ザハとの駆け引き ~遠ざかるリバプール~ PL第23節 vs Crystal Palace
引用:Mancity公式Twitter
こんにちは。
tadashiです。
今日はロイホジソン率いるCrystal Palaceとの大事な一戦。これからはすべてが大事な一戦になります。CLの出場権はなんとしても逃せません。
前回対戦の記事はこちら。
遂にCB不在のMancity PL第9節 vs Crystal Palace - tadashicityのブログ
Pepはこの日49歳の誕生日。これまでMancityでは、4人の監督が在任中に誕生日を迎えました。マークヒューズやマンチーニなど。
しかし、この4人とも誕生日に勝ったことがありません。そんなジンクスをPepは破ることができるでしょうか…!
目次
[フォーメーション]
◻️Mancity
4-3-3
アンカーはRodriではなく、Gundogan。Gundoganは左SBのMendyとすごく相性がいい。Mendyの大外レーンでの動きをしっかり見ていて、的確にスルーパスを提供します。
WGには久しぶりにSterlingとB.silvaの二人。最近はMahrezがとんでもなく好調だし、Saneも戻ってきます。この二人もスタメンでいられる保証はないです。
◻️Crystal Palace
4-3-2-1
恐ろしきザハがスタメン。ワントップはエバートンからローンで加入したTosunが担います。
読み方のわからないAyewは前回対戦でも出ていたドリブルにキレのある選手です。ホジソン監督がどのようにMancityを泳がせ、自分達の得点に繋げていくのか楽しみでもあります。
[両チームの配置]
前半15分までに見られた両チームの狙いをおさらいします。
◻️Mancityボール保持、Palaceボール非保持
Mancityボール保持
ビルドアップは前節と同じくCanceloを内に絞らせて4人がダイヤモンドの形。
左サイドはMendyを張らせて、2人のsilvaとGundoganのコンビネーションからかけ上がるMendyがクロスを上げるパターン。
右サイドは、SterlingとDe Bruyneがレーンを入れ換えながらペナルティエリア際をインナーラップしてゴール前にボールを運ぶパターン。
Palaceボール非保持
2シャドーのザハとAyewがサイドに落ちて、4-5-1を作ります。
Mancityに対してしっかり腰を据えて受けるようにしていました。中央にブロックを作り、サイドに追いやる守り方。ワントップのTosunがアンカーのパスコースを消すように立ち、中央を経由させないように攻めさせていました。4バックもペナルティエリアの幅でコンパクトに陣形を取り、外はなるべくサイドハーフがカバーしていました。
左サイドのザハは完全に中盤まで下りるのではなく少し高い位置をキープ。SterlingやCanceloの位置を気にしながら、ボールをカットしたら一気に前に飛び出せる位置を非保持の段階で取っていました。
両チームの配置を重ねた図。青がMancity。
Mancityが狙いたいペナルティエリア際はSBが絞ることで塞ぎ、左サイドに片寄っていた攻撃に対してAyewを戻らせ、ザハはCanceloに近い位置でカウンターを狙っていました。
Mancityの4人のビルドアップに対してワントップのTosunがパスコースを切る役割だけを担って立っているので、Mancityの後ろの3人は自由にボールを前に運ぶことができました。Palaceは重心が後ろだったので、前節のように、IHやWGが下りてくるよりもCBのドリブルの方が多かったと思います。
◻️Mancityボール非保持、Palaceボール保持
Palaceがボールを回す展開がほとんどなかったので、おさらいのしようがありませんが、MancityはD.silvaを一列あげて4-4-2だったはずです。しかし、MancityがシュートまでいかれるパターンはすべてMancity攻撃後の数十秒でした。
Mancityボール保持時。青がMancity。
中央を絞られているMancityはサイドから斜めにパスをいれることを狙いますが、逆にPalaceはそこを狙います。
ボールをカットしたらすぐにTosunかザハへロングボールを送ります。前線の選手のフィジカルやスピードでシュートまで持っていこうとしていました。
