プレミアリーグ最終節(第38節)vs Norwich ~シルバのラストダンスと記録の数々~
こんにちは。
tadashiです。
快く送り出したい気持ちもありながら、寂しい気持ちも持ってリアルタイム観戦しました。
David Silva sends Man City fans a moving farewell message https://t.co/GtcW0iyiM1
— ただし (@tadashi0716) 2020年7月27日
目次
はじめに
ダビド・シルバと言えば、僕の中ではいまだにバレンシアのイメージが強く、サイドやトップ下でドリブルやパスを駆使して観客を楽しませてくれていたのが印象的でした。
ビセンテ、ホアキン、アルベルダ、ルーベンバラハ、ビジャなんかがいてチーム自体すごく覚えています。
当時はスペインリーグにはまってWOWOWで見ていたので、その他のヨーロッパサッカーは、マンデイフットボールでしか情報を得ていませんでした。
ダビド・シルバもシティに移籍して、どんどんプレミアにいい選手が集まるなぁと呑気なことを思っていた記憶があります。
さて、その翌年に刺激的な逆転優勝を果たしたことで、え、なんだこのチームは!となりました。ああ、そういえばダビド・シルバが行ってたな。というところでダビド・シルバとの再会となりました。
10年間同じチームに居続けることも素晴らしいですが、そのなかで常にチームの中心としてタイトル獲得に貢献していたダビド・シルバは本当にすごいなと思います。
前回対戦
PL 第5節 vs Norwich city - tadashicityのブログ
結果
ということで、プレミアリーグ19-20いよいよ最終節です。
長かった…本当に長かった…!
38試合すべてレビュー書きました。良かったら見てみてください。
今日の試合はノリッジが完全に引いて攻撃は単独突破。シティもいつもの形に強烈な個の力を応用する攻め方だったので、時間の経過で試合を思い返してもらえるようにしました。
スコア
マンチェスターシティ ⚽⚽⚽⚽⚽
得点者
11' ジェズス
45'+1 デ・ブライネ(assist by ウォーカー)
79' スターリング (assist by デ・ブライネ)
83' マフレズ
90' デ・ブライネ
MOM
素晴らしい働きでした。
交代時にペップと握手をかわすダビド・シルバ。左サイドで、カンセロとフォーデンと見事なハーモニーを奏で、今日は左サイドで多くゲームを作っていました。
ハイライト
フォーメーション
マンチェスターシティ
4-3-3
ノリッジ
4-2-3-1
ボール保持の場面がほとんどなかったノリッジ。
非保持では、ボールサイドの選手がDFラインに吸収れる5-4-1や、中盤が横一列に並ぶ4-5-1篦場面がありました。
前半 ~記録のかかる一節~
試合開始
いくつかの記録に向けて
・シーズントータル100点
・スターリング20ゴール
・デ・ブライネ20アシスト(プレミア記録、アシスト王様)
・エデルソン16クリーンシート(ゴールデングローブ賞)
どれたけ達成できるか、そしてダビド・シルバのリーグラストゲームというところがこの試合のモチベーションです。
日本時間0時 キックオフです。
ノリッジはCBの前進に対してハーフラインぐらいまでは許して、ハーフラインに近づいてきたところでようやくボランチかトップ下でプレッシャーをかける。
プッキとトップ下でロドリを観察し、サイドやそれ以外には出たら対応。
シティの動きに対して、後手を踏む形で対応を続けたノリッジ。結果は散々に。
ノリッジの平均ポジションです。
1トップのプッキ以外は自陣にあります。引いてましたねぇ。
カントウェル、オネルエルナンデス、プッキ以外は攻撃の可能性が感じませんでした。
5分 カンセロミドルシュート
ゴールキックをマイボールにして右サイドから中央経由で左へ。
8分 ノリッジ先制か?という場面
オネルエルナンデスのカットインからのグラウンダーのミドルシュート。と思ったらオフサイド。助かったシティ。
人へもっと行きましょう。
11分 ジェズス先制!
スターリングとデ・ブライネのワンツーからクロス。跳ね返ったところにジェズス!
