プレミアリーグ第32節 vs Liverpool ~原点回帰とカウンター メンディーの風を感じて~
こんにちは。
tadashiです。
前節チェルシーに負け、リバプールの優勝が決まったことで、残りの試合は以下のことに注目が集まるプレミアリーグ
・リバプールの獲得勝点
・CLEL争い
・残留争い
・得点王
そして
・デ・ブライネのアシスト記録
もちろんリーグ戦は続きます。
今節は、そのプレミアリーグを優勝したリバプールとの試合です。
前回対戦記事はこちら
2019-20 コミュニティシールド - tadashicityのブログ
■第12節
Pep vs Klopp PL 第12節 vs Liverpool - tadashicityのブログ
リバプールの守りになにもできなかったシティ。アンカーを無効化され、押し込まれてしまったことをどう改善するか。
目次
結果
Manchestercity ⚽⚽⚽⚽
Liverpool
■得点
25' De Buryne ,PK
35' Sterling (assist by Foden)
45' Foden (assist by De Buryne)
66' own goal
■MOM
De Buryne(Mancity)
1得点1アシストの活躍!
フォーデンが活躍してもMOMは譲らないデ・ブライネでした。
■ハイライト
最高の気分になれる⤴️
— Manchester City (@ManCityJP) 2020年7月2日
ハイライトをお届け😍💙
🔵 #ManCitypic.twitter.com/JjM9MeCxea
フォーメーション
両チームとも4-3-3。
このチームの対戦はSBに注目したくなる。
メンディーとウォーカー
アーノルドとロバートソン
今日の試合では、メンディーの一人勝ちと言っても良かったぐらいメンディーがいつもより良かった。逆にアーノルドは4失点目の要因にもなったりして、シティの戦術にはまった感じもする。
Manchestercity
リザーブも含めた今日のラインナップ。マフレズが久しぶりのベンチスタート。
Liverpool
リバプールのラインナップ。こちらはベストメンバーですね。南野がベンチにいます。もっと早く出てきてほしかったです。
前半 わかったところで変えていく
試合開始~10分 6人で2人を囲まれる
両チームのビルドアップを簡単に整理
■シティゴールキック時(10分まで)
「6人が2人に囲まれる状態」
シティは、ダブルボランチと2CBでビルドアップ。SBが大きく開き、WGが絞りながらハーフスペースを狙う。というような形。
これは開始すぐに変えることになります、
リバプールは、マネとサラーがCBにアプローチをし、フィルミーノがパスコースを切る。
また、3センターがダブルボランチの背後に立ち、6人でたった2枚の選手を囲む陣形を組んできました。
それにより、シティはなかなか前進ができません。
開始早々の2分にメンディーからジェズスへスルーパスがありましたが、その後はリバプールの押し込みが上回っていた印象です。
10分~18分
■シティゴールキック時
「アンカーの脇と大外レーンで、WGとSBをフリーにする」
10分がすぎてシティは、状況を打開するために動きます。ゴールキックのときにギュンドガンをCBの間に下ろしてきました。
さらに、元々ギュンドガンがいた位置にはデ・ブライネが下がります。
リバプールはCBにWGがプレスをかけるので、大きく開くSBがフリーとなります。
これにより、リバプールのIHはシティのIHかSBを、SBはシティのWGかSBを見なければならずマークに迷いが生じさせようとしていました。
このビルドアップの狙いは、アンカーの脇をWGが下りてフリーで前を向くということです。
この変更により、少しずつシティが試合を握っていくことになります。
■シティビルドアップ 引き付けて外へ
「中央をしめるリバプールを逆に利用する」
6分のシーンを元にシティのビルドアップを見ていきましょう。
CBが開きつつ、ダブルボランチが出口となるように動きます。SBは大きくワイドに開くことで、リバプールがケアできないエリアを作ります。
このシーンではロドリとギュンドガンがフィルミーノの脇をつきながらボールを引き出し、前を向けたロドリが左SBのメンディーへ。メンディーにボールが渡ったときにはデ・ブライネが左に流れ、スターリングが中央へ。
ここでは、メンディーの斜めのパスがスターリングに渡ることはありませんでしたが、リバプールが中央を締め、ダブルボランチを包囲する守備に対する回答のようなビルドアップでした。
■リバプールビルドアップ 原点回帰の4-4-2
一方で、リバプールのビルドアップはどうだったのかというと、シティにしっかりと対策されていました。
中断明けに採用していた守備ではなく、デ・ブライネが一列前に上がる今までの442のブロックを組みます。リバプール相手に原点回帰ですね。中央にパスを通させない守備を実行します。
