ManCityを追うものは一兎を得ず

水色と白

マンチェスターシティとレアル・マドリー。時々それ以外

MENU

今日のコンパニーはみんなに愛される困り顔 ~PKはチャンスではない~ PL第27節 vs LeicesterCity (アウェイ)

f:id:tadashicity:20200224145350j:image

引用:Mancity公式Twitter

 

こんにちは。

tadashiです。

 

今日もさっそく試合のレビューをやっていきましょう。

本日はアウェイのレスターシティ戦です。

 

前回対戦の記事はこちら


マフレズ vs ヴァーディの元チームメイト対決 プレミアリーグ第18節 vs LeicesterCity - tadashicityのブログ

前回はMahrezが絶好調。カットインから左足のシュートを決めています。

 

目次

 

フォーメーション

まずは両チームのスターティングイレブンを確認

◻️Mancity

4-3-3
f:id:tadashicity:20200224150225j:image

Sterlingが怪我で離脱したMancityはこの試合もいつもの4-3-3を採用。右SBはまたもWalker。Canceloのモチベーションはいかに。

前節の終盤D.silvaがハムストリングを痛めたと聞きましたが、ベンチに入っています。今日のスタメンはGundoganとDe Bruyneです。

右WGには古巣対戦となるMahrez。彼がボールをもつと、ブーイングが鳴り響きます。

 

◻️Leicester City

3-5-2
f:id:tadashicity:20200224150250j:image

前回対戦の4-1-4-1ではなく3-5-2を採用。1ボランチを採用するにはNdidiが不可欠という判断でしょうか。彼は今、怪我で離脱中です。

左利きのFuchsが左CBに入ってるので、普段よりも左からパスが通るかもしれません。

真ん中の3枚は左からMaddison、Praet(イケメン)、Tielemans、WBはテクニックも守備力もクロスの質も高いChilwellとPereira。今日の試合はこの両WBにかなり苦しめられました。

 

両チームの狙い

◻️Mancityボール保持、Leicester非保持


f:id:tadashicity:20200224151143j:image

ビルドアップはここ最近と同じくWalkerを含めた4人がダイヤモンドの形。

MendyとMahrezで幅を取りながら、中央への斜めに当てるパスを狙いました。

試合の序盤はRodriからのパスの受け手が少なく、カットされてカウンターを受ける場面が多かったです。(右から左に展開する最中)

そこで、選手の判断なのか、Pepの指示なのか、左IHとSBを押し上げるために、B.silvaがCBの近くまで落ちてきてボールを受け、相手のマークの基準を作らないようにしていました。

LaporteやMendyへのパスコースを作るための動きだったかもしれませんが、カウンターのときにSBが間に合わないというのは本末転倒だと思うのですが、どうでしょう。


f:id:tadashicity:20200224152708j:image

青がレスター

WBが幅を取るMendyとMahrezへの対応のためDFラインに吸収される形となる。また、2トップはファーストディフェンダーとRodriのマークという縦関係になるため、5-3-1-1が非保持の形。

レスターの中盤3枚の前は大きく空くようになるが、そこはハードにプレスをかけるようにはなっていなかったため、Mancityは右と左をそれぞれWalkerとB.silvaでそのスペースを活用していた。

 

レスターは5バックではあるが、前節の対戦相手であるウェストハムとは異なり、ハーフスペースに入る選手に対して、SoyuncuとFuchsの左右のCBがついていき対応する。決して引かない「積極的にスペースを消す5バック」を組織していた。


f:id:tadashicity:20200224153929j:image

また、中盤の真ん中に位置していたPraetは、Mancityビルドアップ時には2トップと連動してRodriをマークし、Rodriからのパスを両サイドのCMで刈り取る作戦を立てていた。


f:id:tadashicity:20200224153946j:image

前半何度か成功していたレスターのプレス。「Rodriへのパスコース」よりも、Rodriが受けたあとの「Rodriからのパスコースを切る」というやり方。

 

前半はこのタスクが完全に遂行されていて、ボールはキープされながらもレスターが決定機を演出していたのもこの包囲網にMancityが手を焼き、まんまとはまっていたからだと考えられます。

 

それでも、試合の後半には、レスターのスタミナ切れもあり、いつもの攻撃ができるようになりました。くさびからのリターン、サイドを変えて、中央につける。これの繰り返しが見られました。

