ChampionsLeague ベスト8 vs Lyon ~繰り返されるリスペクト~
こんにちは。
tadashiです。
マンチェスターシティの19-20シーズンが終わりました。
今年こそはと臨んだチャンピオンズリーグはまたしてもベスト8で去ることとなりました。レアルマドリードにダブルを達成し、勢いに乗っていたチームも、ユーベを倒して同じく勢いに乗ったリヨンに打ち砕かれました。
また、来年
その言葉が甘えにならないように対策されても倒せない、そんなチームになってほしい。
元々書く気はなかったけど、あまりにも悲しい終わり方だったので思わず。
シルバのラストゲームでした。出場もしました。10年間の最後がこの試合とは少し寂しい。
目次
結果
Manchestercity ⚽
Lyon ⚽⚽⚽
フォーメーション
マンチェスターシティ
3-4-3
シティファンが最も恐れていたペップの奇策。
相手を研究し、リスペクトをしすぎてしまうがゆえにやってしまう相手に合わせるフォーメーション。これまでやってきた4バックをこの大舞台で大胆に変更。
しかし、このフォーメーションのデ・ブライネの位置。ロシアワールドカップベルギー代表がブラジル代表に使った策でもあります。
リヨン
3-5-2
ベスト16でユベントスを破ったフォーメーションを継続したリュディガルシア率いるリヨン。
ヨーロッパの強豪も注目するAouar(アワール?アウアー?)含めた中盤3枚に注目。
前半 ~リスペクトの成れの果て~
試合開始
不安が的中し、3バックで試合が始まりました。
3バックにした理由はペップ本人しかわかりませんが、これまでのシティの戦いから推察できます。
1.リヨンの2トップに対して4バックではカウンターを浴びたときに数的同数になり失点のリスクが高い
2.WBで相手のWBを押し下げ、リヨンの中盤を飛び越えて、右CBのフェルナンジーニョから右WGのデ・ブライネにパスを通す。
という感じでしょうか。
さて、とても簡略化した図ですが、以下を見てください。
WBを置くシステムは図のように押し下げられると両サイドに大きなスペースが生まれます。デ・ブライネが右WGの位置からスタートすることで、リヨンのWB、CB、CHの間つまりハーフスペースを活用し、前を向こうと考えていたのかなと思いました。
デ・ブライネが前を向くことで、ジェズス、スターリング、ウォーカーがスピードアップ!となるはずです。
しかし、びっくりするぐらいうまくいかなかった。
ということで次の図です。
当たり前かもしれませんが、シティにハーフスペースを使われないように守るのはもはや常識。(私の説がまったくもって間違っていたような気がします。)
リヨンは、フェルナンジーニョからパスが通らないようにスペースを潰します。マンマーク+1で中央を締め、シティのビルドアップを阻害しました。
しかも、思った以上にリヨンは下がらない。WBを押し下げるためにシティもWBで幅を取っているのにこれではうまくいきません。
これに業を煮やしたデ・ブライネ。なんとおりてきてしまいます。
前半20分前後のシーンです。
左サイドからCBを経由して右サイドにボールが渡ったところですが、デ・ブライネが自分の持ち場を離れてウォーカーのいた位置に下りてきます。しかも、マークを引き連れて。
このスペースに入ってくるのは、フェルナンジーニョでもウォーカーでもいいのです。わざわざデ・ブライネがおりてきてしまうのはこのフォーメーションが無意味となってしまいます。
本来のフォーメーションであればこれでいい。デ・ブライネの前にはウォーカーと右WGがいるのです。
しかし、この試合の右WGはデ・ブライネです。ロドリは真ん中、ギュンは左寄りの配置もデ・ブライネのプレースペースを残しておくためのものです。
ペップの意図が伝わってないのか、実現できない選手たちのせいなのか、デ・ブライネの自己判断なのかわかりませんが、これによりさらに攻めにくくなったシティ。
唯一の打開策が左WBのカンセロからスターリングの抜け出しのみ、というのはあまりにも寂しい前半でした。
一方のリヨン
シティはリヨンのビルドアップに対して、WGがCBにプレスをかけます。これはこのシーズン終盤でたどり着いたシティの新たなプレッシングスタイルです。
