止めれずMahrez PL第13節 ホーム vs Chelsea
引用:Mancity公式Twitter
こんにちは。
tadashiです。
代表ウィーク明け。年末に向けた過密日程に向けて一勝の重みもより重要になる時期。
今節は昨シーズン6-0でも勝利したチェルシーとの試合です。昨シーズンはサッリにより魅力的なポゼッションサッカーになったかな、と思いきや、失速。ジョルジーニョもうまく機能せず、サッリは1シーズンでユベントスへ去りました。
しかし、そんなチェルシーに朗報。それはクラブのレジェンドランパードの監督就任です。昨シーズン2部のダービーで、プレーオフに進出し、勢いそのまま古巣に監督復帰をしました。個人的には早いかなと思っていましたが、マウントやハドソンオドイ、SBのジェームズなどの若手を積極的に起用し、シティ戦前には3位。我らがMancityよりも上に立つ状況での試合でした。
[結果]2 - 1 WIN
21 kante(チェルシー)
29 De Bruyne(Mancity)
37 Mahrez(Mancity)
[スタッツ]
Mancity : Chelsea
ボールポゼッション 46.7 % : 53.3%
パス本数(成功率) 558(85%) : 644(89%)
自陣側でのパス本数 268本 : 376本
この試合のパス成功率の上位3人がコバチッチ、ズマ、トモリというところからもチェルシーは後ろでボールを回していることが多かったのがわかる。ポゼッションもMancityよりも多く、さらにはドリブルもシティの10本に比べて、16本と勝っている。数字だけ見るとチェルシーの方が良かったように思える。
[今日のポイント]
◻️チェルシーのプレッシング
◻️Mancityの守備変更
◻️WGとSB
[フォーメーション]
◻️Mancity 4-3-3
本日のサイドバックは、CanceloとMendy。
アンカーはRodri、右WGはMahrezです。
De Bruyneが怪我せず試合に出られていることがシティファンにとってはありがたいこです。
RodriとD.silvaが負傷交代に見えたので少し不安です。代わりにそれぞれGundoganとFodenが入っています。(今日の解説ベン・メイブリーさんでした。ギュンドヤンという発音だったんですが、ネイティブ発音はそっちなんでしょうか…)
ちなみにベンさんとMendy、どちらも"Benjamin"なんですが、ベンジャミンとバンジャマンとそれぞれ読むみたいですね。面白い。
◻️Chelsea 4-3-3
今期絶好調のエイブラハムがワントップ。
ウィリアンとプリシッチが両WG。3センターはアンカーのジョルジーニョの前に尋常じゃないほどのボールダッシュ能力のあるカンテとしっかりとしたフィジカルとボールを前に運べるコバチッチを並べています。メイソンマウントはベンチです。両SBはエメルソンとアスピリクエタ。チェルシーはいつまでアスピリクエタなのでしょうかね。それだけ活躍できるのはすごいことですが。
◻️チェルシーのプレッシング
前半開始からチェルシーはボールをキープする。ジョルジーニョがコバチッチと小気味良くワンツーなどで中央を突破し、カンテの機動力、ウィリアンとプリシッチのドリブル、エイブラハムのポストプレーなどでいい形を何度か作っていました。それに対するMancityの守備は後述するとして、ランパードが仕掛けているMancityへのプレスのかけ方を見ていきましょう。
例えば、Fernandinhoがボールを持ったとき。
9番のエイブラハムはアンカーへのパスコースを切りながら、サイドバックへと誘導します。そのときのチェルシー側の視点からすると、点線のように対面の相手を見るようになります。
ここでポイントなのがジョルジーニョがアンカーまで見るということです。Mancityとはまったく異なるアプローチです。
当然Fernandinhoはサイドバックにパスを出します。
するとウィリアンがプレッシャーをかけ、ジョルジーニョは完全にロドリを潰しにいきます。右サイドバックのアスピリクエタはSterlingをマーク。ハーフスペースで前線から降りて、顔を出すD.silvaはカンテがしっかりと追います。
Mancityの状況としてはおそらく一番安全(高い位置にいるという意味)なSterlingにパスを出しますが、そこで刈り取る。