リバプールは、フィルミーノやSBにいい形でパスが通らないので、裏へロングボールを蹴るのがメインに。この試合も繋げなければサラーやマネに向かってロングボールを蹴り混みます。
この戦い方は特に時間に限らず続けていた攻めですね。しかし、これがシティには効くんです笑
18分~
■リバプールビルドアップ
「シティのプレー選択を惑わせる」
ロングボールは通っていたけど流れはシティが良くなってきたので、リバプールはアンカーのファビーニョを一列下げて3-2-1-4のような形に。
18分のサラーの決定機。これがリバプールの狙いです。
このシーンでは、アンカーからCBへボールを動かしたときに、スターリングがプレッシャーをかけに来ました。
本来であればデ・ブライネがプレスをかけ、スターリングはSBのアーノルドをケアしないといけません。
しかし、後ろでボールを回しながらデ・ブライネから距離を取り、スターリングが仕掛けやすいCBのポジションを取ることで、マークのズレを生み出し、SBにパスが渡ったときには前線の3枚が走り、素早くゴールに迫るというわけです。
■流れの中の狙い
シティが何度か実践していて、リバプール相手に狙っていた形が「デ・ブライネで3センターの背後を取る」という形です。
左から中央に移動したデ・ブライネに縦パスを出すことでゴールまでの最短ルートが現れます。
ジェズスの飛び出しにデ・ブライネのスルーパスで決定機。この17分のシーンはオフサイドとなってしまいましたが、狙い通りのプレーでした。
デ・ブライネは、左にファーストポジションを取りながら、中央や左ワイドに動き、相手のマークを撹乱。スターリングがCBのゴメスとやりあうので、リバプールの右サイドは受け渡しが非常に大変だったと思います。
こういった戦術的な攻防がありながら、先制点は思わぬ形で入ります。
25分
メンディーからペナルティエリア内のスターリングにわたります。
スターリングはボールをキープしながら素早く切り返し、見事にPKを獲得しました。
この試合、中央に位置することの多かったスターリング。積極的にゴメスと対峙し、CBを一人とらえていました。ジェズスは逆にファンダイクとのマッチアップが多く、苦労してましたね。
ボールロストする場面もあり、相変わらずサラーやマネの裏への抜け出しには苦労していたシティ。試合を見ているとチャンスはリバプールの方が多かったです。
得点後もその状況は変わりませんでしたが、シティは待望の追加点
35分です。
リバプールの横パスをメンディーがカット。中央のギュンドガン、縦に降りてきたジェズス、それを右のフォーデンに展開。
デ・ブライネのスリーランにより、フォーデンへのマークが薄くなり、中央にドリブルするフォーデン。空いたスターリングにラストパス。
スターリングは冷静にゴールに流し込みました。
まさかのカウンターで得点。
リバプール相手にこの形で点が取れたのはうれしい。
45分にはだめ押しの3点目。
これはフォーデンとデ・ブライネの技術の高さからくるもの。
まさか、前半で3-0のスコアになるとは思っていませんでした。
※すべてハイライトにあります。
後半 カウンターデ・ブライネ
リバプールは、CBのゴメスを変えて、チェンバレンを投入。ファビーニョをCBにして挑みます。
ゴメスがイエローカード一枚もらっていること、CBからの供給されるパスを増やすことを狙っての変更。結果はあまり変わらなかったけど。
3点リードしているシティは、前半よりもしっかりパスを繋ぎます。
なぜなら、後半のビルドアップの目的が
「点を取りに来るリバプールをより前がかりにする」
だからです。
SBも控えめな位置をキープし、攻めすぎないようにバランスをとります。
逆にリバプールは攻めに来ますし、シティのビルドアップでもさらに前から激しくハイプレスに来ます。
前への推進力、アグレッシブさを求めてのチェンバレン投入でしたが、それによりディフェンスと前線で分断してしまい、中央がぽっかりと空いてしまう格好に。
その中央にはデ・ブライネが下がらずに待っているので、カウンターがばんばん決まります。
得点には繋がらなかったが、48分、50分、51分、54分と立て続けにゴールに迫ります。
ただ、攻め続けていたわけでもなく、その間もリバプールには裏をつかれてますが、今日はラポルトが守備で大活躍。
ウォーカーもメンディーも守備の意識が高く、背後をとられたあとの戻りもしっかりしてます。エリックガルシアも大変そうだったけど、なんとかリバプールの攻撃陣に食らいついていました。
最後の得点は65分
そのこぼれをアーノルドが拾いますが、処理が甘くマフレズがカット。
すぐに中央でパスを受けたデ・ブライネがドリブルし、フォーデンのフリーランによりフリーとなったスターリングがラストパスを受けシュート!
