プレミアリーグ第33節 vs Southampton ~セインツが 今日は狙うよ ジンチェンコ~
こんにちは。
tadashiです。
過密日程の限界が近づいてきました。
今日もレビューというか感想です。
セインツことサウサンプトンとの一戦。前回対戦では、左SBを狙い打ちをし、アンヘリーニョが苦労した試合です。
前回対戦記事はこちら
シティの右サイドはだれがいいの? PL第11節 vs Southampton - tadashicityのブログ
目次
結果
負けました!やられた!
■スコア 1-0
Southampton ⚽
Manchestercity
■得点
16' Adams (Southampton)
■スタッツ
[シティ]
ポゼッション 73.7%
シュート数 26本 (枠内 6本)
ブロックされたシュート数 11本
チャンス 18回
決定機 5回
パス成功数 723本 (成功率89%)
[セインツ]
ポゼッション 26.3%
シュート数 8本
チャンス 6回
決定機 2回
パス成功数 209本 (成功率 70%)
■MOM
マッカーシー (セインツ)
■ハイライト
フォーメーション
マンチェスターシティ
いつもの4-3-3
フェルナンジーニョが久しぶりのアンカー起用。
エリックガルシアはまたしても右CBでスタメン。
ウォーカーとメンディーが両方とも揃ってベンチ外。休養を取らせたようです。
サウサンプトン
中盤がボックス気味な4-2-2-2
前半のジンチェンコ
今日の主役は良くも悪くもジンチェンコでした。
統率のとれた両チームの狙い
まずは簡単に両チームの狙いをおさらい
ポゼッションが試合を通して70%を越えているので基本セットは、シティが保持してセインツが守る図式
セインツは中央をしめ、4-2-2-2のように両SHが絞る。
後ろのボールにはプレッシャーをかけずに、フェルナンジーニョのパスコースを2トップで消すことを徹底。
図のように状況に応じてフェルナンジーニョはCB間に入り、そのときはSBがアンカーポジションに。
それでもセインツの基本スタンスは変わらず。ワイドの選手にはマークはつかず、パスが出たら寄せる。
サイドチェンジされたらスライドする。
ひたすらに忠実にこれを繰り返すセインツ。
おかけて、シティはピッチの外側をぐるぐると回す展開が増える。終始この形。
また、おそらくラポルトの左足も警戒されていました。
一方シティは、セインツに対してハイプレスを敢行。苦し紛れのロングボールを回収してすぐにマイボールにする狙い。
逆にセインツはロングボールを蹴ってルーズな状態で単独突破もしくは少ない人数で少ないパスてシュートまで行くことが狙いのようだったので、シティが保持してないときは、シティが回収したり、シュートまでいかれたりというどっち付かずな感じ。
ある意味で両チームともしっかり統率がとれていました。
問題の16分
そしてシティの失点シーン
ラポルトからアンカー位置にいるジンチェンコにパスが渡りますが、スッと寄せるセインツ。
パスコースないからずらそうと左アウトサイドでボールに触ったところをカットされ、こぼれたボールをアダムスがダイレクトでゴールに。
前に出ていたエデルソンの頭上を越えました。。
失点直後、スターリングが「なんだあれは!」か「おれが空いてたよ!」みたいなジェスチャーしてましたが普通に出せないですよ。
上から見てたら出せたように見えるけど、寄せも早いし、体勢悪いし、そもそもあの場面ラポルトがわざわざジンチェンコに当てる必要ない(スターリングに当てれば良かったと僕は思う)し、という。
ジンチェンコが唯一できたのはダイレクトでラポルトに落とすことぐらいか。
GKをビルドアップに組み込むことのリスクが失点に繋がったシーンでもあったし、セインツが取りどころを共有していたのがわかるシーンでもありました。
というジンチェンコ。前半ロスタイムには、スターリングとの守備の連動が取れておらず、イングスの決定機をサポートしてしまいます。
いまいち前半のれてなかった印象です。
左SBを狙い撃ちすることに定評のあるセインツはその後も地味にジンチェンコを攻撃。
失点後、大外ワイドにポジションを取ることが多くなったジンチェンコに対しては、パスが通ったときに強くあたり、パスコースを誘導してカット。という展開を何度か作られます。
嫌な予感しましたが、後半まで通してそこから崩れることはなかったので、純粋にすごいなぁと思いました。僕ならメンタルブレイクしてました。
シティの対応
そんなこんなで、セインツはフェルナンジーニョにいじわるするし、ラポルトも警戒するから、残ってるエリックガルシアを活用します。
最近、ポストプレーがいたについてきたジェズスへエリックガルシアから縦パスを通すことにしました。
思いのほか通るのはセインツが中央をしめながらも人への意識があるからでしょう。
2トップでアンカー位置を消す、その2トップはCBにはプレスをかけないということを利用し、アンカー位置を経由しない組み立てを狙います。最初から2人守備に参加してないって考えられますから、アンカー飛ばした方が効率的ですね。
