ManCityを追うものは一兎を得ず

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マンチェスターシティとレアル・マドリー。時々それ以外

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シーズン負け越しのマンチェスターダービー PL第29節 vs ManchesterUnited (アウェイ)

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引用:Mancity公式Twitter

 

目次

 

こんにちは。

tadashiです。

 

プレミアリーグは久しぶりですが、その間にFAカップ、CL、カラバオカップがあり、カラバオカップアストンビラとの決勝を見事に勝利し、優勝しました!一冠!!

CLもレアルマドリードとのベスト16 1stレグを2-1で競り勝ちました。セルヒオ・ラモスの退場もあり、流れはMancityに来ていると思いたいです。(ただ、レアルマドリードですから、負の要素はあまり関係ないかもしれません)FAカップも順調に勝ち進み、リーグの方とは違って期待もできる内容になっていました。

 

リーグに目を向けると、順位は2位と申し分ない。しかし、リバプールが強すぎる。Pep自身1シーズンで6敗というのは、最多タイ。ここで負けるとシーズン7敗と負け数の記録を塗り替えてしまいます。

 

 

ということで本日は、オールドトラフォードに乗り込んでのマンチェスターダービーです。

マンチェスターの青と赤。あなたはどっちが好きですか?僕は断然青!

 

ということで、この試合のレビューを書いていきたいと思います。

 

今のところプレミアリーグには新型コロナウイルスの影響は出ていませんが、各国無観客試合があったりと、いつプレミアリーグにも関係してくるかわかりません。日本人の我々は万全の対策が必要ですね。

 

前回の対戦


マンチェスターダービーが見せた風景 PL第16節 vs Manchester United - tadashicityのブログ

 

前回負けてるんですよ…。今回は勝ちたかった…!

 

 

フォーメーション

Mancity

4-3-3
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Mancityはいつもの形。過密日程の影響を考慮してかスタメンにDe BruyneとWalkerの名前がありません。

SBはZinchenkoとCancelo。どちらの選手も技術に優れますが、前への推進力はありません。IHはGundoganとB.silvaです。

FodenがWGに入る珍しい布陣です。

「De Bruyneがいないとクリエイティブに欠ける」と最近言われているMancity。

どのようにゲームを組み立てるのか見物です。

 

ManchesterUnited

3-4-1-2

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ユナイテッドは3412を採用。

冬の移籍で、スポルティングからポルトガル代表のブルーノフェルナンデスを獲得。加入からすぐに主力としてユナイテッドのトップ下に入り、ユナイテッドの攻撃を操っています。そのブルーノフェルナンデスを「1」のに配置し、その前に若いジェームズとマルシャルが並びます。

ルークショーを左のCBに使い、若いウィリアムズをWBに配置。長身のマティッチとようやくユナイテッドに順応してきたフレッジが真ん中の2枚を形成しています。

 

 

両チームの狙い

Mancityファンからすると大事なマンチェスターダービー。近年はリーグやヨーロッパでの成績も含めてMancityが上をいっていますが、今回の試合はいかに。スールシャールはどういう意図で試合に入ってきたのか。Pepはユナイテッドをどう攻略しようとしたか。

 

Mancityボール保持


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Mancityのビルドアップは3-2の形。Zinchenkoがアンカーの横に移動し、Rodriだけに的を絞られないようにここ数試合の配置とは変えてきました。

 

狙いとしては以下の2点

・ユナイテッドのハイプレス回避

・後ろを残して被カウンター準備

以下、解説。

 

まず、ハイプレス回避ですが、左サイドの攻撃にて見えています。

4-3-3から図の配置にポジションをとります。そこからGundoganが少し内側に絞り、Sterlingが大外レーンへ移動。Zinchenkoとのパス交換で、ワンビサカとの1対1を何度も作り出します。

プレッシャーの少ない外側のレーンでGundoganをフリーにさせるつもりだったのでしょう。実際その効果はあり、猛烈なハイプレスをうまくかいくぐっていました。

 