ボールはチェンバレンに当たりゴールへ。
これで4-0です。
ロスタイムに幻のマフレズのゴールがありましたが、VARでハンドの判定。
5得点とはなりませんでしたが、内容からは想像のできない点差での勝利となりました。
リバプールがハイプレスで来ることに対して、技術で真っ向勝負を挑み、空いているデ・ブライネやWGに託すシティの戦術がばっちりはまりましたね。
点を取られなかったのは本当に運が良かったと思うぐらい前半はやられてました。ウルヴスもそうだけど、圧倒的な個性に弱いシティのディフェンスライン。
来シーズン、クリバリが来るという噂ですがどうなるのでしょうか。
とにかく、今日の試合はリバプールに一矢報いた形で朝から最高でした!!
今日のメンディー
いやー、メンディー良かったですね。
今日のメンディーにはほれぼれしました。
開始2分のジェズスへのスルーパスに始まり、80分過ぎのフォーデンへのラストパス。マフレズの幻のゴールもメンディーからの斜めのパスがマフレズに入ったことによるものでした。
35分の得点シーンではメンディーのパスカットからショートカウンターが決まりました。
久しぶりのメンディー1人勝ちと言ってもいいでしょう。
パス成功率85%
クロス3本
ロングボール5本
キーパス1本
タッチ数77回
デュエル勝利100%
タックル勝利100%
SBとしては素晴らしい数字です。ボールロストもなかったんじゃないでしょうか。
前半は、リバプールが届かないポジションでボールを展開し、守備ではいち早くカバーリング。
後半は攻めてくるリバプールに合わせてバランスを取りながら、攻撃時には幅を使って最低限のパスを供給。
チェルシー戦が嘘のようでした。
さて、今日のメンディーはものすごく余裕が感じられましたが、それはなぜかというと、シティのビルドアップ時にはリバプールのIHもSBも別の選手への対応が迫られていて、SBへのプレッシャーが薄かったことがあげられます。
この試合リバプールのIHのタスクの1つは、シティのダブルボランチを囲み、展開させないことでしたし、SBはWGを見つつ、WGがハーフスペースに降りていったら的確に受け渡しをしなければいけませんでした。
そのため、メンディーにボールが渡ったときはたくさんの時間が確保され、冷静な対応が可能であったと言えます。
また、左足でボールを持つメンディーに対してリバプールディフェンスが中ではなく、縦を切っていたのも要因の1つ。
デ・ブライネやスターリングの縦のフォローを囮に、中へ切り返し、ビルドアップをやり直す余裕ができました。
そして、リバプールディフェンスが中を切ると、今日の試合何度も出ていたような斜めのパスを前線に通していました。
与えられた時間と状況により、複数の選択肢からよりベターな答えを持ってきた今日のメンディーは、花丸です。
アーリークロスをDFとGKの間にいれるシーン(13分など)もあり、左サイドはメンディーのものでしたね。
ただ、リバプールがチェルシー戦のように、IHがSBへもプレスをかけてくる守り方だったらまた展開は変わっていたかもしれません。
リバプールのSBも数字だけで見ればメンディーよりも上回っていましたが、チームの得点に影響を与えるプレーはできず。
むしろアーノルドは、ボールの処理を誤り失点を演出。
今日はデ・ブライネの存在に手を焼いていたような印象でした。ゴメスとの連携があんまりなのか、SBCB間を使われていたと想いました。
出場選手の感想
スタメン
■エデルソン
リバプール相手にクリーンシート達成。サラーのシュートがポストを叩く場面もあったが、3分にきたピンチはしっかりストップ。
■エリックガルシア
王者相手に堂々のプレー。シティSBが空けたスペースを狙うリバプールFWにも冷静に対応。ビルドアップには多く関与しなかったが、今後に期待。
■ラポルト