 

しかし、結局試合が決まったのは、戦術を超えた個の存在であったことはなんともこのブログの意味すら考えさせられました。

 

 

◻️Mancityボール非保持、Leicester保持

今のレスターは強い。テクニックのある選手もいるし、中盤でボールを運べる選手もいる。繋ごうと思えばMancity相手にもポゼッションを展開することも可能です。今日の試合は、あえてMancityにポゼッションさせ、ショートカウンターを決行することとしていた。

あえてこのレスターボール保持の狙いを言語化するならば、

 

「CBを釣りだして手薄になった中を突く」

 

です。

そのためにレスターは2種類のパターンを用意しました。


f:id:tadashicity:20200224155357j:image

一つ目が後ろからのロングボール。

主に左サイドの攻撃がそうでした。

ときおりゴールキックからボールをCBへ出すシーンもあった。今日のMancityはDe Bruyneを前に出した4-4-2ではなく、3トップ+De BruyneでCBへアプローチをかけようとしていました。

それももしかしたらロジャーズ監督は折り込み済みだったようで、ヴァーディがどんな状況でもMancityのDFラインの背後に走り出していました。右に右利きのSoyuncu。左に左利きのFuchsを配置していたことで利き足で制度の高いロングボールを蹴ることができていました。

MancityのDFはいまだにこういうサッカーに対する対応に不安があり、スピードのないCBではどうしても後手の対応になってしまいます。なんとかクリアをしてもこぼれ球回収のために中盤が猛然と走っているので二次攻撃を受けてしまう構造になっていました。

 

二つ目がサイドからWBやSTが突破してクロス。

主に右サイドからの攻撃がそうでした。

後半10分間では右サイドをパスで繋がれ、CBが釣り出される形を何度か作られピンチとなりました。

守備対応に不安のあるMendyと怪我あけのLaporteですから、狙い方としては意地悪なほど良かったと思います。

 

 

[前半]効率の良いレスターシティ

前半開始

 

上述のように狙いを定めたレスター。開始早々Rodriを包囲網にかけます。

 

2分

すばやいプレスからRodriのパスを引っかけてショートカウンターで決定機。ボールはポストに当たり、九死に一生を得ます。これが入っていたら敗戦濃厚だったと思うと本当に良かったと思います。

 

前半MahrezとDe Bruyneに対してプレッシャーが強かった気がするレスター。常に利き足の前に立ち、二人で対応していた。特に、右サイドはB.silvaが仲介役となり、ハーフスペースにDe Bruyneを置かせていたわりには大きなチャンスが作れなかったのはしっかりと対応がてきていたからだと思います。

 

前半は全体を通して、ヴァーディの飛び出しを周りの選手がサポートする形で、チームとしては効率のいいサッカーをしていたと思います。戦術家の練られたサッカーを、守りから入り、手数の少ない攻撃でシュートまでいく。これもひとつの戦術ですね。

 

7分の決定機も同じ形。

Rodriを経由する構造そのものを破壊する素晴らしいアプローチだと思いました。

 

一方のMancityは、16分、23分、25分、26分とサイドを起点にチャンスを作っていました。

これは上述した右Walker、左B.silvaがレスターの空くスペースを活用していたからだと思います。

 

しかし、38分に気になるプレー。Walkerがドリブルでボールを運びますが、パスコースがなく、ひたすらドリブルで前進し、カットされてしまった場面です。

今まで、ドリブルしてきたときにはレスターのCMが一人プレッシャーをかけていたので、その分フリーな味方を見つけることができていたのですが、まさかパスコースをすべてふさがれるとは。後半に向けて少し嫌な予感がしたのは見ている側だけが感じることでしょうか。

 

 

[後半]かかる負荷は予測できない

後半開始

 

レスターはイヘアナチョに代えてバーンズを投入。

そのバーンズがいきなりチャンスを演出。

バーンズが右サイドに流れ、Mendyと入れ替わり、リカバーに入ったCBのスライディングもかわしたシーンです。イヘアナチョがバーンズに代わったことで、さらに前への推進力を高めるレスター。ここまで狙いが明確でも今のMancityにはそれを止める手だてはありません。攻めることが唯一の守備です。

