プレミアリーグ第34節 vs Newcastle戦
こんにちは。
tadashiです。
前節の敗戦からもう試合です。
今日はニューカッスルとの試合。
前節のセインツ戦では、統率のとれた守備に苦しめられながらエリックガルシアの持ち上がりと相手を崩す縦パスからチャンス作り来シーズンに向けた光を見つけたシティ。
今節はいかに。
前回対戦記事はこちら
困り顔ジェズスとドヤ顔ケビン PL 第14節 vs Newcastle united (アウェイ) - tadashicityのブログ
前回の対戦ではうまくやられてるんですよね。コンパクトに守ってジョエリントン、アルミロン、サンマクシマンで引っ掻き回す。見事にはまってドロー。
逆転したデ・ブライネのミドルも試合終盤のシェルビーのミドルも素晴らしいシュートでした。
目次
結果
Manchestercity ⚽⚽⚽⚽⚽
Newcastle
こんなに点を取るかってほど無観客のホームで点をとりまくっています。
■得点
10' ジェズス(assist by ダビド・シルバ)
21' マフレズ(assist by デ・ブライネ )
58' own goal
65' ダビド・シルバ FK
90'+1 スターリング (assist by ダビド・シルバ)
■MOM
■ハイライト
フォーメーション
ニューカッスルの予想は5-4-1でしたが、試合が始まると4バックでした。
ジンチェンコが高い位置をとるため、右サイドのラザロがジンチェンコをマーク。結局5バックのようにもなっていました。
マンチェスターシティ
ウォーカーがベンチに復帰。フォーデンがスタメンで左WGです。
控えにドイルがいます。
ニューカッスル
ニューカッスルは4-4-2、もしくは4-4-1-1のような形。シェルビーがジョエリントンの隣にいたり、中盤に吸収されたりとよくわからないフォーメーション。
アルミロン、サンマクシマンは怪我のようです。
個人的にはロングスタッフを使ってほしい。
ニューカッスルの読めない意図
前半開始
ニューカッスルは試合開始直後からハイプレスでシティを追いかけます。
シェルビーがジョエリントンと同じ位置に立ち、CBにもプレッシャーをかけます。とれなかったら即座に戻り、シェルビーとジョエリントンでロドリを挟み込みます。
CBにボールが出たときもSHが追いかけるシーンが多く見られました。
解説の水沼さんも言っていたけど、このまま続けてほしいと思うほどアグレッシブなニューカッスル。
ここまでは良かった。
ただ、10分に早々と失点してしまったのは、ニューカッスルに意図がまったく見えなかったからです。
FAカップの反省点から、引きすぎない陣形を組むのはいいが、シティが一番狙っているペナルティエリアの角への侵入を簡単に許してしまいました。
1失点目はダビド・シルバ、2失点目はデ・ブライネがそれぞれ飛び出します。
4-4-2であれば、ボランチの2枚がIHについていくのが定石だと思いますが、そのような指示は監督からはなかったようですね。
2枚でロドリを見ていたら、カンセロに持ち上がられて、サイド振られてハーフスペースの奥をダビド・シルバに取られてグラウンダーのクロスあげられてジェズスがフリーでシュート。ゴール。
2トップだけ原則守ってもチームでの連動が必要ということがよくわかる。
今日のニューカッスルは、チームとしての連動が取れていない典型的な例となりました。
一応、原則っぽいものは他にもあって、「CBにプレスをかけるときは外側から」というもの。どちらにしろ前線の守備にしか原則が定められていなかったようです。
前半の2点目も同じところをデ・ブライネに狙われました。
攻撃でも繋ぎもせずジョエリントンめがけたただのロングキック。パスでもなんでもありません。
さらにジンチェンコが高い位置をキープし出すと右SHが下りてましい5バックとなり、フォーデンやダビド・シルバにかなり自由を与えました。
ピッチの中の選手たちもこの戦術に疑問を抱いていたのではないでしょうか?
ちなみにニューカッスルの選手で一番だめだなと思ったのは、リッチーです。
消極的すぎますよね。ボールを受けたらまずは後ろ。ニューカッスルのような組み立てはスルーするチームにおいて、相手陣内でのバックパスは愚行そのもの。チームの戦術を頭に叩き込んでから試合をしてほしい。
後半も多くのチャンスを作ったシティ。結果は5-0で圧勝です。
ダビド・シルバはFKでの1ゴールと前半と後半の2アシスト。見事にMOMに選出。
デ・ブライネもアシストしたので、これでシーズン18アシスト。02-03シーズンにアンリが記録した20アシストまであと少し!