ビルドアップでは、リバプールのマークをずらすようにアンカーに出しては受けながらリズムをつくっていた。
守備ではシュートブロックも多く、クリーンシートに大きく貢献。
■ウォーカー
今日はバランスを見ながらワイドな位置が多かった。前にいるフォーデンが主にハーフスペースに顔を出すので必然か。
逆サイドのメンディーより前に出る回数は少なかったが、それは全体のバランスを見ていたから。構造上、背後をマネに使われていたが、戻りが早い。
■メンディー
今日の裏MVP。大外レーンからリバプールCBの前に斜めのパスを通すプレーから、チームのボールロスト後に素早くプレスしボールを回収。得点の起点にもなっていた。
始まって2分で、ジェズスへスルーパス出したプレーからなにか違う雰囲気を感じた。
プレーの選択肢にいたる判断がとても良かった。
■ロドリ
今日はダブルボランチでプレー。攻撃ではギュンドガンのサポート、守備ではサラーに引き出されたこともあったように1対1でディフェンスラインのサポート。
リバプールに狙われ、ボールロストの場面もあったけど、75本のパス成功数95%の成功率はさすが。(いつもこれ言ってる気が笑)
ダブルボランチとしてプレー。ロドリと同様にリバプールに狙われていたが、ラポルトなどに救われていた。
ゴールキックではGKの横まで下りてビルドアップのスタートになり、攻撃ではロドリより前に出て、デ・ブライネへの縦パスやその他への配球を任されていて、どんだけ大変な役割なんだよと試合を見ながら思う。今のシティだとこれできるのギュンドガンだけなんだけど、今後どうするのか…
■デ・ブライネ
マンオブザマッチが大好きな男。
アシストを増やし、これでプレミア17アシスト。自らの記録にあと3つと迫りました。
トップ下のデ・ブライネは、ギュンドガンからの縦パスを何度か受けチャンスを演出。なんと6回もチャンスを作りました。
PKはこれからデ・ブライネが蹴るんですかね。
■スターリング
1ゴール。これでプレミア13ゴール。
左から中央に流れながらシュートまで行くシーンもあり、左大外はメンディーよろしくって感じ。
ゴメスとマッチアップして、うまくPK獲得したからやってやったぜ!って思ってそう。
最後のゴールはスロー見ると枠外っぽかったからチェンバレンに感謝。
■フォーデン
この過密日程によりいきなり成長した。
この日も1ゴール1アシスト。なんという10台だよ…。最後の10分はまさかのトップの位置で、0トップとしての振る舞い。ディフェンスラインを見ながら上下する姿は、練習してた?とも感じた。
デ・ブライネと並んでたのが良かったのかも。WGで使われるプレー、攻めの姿勢を会得して、早くIHでのプレーが見たい。
■ジェズス
オフサイドを気にしない果敢な飛び出しで、リバプールの守備が受け身になったと思う。
ファンダイクにはスパッと止められてたので今後は体格差のある選手への対応か。
フォワードでシュート2本は少し寂しい。純粋なストライカーよりもWGやシャドウストライカーが合いそう。
リザーブ
■マフレズ
ぬるぬるドリブル再び。シザーズも早すぎて、ファンダイクもついていけず。
フォーデンのハンドは納得いかない判定だけど、しっかり役割を果たした。
4点目は、マフレズがアーノルドから奪ったボールからのカウンターだったので良かったかなと。
他の選手は短い時間だからよくわかりません!
まとめ
リバプールがハイプレスで来ることに対して、技術で真っ向勝負を挑み、空いているデ・ブライネやWGに託すシティの戦術がばっちりはまりましたね。
しかし、点を取られなかったのは本当に運が良かったと思うぐらい前半はやられてました。ウルヴスもそうだけど、圧倒的な個性に弱いシティのディフェンスライン。
来シーズン、クリバリが来るという噂ですがどうなるのでしょうか。
とにかく、今日の試合はリバプールに一矢報いた形で朝から最高でした!!
それでは!