。

 

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この試合ニューカッスルが守備的にブロックを作っていることも影響しているが、カンセロとギュンドアンをハーフスペースに立たせ、相手の5バックがつり出されたところで裏を狙うこともできるため、容易に最終ラインから縦パスが入っていた。

 

このように、”カンセロロール”と呼ばれていたカンセロの動きは、本来の偽SBのパスの出し手という目的から、パスの受け手になることを状況を見ながらその都度判断して、相手の守備組織を破壊していくプレーだったのである。

 

 

 

【ネガティブトランジション

先ほどのボール保持の図を見てもらい、パスを相手にカットされた瞬間というのをイメージしてもらえるとわかりやすい。

 

偽SBは、SBがアンカーの横に並ぶため、 ボールロスト後のファーストディフェンダーにもなれるし、4バックに戻ることもそこまでの距離を走らずとも可能である。

ポゼッション高めに試合を進めるチームにとっての被カウンター対策としても偽SBは有効である。

 

 

一方で、”カンセロロール”ではどうだろう。

上のニューカッスル戦の2枚目の図で、ニューカッスルのDFラインと中盤の間でボールを奪われたときにカンセロの戻る距離は、おそらく偽SBの位置から戻るよりも倍以上の距離が必要で、カンセロが間に合わなければだれかがその代わりを負担しなければならない

カンセロロールでは、ファーストディフェンダーにはなれず、相手のカウンターを追いかける形になってしまうこともなんとなくイメージができるだろう。

 

 

カンセロロールという言葉が出たことは、カンセロの能力を象徴するとても素晴らしい表現であるが、ニューカッスル戦以降このカンセロの使われ方が頻繁に行われたわけでもない

カンセロに徹底してマンマークをつけたり、カンセロが入るであろうエリアに人を配置していたり、とプレミアリーグの監督たちはすぐに対応してきたためである。

また、こぞって「カンセロの裏」「カンセロの守備における判断の甘さ」を狙ってきていたこともあり、終盤になるにつれ、偽SB以上の役割はカンセロにも与えられなかった。

 

おそらくペップは、対戦する相手が5-4や4-5のブロックで横幅もコンパクトにしていたことで手詰まりとなっていた攻撃に、カンセロを入れることで、カンセロのために手を打ってくるであろうことを想定していたのだと思う。

 

つまり、カンセロを自由に攻撃に参加させることで、対カンセロを意識した守備を対戦相手は考えることになる

その意識を利用して、カンセロを起用しながら通常の偽SBを活用するなどして、マンチェスターシティの攻撃の的を絞らせないようにしたと考えらえる。

 

ということは、このカンセロロールという言葉が一時でも生まれたことは、ペップの思惑通りだったのかもしれない

 

 

 

ジンチェンコ特集

閑話休題

少し頭と心を休めておこう。

 

マンチェスターシティで好きな選手は?と問われたら必ずある選手の名前を言うようにしている。

 

ジンチェンコだ

 

シティのユースに加入してからレンタルで武者修行をしたのちレギュラークラスにまで上り詰めたマンチェスターシティでは稀有な存在である。

 

そんなジンチェンコの今シーズンを振り返ろう。

 

 

プレミアリーグ

プレミアリーグでのジンチェンコは、前半戦と後半戦でチームでの立ち位置をがらっと変えた選手だった。

 

第15節まで出場は0

左SBはカンセロとメンディーだった

 

 

状況が変わったのは、メンディーが調子を落とし、ウォーカーがコロナ陽性となったことから。第16節にリーグ初出場を果たした。

 

そこからのジンチェンコの活躍は、みなさまご承知のとおり。

外と内のポジショニングを巧みに使い分け、外からは中央へ的確な斜めのパスを通し、内側ではビルドアップに貢献し、ディフェンスではファーストディフェンダーとして機能した。

 

20-21シーズン

  • 第2節~第15節 0試合出場
  • 第17節~第38節 20試合出場(先発15試合)
  • 1試合あたりのタッチ数 84
  • 1試合あたりのキーパス数 0.8
  • 1試合あたりパス成功数 90%
  • 自陣での正確なパス 92%
  • 敵陣での正確なパス 85%

 

 

チャンピオンズリーグ

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チャンピオンズリーグでは、9試合に出場し、1アシストを記録

 

マンチェスターシティ初の決勝でもしっかりとプレー

唯一の失点に関与したようにも見えるが、あれだけCBが持ち場を離れさせられてはSB一人で守るのはかなり難しい

トゥヘルの作戦勝ちだと思う。

 

