ラ・リーガ 第3節 アトレティコ vs エイバル
こんにちは。
tadashiです。
今回はたまたま見たアトレティコマドリードとエイバルの試合が面白かったので初めてラ・リーガのレビューを。
[結果] Atretico Madrid : Eibar
3 -2
7分 Charles シャルレス (Eibar ST)
19分 Arbilla アルビージャ (Eibar 左SB)
27分 Joao Felix ジョアンフェリックス(Atretico Madrid ST)
52分 Vitolo ビトーロ (Atretico Madrid LM)
90分 Thomas トーマスパーティ(Atretico Madrid CM)
まさかのエイバル2点先取。しかし、最後はアトレティコに力で押しきられる形に。
続いてスタッツ。
[スタッツ] Atretico Madrid : Eibar
シュート 7 : 6
パス本数 346 : 232
パス成功率 78% : 67%
オフサイド 9 : 0
ロングボール 72(48%) : 96(44%)
ドリブル成功 11 : 3
シュート本数はほぼ同じだけど、その他のスタッツはアトレティコが優勢。特にエイバルはパスがほとんど繋がってません。オフサイドの数もドリブル成功数も見ると攻めの姿勢の違いも見られます。エイバルは乾とペドロレオンがいたんだからもう少しやり方があったんじゃないかな、と思いました。
乾がエイバルに復帰してスタメンということで、開始4分でイエローカード。気合い入ってます。
両チームの狙いが明確でお互いどう攻めて守るんだろうというワクワク感がありました。
[今回のポイント]
・双方の狙い
・Atreticoの修正
・新生AtreticoMadrid
まずはお互いのフォーメーション
Atretico Madrid
4312
レマルをトップ下に配置した4312。中盤の後ろは左からコケ、サウール、ジョレンテです。ジョレンテはレアルマドリードからの新加入。
2トップにジエゴ・コスタとジョアン・フェリックス。150億円のジョアン・フェリックス期待です。新エース。
DFは左からロディ、エロモーソ、ヒメネス、トリッピアー。3人が新加入です。
Eibar
4231
乾が左WGでスタメン。右はペドロレオン。トップ下に今回のキーパーソンであるオレジャーナ。
FIFA17か18でエイバル監督キャリアをやっていたのでメンバーもスッと入ってきますが入れ替わりも多いですね。監督は今でもメンディリバルです。
[双方の狙い]
試合開始早々エイバルの狙いが見えます。がんがんいこうぜです。縦にも横にもコンパクトに整えて、アトレティコのビルドアップを阻害しようとします。
「逆サイドは捨てろ。中央に固まれ。」
一方、アトレティコはSBを高くワイドに配置し、エイバルの陣形を広げようと何度もサイドチェンジを行っていました。
ビルドアップは2CB+サウールとジョレンテ。
前線に残りの6枚がいる瞬間も多々ありました。アトレティコって相手に持たせて、奪ってカウンターじゃなかったですか?エイバル相手に繋ごうとしてたんで。
例えば、CMが下りて図のようにボールを持ったとしたら極端な話トリッピアーはボールが出るまで間接視野で捉える程度しかケアしません。
そうやって、密集地帯でパスミスを誘発して、奪ったボールをオレジャーナへ渡します。両SBが高い位置をキープしているので真ん中をしめきれていないところをCBがケアしてマークがずれていたような気がします。
このチリ代表はこの試合の前半の前半だけに限って言えばボールロストもなく、確実にボールを納めていました。フリーに動くことで、ボールの受ける位置を4バックと3CMの間とし、エイバルの2点ともそのような形でオレジャーナがキープして生まれています。
[Atreticoの修正]
さっそく2点のビハインドで、アトレティコはすぐに対策。中盤をフラットの4枚にします。
レマルが左、コケが右です。
■配置替えの意図
茶色がアトレティコ、黒がエイバルです。点線の囲みは対峙する選手同士を繋いでます。
アトレティコはダイヤモンドの形だと、エイバル相手に均等に配置ができていませんでした。エイバルのトップ下がDFとCMの間に入っててけっこう嫌な位置にずっといられることになるんです。
