ManCityを追うものは一兎を得ず

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サッカーとマンチェスターシティ

SBの役割を取り戻せ! 第6節 vs ウェストハム

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こんにちは。

tadashiです。

 

プレミアリーグ アーセナル戦、CLポルト戦を勝利で終え、勢いづいてきたマンチェスターシティ。

今日の試合はモイーズ率いるウェストハムとの試合です。ポルト戦から中2日なので選手たちの疲労が心配です。

 

 

 

 

結果

ウェストハム | マンチェスターシティ

1 - 1

 

18' アントニオ (assist by クーファル)

51' フォーデン (assist by カンセロ)

 

マンチェスターシティに明らかに疲労の色が見えていました。ピッチがボールのすべらないコンディションだったことも相まってスピード感のない試合に見えましたね。

特にスターリング、ウォーカーはずっと出続けていて、集中力も切れていたように感じました。

 

 

スタメン

両チームのスタメンはこちら
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■ホーム ウェストハム 5-4-1

前節トッテナム相手に後半残り8分で3点差を同点にもっていった勢いがあるのかないのか。今日の試合は我慢の試合。1点を守りきるつもりで挑んでいましたが同点にされ、その後も何度もピンチを迎えましたがゴールキーパーのファビアンスキを中心になんとか追加点を防ぎました。

 

ウェストハムは今夏に獲得した選手はたった一人。しかもレンタルからの復帰。

強いて言うなら冬にレンタルしたソーチェクを完全移籍で獲得したことぐらい。(ぐらい、と言いますが、ソーチェク獲得はかなり大きな仕事)

監督も変わらず、ある意味で成熟したチームを作れる状態にあります。

 

 

シティを苦しめた選手

・ライス

中盤でボールを引き出して展開するだけでなくチャンスとあらば前にも顔を出す。ワンタッチも効果的に使い、ウェストハムのリズムを作り出していたのは確実にこの男でした。

 

 

・アントニオ

今日の試合で彼を話題に出さないのは失礼である。

体を預けたバイシクルシュートはプレミアリーグらしい豪快なプレー。ポルトガルリーグにいたルベンディアスも度肝を抜かれたと思います。

それ意外にもフィジカルを活かしたポストプレーでシティ相手に堂々のプレー。見ているこっちもかなり困りました。

 

 

 

■アウェイ マンチェスターシティ 4-3-3

まさかのポルト戦とまったく同じスタメンです。ペップが一つ前の試合と同じメンバーで挑むのは2007年ぐらいまで遡るとか。怪我人も多く仕方ないんですかねぇ。

 

ジンチェンコとデ・ブライネ、そしてストーンズが控えに入っています。

 

怪我人は以下

ラポルト、アケ、フェルナンジーニョ、ジェズス、メンディー。

 

ちなみに前半でアグエロが怪我をします。

後半はマフレズもデ・ブライネもフォーデンもみーんなトップ下。

 

 

今日のSBのパスを科学する

毎回テーマを決めて試合を見ていこうと思い、今日はSBについて。(もしかしたらずっとSBかもしれません。)

 

手動でかつ限られた時間にできることはたかが知れていて、今回行ったことはこちら!

 

SBがだれにパスを出したか

 

これを調べることで、マンチェスターシティのSBの置かれた立場の変化がわかるはずです。

 

というのも、ここ最近のペップシティはSBの立ち位置がかなりサイド寄りになっています。ウォーカーでさえ、数シーズン前のポジションよりも外側に位置しています。

これは、ペップの中でビルドアップやフィニッシュにおいて、これまでとは別のアプローチを実戦しているからだと思います。

 

では、さっそくですが始めていきましょう。

試合開始してから、カンセロとウォーカーがどこでだれにパスを出したかを淡々と記録していきます。(ウォーカーの交代する78分までの記録)

 

努力の成果

まずは、手動の成果を。

 

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もう見たくなくなっていますか?