後半もきちんとした守備をしながら引くだけではないレスター。チルウェルがひとつ前に上がり、一時的に4-4のブロックを形成するシーンも。

攻撃ではヴァーディとバーンズが上下左右に飛び出し、CBがつりだされていました。

 

 

ゲームとしては、60分に動きます。

コーナーキックのこぼれ球をGundoganがミドルシュート。それがレスターの選手の腕に当たり、PK獲得。

 

キッカーはAgueroです。

PKという嫌な記憶はいつだってありますが、結果は…

 

シュマイケルに止められました…。コースが甘かったとはいえなんでこんなに外すのか。。

 

 

スコアレスのまま70分を過ぎ、Mancityとしては嫌な展開です。

しかし、この辺りからロジャーズ監督が予期せぬ事態が起きます。

 

それが、中盤3枚のスタミナ切れです。

 

両WGも2トップもCBもおそらくまだプレーできたと思いますが、中盤の3枚に大きな負荷がかかっていたようです。

MancityのビルドアップにはLaporteやWalkerにファーストディフェンダーとして寄せ、IHの動きに対応し、CBが間に合わない飛び出しにもついていく。運動量はとてつもなかったと思います。

 

Mancityが執拗に右に左にゆさぶりをかけて、それに合わせてスライドするレスターの中盤。75、79分にもチャンスを作っているレスターですが、強度が落ちるのは仕方ないかと。

 

そして80分。

レスターの攻撃後のプレー。

Mahrezがボールを持つと、レスターの選手の間をぬるぬるとドリブル。だれも彼に触れられません。

ペナルティエリアに侵入し、CB2枚がつられていたところに、Jesusへラストパス。冷静に流し込む待望の先制点。

ハイライトを見たらわかるかもしれませんが、ティーレマンスの疲労が感じ取れます。

 

昨シーズンにコンパニーが劇的先制点をあげたレスターとの試合。今日のコンパニーは前節3度の困り顔を見せたJesusでした!

いやー、良かった!負けるかと思った!

 

今日の試合はMendyも良かったですね。ドリブル突破もあったし、内側に走り込んでペナルティエリア内に侵入したり、普段のアーリー気味のクロスだけではなかったところが。

 

終盤、De Bruyneのこんなシーンに笑みを浮かべ、なんとか勝つことができました。

たぶん、審判に対して「ちゃんと見てるか」というジェスチャーでしょう。

 

 

PK問題

試合には勝ちましたが、このPKの問題。

また外しましたね。外しすぎじゃないか。

 

VARによりPKが増えたようにも思えますが、MancityにとってPKはチャンスになりません。

Gundoganが外し、Jesusが外し、Agueroが外し、Sterlingが外し、一体だれが蹴れば成功するのか、、、

本当にEdersonが蹴った方が確実なのでは、と思うほどです。

 

もしCL決勝で、PK戦になったら見てられないです。ていうか見たくない…!

 

今後も増えてくるであろうPK。この解決策を早く見いだしてほしいと切に願います。

 

 

ハイライト

今日のハイライト動画です。


Manchester City on Twitter: "Missed yesterday's @premierleague win at the King Power? You can watch the full match replay now on CITY+ 💻📺📱 SUBSCRIBE ➡ https://t.co/1dyWhx7TQR 🔵 #ManCity #LEIMCI… https://t.co/hNLSS6lw7z"

提供元:Mancity公式Twitter

 

結果

0 - 1  WIN

80分 Jesus(アシストMahrez)

 

全体としては危なかったな、いつもなら負けるパターンだなという感想。

レスターの思い描く展開で試合の半分以上が過ぎました。

Mancity相手に5バックを採用するチームが今シーズン格段に増えましたが、このレスターやシェフィールドユナイテッドのような攻撃的(メンタル的に)なCBが相手だとビッグチャンスの機会が極端に減っています。

ある意味でまだまだ進化のできるチームと言うこともできますね。

また「Mahrezのドリブル」という個性のように戦術に打ち勝つ個の力が必要な場面があります。なおさらSaneの復帰が望まれる…。

 

ちなみに、今回のLaporteの交代。体の不調とかではなく、本人が志願したものらしいです。怪我あけだからフル出場はさせない方針かと思っていましたが。

 

 

CL前の最後の試合を勝利で飾ることができました。

レアルマドリード戦は挑戦者の気持ちで観戦したいと思います。

 

それでは!