[はまるMancity]
前半開始。
展開はだれもが予想している展開。
Mancityがボールを支配し、Palaceがカウンターを狙う。
2分
立て続けにMendyがクロス。ハーフスペースにD.silvaが入り、つられたDFの裏をMendyが走り込みました。
14分
AgueroがもらったフリーキックをDe Bruyneがポストに当てる惜しいシュート。
何度もクロスをあげるが得点につながらないMancity。低くて速いクロスが必要なのだがMendyはあまりそういうクロスをあげない。大外に位置しているからというのもあるが、Mendyが張っているとそこからペナルティエリア際を攻めるシーンはなかなか見られない。
19分に、D.silvaに出したグラウンダーのクロスはシュートまでつながったし、悪くないプレーだった。
24分には、左右のWGを入れ換えたMancity。よりゴールに近い位置でSterlingをプレーさせる狙いがあったと思います。また、B.silvaのインスイングのクロス、左足でのボールキープから攻撃に繋げようとしたのだと思います。
Mendyが左にいるときのMancityは、大外レーンをMendyが一人で担当するので、WGは中に入りやすくなります。一方右サイドはCanceloの存在により、SB、IH、WGそれぞれがどのポジションでもプレーできるので、くるくると循環しながら相手を動かしていきます。右サイドにいたSterlingはその循環に巻き込まれゴール前に顔を出すことができない時間が続きました。
しかも、Palaceがあまり惑わされず守っていることもあり、ゴールに直結した動きをSterlingに期待したポジションチェンジとなりました。
28分のシーンはまさにその効果が出たシーンです。
Palace戦。前半途中で左右を入れ替えたPep。きっとこういうシーンをもっと増やしてほしいと思ってたんだと思う。だめだったけど。 pic.twitter.com/zGJ2FQQi1c
— Tadashianimo (@tadashi0716) 2020年1月19日
30分を過ぎた辺りからPalaceがゴールに迫るシーンが増えてきます。
Mancityの攻めに慣れたのか、どうやったらスムーズにカウンターへ移行できるのかわかってきたようです。
そんな中39分
コーナーキックからPalaceが先制します。Mancityにとってはとられてはいけない先制点を取られてはいけない時間帯に取られてしまいました。(ハイライトあり)
40分も見事なカウンター。
MancityのDFの裏めがけて、Tosunへロングボール。TosunもEdersonの飛び出しが見えていてワンタッチで交わそうとしました。Fernandinhoが体を入れていなかったら失点でした。
文字通り罠にはまったかのようにあっさり先制を許したMancity。
前半のポゼッションは71%、シュートは10本(枠内2本)
一方、Palaceはシュート1本(枠内1本)で、先制してます。
後半への布石ですが、Canceloが上がろうとしたときに、Pepに制されてるシーンがありました。ザハを相当警戒しています。
ザハもCanceloの位置を気にしながらカウンターへ備えていました。
[Agueroのうまさとザハとの駆け引き]
後半開始。
両チームにメンバー交代はありません。
Mancityは攻めるしかないですし、Palaceは引いてカウンターするだけ。
55分にも、ロングボールをカットされ、Tosunとザハでシュートまで持っていかれるシーンも。
61分
D.silva → Jesus
Pepが動きます。
Jesusをシャドーのように自由に動かせ、周囲をB.silva、Gundogan、De Bruyneでサポート。4-2-3-1にシフトしました。
73分にはB.silva → Mahrez
左にSterlingを戻します。
B.silvaにはない縦への飛び出しにより、変化を生み出そうとします。
時間は刻一刻と経過します。
ボールを後ろで回し、サイドに展開。斜めのパスを入れ、また、サイドに展開。ハーフスペースに入った人とのコンビネーションで、深い位置からクロス。
ひたすら続くこの展開に不安すら感じた82分
Aguero!!