そこで、シメオネは中盤をフラットに。エイバルに対して均等な配置にし、トップ下への経路を絶ち、攻撃に繋げる狙いに変えました。
こうするとうまく配置できているように見えますね。特にST2枚で相手のCBとDM4枚を引き付けられるのは有効です。
前半の途中からすぐにこの形に変え、ゲームの流れを戻したシメオネ。さらにその展開にすぐに合わせたアトレティコの選手たちはさすがです。
そして26分にAtreticoの得点。
流れはアトレティコのまま前半終了。
エイバルは勝っているのに、悪い流れが立ち込めます。失点の瞬間は完全に気が抜けていましたね。
後半もアトレティコのペースのままビトーロが同点弾。アディショナルタイムにトーマス劇的逆転弾でエイバル沈没です。もう少しサイドから中への斜めのパスをケアするべきだったと思うけど、、
エイバルはオレジャーナへの対応をされたあとも攻めの形を変えずにいました。せっかく両SBが高い位置にいてくれているのだから、ボジティブトランジションで乾のドリブル突破やペドロレオンの正確なクロスを活用しても良かったかなと思います。そこまであまりパスが繋がっていなかった可能性もありますが。まあしかし、メンディリバルは前の2試合よりも感触は良かったんじゃないかと思っています。
[新生Atretico Madrid]
シメオネが監督になって8年。アトレティコのフロントはことごとく移籍市場で失敗してきました。
しかし、
今年はジョアンフェリックス、ロディ、エロモーソ、トリッピアー、ジョレンテと新戦力が期待通りに働いてくれているように思えます。
投じた移籍金は250億円近く。
特にジョアンフェリックスには150億円の移籍金をベンフィカに支払っています。
ゴディン、ファンフラン、フェリペルイス、リュカエルナンデス、グリーズマンとこれまでアトレティコを支えた選手たち+ロドリを売却。(約300億円)
世代交代とエースの交代は今のところ申し分ない結果を出しているように思えます。
レアルとバルサが軒並み低調なスタートとなった今期のラリーガのタイトルを今度こそアトレティコがとるかもしれないと思いました。コケがついに主将というところも熱いです。シメオネのサッカーを見てるとモチベーションが低いとできないから、どう保持し続けるかは監督の手腕にかかっている。常にリーガの上位にいて、主要な大会でも勝ち進んで行く必要もある。
最後にエイバルのまずかったと思う失点シーンを。
51分。
オブラクとヒメネスの連携ミスでアトレティコのペナルティ付近でボールがルーズになりました。
点線の直線はボールの動き
実線矢印の直線は人の動き
点線の波線はドリブル
を表しています。
エイバルはアトレティコキーパーがボールをキャッチしたことで重心が後ろに向かったままでした。そんな中、乾だけが反応して、ヒメネスと競り合うんですね。で、乾がはがされる。
その後、ボールはダイレクトでトリッピアー、コケ、レマルと繋がれ、エイバルはLBとDMがチェックに行きますが二人がドリブルでかわされました。
するとゲームプラン通りにエイバルはプレーしてるので、何が起こるかというと、、、
アトレティコの左SBロディの前には広大なスペースが。
チーン。
そこをつかれ、最後はビトーロに技ありのシュートを決められます。
問題は2つです。
乾は、あの瞬間一人だけ反応できたのは素晴らしかった。しかし、フォローがいない。少なくとも周囲に声をかけながらヒメネスへプレッシャーにいかなければなりませんでした。連動が何よりも大切。チームスポーツです。
もう1つは、今と逆で周りの選手がまったく反応しなかったことです。乾単独突進。
ヒメネスからのパスコースはトリッピアーに、トリッピアーはCMにしかなかったので、DMやSBが詰められていればはめることができ、カウンターが仕掛けられていたはずです。
さて、初めてラリーガについて書いてみましたが楽しかったです。戦術的には今はプレミアやブンデスが先をいっているように思えますが、技術重視のスペインならではの感じも面白いですね。
この長い文章を読んでいただきありがとうございます。このブログではサッカーのことを好きなように書いています。おかしなことを書いている場合もありますがそのときは激しくバッシングしてください。サッカーを愛するものはみな友達です。
今回のようにMancity以外の試合も突然書こうかと思います。
そのときも、どうかお付き合いください。
それでは!