14分
このあとも何度かありましたが、ロドリが中央から離れてボールを受けるシーンが見られます。中央から人がいなくなりますが、ノリッジの攻撃への遅さを考えるとずれてボールを受けることはリスクに繋がらなかったので良かったと感じました。
17分
ダビド・シルバがペナルティエリアへ何度も侵入。フォーデンが左へ流れることが多い。たくさんのものを盗んでほしい。
カンセロとフォーデンが縦関係、ペナルティエリア内とハーフスペースはダビド・シルバが使う形。
22分
シティの波状攻撃。カンセロの突破からクロス。大外デ・ブライネ。
跳ね返りを回収し、最後フォーデンからクロス。スターリングヘディング枠外。
27分
ノリッジのカウンター。
カントウェルとプッキにて飛び出し。中央に戻したときに右サイドがだれも上がっていなくて、だれもいなかったのがもったいなかった。
28分
攻撃の主体はしばらく左で作って、裏をとれればそのまま進み、だめなら後ろを経由して右サイドのスターリングやデ・ブライネでクロスかシュート。
デ・ブライネのシュートはその形で切り込んだデ・ブライネの左足でのミドルシュート。
32分
スターリングの突破からマイナスのクロスダビド・シルバシュート。ディフェンスブロック。
33分
スターリング飛び出し。フォーデンスルーパス。あそこにはジェズス入ってこないと!というシーン。
ノリッジはカントウェルとオネルエルナンデス次第というところがある。しかし、それをさせないウォーカーの守備。ノリッジは攻められてるシティの左から攻めるのもありだと感じる。
36分
ノリッジに決定機
プッキがエデルソンに止められ、カントウェルがこぼれを拾ってループシュート。枠外。
39分
フォーデンのミドルシュート。
右斜めに走ったデ・ブライネにスルーパスが出て、入れ替わるように中へフォーデンが走り、そこにデ・ブライネからパスが出る。
42分
ダビド・シルバ決定機
狭いところでのボールの扱い方が本当にうますぎる。
デ・ブライネ
そしてロスタイムに恐ろしいゴールが飛び出します。
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— Manchester City (@ManCityPT) 2020年7月27日
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https://twitter.com/ManCityPT/status/1287689183889244164?s=09
ウォーカーがノリッジ陣内中央で縦のワンツーでボールを動かし左にいるデ・ブライネへパス。
デ・ブライネは左右の足をたくみに使って目の前のディフェンスを無効化し、右足でサイドネットは突き刺すスーパーゴール。
アシストがなかなかできない苛立ちをゴールで晴らしているような、ゴールキーパーからしたら最悪な、ファンにとっては最高なゴールでノリッジを突き放します。
後半 ~ありがとうダビド・シルバ~
後半開始
ロドリ→ギュンドガン
エリックガルシア→フェルナンジーニョ
フォーデン→マフレズ
47分
力の抜けた素晴らしいシュート。
52分
また、ダビド・シルバ裏取り。
今日一番きれいな飛び出し。
53分
ダビド・シルバ強引にペナルティエリアでシュート。キーパークルルのファインセーブ。
58分
ノリッジにチャンス。
オネルエルナンデスの突破。ボールの持ち方に可能性を感じる。
こういうのにほんと弱いシティ。
65分
デ・ブライネからのクロス。ノリッジのクリアがポストへ。これでも入らないか…。デ・ブライネ19アシストのまま残り20分。
74分
決定機が2回続きます。
ウォーカーのスーパーダッシュから相手陣内深くまで入り、ラストパス。スターリングのシュートをブロック。その後、ジェズスが拾ってシュート。クルルセーブ。
79分 ようやく!!
デ・ブライネのスルーパスからスターリングのゴール。中盤で前を向いたデ・ブライネ。ルックアップのときにはスターリングがディフェンスラインの裏へ抜けるプレー。
これでシーズン20アシスト達成!同時にスターリング20ゴール!
83分
マフレズゴール。
失ったあとのネガトラで奪い返す。相手ペナ内でこぼれてきたマフレズが冷静に右足でゴール。
85分
シティのレジェンドがピッチを去ります。
ダビド・シルバ交代。シティでの10年間を終える。たくさんの拍手に送られベンチへ。
(興奮のなか画面越しに写真を撮りました笑)
ありがとうダビ!!
90分
そして無慈悲なサッカーの鬼デ・ブライネの2点目。
こぼれ球を右足インフロントで正確なキック。
その数時間前にJリーグの試合を見ていてまったく同じシチュエーションで大きくはずしていたのを見ていたのでこの技術力の高さに脱帽。
あーあ、アシスト20だけだわ。
という、ふてくされたシュート笑
ということで終わってみれば5-0と圧勝のゲームでした。前回負けたのが嘘のようなリベンジ達成!