一方、右サイドは、Foden、B.silva、Canceloというあまり見ない組み合わせです。Canceloが偽SBとしてビルドアップに参加するため、ワイドに幅を取るのは、IHとWGになります。左と違うのは、FodenもB.silvaも開いた位置からパスでゲームを組み立てるのではなく、相手にドリブルで突っ掛けてマークをずらすプレーが得意ということです。

 

ユナイテッドは中央を固めてスピードのある前線でショートカウンターを狙う前回対戦と同じような戦術が予想されたので、攻撃の際にも後ろに5人残し、被カウンターのためでもあったはずです。(その効果はどちらかというとオプション的なところで、プレス回避が目的でしょう)

 

 

では、ユナイテッドはボール非保持にどのような形を取ったのでしょう。両チームの配置を見てみます。


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青がMancity

ほぼマンツーマンです笑

前線の3枚はMancityの後ろの3枚、Otamendi、Fernandinho、Canceloへ対応。ブルーノフェルナンデスはRodriのパスコースをケアしながらのディフェンスです。また、トップに入ったダニエルジェームズは、走り回ってMancityのSB、CB、GK関係なくプレスをかけていきます。

最初のプレッシャーラインを突破されたときは、両WBが下がり5バックの形をとります。


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RodriもしくはZinchenkoにボールが渡るときにはCH間をAgueroがおりてきてボールを引き出しますが、その時にはワンビサカとウィリアムズがDFラインに下がり、ジェームズとマルシャルもラインを一つ下げて対応します。(Mancityが使いたいハーフスペースはほとんどありません)

Agueroは後ろに下げることしかできず、これによりMancityの攻撃はサイドからがメインとなります。

 


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しかし、Mancityも中央を固められることはわかっていたので、上記のように左サイドはレーン移動をあやつり、Sterlingにボールを預けますが、Sterlingがボールを持つときにはワンビサカが必ず対応し、CBとのマッチアップにならない配慮がなされていました。前回対戦でもワンビサカの身体能力に苦しめられたSterling。この試合もかなり苦戦していました。

この試合何度Sterling vs ワンビサカを見たでしょう。攻めているのに劣勢に見えてしまうのはワンビサカの能力なのか、ユナイテッドの策略なのか。逆に言えばワンビサカがいるからこの戦術が成り立つというわけです。下にMancityの右サイドの話をしていますが、「右で突破できないから、Sterlingに託したい」というMancityと「ワンビサカでボールを刈り取り、攻撃に繋げたい」というユナイテッドの思惑がMancityには悪い方向に進んでしまいました。

 


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その右サイドはというと、Mahrezの入った後半途中からはいい形も見られましたが、縦への推進力が見られなかったのが残念なところでした。FodenもB.silvaもボールがキープできて狭いところでもプレーか可能ですが、ライン際での裏への抜け出し、CBSB間の横断的なランニングがなく、右で受けてもぐるぐる回って左へ。という展開に終始しました。

 

 

ポゼッションは70%を超え、支配はしていましたが、ボールを支配していただけで試合を支配していたわけではなかったMancity。シュート本数がユナイテッドの12本に比べてMancityが7本というスタッツからも感じられることでした。

 

 

ユナイテッドボール保持

ポゼッション率からわかるようにユナイテッドはボールを積極的に保持することはあまり考えていませんでした。ボールを持たれることを想定して選手を配置し、相手の前進を止めたところで、一気に前線へボールを送ります。前回と違うところが一つだけ。それはブルーノフェルナンデスがいることです。

 

それでは両チームの配置を。

 

 

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ポゼッションを考えてないと言いつつもゴールキックのときは両CBがペナルティエリア幅まで開きます。Mancityは3トップをそのままCBに当て、パスコースを塞ぐ場面が多く見られました。デ・ヘアは両ワイドに開くWBへロングボールを送り、そこにCHのフォローをつけボールをマイボールに持っていきます。

