プレミアリーグ 第36節 vs ボーンマス ~残留の執念に巻き込まれる~
こんにちは。
tadashiです。
今日の試合は日本時間2時からでした。
2時というのは日勤の人からすると非常に微妙な時間帯ですよね。試合が終わる頃には4時近く。朝から仕事だと考えると、なかなか厳しい。しかし、来シーズンに向けてどのようにチームを再構築していくのかファンとしては追っていかなければいけませんので、当然、この試合もリアルタイムで見たいとおもっていますし、見るべきだと感じ、自分を律し、たきつけ、心の衝動をおさえて、仮眠をとりました。
最初に白状します。
朝は一瞬です。
朝はだれにでも平等にやってくるけど、それがいつ来るかわならないのはなんとも不平等ですね。
ごめんなさい、すぐに朝でした。
前回対戦記事はこちら
PL 第3節 vs アウェイBournemouth戦 - tadashicityのブログ
前回は5-4-1なんですね。
ボーンマスは、フィジカルの強い選手が多く、シティはそこに苦戦してました。
目次
結果
Manchestercity ⚽⚽
Bournemouth ⚽
得点
6' ダビド・シルバ (FK)
39' ジェズス (assist by ダビド・シルバ)
88' ブルックス (assist by カラムウィルソン)
スタッツ マンシティ : ボーンマス
ポゼッション 72% : 28%
シュート数 8本 : 15本
枠内シュート 4本 : 3本
パス 756本 : 285本
パス成功率 88% : 65%
ペナルティエリア内のシュート 6本 : 13本
スタッツを見るだけでも両者の戦い方が目に浮かびますね。
いつものようにパスを繋いで崩していくマンシティ。
相手のパスを引っ掻けて手数をかけずに攻めきるボーンマス。
普段のスタッツと違うのはマンシティが倍もシュートを打たれているということです。今日のボーンマスは、残留がかかっていることもあり、気持ちが入っていたし、狙いも明確で、戦略的でした。
MOM
1ゴール1アシスト
ハイライト
フォーメーション
4-2-1-3 vs 4-5-1です。
中盤フラットのボーンマスがどのように守り、攻撃へ切り替えてくるのか。
マンチェスターシティ
ホームのマンチェスターシティ。
ギュンドガンとフェルナンジーニョのダブルアンカーで、ダビド・シルバがトップ下に。
フォーデンは今日も左WG。
ジェズスは今日も解説粕谷さんとの組み合わせ。
後半両SBは交代します。右SBはエリックガルシア。人が足りないんですかね。
ボーンマス
中盤5枚がフラットに並ぶ布陣。ハーフスペース対策だと思います。
ソランケ、キング、ビリングとフィジカル能力の高い選手が揃う。
ケリーは21歳の左利きCB。貴重!
控えにも、ブルックス、ダブルウィルソンと、早かったり走れたりする選手が充実している。対マンチェスターシティであれば、フィジカルバトルで勝てそうなメンバー。
前半 ダビド・シルバとボーンマスの決まりごと
試合開始。
前説で2位が確定したマンシティと残留争いの渦中にあるボーンマス。試合に対するモチベーションは大きく異なる両者の試合。どのように動いてくのか楽しみです。
普段は15分まで両チームの動きやフォーメーションを確認していますが、試合はさっそく動きました。
5分
ウォーカーから斜めのグラウンダーのパスがシルバへ。シルバにファウル。
ペナルティエリア手前の位置でFK。シルバの左足は美しい軌道を描きゴールマウスへ。少し、ボーンマスの壁のつくりが甘いかと思いましたが、それでもまたシルバはFKでゴールです。
まさかのこんな早い時間に得点が入ります。
ということで、仕切り直し
簡単に両チームの狙いをおさらいします。
この試合の図式は単純に遅攻と速攻です。
マンシティの遅攻に対してボーンマスの速攻です。(マンシティにも速攻ありましたが、そこまで印象に残っていないですね)
青がマンシティ
今日の基本セットはこんな感じ。ギュンドガンが左SBの位置に下り、メンディーを高くあげるスタイル。そのときのボーンマスの配置が赤のマーク。
スタートのフォーメーションは4-5-1。しかも中盤フラットです。