両サイドともそのボールロストでシュートまで持っていかれた場面がありました。囲いながらMancityのパスを狙っていましたね。
チェルシーの3センターはみな守備がうまいです。カンテは言わずもがな、コバチッチも人に強い。実はジョルジーニョもボール奪取はうまいです。
Mancityのビルドアップのボールを取ってから、ショートカウンターという展開は前半の半分ぐらいまでは多かったかな、と思いました。自陣で落ち着かせてからMancity442のハーフスペースをプリシッチとウィリアンで崩したり、ジョルジーニョとコバチッチのパス交換とコバチッチの単独突破で切り裂くパターンもありました。
先発の多かったメイソンマウントがこの試合ベンチスタートだったのは戦術的な意図のことだと思いました。
21分の先制点はチェルシーの狙い通りの得点だったと思います。ゴールキックからボールを繋ぎ、ケパからのロングを一度クリアされますがすぐさま回収。
左サイドでコバチッチとジョルジーニョがダイレクトでMancity2枚をかわし、その隙を見て飛び出したカンテにコバチッチから絶妙なスルーパス。
Mendyがなんとかついていってましたが、カンテの方が少し早くボールにさわり、シュート。ボールは飛び出していたEdersonのわきをすり抜けていきました。
画面右下のコバチッチがボールを持つ。Mancityはいつものように442を作る。ジョルジーニョが中央で少しだけコバチッチに近づくんですね。ジョルジーニョのうまさというか、ダイレクトパスがものすごく柔らかい。ミスする予感がゼロです。
ディフェンスの届かない距離で味方が受けやすいパス。芸術だと思います。
ボールを受けたコバチッチが2タッチぐらいしたあとの状況です。
くいついたDe Bruyneの背後も使えましたが、エイブラハムかFernandinhoを引っ張ったその後ろをカンテが抜けていくのをコバチッチは見ていました。うーん本当に見ていたかは不明ですね。エイブラハムへのパスかも。
崩されました。たった2本のパスで。
ここでSBの気持ちになってみたいと思います。
ディフェンスラインはオフサイドラインになります。
4バックであれば基本的にCBのどちらかが指揮を取り、ボールの位置、状況に合わせて、ラインを上げ下げします。
SBはその動きに合わせてラインを作り、なるべくそのラインから自陣側に下がらないような位置取りをキープして、アンカーのパスコースに入ったり、チャンスとあればオーバーラップしてクロスをあげていきます。
今のSBは、かなり役割が多様化してますが、本来はディフェンスとして失点をしないことが重要視されますし、CBとの連携がとても大事です。
さて、この失点のシーン。SBであるMendyはほぼ100点の対応をしています。
逆サイドから攻められているときは体が逆サイドを向いてますので、ディフェンスラインは目の前にあります。相手とボールとラインを見ながら次の展開に備えます。
このシーンってCBとの受け渡しが難しくて足が止まるんです。一瞬。だから、カンテがエイブラハムからワンテンポ遅れて飛び出したのをとらえられないです。
自分でついていくのか、Fernandinhoに声をかけるのか。ここの判断は非常に重要です。
Mendyはきちんと見ていましたし、対応していました。
エイブラハムの飛び出しによってFernandinhoがつられるから、ラインは下がってそこを他の選手に突かれると。
実際にそこまで考えてるか?というと考えてると思います。僕も左SBの経験が長くいろんなCBとバックラインをつくってきましたが、CBと相手の動きとかは見えます。「この次、ここくるなぁ」というのもわかります。
でも、Mendyはあそこを離されず、ついていけるのすごいなぁと思ってしまいました。失点したけど。
◻️Mancityの守備変更
一方で、Mancityの守備戦術はというと、試合開始から失点するまで、チェルシーにポゼッションさせない!ジョルジーニョのところが危険だ!と言わんばかりに前からプレッシャーをかけていました。
いつもの442で組織し、アンカーを消すようにCBにプレッシャーをかけました。Mancityの誤算は、チェルシーのビルドアップが相性の悪い形だったことです。
いくつかの例を以下に。