ダビド・シルバ
最後にダビド・シルバの今日のプレーを分析。
ヒートマップです。
上にも書いていますが再三に渡ってノリッジのペナルティエリア内に侵入していたシルバ。
また、サイドに開くことは少なく、ノリッジの中盤もDFラインの間にポジションを取ることが多く、効果的なポジショニングでシティの攻撃を牽引していました。
強引にシュートを打つシーンも後半に入ると見られ、これまでチームに徹していたダビド・シルバのプレーから少し解放された彼の姿を見られました。
ちなみに同サイドのカンセロとフォーデンのヒートマップを見てると
これはカンセロ
これはフォーデン
二人ともダビド・シルバのエリアを極力開けるように二人ともがサイドに平均ポジションを取っていたことがわかります。
ダビド・シルバの上下の動きとカンセロフォーデンの縦関係が妙に美しく、テンポ良く、とても華麗に映っていました。
試合全体のシティ選手の平均ポジションです。
フォーデンが真ん中にあるのは左右のWGをプレーしたからですが、ダビド・シルバは真ん中にいることがわかります。デ・ブライネよりも低い位置というのは少し驚きでした。両サイドはSBがいて、WGは内側に絞りチャンスメイクとスコアラーとしてシルバと共演です。
ジェズスの位置がスターリングよりも低いというのは今後のジェズスの課題でしょうか。
シーズンを通してみても、ハーフスペースとりわけMF-DF間でボールを受けさせたら世界一です。相手を背負うこともできるし、フリーになることもできるし、DFの裏へも飛び出すこともできます。
ここ数試合でカンセロとの相性もいいことが再認識でき、もう1シーズン見たいなと思った気持ちはそっと心にしまっておこうと思います。
シュート数は5本。タッチ数は74回、パスは56本。そのうち49本を成功させ、成功率は88%でした。
19-20シーズンの数字を。
得点は6ゴール。そのうちフリーキックで2点。
アシストは10です。
出場時関数 1826分
パス回数1324回、成功率は89%です。とんでもないですね。
(参考までにデ・ブライネのパス成功率は81%)
プレミアリーグは通算309試合出場
プレミアリーグ3つ含めて11個ものタイトルを10年間で獲得しています。
今日このレジェンドは、85分間のプレーを終え、ピッチを後にしました。
ダビド・シルバよ、永遠に。
BBCのインタビューに答えたダビド・シルバのコメントを引用しつつお別れです。
"It [the send-off from team-mates and coaching staff] was emotional because they are amazing people."
みんなに送られたことはとてもエモーショナルな気持ちになった。
"I have been working for them for 10 years and I have a good relationship with them.I love them and I am going to miss all of them"
10年間シティでプレイして、とてもいい関係を築くことができた。私はそんなシティを愛しているし、すべてが恋しく思うことになるよ。
"To win so many titles and the way we won it, I am a lucky guy, I have had a a lot of nice moments, and this one as well, the last one. I will miss everything - even the weather as well!"
私たちのやり方でたくさんのタイトルを勝ち取れた私はとてもラッキーだ。たくさんの素晴らしい瞬間が得られたし、それはこれからもずっと続くものだ。すべてが恋しく思うよ。天気すらもね。
まとめ
今日は試合の分析なんて不要ですね。それだけ素敵で素晴らしい夜でした。
ダビド・シルバのラストゲームだけでなく、様々な記録を目指して望んだマンシティ。
デ・ブライネは、アンリが記録した20アシストに並び、アシスト王。
スターリングは節目となる20ゴールを達成し、キャリアハイ。
エデルソンはクリーンシート16回でゴールデングローブ賞を受賞。
そしてチームとして100ゴール超えを達成。
素晴らしい記録を打ち立てたマンシティは、2位でフィニッシュとなりました。
さて、プレミアリーグラストの試合を85分間プレーしたダビド・シルバ。なぜ退団するの?と思うほどこの試合でもゲームをつくる効果的なプレーを連発。
フィールドをどこに移しても活躍する姿見えます。家族のことを考えるとやっぱりスペインに戻るのがいいんじゃないかと個人的には思います。いったいどこのチームに移籍するのか気になります。
マンシティとしては、8月7日のCLに向けて調整を続けるようです。レアルマドリーというヨーロッパのビッククラブに対抗すべくダビド・シルバとともに最後を締め括りましょう。
それでは!