 

同じ気持ちです。

 

画像はウォーカー(左)とカンセロ(右)が試合中にパスを出した位置と相手と距離を記録したものになります。写真は前半のもの。

 

 

こちらが後半。ヒューマンエラー出まくりのなんちゃって記録ですね。

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ここから、3つの数字を取り出します。

 

1. パスを出した相手とその本数。

2. パスの方向と全体のパスとの割合。

3. パスを出した位置とその本数。

 

この数字は後に出てきます。大事な数字です。

暗記しといてください。スクロールするの面倒ですよね?

暗記しといてください。

 

 

1. パスを出した相手とその本数

・ウォーカー前半

マフレズ 5本

ロドリ 3本

エリックガルシア 3本

カンセロ 2本

ディアス 2本

アグエロ 2本

エデルソン 2本

ベルナルド、スターリング、ギュンドアン 1本

 

・ウォーカー後半

ディアス 7本

エリックガルシア 5本

ギュンドアン 4本

ロドリ 3本

デ・ブライネ 1本

 

ウォーカーパス合計 40本

ここ試験に出ます。

 

 

・カンセロ前半

エリックガルシア 7本

ロドリ 5本

アグエロ 3本

ギュンドアン 4本

エデルソン 2本

ベルナルドシルバ 1本

 

・カンセロ後半

ギュンドアン 5本

フォーデン 3本

ロドリ 2本

エリックガルシア 2本

ウォーカー、ベルナルドシルバ 1本

 

カンセロパス合計 36本

 

 

このパスの相手と本数で両SBの振る舞いがわかるほどです。

 

 

 

2. パスを出した方向と全体のパスとの割合

・ウォーカー前半

前へのパス 9本

横、後ろへのパス 11本

 

・ウォーカー後半

前へのパス 2本

後ろへのパス 18本

 

・カンセロ前半

前へのパス 8本

後ろへのパス 14本

 

・カンセロ後半

前へのパス 4本

後ろへのパス 10本

 

パス本数に対する前へのパスの割合

・ウォーカー 27.5%

・カンセロ 33.3%

 

 

3. パスを出した位置とその本数

・ウォーカー 

相手陣地内でのパス 30本

自陣でのパス 10本

 

・カンセロ

相手陣地内でのパス 22本

自陣でのパス 14本

 

 

相手陣地内でパスを出しているので、攻め込んでいるとき高い位置をキープしていながらも、前向きへのパスは半分以下。

特に、昨シーズン何度も見られたSBからペナルティエリア手前中央へのパスはまったくありませんでした。

 

 

 

では、続いて考察に入る前に久しぶりに出場したジンチェンコのプレーをプレイバック!

 

15分間のジンチェンコ

78分からジンチェンコの登場です。久しぶり!

ロスタイムも含めて約15分間プレーしたジンチェンコに言及します。

 

怪我でスタートしたジンチェンコは、現在のチーム内での序列はお世辞にも高いとは言えません。

ここで少しでもアピールしておきたいところ。(SBでアピールする必要なんてないと個人的には思ってしまいますが、まあ、まずは試合に出ることです)

 

ジンチェンコのプレーを見ていると、タッチライン際でポジションを取り、ボールを潤滑する役目でした。

縦の突破は考えておらず、高い位置をキープしながらライン際で味方のあがりを待つ。

 

もしかしたら、一人ワイドに張らせることで5バックを広げさせ、空いたスペースにデ・ブライネやスターリングに走ってもらうつもりだったのかもしれません。

 

しかし、左SBがカンセロのときからそうでしたが、サイドの対応は遅め。カンセロに何度もやられていたのに対応は常に1対1。ジンチェンコが出ようがそのスタンスを変えることは、ウェストハムにはありませんでした。

 

そんな中でジンチェンコは、クロス1本、パスを8本。あまり効果的に試合に入り込むことができませんでした。

そもそも試合勘も戻っていなくて、デ・ブライネとタイミングが合わないこともたった15分間で何度もありました。

 

しかも、この投入の意図はネットでも賛否両論あり。攻撃的な選手を投入すれば得点のチャンスはあったのではないか、と。

ジンチェンコがSBとして起用されたのは、中盤出身の技術力だと思っています。ボールを確実にWGに供給する、相手の使われたくないDFと中盤の間を使う、という部分が与えられた役割だと思っています。

 

今回は怪我明け、15分間のプレーなので何が言えるわけでもありませんが、少し痩せたのうな顔とこの試合展開でもしっかりと守備に走って戻っていたことが印象的でした。

 