MancityのIHはユナイテッドのCHを見ていたので、SBがユナイテッドのWBにプレスをかけなければいけません。

上の図にあるように、スピードのあるフォワードが、CBと1対1の構図になることがわかります。ユナイテッドはこれを狙っていたはずです。

次に下の図にうつります。


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デ・ヘアやCBからのボールが中盤に収まったとき(仮に右サイドに収まったとします)

すると、フォワードはスピードで勝てるので裏へ抜ける動き、もしくはそれをフェイクにボールを受ける動きを実行。MancityのCBはカバーリングがいないため、特に裏への抜け出しには余裕を持ってついていかなければならないので、距離を取りますね。

そのスペースをブルーノフェルナンデスが狙っているのです(図の点線四角)。

彼は試合を通してRodriの脇、もしくはRodriの背後(CBとの間)でボールを受け、素早く逆サイドや前線にパスを出してチャンスにつなげます。

前回の対戦ではフォワードがボールを受け、ドリブルで前線に運びながら回りの押し上げを待っていたユナイテッドですが、ブルーノフェルナンデスの存在により、省エネの戦い方をすることができました。

 

ブルーノフェルナンデスのポジショニングのうまさももちろんありますが、チームとしてブルーノフェルナンデスにスペースを与える意識があったなと感じました。

守るときも、ブルーノフェルナンデスは引きすぎずにMancityのDFラインにうまくプレッシャーをかけられていました。

 

 

[前半]ブルーノと隙

前半開始

開始早々からハイプレスのユナイテッド。

5バックと4バックをその時々で使い分け、前線からMancityの攻撃を阻害。

 

10分

最初のチャンスはMancity。Agueroが前線からプレスをかけカット。Foden、Sterlingと繋ぎ、決定機。

 

15分

ユナイテッドの決定機。ブルーノフェルナンデスからのラストパス。

この時間帯から、ブルーノフェルナンデスがポジショニングの妙を発揮し、Rodriを撹乱。

 

ゲームが動いたのは29分

ペナルティエリア手前でGundoganがファール。スローで見れば見るほどファールには見えなかったが文句を言っても仕方がないし、

文句を言ったFernandinhoにイエローカード

そして30分

セットされたボールの前にはブルーノフェルナンデスとフレッジ。キックの精度も高いブルーノフェルナンデスのFKを警戒していたMancity。次の瞬間、DFの背後に動き出したマルシャルに合わせてブルーノフェルナンデスがチップキック。きれいに弧を描いたボールはマルシャルの前に落ち、右足でネットを揺らされました。(下部にハイライトあり)

 

完全に虚をつかれた…。

動画を見返すとフレッジが手をあげるのが合図だったようで、手があがった瞬間にマルシャルが動き出しているのがわかります。

 

前半は、ブルーノフェルナンデスのポジショニングと意表をついた得点で、Mancityはあまりいいところがありませんでした。

前半終盤に見せたSterlingでワンビサカをつりだすというのは割りと効果的かもしれないと思ったり…

 

 

[後半]選手の組み合わせを考える

後半開始。

後半もMancityは変わらず3-2のビルドアップ。

ユナイテッドはブルーノフェルナンデス以外が引いて守り、カットできたら、ブルーノのボールを渡し、ワンビサカ、ジェームズ、ウィリアムズを走らせカウンターを狙います。

 

58分には、CanceloからFodenへの裏へのスルーパスがありましたが、良かったのはそれぐらいであとは単調なクロスが続くだけでした。今シーズンは、単調なクロスを上げ始めるとMancityは負けるというぐらいこうなってしまうとチャンスが作れません。

その直後MahrezとJesusが入ってから少し流れが傾きます。

 

Mahrezはドリブルで縦への突破をはかり、チャンスを作れるようになります。

JesusもSterlingとポジションを変えながらゴールに迫ります。

しかし、ユナイテッドはそんなポジションチェンジには目もくれず、リンデロフ、マグワイア、マティッチなどの上背のある選手を中央に固め、楽々とクロスを跳ね返していました。

 

78分には、Mendyを投入し、Sterlingをゴール前に専念させます。さらにGundoganが内側に入れるようになり、Gundoganのパスという良さを活かせるようになりました。

 