ついに同点に追いつきます。
Mendyがあげたクロスがはじかれ、Jesusの元へ。Jesusがおさめてインスイングのクロスをファーサイドへ。AgueroはDFから離れながらファーサイドに詰めてゴール。
ボールを蹴る瞬間に相手から消える動きがAgueroは本当にうまいです。ストライカーと呼ばれる選手はこの動きが当たり前にできるのかもしれませんが、Agueroはそのなかでも一流です。
そして、その5分後。
Aguero-!!!!?
アグエロー!!!!!!!
またしてもMendyのクロスからです。
今回のMendyのクロスはパーフェクト。CBの間にしっかりと落としました。Agueroもど真ん中でのヘディングで狙いどころも難しかったと思いますがしっかりと決めました。
これで逆転。
PepはすぐさまSterlingをRodriに代えてダブルボランチでゲームをおさめる作戦に出ます。
勝利を確信していた90分
まさかの、オウンゴールで失点。
ザハの突破からFernandinhoがさわったボールがゴールへ…。
最後の最後。
やられてはいけないCanceloの裏をあろうことかザハに狙われStonesが詰めきれず。。
前半から幾度となくCanceloの位置を気にしていたザハ。これは守るためにCanceloを気にしていたのではなく、どうやってこの裏を使おうかと考えていたのでしょう。
もうなにも言えません。
最近のPepの采配で、Rodriを投入してダブルボランチにするという作戦がことごとく裏目に出ている気がします。
ボールをキープすることで守る。
という昨シーズンまでの姿勢が消えています。
また、今シーズンは勝ちきれない場面がとても多い。
個でやられるシーンが目立っています。
勝てる!と思った次の瞬間頭を抱えることが今シーズン何度あったか…。
[ハイライト]
All that late goal drama...
— Manchester City (@ManCity) 2020年1月18日
🔵 #MCICRY #ManCity pic.twitter.com/FFAHctczdY
ボールを保持しているのではなく、保持させられていた試合。カウンターの展開でもTosunやザハは冷静でした。
後半途中から出てきたMahrezが一本裏へ飛び出したが、Mancityにはこういうシンプルな攻撃が必要だったと感じます。
ザハを警戒しなから最後に背後を取られるあたりが、今シーズンのMancityを表しているようです。
ペナルティエリア際をケアされるとD.silvaが飛び出せず全体的に窮屈になるところが今のMancityにはあります。前半終了間際にはたまらずDe BruyneがDFラインまで下りてくるシーンが見られました。
相変わらずGKとCBの連携はいまいちで、素人目に見て、リバプールに勝てるとは思えない。もちろん勝ってほしいですが。
[結果]
Mancity : Crystal Palace
2 - 2
39分 Tosun (Palace)
82分 Aguero
87分 Aguero
90分 OG (Fernandinho)
スタッツ
Mancityはこのスタッツでも確実に勝っているとは思えないんです。
実はデュエルの数で見ると10近く負けていたり、ドリブル数もほぼ同じだし、タックルも負けています。要所での弱さがパレスのような相手には命取りになりますね。
5バックの攻略法は3バックを採用するなどしてつかみ始めたPep率いるMancity。しかし、今日のような4バック+サイドの選手で守られると中央をしっかり固められます。その最適解がいまだに見つかっていないようなそんな気がしてなりません。
次節はミッドウィーク開催のシェフィールド戦。
正直なところプレミアはもうダメかもしれないと思っています。Mancityがだめなのではなく、リバプールが負けないからです。
少なくともCLやカップ戦ではリーグ戦の反省を活かした采配をお願いしたいところです…!
「誕生日には勝てない」
このジンクスはしばらく続きそうです。来年もPepがいたらこのジンクスを破ってほしいところです。
そういえば、Laporteがご飯食べてましたね。立ったまま。復帰が待ち遠しい。
それでは!