プレミアリーグ 第37節 vs ワトフォード ~いつもと変わらない風景~
こんにちは。
tadashiです。
目次
プレミアリーグも残り2節。
今日の試合を含めて、シティはワトフォードとノリッジとのゲームが残っています。
なんとなく、2位が決定したあとのシティは気持ちが抜けているようで、FAカップの準決勝にも影響が出ていたような気がします。
その気持ちもわかります。
勝っても負けても順位変わらないし、下手にがんばって、CLに支障が出る怪我をしても困る。
雑談
ところで(雑談入ります)
僕がサッカー部だった中学高校のころはリーグ戦というものに参加したことがありませんでした。一発勝負の大会のグループリーグというのはありましたが、年間を通したリーグ戦には参加したことがなかったです。
今では社会人リーグで、年間なん試合という中で勝ち点を計算しながらやることを知りましたが、こういった考えを小さい頃からできる強豪校やクラブチームっていいなと思ったりもします。
リーグ戦なら目に留まることも多いし、一発勝負と比べてチャンスが多いですよね。
さらにトーナメントで戦うと控えとレギュラーがしっかりわかれちゃうんで出場時間にも差が出て難しい。レギュラーのときも控えのときもありましたけど、勝ち取れというと熱い感じでスポーツ!青春!って思うけど、なかなか外から見てるとそうでもないんですよね。
僕のいた中学も高校も、東京なんですけど、公式戦は置いといてかなり平等に部員を試合に出していたと思います。レギュラーの試合Bチームの試合みたいになっちゃってましたが、レギュラーの試合に交代で控え選手が出たり、レギュラーの選手がBの試合にいつもと違うポジションで出たり、けっこう面白かったです。
高校ではそれそれはすごい人数いたので、トップチームのリーグ、Bチームのリーグ、Cチームの大会、1年生だけの大会というのがありましたね。
途中でやめたけど、今考えると手厚いなぁと思います。今でもあるんですよね?補欠は試合に出られないまま3年間がすぎるみたいなこと。無意味だと思います。
なにが言いたいかというと勝ち点などを計算してマネジメントをするリーグ戦ではその時々で熱量に差が出てしまうし、それが他のところにも影響が出てしまうのは、超一流の選手たちが揃うマンチェスターシティでも同じなんですね。ということです。
それにしてもワトフォードは、監督交代しすぎて混乱していました。相変わらずシティには弱く、今回もボロボロでした。
前回対戦記事はこちら
「帰って来たMendy」PL 第6節 vs Watford - tadashicityのブログ
結果
Manchestercity ⚽⚽⚽⚽
Watford
得点
31' スターリング(assist by ウォーカー)
40' スターリング(PKのこぼれ)
63' フォーデン
66' ラポルト(assist by デ・ブライネ)
MOM
(2ゴール)
スタッツ
マンシティ
ポゼッション 76.9%
シュート 26本(枠内 10本)
パス本数 764本
成功率 90%
ポゼッション 23.1%
シュート 2本 (枠内 0本)
パス本数 232本
成功率 66%
ハイライト
フォーメーション
前回対戦で大敗したワトフォードは4-5-1でシティに挑みます。
Manchestercity
4-3-3
カンセロが左SBでスタメン。ジンチェンコもメンディーもベンチに入ってるのにカンセロを左で使うのは試しているのでしょうか。
最近、フォーデンが使われますね。WGの位置からハーフスペースに入ってくるのでデ・ブライネと共存できるかという心配はありました。
64' ウォーカー → ジンチェンコ
スターリング → マフレズ
Watford
4-5-1
監督が何度も交代したワトフォード。迷走しているのはこの試合中にもわかりました。
今日は4バック。ドゥクレがすごく不憫な使われ方をしていましたね。詳しくは後述。
67' ディーニー → ウェルベック
82' ドゥクレ → チャロバー
87' ペレイラ → マシナ
前半 試行錯誤とサールの扱い
ワトフォードの試行錯誤
試合開始
まずは、両チームのフォーメーションを確認します。