85分

Gundoganから大外レーンのMendyへスルーパス。完全に崩した形でクロスを上げています。

 

ロスタイム

最後に悲劇が。ユナイテッドの攻撃でボールをキャッチしたEderson。Mendyめがけてスローインしましたが、ボールはずれ、マクトミネイの前に。マクトミネイは冷静に無人のゴールへボールをシュート。ゴールが決まり2失点目。これで万事休す。試合終了でした。

それにしても滑ったりスローインミスしたり今日のEdersonは不調でしたね、、セービングが悪かったとは思わなかったんですが。

 

猛攻もむなしく敗戦です。

 

 

左右それぞれの組み合わせ

さて、今日のMancityは、左サイドと右サイドで異なる攻め方をしていました。

左サイドではGundoganをフリーにさせ、パス交換でSterlingの単独突破を狙う形。

右サイドではどうでしょう。この組み合わせが試合ではなかったように記憶しています。これまでは、De Bruyne、Mahrez、Walkerのだれかは出場していて、足元へのパスに相手の注意を持っていき、そこから裏に飛び出すかたちが見られていました。

しかし、今日の右サイドはみんな3人ともボールを持ってしまう選手。唯一、Canceloがボールを出せる選手でしたが、FodenとB.silvaが近くでボールを受けたいタイプでした。

どんなに繋ごうともボールをキープしようとも、その先のゴールへの選択肢がなければ相手は怖くありません。そういった意味で後半のMahrezは、その選択ができる選手であることがわかったはずです。

少なくとも一人は抜け出す選手を組み合わせないとなかなか攻め崩せないと感じます。

 

では、左は十分だったのか。と問われると回答は「No」です。

D.silvaが出場するときはペナルティエリアの角を狙って走ってくれるので、Zinchenkoのように偽SBをやっていたとしとも、D.silvaが元いたエリアに侵入し、より前にアタックすることが可能です。

また、D.silvaの飛び出しがあることで、Sterlingの飛び出しも、1対1の仕掛けも、次に繋がりやすいプレーになります。

しかし、今日の試合では、ZinchenkoもGundoganも自らが縦に仕掛けるタイプではないので、守る側からするとSterling一人だけをケアすれば良いので、ワンビサカだけで十分守れてしまうのです。

 

Mendyが入ることで、意識が分散され、Sterlingの突破も活かされます。

 

相手に複数の選択肢を与えられる組み合わせを枚試合考慮してほしいなと思うのが、一ファンとしての意見です。

 

おすすめの組み合わせ

・SB IH WGの順番

まずは左

Zinchenko D.silva Sterling

Zinchenko De Bruyne Sterling

Mendy Gundogan Sterling

Mendy Gundogan Jesus

左はSBのキャラクターが違いすぎるので、IHはFodenでもいいかもしれないです。

 

次に右

Walker De Bruyne Mahrez

Walker De Bruyne B.silva

Walker Gundogan Mahrez

Cancelo De Bruyne Mahrez

Cancelo B.silva Mahrez 

B.silvaを右で使うなら、MahrezかDe Bruyne

必須です。WGにB.silvaでIHにGundoganというのはちょっと仕掛けが足りないかもしれませんね。Canceloのパスの能力を活かすならぜひとも快速ウインガーとのコンビもいつか見てみたいです。

 

怪我人、過密日程、コンディションなどいろんな要素があって出場選手を決めるのでいつも最適な組み合わせにはならないと思いますが「裏と足元のバランス」を取っていくべきかなと思います。

 

 

結果

0 - 2(Lose)

30分 Martial、94分 McTominay

 

ハイライト

 

 

この結果により、Pepの負け数最新記録を樹立。シーズン7敗というのは、多いのか少ないのか。個人的には少ないと思うのですが名将というのは難しい職業ですね。

 

このレビューを書いてる間に、アーセナル戦の延期が決定。

次の試合は15日の日曜日。FFP違反の話やコロナウイルスリバプールの独走があったとしても2位を簡単に譲るつもりはもちろんありません!

 

カモンシティ!!

 

それでは!