もっとも印象的だったシーンは、ベスト4PSG戦。

ネイマールのドリブルについていき、ストーンズとのダブルスライディングでシュートブロックをしたシーン

シュートブロック後のストーンズとのお互いを称えあう抱擁は見るものの心を震わせた。

 

 

■EURO2020

ウクライナ代表として出場し、ベスト8となったジンチェンコ。

監督のシェフチェンコは、攻撃の核をジンチェンコとし、テクニカルなチームを作った

 

ジンチェンコは5試合すべてに出場し、1ゴール1アシスト。

ベスト16のスウェーデン戦では、MVPに輝いた

 

個人的にもっとも印象的だったのが初戦のオランダ戦。

3失点目を自分が競り負けて与えた後の悔しがり方、強引なドリブル。

チームを勝たせたい。自分のミスを取り返したいという強い思いを感じた

だからこそ、グループリーグを突破したときは私もとてもうれしかった。

 

 

 ■その他

棒になるジンチェンコ

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ルベンディアスのキャプテンシーを世に知らしめたのはジンチェンコかもしれない。

フリーキックのときに、壁の後ろで横になり、飛んだ壁の下を抜けるボールをブロックする役割は近年のサッカーではよく見かける。

マンチェスターシティでは、どうやらジンチェンコがその役を引き受けているようだが、位置がいまいちだったのかルベンディアスがジンチェンコを引っ張るシーンが全世界に放映された。

そしてなにを思ったか、そのシーンを切り取って自身のインスタグラムに投稿したジンチェンコであった。

 

犬を客に見立てて奥様とシェフごっこ

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いったい我々はなにを見せられているのか

 


いや、インスタグラムをフォローしているのは自分なのだから自分から見に行っていると言われたらそれまでだが、奥様との仲睦まじい姿を見せられてはジンチェンコを嫌いになれる人なんていない。

よくサッカー選手は奥様に価値を下げられたり、チーム内で立場が危うくなったりすることが見られるが、リポーターである奥様も目立つ気はなく、ジンチェンコをサポートしているようだ。

この心身の安定が今シーズンのプレーに繋がったのだと思う。本当に感謝しかない。

しかし、犬を客に見立ててシェフごっこはしないし、したとしてもインスタグラムに載せたりもしない

どうてもいいことだが、私も奥様とは仲良しだ。

 

ちなみにジンチェンコの奥様が第1子を授かったことをインスタで知った

ジンチェンコもお父さん。

チビライネやチビターリングとともにチビチェンコの成長にも期待したい。

 

 

契約延長とさよなら

シーズンオフにはどうしても悲しいことが起きる。これまでともに戦ってきた仲間たちがいなくなってしまうからだ。出会いと別れの季節はサッカー界では、真夏と真冬にやってくる。

 

契約延長

ペップ・グアルディオラ

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2023年までの契約延長。

ペップ監督人生の中で最も長い7年シティを率いることになる。

 

ケビン・デ・ブライネ

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2025年まで契約延長。

引退までシティにいてくれるだろうか。

 

フェルナンジーニョ

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2022年まで一年間の契約延長。

彼がいる間に後進の育成に。

 

 

さようなら今までありがとう

いなくなってしまう選手たちも紹介しておこう。これからどんどん増えていくかもしれない。

寂しい。

 

 

移籍市場特有の適当な噂もたくさんある。

ジェズス、ベルナルドシルバ、ラポルト

8月8日のコミュニティシールド、16日のプレミアリーグ開幕戦、31日の移籍市場クローズではどんな陣営で新シーズンを歩むことになるのだろうか。

 

 

記録の部屋

最後に、20-21プレミアリーグのマンシティを記録で振り返っていこう。

プレミアリーグ成績

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勝ち点86で堂々の優勝。

優勝自体は数試合を残して決めていたので、最後は失速したが2シーズンぶりの優勝を味わうことができた。

 

ポイントは守備の安定感と言いたいところだが、数字だけ見ると19-20シーズンの35失点と比較してもあまり変わりない(20-21は32失点)

理由は終盤の大量失点とレスター戦の5失点。

 

シティとしては得点数が20点以上少なかったことを問題ととらえているかもしれない。この夏の移籍市場でまだ動きはないものの、攻撃的選手を狙っていることはうかがえる。

 

 

 