ここに問題はなかったと思いますが、今日の試合はシティのWBが、リヨンのWBに押し込まれる展開となってしまったことで、前線からのプレスはことごとくはまりませんでした。
リヨンは、押し下げられたシティのWB、プレッシャーに来るWGを利用し、図の点線で囲まれた位置を使って攻めてきました。
一つは、WGとダブルボランチの脇、特にシティの右サイド、デ・ブライネの後ろ
二つ目は、ダブルボランチの間
それぞれCHとSTがそのスペースを使い、シティの右サイドから左に展開し、クロスという攻撃が前半はよく見られました。デ・ブライネもそれに気づいてか、戻るようにしていましたが、そこはリヨンの中盤もバカではないのでデ・ブライネが下がったらデ・ブライネの前を利用し、同じように左サイドに展開するプレーを見せます。アウアーとギマラインス、フォワードのデパイ、エカンビがきちっと与えられたタスクをこなしている印象でした。
リヨンの先制点
このシティの失点にも今回のフォーメーションが仇となったシーンが詰まっています。
「押し下げられたWB」と「CBにプレスをかけるWG」という二つの事象により、間延びしたDFライン。オフサイドラインがウォーカーの位置となり、オフサイドをかいくぐられる形となりました。
ここまで押し下げられるとは私自身も思っていなかったのですが、プレーするウォーカーの頭には、対戦する度に決定的な働きをしてくるコルネには注意深くケアしなければならないという意識があったのかなと思います。
皮肉にも普段はストロングポイントとなっていたデ・ブライネとウォーカーにより、リヨンが優勢になるなんて…とシティファンとしてはため息の出るような展開。
そのままいいところもなく、前半が終了します。
後半 ~唯一の狙いと終焉~
前半気になったポイントを呟いておりました。
右サイドめちゃくちゃ窮屈。ウォーカーの前は空いてるのにデ・ブライネはウォーカーの横にいる。ウォーカーとデ・ブライネ以外が遠い。
— ただし (@tadashi0716) 2020年8月15日
配置が整理されてない。
攻めあぐねもしていないシティ久しぶりに見る。
— ただし (@tadashi0716) 2020年8月15日
このまま後半にいったときのパワープレーを持っていないシティ。どうするか。
ちょっとだけボーンマス戦っぽい。守りにやられるところが。ただ、リヨンは攻撃的だなぁ。シティに対して守りから攻撃への展開がすっきり整理できてる。
整理すると
— ただし (@tadashi0716) 2020年8月15日
・相手は2トップだから3バック
・ジーニョとラポルトで縦パス入れられる
・ジーニョからデ・ブライネのパス狙いたい
・右はデ・ブライネ下りてくるからロドリ中央、ギュンは左で
・デ・ブライネへのパスコース切られたし、リヨンのWBアグレッシブ
・結果、ジーニョとウォーカー丸かぶり
ちなみに左はというとカンセロからスターリングへのスルーパスが思いの外効いていて、デナイヤーも揺さぶられてるけどリヨンはフォローが早い。ラポルトも今のところ効果的なパスはない。
— ただし (@tadashi0716) 2020年8月15日
リヨンは5バックだけど中央しめてスライドをスムーズにしている。
リヨンは意図的なのか左から攻めていた印象。
— ただし (@tadashi0716) 2020年8月15日
右が押し込まれてたし、左は抑えられていたからそこを使ったとか。ジーニョのスピードがないから裏を狙うつもりだったのか。
呟きすぎですね。
唯一の打開策
後半開始
展開が変わったのは56分にマフレズを投入し4-2-3-1にフォーメーションを変えてから。
デ・ブライネをトップ下に起き、前半から効いていた左サイドから攻めることに。
(デナイヤーは、ソックスのはき方がルイ・コスタらしさ出てる。)
スターリングがデナイヤーの裏を取るようにカンセロとデ・ブライネにより狙う。もうこれしかない。と見ているときは思いました。
69分 その唯一の狙いから同点!
スターリングが左に抜け出し、デナイヤーをキックフェイントでかわす。走り込んだデ・ブライネにラストパス。ゴール!
行けるかも!?