ジョルジーニョかCBの間に入り、SBを高くあげる形
コバチッチを下ろして左SBを高くあげる形
特にチェルシーの左サイドではSBのエメルソンが幅を取り、プリシッチがハーフスペースに侵入。ジョルジーニョやコバチッチがMancityの中盤を引き出して空いたところにパスを通していました。
CBがドリブルで前進させることを恐れなかったのも困った点でしたし、ハーフスペースで受けるウィリアンとプリシッチの突破力も素晴らしい。
試合中何度もありましたが、Mancityはプレッシャーをかければ、するりとかわされ、ボールが取れませんでした。
失点したシーンは2枚でコバチッチとジョルジーニョにいったところかわされ、De Bruyneも引き出されています。
失点後すぐにアプローチを変えてきました。
442はそのままであんまり極端にプレスにいかない。という守備戦術に切り替え、ジョルジーニョを泳がせます。ジョルジーニョが難しいところに通してくることを利用してそのパスカットを狙うことにしました。De Bruyneの同点弾はまさにそのパスカットからでした。
距離の長いスルーパスを狙っていたチェルシー。目の前が空くので気持ちはわからなくもないけど、よほどドンピシャのパスでなければCBに取られてしまいます。プリシッチとウィリアンへの縦パスはかなりなくなっていました。(後半にまた復活しますが)
37分のMahrez。素晴らしいカットインでした。
そのプレーにいたる前には、今回はコバチッチでしたが、距離の長い難しいパスをMancityがカットして、Mahrezまで繋げました。
後半はチェルシーも当然点を取らなきゃいけないので攻めます。ボールを保持して前進してハーフスペースを使いながらクロスをあげて…という流れはあまり見られなかった。
442のブロックをつくるMancityは両サイドのWGが内側に入り込んでハーフスペースを消していました。
前半はサイドバックに対してWGがケアしていましたが、それをある程度捨ててスペースを埋めることに専念。
それによって、チェルシーはなかなか活路を見いだせず。
73分にメイソンマウントが投入されるも変わらず。メイソンマウントを入れたことでコバチッチをアンカーに変えました。コバチッチの持ち味はドリブルでの運びですが、アンカーの位置だと活かせません。それでいてマウントが何度も前を向いて攻撃の起点になっていたかというとそれもいまいちでした。
◻️WGとSB
ここ数試合、MendyとAngelinoが順番に試合に出ていますが、Zinchenkoの不在は思ったよりも影響が大きいかもしれません。
SBは試合のなかでマンマークされることも少なく、フリーでボールを持てる機会が多いです。そんななかでZinchenkoのようにボールをキープしてビルドアップに柔軟に対応できるSBはかなり貴重な存在です。元々前のプレイヤーであることもアドバンテージにはなりますが、明らかに前にあげた二人よりもMancityの戦術にはまっている選手であることは間違いありません。
また、SBでキープができるので、WGに動きの余裕が出ます。特にSterlingのような前線での動きだしによって優位性を作り出すプレイヤーにとって、Zinchenkoのような選手は相性もいいです。
MendyとSterlingという組み合わせはあまり良さそうに見えなかったですね。どっちつかずというか、どっちが幅取るの?どっちが中入るの?とはっきりしてないです。Mendyがそもそも左サイドを一人で蹂躙できるほどのパワーがあるので、B.silvaのようなキープできるタイプとMendyを組み合わせたいです。
右サイドはCanceloもWalkerもタイプは違えど、器用な選手です。(WalkerはPepの指導のおかげ)。MahrezもB.silvaも左利きで、ディフェンスにつっかけてリズムを作るタイプなので、それに合わせることも2人のSBは可能です。
これからでしょうか。純粋なSBがZinchenkoのポジションを脅かせないのは、SB出身の僕からすると少し悲しいです。
ということで、世界が注目する一戦はMancityが見事勝利しました。
3位に浮上。
ミッドウィークのCLに向けて気分は上場です。
しかし、RodriとD.silvaが不在。
大丈夫かMancity!!
それでは!