1トップのソランケはリバプールにもいた若いFW。彼に与えられたタスクは単純明快。
「ロドリを離すな。チームがボールを奪ったら素早く飛び出せ。なるべくいろんな方向に」
ソランケは忠実に任務を遂行。
中盤の選手は以下のように動きます。
・右SHはメンディーについていく
・CMは一人シティのCBにプレスをかける
・左SHは左SBがシティのSBについていったスペースをうめる
・全体的にコンパクトにハーフスペースを消す
この場合はボーンマス右SHがディフェンスラインに吸収され5-4-1に。
また、中央からゆっくりシティが攻めてくる場合は中盤がフラットに並びます。
ボールがある目の前の選手がプレスをするという作戦のようでした。岡田監督がワールドカップ2回目の指揮のときのカメルーン戦のようなイメージです。ピッチを縦に5分割し、ゾーンのように守ることで効率的に相手へプレスをかけることができました。
また、別のシーンではアンカーがダビド・シルバをマークし、残りの4枚がソランケと連携してプレスをかけるという守備も見せました。形としては4-1-4-1。
シティの動きに対してさまざまなアプローチで守りを固めるボーンマス。
これは前半よりもモチベーションの差が出る後半に効果がありました。
一方、ボーンマスの攻撃はというとシティのパスミスを狙ったり、アンカーの押し上げの遅さを利用してダビド・シルバとアンカーの間を利用したり、SBが上がった裏を使ったりとこれまたけっこう多種多様に攻めてくる。
ボールはキープされるけど、シュート数はボーンマスの方が多いという結果が出ています。
例えば
22分にはシティのプレスの連動が悪く、クロスをあげられる。
31分には、チェルシー戦で見たようなギュンドガンが目をそらしたすきにメンディーがパスをして、取られる。それに対応で与えたファウルでFKをいいところに打たれるもエデルソンのスーパーセーブ。
37分には、ペナルティエリア内でボールを持ったゴブリンから、ソランケへラストパスで決定機
というようにいつの間にか前半だけで8本のシュートを浴びたシティ。後半に向けて非常に嫌な空気を感じました。
さて、そんな嫌な空気を一時的に戻したのが我らがキングオブ困り顔ガブリエルジェズス。
39分にダビド・シルバから受けたパスをペナルティエリア内で相手のタイミングを外すようなトラップでディフェンスをずらし、シュートを決めました。
ダビド・シルバは加入から10シーズン連続で2桁アシストを記録していて、シティへの貢献度がわかります。
もういなくなってしまうなんて悲しい。。
それにしても前半もしっかりと粕谷さんのジェズス批評が繰り出されていましたね。
アグエロと比較し続ける粕谷さん。ジェズスへの期待の現れなんでしょうか。
しかし、今日の粕谷さんのコメントには考えさせるものがありました。
「ジェズスはアグエロに比べて、状況に応じたポジション修正が足りない」
たぶんこの人ジェズスも大好きですね。
的確すぎます。
後半 左サイドの脆さ
後半開始
シティはウォーカーをエリックガルシアに、ベルナルドシルバをスターリングに変えます。
これによりボーンマスはさらに攻勢をかけることになります。
ボーンマスは残留争い真っ只中なので、2点、いや、3点取りたいぐらいです。
シティのビルドアップを受けてたって拾えたらカウンターなんてやってる時間はありませんので前線からガンガンプレッシャーをかけます。
ボーンマスのプレイエリアです。
心なしかラインも高くコンパクトですよね。ディフェンスラインの高さはシティとも変わらないぐらいです。
GKにもCBにもプレスをかけるボーンマス。これによりシティ側はボールを前進させなければいけなくなりました。
今までは、自分たちのタイミングでボールを前進させ、サイドに寄せて逆サイド、もしくは中央にボールを動かしていましたが、今日の試合の後半に限ってはプレッシャーの強さにボールを前進せざるを得なくなり、攻撃したあとにボーンマスに攻められたり、ボールをカットされて攻められるというシーンが目立ちました。
マンシティのチャンスは、ダビド・シルバにボールがうまく入ったときぐらいでしたね。
フェルナンジーニョのヒートマップです。
前に出すぎてはいませんか?