ところで、今日はシティのアカデミー出身トミードイルくんがプレミアデビューを飾りました。
堂々とプレーしていましたね!
デ・ブライネと背格好が似ているようにも思えました。なので、そのままプレーも真似てしまえばいいと思いますね。
ドイルが入ったあとのシティは全体的に右に寄っていて、左にはほとんどジンチェンコしかいませんでした。ポジション的にはデ・ブライネが左だったのかな?
ニューカッスルのモチベーションの問題なのか、シティの戦術がはまったのか、どちらにしろ勝利というのは良いものです。
ジンチェンコはどちらがいいのか
SBとは
4バックもしくは5バックにおいて左右もっとも外側にいる選手のポジションをSBと呼ぼう。
古くは、フルバックと呼ばれていたこのポジション。私も小学生の時代からおよそ高校までつとめていたポジションだけど、まあ、なんにせよ疲れる。それにあんまりうまくいかない。
ピッチの上下運動を繰り返し、CBのパスコース、SH、FWのフォロー、時には囮役としてプレーする。オーバーラップをしてもボールが来ないことなんてざら。
無駄走りがこれまでどれぐらいあったか。
無駄に走った距離で日本一周できるのではないか。
ジンチェンコは元々攻撃的なポジションの選手にも関わらずマンチェスターシティではSBとしてプレーする。
実に変態ですね。
頭がおかしいと言わざるを得ない。
特にシティでのSBは単に上下運動を繰り返していれば誉められるわけではない。組み立てに参加して、スペースを埋めて、逆にスペースをつくって、なにかあればカウンターを防ぎ、なんでかわからないけど屈強な相手のFWから狙われたりする。
それなのに、自分のポジションみたいにプレーしている彼はとてつもなく変態だ。
そんな変態を私は愛しているし、できれば長くシティに残ってほしいと思っている。さらに言えばダビド・シルバがいなくなったあとに少しでもいいから、IHとしてプレーできるようになってほしい。
始まりはラームではあったけど、セルジロベルト、キミッヒ、ジンチェンコと、チームが攻撃的なポゼッションサッカーなゆえにその攻撃的センスと走力を見込まれSBにコンバートされるなんてたまったもんじゃない。
ということで、SBはなかなかに奥が深く面白いポジションなのである。
ジンチェンコのプレーエリア
ニューカッスル戦の前後半のパスエリアを記録してみた。
例のごとく手書きである。
これが前半
こっちが後半
青が成功したパス。赤が失敗したパスを表します。
データサイトから数字を持ってくるとパス数は76/83で成功率は92%。クロスが2本、ロングボールが1本でどちらも失敗しています。
前後半通して相手陣内でプレーをしていたことがわかる。
また、後半ではロングキックはゼロでした。
そしてこれがヒートマップ
赤ければ赤いほどその位置にいたことになる。
パスエリアとヒートマップから、ジンチェンコはハーフラインとペナルティラインの間に位置していることが多かったことがわかる。実はパスを受けて、パスを出しているエリアとほとんど変わらない。
ハーフラインより高い位置をキープして、相手のSBを引き出したり、ハーフスペースを生むために、サイドでボールを動かす役目をジンチェンコは担っていたわけです。
時にはサイドチェンジや後方からのロングボールを受け、センタリングも上げています。
前半10分の先制点なんかは、ダビド・シルバへのラストパスにつながるパスを出しています。
状況に応じて中央に場所を移しても遜色なくプレーできるのはジンチェンコの魅力であり、シティのSBに求められる部分です。
ただ、ポジション的にミスがピンチに直結するので難しいパスが狙いにくいという点があります。セーフティに意識が向かう傾向にあるので、今後IHとしてもプレーしてほしいので、通ればチャンスだけど難しいパスを狙う気持ちは忘れないようにしてほしい。
セインツ戦のダビド・シルバへのスルーパスはまさにそのようなパスでしたね。
偽SBと高い位置をとるSBどっち?