チーム内得点王

1位 13点(17点) ギュンドアン

もっとも印象に残ったのは、第17節のチェルシーで、左からのパスを右足の後ろを通してトラップし、右足で冷静に振りぬいたゴールと、

第24節トッテナムにリベンジを果たしたエデルソンのロングパスからダビンソンサンチェスを華麗なステップで尻もちをつかせたゴールだ。

 

ダブルボランチで起用されるギュンドアンは、どこかやりにくそうで、まるで水を得た魚のようにゴール前に顔を出すギュンドアンは見ていて楽しかった。

 

 

2位 10点(14点) スターリン

今シーズンのスターリングは派手なゴールがなかった。なんとなくそこにいたことで生まれたゴールが多かったように思える。よりストライカー的な感覚が高まったシーズンだとも言えるが、決め切りたいところでのゴールがもっとほしかった

 

ドリブル突破もほとんどしない自信のないスターリングがシーズンの終わりには多く見られた。

EUROではイングランド代表として決勝進出の立役者となったスターリング。来シーズンの再起を期待。

 

 

3位 9得点(14点) マフレズ

ボロ負けした第3節レスター戦でのコーナーキックのこぼれ球を右足で振りぬいたゴールがもっとも印象的だった。

マフレズもレスターにいるときより大分プレーの印象が変わって、ドリブル突破やキープが少なくなり、裏への抜け出しや右足でのシュートが増えていた。

自分のストロングポイントを利用したこの2つのプレーは、大いに有効だったが、マフレズのドリブルはもっと見たい。

 

※()内は、全コンペティションの数字

 

チーム内アシスト王

1位 12アシスト(17アシスト) デブライネ

基本的に、人を辞めたかのようなプレーを連発するが、もっとも印象的だったアシストは右サイドから左足でピンポイントクロスを送った第26節ウェストハムでのルベンディアスへのアシストだ。

コーナーキックのこぼれ球をジンチェンコ、ウォーカーとつなぎ、ロングボールでデブライネに渡ったところ。内側にトラップしたデブライネは迷うことなく左足を振りぬいた。ハイライトを見てもらうとわかるがけっこう距離があり、緩いボールではキーパーが出てきてしまう。

スピードも滞空時間もすべてがパーフェクトなパスを利き足とは逆足で蹴ることができる。20-21シーズンもお願いしたい。

 

 

2位 7アシスト(10アシスト) スターリン

シーズン終盤は悪い評価もあったが、序盤のシティの得点減だったし、最終的にリーグでは得点もアシストも2位なのだから十分の活躍。

今シーズンはギュンドアンへ送ったいくつかのアシストが思い出される。左から中央に移動し、そこからタイミングを見て、ペナルティエリアを突破し、切り返したところで走り込んでくるギュンドアンにラストパス。

ギュンドアンの得点を加速させてくれたのは間違いなくスターリングだった。

 

 

3位 6アシスト(8アシスト) マフレズ

スターリングと同様にマフレズも得点とアシストで上位に入ってきた。

右サイドの深いところでボールを持ち、ペナルティエリアに直角にドリブルし、右足キックフェイントからの左足クロスは今シーズン何度なく見られたシーンで、このプレーはシティの武器であったのは間違いない。

 

 

※()内は、全コンペティションの数字

 

出場数(先発、途中出場)

リーグ戦での出場数の上位は以下の通り

  1. エデルソン
  2. ロドリ
  3. スターリン
  4. ルベンディアス
  5. ギュンドアン
  6. ジェズス
  7. カンセロ
  8. フォーデン
  9. マフレズ

 

先発出場で見ると以下の通り

  1. エデルソン
  2. ロドリ
  3. ルベンディアス
  4. スターリン
  5. カンセロ
  6. ギュンドアン
  7. ベルナルドシルバ
  8. ストーンズ

 

途中出場は以下の通り

  1. フォーデン
  2. フェラントーレス
  3. フェルナンジーニョ
  4. ジェズス
  5. ギュンドアン
  6. ジンチェンコ
  7. アグエロ

 

プレミアリーグにおけるペップの中での優先度と交代枠の使い方がよく見て取れる。

特に途中出場上位3人は、試合の流れを変えるため、攻撃の切り札、試合を終わらせるためといった役割が見えてくる。

フォーデンはおそらく新シーズンはもっと試合に出ると思う。

個人的には左SBがどうなるかが気になるところだ。

 

得点と失点の分析

得点数:83得点

失点数:32失点

 

上のデータからもわかるように今シーズンは総得点が減った代わりに守備が向上したシーズンだった。ハイプレス一辺倒だった守備はピッチ中央まで引いて受けることも実践するようになった