試合を見ていたときは、
「今日のジーニョは積極的に上がるし、むしろギュンドガンよりポジション高いときもある。気持ち入ってる。」
と勘違いしていました。
ボーンマスからするとフェルナンジーニョが後方で控えていない方が攻めやすいんですよ。
少しずつペナルティエリア内に侵入されることの多くなったシティ。勝っているのに、前にボールを送ることになる展開に、アンカーの守備に対するアンテナが機能してなかったのだろうと思いました。
68分には、
ソランケ → カラムウィルソン
スタニスラス → ブルックス
ゴズリン → クック
とボーンマスが動きます。より走れる選手を投入しました。
そこで狙われたのがマンシティ左サイドです。元々、メンディーが高い位置をキープするので、裏をとれば対人守備に強いオタメンディをサイドに引き出せます。
63分のシーンがまさにそれです。ボーンマスのクロッサーへのプレスがオタメンディになっていました。
メンディーをジンチェンコに変えても状況は変わらず。
なんと後半のシュート数は2本です。少ないですね、びっくりです。
ボーンマスは4-2-3-1の形で猛攻。絶えずプレッシャーをかけ続け、シティのミスも誘発。
88分にようやくボーンマス同点に。
高いラインを保つシティDFの裏をカラムウィルソンが走り、真ん中につめていたブルックスにラストパス。
サイドからとても簡単に失点。
勢いはさらにボーンマスへ。
89分にもカラムウィルソンに決定機がありましたが、ここは入らず。
ボーンマスの厚みのある波状攻撃に苦しめまれましたがなんとか試合終了。
2-1で逃げ切ることができました。
SBのクロスの質
ウォーカーとメンディーのクロスの話です。
解説の粕谷さんも言っていましたが、ウォーカーのクロスはとてつもなく早いんです。時々シュートかと思うようなクロスをあげます。
一方で、メンディーは、怪我した足をかばっているのか、早いクロスというよりは若干ふんわりしたクロスをあげてしまいます。
しかも、精度もそこまで高くなくチャンスになることと少ない。アーリー気味に早く低いクロスをあげるときはそれなりに良いですがメンディーの少しもったいない部分です。
ジンチェンコの方がまだ低いクロスへの意識はありますが、ウォーカーには劣る。
ウォーカーがすごすぎるんですよね笑
ちなみに、なぜマンシティは、デ・ブライネも含めて、弾道が低く、早いボールを、クロスとして選択するのか。
それは、シティ攻撃陣の身長と攻撃スタイルに関係してます。
まず、身長。
FW
アグエロ 173cm
ジェズス 175cm
WG
ベルナルドシルバ 173cm
フォーデン 171cm
スターリング 170cm
マフレズ 179cm
マフレズ意外と大きいんだ。
IH
ダビド・シルバ 170cm
デ・ブライネ 181cm
ギュンドガン 180cm
背の高いマフレズ、デ・ブライネ、ギュンドガンに限って戦術上ゴール前に飛び込まないシティ。
185cmでも低いと言われるプレミアリーグの屈強なDFに競り合いでかつには駆け引きとボールの質が不可欠です。
では、攻撃のスタイルではどうでしょうか。
マンシティの攻撃はボールを回しながら相手の配置をずらして、攻めていくスタイルです。
大きく分類すると4つのパターンにわけられます。
① 後方でのビルドアップ
② サイドからDF-MF間、もしくはハーフスペースに侵入
③ ペナルティエリアの隅を攻略
④ 触るだけでゴールとなるラストパスと、それを受けるためにここに入り込む
という手順になります。
ポイントは②から③に移行するときに前線中央には人が一時的にいなくなることが多いのです。
FWも一回引いて、クロス上がる前に走りこむのが通常で、フィジカル系のFWとは違いゴール前に準備していることはほとんどありません。
以上の2点から考えると、マンシティの攻撃として組み込まれるセンタリングは、
「空いたペナルティエリア内のスペースに走りこんだ選手がさわる」
もしくは
「そのクロスが流れた先にいる選手がさわる」
ことで得点が生まれるものでなければチャンスにはならないということです。
メンディーのクロスもボーンマスの選手に合わせるなら効果的かもしれませんね。
ちなみにこの話の例外はCLベスト16レアルマドリー戦のデ・ブライネのクロスからジェズスのヘディングでのゴールです。
あれは、ジェズスの駆け引き、ポジショニング、デ・ブライネのドリブルと切り返しからクロスまでの早さ、様々な要素がぴったりはまった素晴らしいゴールでした。
まとめ
今日の試合は、両チームのこの試合に対するモチベーションの差がそのまま現れたゲームでした。
そのなかでもボーンマスが果敢に攻めていく姿勢がこのゲームを面白くしたと言ってもいいと思います。
ボーンマスはペナルティエリア内のプレー精度がもう少し高かったら同点にも、逆転もできただろうなと思いました。
あのプレーができてなんで降格しそうになってるのか不思議でした。
一方のマンチェスターシティ。
左サイドの欠点をつかれたような試合。どのかのだれかが補強箇所は左SBと言っていましたが、まさにそうだと思います。
メンディーはコンディションに並みがあり、数試合連続で出場すると筋肉系のトラブルが発生し、ジンチェンコは本職DFではないので守備に不安がありますね。
エリックガルシアの右SB起用はいまいちわからず。かの偉大なCBも初めはサイドバックだったぞという天の声が聞こえてきましたが、明らかにあたふたしてました。
スターリングの1トップ。ジェズスがいながら後半はスターリングを1トップにしていたのは、「アグエロ後」を見据えていると思います。
以上です。
今シーズンは残り2試合。レビューマラソンも残り2試合。
プレミアリーグの試合だけとはいえすべての試合で感想を書くのは大変です。とても勉強になる。
2位フィニッシュが決まったことで、チーム全体になんとなくふわふわした感じがあるマンチェスターシティですが、残り2試合もしっかり応援していきたいです。
それでは!