ジンチェンコはコンバート直後からつい最近まで主に偽SB的なポジション。つまり、SBの位置からピッチの中央に移動し、アンカーの横でビルドアップの出口を担っていた。
しかし、最近ではフォーデンが左WGをやることが多かったり、スターリングがよりゴールに近い位置でプレーするようになったため、大外レーンにSBが入ることが多くなったシティ。
当然、ひとりで打開できる能力も必要になるためファーストチョイスはメンデスになりがち。
しかし、今日の試合を見るに、組み合わせ次第ではジンチェンコの方が機能するだろうなと思った。
特に、ダビド・シルバとフォーデンという狭いスペースで容易にプレーができ、判断スピードも早く、ペナルティエリアの角を最終地点として狙っている選手と組み合わせればジンチェンコはラストパスの前のパサーとして十分な役割を果たすことができると感じた。
今日のような試合ではメンディーでは、逆にパスの回りが滞っていたと思う。
偽SBとしてスタートしたジンチェンコのSB人生だが、ここにきてSBとしての可能性が十分に見えてきたと言ってもいいと私は思っている。
左SBというのは長らくブラジル人が覇権を握っている。
昔はロベルト・カルロス。今はマルセロだ。
そこに割って入るのが二人のメンディーと二人のアラバである。
日本人で言えば長友をこえる存在がいないのが少し寂しい。
いわゆるタレントが少ない左SB。もっと日の目を見るために、ジンチェンコにはもっと騒いでもらいたい。
ダニーローズとの比較
最後にニューカッスルの左SBと比較をしてみよう。
ヒートマップ
自陣にいた時間が多い。あれだけ攻めこまれて、点をとられたらそりゃそうだ。ボールをキープする選手もいなくて、サイドバックとしては不安でオーバーラップもできない展開でした。
元々ダニーローズはダイナミックな上がりで攻撃にアクセントを入れるような選手ではなかったけど、ここまで静かにしてるような選手でもない。出場機会を求めて移籍したけど移籍したチームが悪かったとも言える。
あまり意味はないが、パスエリアも見てみる。
前半
後半
数えられるほどの少なさ。SBがボールをさわる回数はそのチームのボール保持に対する方向性を示すと私は思っている。
右のイェドリンのデータがないので断言できないが、ブルース監督はボールを保持することになんの期待ももってないのではないか。
それほどまでにダニーローズはボールを触っていない。
そもそもポゼッション見たらそのなかでニューカッスルの選手がボールを触る回数なんて
たかが知れてますか。
ちなみに、ダニーローズ。ボールタッチは51回もしていたが、パス数は30だった。ジンチェンコのおよそ3分の1。
SBとしてはなんともつらい試合となってしまった。
まとめ
試合開始直後のニューカッスルが、少なくとも前半まで続いてたらなにかしら変わっていただろうか。
ジンチェンコが高い位置を取るからといって、右SHのラザロをジンチェンコのマークにつかせたら、せっかく4バックで攻撃のことも考えていたはずなのに、結局5バックとなっていた。5バックになってしまったのに、ハーフスペースが締まらず、チャンネルランには無防備に後手の対応。
これではシティに勝てるはずもない。相手は昨シーズンのチャンピオンなんだから。前回対戦のときの方がシステマチックで、監督の指示にも意図が見えていました。
武藤が最後に出場したが、役割もよくわからない左SHに入れられた。守備のために投入したのか、たまには出してやるかもいう気持ちだったのかなんなのかはわからないけど、少し残念。
前回対戦では2-2のドローだとは到底思えない試合だった。
大差で勝利したシティは、ダビド・シルバの退団、デ・ブライネのアシスト記録と残り試合にも注目できるポイントが多くある。
この過密日程のなかで、ドイルなどの若手がどれだけ使われるかも気になる。
ハーウッドベリスもどこかで出てくるだろう。
ストーンズも復帰し、センターバックが戻ってきた。ここにきて怪我人がアグエロだけとなり、ペップは来シーズンに向けて色々とためしながらダビド・シルバの最後を盛大に連勝で彩ってほしい。
個人的にはジェズスに得点が生まれたのがうれしい。
中断明け初ゴールのようです。おめでとう!
ということで今回は以上です。
分析でもなんでもなくジンチェンコへの熱い思いと単なる感想で終ってしまいました。
これでもレビューです。
次の試合も勝って、8月のCLに準備していきたい。
それでは!