ポゼッション率からもわかるように、シティが圧倒的にボールを支配し、ワトフォードが受けつつカウンターを狙う展開に。
(結局そのカウンターはほとんど発動せず)
なので、シティボール保持を中心に見ていきます。
青がシティ。
シティは左SBのカンセロが大きく幅をとって、その空いたところにベルナルドシルバが降りてくるマドリーパターン(自分で名付けました)とバランスを取るウォーカーでロドリとCBをサポートするビルドアップ。
左WGのスターリングは中に積極的に入ってきて、ゴールに近い位置でプレー。右サイドは、デ・ブライネとフォーデン。デ・ブライネの方が外に開く回数は多かったと思います。クロスからのアシストを狙っているようにも思えました。
ワトフォードは、DFのスライドもそこまで早くなく、そもそもMFがついていくのかDFがスライドするのかも明確になっていなくて、デ・ブライネとしてはフリーでクロスあげられる絶好の場所だったかもしれません。
一方のワトフォード
開始直後は、ドゥクレをディーニーと並ばせて4-4-2にセットしますが、ロドリを消してもベルナルドシルバとウォーカーいるので、ビルドアップを阻害できず、ボールを運ばれ、図の点線で囲われているハーフスペース+DF-MF間を好きなように使われます。
ということで、10分近くになると、
ドゥクレを最終ラインに吸収させる5-4-1に変更。これがまたミスになります。
正確には、フォーメーション自体に間違いはないのですが、選手選びと合いませんでした。
ドゥクレを最終ラインに下げ、DFラインの前のスペースでにらみをきかせ、スペースを消すことが目的です。また、5-4-1にしてからシティの大外レーンにはDFラインのスライドで対応することとしています。問題となったのは、右から左への展開になったところでした。
サールの扱い
今日の試合右SHに入っているのはサール。身体能力をいかした攻撃力は素晴らしいですが、いかんせん守備が下手。
シティが右サイドでボールを持つと図のようにスライド。すると左サイドには広大なスペースができます。
SBはシティのWGを見るのでカンセロにはサールが対応する必要があります。
必要がありますが!
サールにはそんなところまで対応できません!
困り果てたワトフォードは4-5-1にさらに変更。
低く構えて守備時のサールには目をつむることにしました。
ですが、目をつむっててもそこから攻めてくるシティ。スターリングが内に入ってきてスペースをカンセロ。これに対応できないとスタートに立てないんじゃないかというお決まりのシティの形。ワトフォードは当然考えていたと思いますが、なぜサールを右サイドに置いてしまったのでしょう…。
さらに前線を一枚だけにしたことで、自由にボールをキープされる。
前半15分の時点で、シティのポゼッションは86%。パスは143本。ワトフォードのパス本数は23本です。
サールの扱いが定まらず攻められるもなんとかギリギリのところで食い止めていたワトフォード。ですが、ギリギリすぎて失点は時間の問題でした。
解説の戸田さんも「この守備のままだとなんか起きちゃうかな」と言っていましたが、なんとかワトフォードは30分まで得点を許しませんでした。
30分
スターリングのゴール。
クーリングブレイク後に左右のWGを入れ替えたシティ。左からボールを運び、ハーフスペースのデ・ブライネからワイドのフォーデンへ。フォーデンがダイレクトであげたクロスは逆サイドのウォーカーまで通り抜けます。
そのウォーカーは、ペナルティエリアで動き出したジェズスにクロスをあげようとしましたがキックミス。ちょうどその手前にいたスターリングにボールがわたりました。
33分
久しぶりにサールにボールが。
サールが持ってもサポートはなく、単独突破のみ。攻撃のことを考えてないような戦術。このシーンではファウルを取れただけで合格です。
39分
右WGになってからさらにペナルティエリアへの侵入が増えたスターリング。中央で受けてキックフェイントでかわしてPKをもらいました。
43分には、右SBのウォーカーから左SBのカンセロ。カンセロからハーフスペースに顔を出したデ・ブライネにパス。
(実線が人の動き、点線はボールの動き)
右サイドのベルナルドからウォーカーに戻したところです。