ルベンディアスという安定を得たことは引いて受ける守備に移行できた要因でもあるのは間違いない。

 

さて、得点数の減少はどう説明できるだろう。

二桁得点がギュンドアンだけというのは要因に違いないがそれよりも、FWの不調という要因の方が大きい。

アグエロのコンディションがシーズンを通して万全にならなかったこと、ジェズスがより守備での貢献が高まり、引いて受ける技術が向上したこと、スターリングが自信を失ったことがぱっと思いつく。

この問題を解決するのは、ホーランドか、はたまたフォーデンか。

ジェズスやデラップが殻を破るか。

パサーはたくさんいるので、あとはスコアラーだけだと思うのは私だけではない。

 

 

失点についてもう少し細かく見ていきたい。

 

失点についてシーズン途中の段階でまとめた記事があるのでここで紹介しておく。暇があったら読んでみても面白いかもしれない。

 

tadashicity.hatenadiary.jp

 

これをもとにマンチェスターシティを倒そうと考えたのが次の記事である。あまりにもばかげているがかなり力を入れて書いた。

 

tadashicity.hatenadiary.jp

 

 

このブログを何度か読んでくれてる人にはおなじみの失点分析に活用されるピッチの分割イメージである。

f:id:tadashicity:20210723221334p:plain

 

32失点をすべて見て、一つずつどの番号からの失点かを記録した。

かなり時間がかかったが、試合が終わるたびにやっていたのでそこまでの手間にはならなかった。だがしかし、時間はもっと大切に使ってほしい。

 

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その結果が上の図である。

 

さて、どの位置からの失点が多いのか、弱点はどこだろうか、絶対にわかると思う。

 

 

ん?

 

 

んん??

 

 

最も失点しているのは

 

PKからであった。

 

 

気を取り直して、同じ条件でマンチェスターシティの得点を記録した。

それが以下の図である。

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このPKの少なさはなんだ。

 

 

得点と失点両方を比べてわかるのは、マンチェスターシティは相手ペナルティーエリア内に侵入し、成功しているが、同じ割合だけ相手にも侵入されている。

②、③、④、⑧でのゴールが得点でも失点でも生まれいて、PK以外の傾向が同じなのが驚きである。

 

素晴らしいクロスから得点決めたりしていればクロスを上げた位置をカウントしていたにもかかわらず、①、⑤が少なかったのは、奥深くまで侵入することもなく、侵入もされていなかった

SBの裏を取られるのがかなり高い位置のマンチェスターシティは①、⑤の位置からクロスを上げられることは少なく、チャンスにもならなかった。

一方で、攻撃の際には①、⑤に侵入することはほとんどない。

38試合を見た傾向はこの二つのグラフからもしっかりと読み取れた

 

 

ただ、それよりもマンチェスターシティは、PKを与えないようにして、PKを決められるようになってほしいと心から思う。

 

 

対シティのフォーメーション

最後にマンチェスターシティと対戦したフォーメーションをまとめてみた。

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4-2-3-1が最も多かった。

3バックや5バックが主流になったかと思っていたが、案外シティ相手には4バックが多いことがわかった。

 

シティに勝利したチームは、

レスター(5-4-1)、トッテナム(4-2-3-1)、マンチェスターユナイテッド(4-2-3-1)、リーズ(4-1-4-1)、チェルシー(3-4-2-1)、ブライトン(3-5-2)

の6チーム。

この6チームはリーズは置いといて、このフォーメーションが「シティのIH及びハーフスペース活用を阻害」するのに適したものだったということがなんとなくわかります。

3バック、5バックは初めから5レーンに人を配置する。

4バックの2チームはアンカーの2枚がIHの動きに対応する。

というところでしょうか。

 

うーん、いまいちです。

これはそのときのシティのフォーメーションとの紐づけをしないといい考察はできそうにありません。これは20-21シーズンの課題としたいと思います。


 

 

長くなりましたが、以上となります。

飛ばしながらでも、読んでいただいて本当にありがとうございました

マンチェスターシティを愛するものとして、マンチェスターシティがこの1年をどう過ごしてきたのかを毎年書き留めていきたいと思っています。

 

 

初戦は8月16日のトッテナム戦。

新シーズンハリーケインがどちらのチームでプレーしているか注目が集まる開幕戦。

EUROも終わり、いよいよプレミアリーグの開幕の空気がイングランドの方角から漂ってきています。

 

目指せビッグイヤープレミアリーグ連覇!

 

それでは!