と思いました。ええ、思いましたよ。
79分 1-2
なにも言えない…
うそだろ…
— ただし (@tadashi0716) 2020年8月15日
しかも、これ前々から気にしていたラポルトの「難しいところにパスだしてやるぜ」っていう悪いところ出た最悪なパターン
実際に「うそだろ…」と声に出していました。
このブログでも散々ネタにさえしていたハードボイルドパサーラポルト。
難しい縦パスを通すことに生き甲斐を感じているラポルト。
彼のパスミスからショートカウンターで失点。そのあと倒されたのはファールだったかもしれないけどねぇ。そういうことじゃないんだよ。
崩れ落ちるペップの姿が印象的でした。
シティは点を取らなければいけない。まずは同点。
ウォーカーをビルドアップに組み込み、マフレズで幅を取り、じわじわと攻めるが時間は経過していく。さすがのリヨンもブロックを組む位置は前半よりも下げているのでパスを回すスペースはある。
なんとか同点にしたい。
84分にダビド・シルバを投入し、攻撃に出るシティ。
終焉
そして…
ジェイミーギャラガー氏
86分のスターリング。
ゴール前フリー、キーパーなしの状況で枠外。朝方でしたが思わず声を出してしまいました。
そして、さらにその1分後。
そこからゴール前に運ばれアウアーのシュート。そのシュートをエデルソンがファンブル。つめたデンベレが今日2点目。
終わりです。
まとめ
リヨンとはCLでよく対戦する。その度に勝てない…という気持ちを抱く。当然、シティの選手たち、ペップ、スタッフたちにも同じようなシーンが思い浮かぶ。
これはノックアウトラウンドだ。負けられない。
そんな思いが、今日の采配に繋がったのではないかと思う。
ペップ含め、シティの悪いところがすべてでてた試合
— ただし (@tadashi0716) 2020年8月15日
・大事な試合での奇策
・覇気のない雰囲気
・ジーニョの裏
・ラポルトのエゴ
・勝負弱いスターリング
・デ・ブライネの王様プレー
いや、ほんとにバイエルンでできてシティではなぜ…
この私のつぶやきにすべてが込められています。悔しい。
今まで良かったとかそういうことじゃない。
今日の大事な場面でミスが出ないチーム、やりきれるチームがやはりヨーロッパで頂点になれるのでしょう。
なによりもシルバのラストゲームがこのような負けかたで終わるのがすごく寂しい。
ラストに試合に出ましたが、望んだ形だったんだろうか。そもそもノックアウトラウンドでシルバはスタメンがなかったです。
なぜなんでしょう?
はぁ…
シルバほんとうにありがとう!!
デ・ブライネのインタビュー
Kevin De Bruyne:
— City Chief (@City_Chief) 2020年8月15日
"Different year, same stuff."
[@btsportfootball]
pic.twitter.com/xkiuVn5IPf
少しだけ訳します。
試合について問われ
前半はあまりうまくいかなかった。チャンスも少なかった。でも、後半は良かった。
同点にしたあと、僕らはいくつかのミスを犯した。それからは2点、3点と取られ、試合は終わった。
スターリングのシュートミスについて
もし、ラズが決めていたら2-2だった。でも、これこそがフットボールだ。最終的には1-3で終わりだ。
デンベレの1点目の判定について
なにも言うことはないよ。振り返るつもりもない。判定は判定さ。
デ・ブライネで最近気になっているのは、セットプレーで自分で狙ってしまうところ。仲間を信頼していないのか、自分で狙った方が確実なのか、少し王様がすぎるのではないかと不安に思いました。
アウアープレー集 シティ戦
Houssem Aouar x Man City #UCL
— Veloso 🇪🇸 (@VelosoHD) 2020年8月15日
pic.twitter.com/l4eoYhWRfK
派手さはないけど、確実なプレー。厄介でした。ビッククラブに移籍するだろうなと思います。
アウアーだけでなく、カクレも何度もシティのパスをカットもしくは、ボール奪取していました。邪魔するな!というぐらい効果的な立ち位置ボール運びとリヨンがなぜリーグで7位だったのか本当に理解ができないほどでした。
敗戦から少し時間がたちましたが、納得のいかない試合でした。
ペップしかわからないことです。監督ですから。
ただのファンは横から文句を言うことしかできません。
彼らにも届かない文句は、シティに期待していたからこそ。
来シーズンは、文句を言いつつビッグイヤーを掲げて、涙を流したいなと思います。
今年一年間ありがとうございました。
少なからず目を通してくれた人とても嬉しかったです。
一度でも開いてくれた人にも感謝。
人に読まれる文章とはなにか。難しいことを考えながらの一年でした。
コロナによってサッカーのない日常が現れ、自分がどれだけサッカーを日常にしていたか思い知らされました。
すべてのサッカーファン、運営、プレイヤー、スタッフに圧倒的な感謝を伝えます。
ありがとうございました。
そして、またすぐにやってくる来シーズンの幕開けに胸踊らせつつ、楽しくサッカーに触れていきたいと思います。
それでは!