 

SBの役割の変化

記録と比較

では、記録した結果を前シーズンと比較して少しだけ分析してみましょう。

 

今回比較対照としたのは、たまたま同じようにSBのパスの方向を淡々と記録していた19-20シーズンのバーンリー戦です。(本来であれば、同じウェストハム戦とするべきなのかもしれませんが、そんなことやっていないし、また見ることもできないし、面倒なのでやりません。)

 

このときのSBは左がジンチェンコ、右がカンセロでした。

 


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図を見てもらうと(見えないと思いますが)、バーンリー戦のSBはハーフスペースから大外のレーンに向かってパスを出している回数が多いことがわかります。

また、大外のレーンにいるときは中央の小さなスペース(相手の最終ラインと中盤の間)を狙うパスも多く、攻撃に対して大きく寄与するパスを選択していました。

これは明確な狙いでした。

 

昨シーズンまで在籍していたダビド・シルバは、その狭いスペースでのボール扱いが抜群にうまかったので、本人も積極的に顔を出していました。それにより中央に寄ってくるDFに対して、孤立する敵SBにスターリングが1対1を仕掛ける。右も同様。

SBはそのどちらにも均等な距離を保ち、滞りなく前線へボールを配球する役割を担っていました。

 

ここで今回の数字を比較。

 

まずはパスの本数

■右SB

・ウォーカー(今回) 40本 

・カンセロ(昨シーズン) 62本

 

■左SB

・カンセロ(今回) 36本

・ジンチェンコ(昨シーズン) 78本

 

これは正直、参考にはなりませんが減ってはいます。SBがビルドアップや仕掛けの段階で関与することが減っていると推察できます。

 

 

次に、パスの方向(前向きを抜粋)

■右SB

・ウォーカー(今回) 11本 27.5%

・カンセロ(昨シーズン) 29本 46.7%

 

■左SB

・カンセロ(今回) 12本 33.3%

・ジンチェンコ(昨シーズン) 21本 26.9%

 

うーん、ジンチェンコが予想とことなりました。パス本数多かったから、前へのパスもなかなか割合は減ってしまいました。横パスもカウントしたら良かったです(やらない)

 

前へのパス本数は純粋に高かったのが昨シーズンでした。

 

今シーズンは、大外レーンでボールを受けたSBの選択肢は縦への突破か、横もしくは後ろへのパスです。

昨シーズンと比べるとSBがより、外側でのプレーを求められていることがわかります。

 

 

役割はどう変化したか

※この考察の根拠としている数字はこの上にあります。結論の前の数値を見たい方は上へスクロールお願いします。

 

以上のことより、現在のペップシティにおけるSBの役割はこのように変化しています。

 

これまで

ビルドアップや崩しの起点、もしくは中継点としての役割

 

現在

大外のレーンで幅を取り、無理はしない。タイミングがあれば突破を狙うという相手守備組織を広げる役割

 

図で表すとこんな感じ

これまで

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現在

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これは「ダビド・シルバの退団」というシティ側の理由と「コンパクトな5バックによるハーフスペースの消失」という対戦相手側の理由によるものです。

(具体的なチームとしての変化はおそらくしばらくしたらプロの方々が解説してくれると思います。)

 

 

え、その理由なら手薄になったサイドを、スターリングやマフレズで突破すればいいじゃん!

 

と、思われる方もいますが、最大の問題があります。

 

 

だれがゴールを決めますか?

 

 

戦術が研究され、低弾道クロスはかなり警戒されました。唯一の望みはペナルティエリア角からのデ・ブライネのクロスです。

屈強なディフェンスが中央にいることが多いプレミアリーグにあいて、シティのFWは背が低いです。よほどのピンポイントクロスでない限り競り勝てません。

 

これで点がなかなか取れないとわかり、方針を変えたのではないかと思ったのです。

 

 

そして告げられる、SBはワイドレーン担当。

 

今さらそれ言う!?