そのときにロドリが中央にフリーランすることで、ワトフォードの選手ほぼ全員を深くまで張り付けます。(前線に残ってるのはサールです、なぜか笑)
パスコースのできたウォーカーは左SBのカンセロへ。カンセロがボールを持ったときには大外のフォーデンへの意識が強くなるワトフォードのSBと目の前の選手に対峙するワトフォードの中盤。その間を颯爽と駆け抜けるデ・ブライネ。
シュートはブロックされますが、ワトフォードは4バックにしても5バックにしても、シティの展開するスピードに対応できていません。
後半 アシストがほしいデ・ブライネ
ワトフォードの変化
後半開始
さっそくワトフォードに変化がありました。
前半の終わりからではありましたが、サールを1トップにして、4-4-1-1にしました。サールの守備に目をつむったままではどうにもこうにもならないと思ったのでしょうか。
サールのヒートマップです。
せっかく攻撃能力に期待していたのになんとも中途半端な位置でプレーをすることになってしまったのはもったいない。カンセロでもジンチェンコでもサールが1対1を仕掛けたらサールが勝てたと思います。
プレーエリアが少し散らばっているのは、1トップをしている時間帯もあったからです。ただ、それも有効に使われてはなかったですね。
アシストがほしい
後半も変わらずシティのペース。
後半から入ったウェルベックが一本抜け出したシーンがありましたがエデルソンがセーブ。ウェルベックの出場により、また、サールが右サイドに。これは恐ろしいほどの負の連鎖ですね。
後半はタイトルにもあるようにデ・ブライネがアシストを狙います。少なくとも3アシストぐらいはできていたように思えますが1アシストでフィニッシュ。仕方ないですね。
後半は2点入りました。
まずは、63分
ワトフォードの中盤背後にいたデ・ブライネにパスが通り、スターリングにスルーパス。
アシストか!と思ったけどキーパーのフォスターがナイスセーブ。こぼれ球をフォーデンが押し込みました。
66分
待望のデ・ブライネのアシスト。FKからラポルトのヘディングでゴールです。
サールが右にいるときはことごとくサールの背後をつくシティ。分析済みだったのかもしれないです。
後半から入ったジンチェンコが何度かディフェンスラインの裏を取っていたのを見ても、低くラインを設定しながら人への意識が低かったのだろうと思います。
試合はその後も一方的な展開で終了。
ジェズスに何度か決定機がありながら点が入らなかったこと、それを粕谷さんが見ていたらなんと言っていたことか。
最近は粕谷さんを欲している自分がいます。
左右で活躍カンセロ
カンセロの攻撃センス
今日の試合はいつもと変わらないシティの攻撃が見られたのですが、唯一見応えのあったところはカンセロの攻撃的センスだと思います。
左SBとして22分、43分、右SBとして70分、94分とチャンスに繋がるパスや決定機の演出をしていました。
長短、高低のボールを使い分けられるカンセロがSBの位置にいるのはとても大きい。
守備能力の差で、ウォーカーの二番手となっていますが、この申し分のない攻撃センスは交代として入ったときにも十分活用が可能だと思います。
カンセロのヒートマップです。
相手の陣地内で長くプレーしていることがわかります。
ペナルティエリアの奥への侵入も見られSBとして十分なプレーでした。
■個人スタッツ
タッチ数 116
パス成功率 96.5%
ロングパス 5本
決定機 1回創出
ドリブル 7回成功
タックル 4回
1対1勝利 14/21回
まとめ
この試合はシティのいいところよりも、ワトフォードの悪いところが出ていた試合でした。
どのように試合に望み、シティにどう抵抗するのか、それがまったく見えませんでした。
シティはというとフォーデンが相変わらず好調でアグエロのいない部分をスターリングで補っているようです。
ジェズスは、チームとしてはしっかりと潤滑油のように機能していますが、スコアラーとしての覚醒はまだまだ先だと感じます。
デ・ブライネは19アシスト。アンリの持つシーズン記録まであと1アシスト。なんとか見せてほしいです、新しい世界を!
残りあと1試合ですね。
シーズンが終わったらすぐにCLです。CLが終わるまで応援していきたい!
それでは!