言ってやれる人がいるのがやっぱりプロってすごいです。
29分はまさにそのエリガルが持ち上がりジェズスに縦パスが通ったところからチャンスまで持っていったシーンでした。
このままいけるかなと思ったんですが、40分にあったように、せっかく崩してクロスあげてもジェズスが間に合わない(下りてきて縦パスを受けてるから)ことがあり、ほかの選手が飛び込むわけでもなく、跳ね返されるシーンが見られました。
セインツの一体感
前後半通して、セインツはチームとしての一体感がありました。
狙いどころが明確で、プレーに迷いもありませんでした。寄せも早くハーフスペースも埋めていました。
中央をしめることで、シティにはクロスをあげるという選択肢しかなくなり、ディフェンスは屈強で跳ね返せるという算段があったんだと思います。(けっこう競り負けてましたが)
それよりもなによりもゴールキーパーのマッカーシーが素晴らしいセーブを連発。
最後の最後でセインツが失点しなかったのはマッカーシーのおかげです。
さすがのマンオブザマッチ。今日の結果に関しては異論はありません。
守備の基本
セインツの守備でお手本になるようなシーンがありましたので、試合中を例にとって説明します。
32分。左サイドからCBを経由してぐるっと回ってカンセロにボールが渡ったシーンです。
スムーズにスライドしたセインツの左SHが例のごとくスッと寄せ、すぐ後ろにCHも寄せます。左SBもマフレズより前に出てカンセロに近寄り、残ったCHは中央に。
これにより見事にボールを回収しました。
サッカーはピッチが広いので守ろうとすると選手同士の連携が不可欠です。だれかが遅れるとそこが隙間となり相手にチャンスを与えるかもしれません。
今日のセインツはこの部分がしっかりと共有され、特に前半はシティをうまく抑え込んでいました。
正直、心のなかでは負けそうだなって思いました。
後半のジンチェンコ
後半です。
後半はひたすらシティのターンです。
途中何度かシュートまでいかれる場面もありましたが、試合のほとんどの時間はセインツの陣内で行われることになります。
後半シティが行ったことは以下の3つ。
・長く早いサイドチェンジでスライドを遅らせる
・低くて早いクロスで合えば得点となるボールを入れる
・CBSB間を攻略
です。
さすがにセインツも疲れてくるので意外と効いてきます。しかし崩れなかったのはセインツのゴールキーパーと体を投げ出す気持ちでした。
さて、前半に失点に絡むプレーをしたジンチェンコは、後半大外ワイドを基本ポジションとし、右からすばやく展開されたボールをアーリー気味に早く低いクロスを連発。
残念ながらジンチェンコのクロスが決定機にはなりませんでした。
いいところがなかったわけではありません。
53分のダビド・シルバの決定機では、ジンチェンコの素晴らしいプレーがありました。
右サイドからジェズスへ出た縦パス。
ワントラップして、ジェズスはジンチェンコに落とします。
その瞬間の図です。
ジンチェンコは体を外側に向けてスターリングへのパスを意識させたところで中央のダビド・シルバにスルーパスです。
得点にはなりませんでしたが、攻撃センスの光るプレーだったので、やっぱりIHで使ってほしいなと思ってしまいます。
49分には、CBSB間をフェルナンジーニョが取り、カンセロのスルーパスからフェルナンジーニョが抜け出し、クロス。ラポルトがシュートしますがディフェンスブロック。
さらにシティはフォーデンとデ・ブライネを投入し、猛烈に攻めるモードに。
しかし、結局、90分間セインツの牙城を崩すことができずタイムアップ。
リーグ8敗目です。
この試合は組織的な守備を披露したセインツをほめたいなと思いました。
ジンチェンコのスタッツ
なんとクロス数 12本…笑
あげましたねぇ。
その他は
パス成功数 90% (97本)
キーパス 2本
タッチ数 139回
失点に絡むミスがやはり痛かったですね…。
まとめ
この試合、主にジンチェンコの目線にフォーカスして書いてみました。
試合を通して見ると前半は内側に絞るところから始め、狙われてるとわかったあとはワイドに開く形に。ヒートマップを見ると全体的に大外レーンに集まっていたので、元々今日のSBは基本的に絞らないような戦術になっていたのかな、と思いました。
後半、スターリングとマフレズがピッチを退くと単独突破の可能性は皆無となり、パスや中へのボール運びありきのセインツの守備が見えました。
そうなったときに打開できる手段は、なんとなく今日の試合でも見れましたがフィニッシュの部分は今後大いに課題になりそうです。エリックガルシアが縦パスを連発していたのは、左右両方から重要なパスを通せることがわかり、来シーズンに向けて好材料。ストーンズには申し訳ないけど、試合に出るごとにエリックガルシアは成長しています。
それにしてもマッカーシーが良かった…!
以上です。
試合は続きます。
我々は応援するだけです。
それでは!