数年間そんなトレーニングしていなかった中でのワイドレーン担当は、なかなかに大変だし、ジンチェンコなんてそれを狙ってのSB起用ではないんだからできないですよね。

それなら素直にアルフォンソデイビス獲得してくれって感じです。

 

 

と、このように、ペップシティにおけるSBの役割の変化はペップの進化のように見えて、まったく進んではいません。

むしろこれまでの蓄積を消し去るかのようなやり方だとも思います。

 

最終年で怪我人も多い状況。試行錯誤する必要もありますが、そこを変えてしまってはなかなかうまくいかないのではないかと思ってしまいます。

 

少なくともペップシティでSBとしてプレーする選手たちに与えられたタスクは、今のシティの戦術には当てはまっていないはず。

冬にSBを獲得するのでしょうか?

これを見ると、なおさらジンチェンコはSBじゃないなと感じるばかりです。

 

ペップよ!

SBの役割を元に戻してくれ!

 

 

あまり、批判ばっかりではよろしくないので、そろそろ落ち着こうと思います。

 

 

 

少しだけ試合を

試合は大方の予想通りマンチェスターシティがボールを持つ展開。

 

ウェストハムは5-4-1の形で守備ブロックを形成します。中場の4枚が横並びになるのではなく、立体的に陣形を組んでいました。

前半気になったのは、マンチェスターシティのボール保持にたいしてウェストハムがCBとロドリをしっかりとおさえていたこと。

アントニオとボーウェンでCBを、そしてフォルナレスがロドリを見る形。

マンチェスターシティに持たれるのが続くと、ウェストハムは一つ重心を下げて迎え撃つ。シティCBの運びに対して明確なプレスはなく、5-4のブロックで中央のパスコースを限定もしくは消去。徹底してコンパクトな陣形を保ちます。いくらCBが持ち上がっても縦パスは通らない。

そんな展開が続きました。

 

先制点は18分。ウェストハムに訪れます。

右から上がったクロスに対して、アントニオがディアスを背負いながらバイシクル。見事なシュートでゴールネットを揺らしました。

ルベンディアスにとっては、これがプレミアか…!と思わせるフィジカルなゴールでした。

 

後半は、怪我をしたアグエロにかわりフォーデンを投入。効果的な守備、フリーになる能力、次の手を探す視野と今日のフォーデンは良かったと思います。得点も取り、マンオブザマッチにも選ばれました。

しかし、WGとしての役目はなんでしょう。1対1で縦に突破することがほぼないフォーデンは、ゲームを作る過程には重要な選手ですが、フィニッシュの前を彩るプレーヤーにまだなれていないと思いました。

 

その後の展開はとても残念な展開でした。

マフレズまで中央に寄ってきてしまい、コンパクトなウェストハムの守備と重なりほとんどスペースのないところで試合が進んでいきました。

途中からデ・ブライネが出て来てその構図は加速。

中央に集まってきたデ・ブライネ、マフレズ、フォーデンが、「ないスペース」に悪戦苦闘してなんとかチャンスを作る展開に。

後半の終わり10分にはマフレズ、スターリングにそれぞれ決定機が訪れましたが決めきれず試合は引き分けで終わりました。

 

ジンチェンコ、デ・ブライネと投入してから流れが戻ってしまった感じです。

それまではフォーデンとカンセロで相手のSHヤルモレンコをピン止め。ほとんど攻撃に参加させずウェストハムを6バックに追いやっていましたが、フィニッシュに問題のあったマンチェスターシティ。なかなか今シーズンは波にのれない試合が多いです。

 

ちなみにジンチェンコを入れて、カンセロを右に持ってきた采配について、私だったら、という意見を述べて終わりにしたいと思います。

 


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カンセロが質的に優位であったため、そこは変えずにカウンター受けて上等攻撃的サッカーです。ボールをもったらロドリが一つ前に上がります。おそらくビルドアップする時間もないので、サイドで待つカンセロ、マフレズの突破から中でフィニッシュという形が描けました。ジンチェンコは元々このポジションの選手なので、しっかりと役目を果たしてくれると思います。

 

 

さて、次はCLマルセイユ戦。酒井宏樹と長友がいるのでわくわくしますね。

そして、プレミアリーグはシェフィールドユナイテッド戦。

ペップの最終年をしっかりと見届けましょう!

 

 

それでは!