ダービーはこれでいいのか 第12節 vs マンチェスターユナイテッド
こんにちは。
tadashiです。
ちらっとでも見ていただきありがとうございます。すぐ読めますよ。
やってまいりました。マンチェスターダービー!
赤い隣人を倒せ!
現地ではダービーに負けると1週間いじめられるようですね。
ホームのユナイテッドは前節ウェストハム戦をターンオーバーで勝利し、CL戦ライプツィヒ戦に死力を尽くし敗退。GLからも姿を消し、メンタル、フィジカルともに苦しい状況でのダービーです。
一方、アウェイのシティは、前節フルハム戦に勝利し、突破の決まっているCL最終節をターンオーバーでしっかりと勝ち、ユナイテッドよりも遥かにメンタル、フィジカルともに余裕をもって臨むことができています。
今シーズンなかなか上昇しない両チームは、このダービーをきっかけに浮上できるのか。
結果
マンチェスターユナイテッド 0 - 0 マンチェスターシティ
スタメン
両チームのスタメンはこちら。
■ホーム マンチェスターユナイテッド
フォーメーション 4-3-1-2
前節のウェストハム戦からは5人を入れ換えています。スタートはこの布陣ですが、ビルドアップではブルーノが右に流れたり、後半はグリーンウッドを右に置いてポグバ左の4-2-3-1になったり、マクトミネイが下りて3-1-4-2になったりとかなり流動的でした。変わっていくタイミングが不思議で、選手の判断なのかな?と思いました。
ポグバをスタートから見ることが初めてだったので、気にして見ていましたが足元の技術抜群ですね。パスも。ブルーノとは違ってあんまりクロスは上げないけど、高さあり、強さあり、技術ありの選手が左から中央に入ってきたりハーフスペースに位置取られるととても嫌だろうなと思いました。
左をルークショーにしているのは守備のことを考えてだろうな、と。ほとんどあがってこなかったですよね。ワンビサカもですが。
■アウェイ マンチェスターシティ
フォーメーション 4-2-3-1
もうなにも言わない。ペップの決めたことだ。ダービーで、アウェイだから「負けないこと」が第一の安定感重視であったのとは間違いない。
前節のフルハム戦からは2人を変更。右SBウォーカー、アンカーフェルナンジーニョに選びました。
ロドリとフェルナンジーニョが並ぶので攻撃の面を考えると重たく、前線の枚数も足りなくなると思いますが、WGとデ・ブライネの個でなんとかしようという作戦としか思えません。
中央での守備の安定感と効果的なビルドアップをもたらしました。ほんとストーンズはおかえり!って感じです。
苦しめられた選手
■マクトミネイ
この試合は抜群の働きでした。
前半残り15分のタイミングで、CBの横におりた動きもそうですが、サイドで詰まったときのフォロー、パスコースがないときのドリブルでの局面突破など、フィニッシュの手前で違いを出すブルーノにパスを通せた要因は間違いなく、彼のおかげ。数シーズン前からマクトミネイが試合に出ていて「なかなか勝てないから育成ね、はいはい」と思っていたんですが、これは素晴らしい選手だと思いました。
■ポグバ
フレッジも良かったんですが、ポグバの新たな一面が見られたところが印象に残ってます。
久しぶりにポグバのプレーを90分見ましたが、まず技術の高さ。トラップ、パス、体の使い方が絶妙。足元にストンと止める技術は、マフレズとはまた違う中央の選手だなという置き所。360度どこからでも敵が来るからトラップで無駄に動かさないで体を前に向ける。うーん、うまい。ポグバが前を向くと前線の選手が動き出すのでパスも通る。決定的なパスを出されなかったのが幸運でした。
あとは、左SHのようにウォーカーのオーバーラップについていく姿もあり、ルークショーと左サイドを守りきりました(守備が良かったとは一言も言ってない)。4-3-1-2の3の左にいながらポジションをあげてハーフスペースを取ったり、中央に動いたり、言うならばマドリー時代のジダンのような振る舞いに見えました。ルークショーがあんまり上がってこないから選択肢が限られていたのが残念ではありましたが。
最近は試合に出ているようで、それも納得の90分でしたね。
■最終ラインの4人
ワンビサカ、リンデロフ、マグワイア、ルークショー。
SBは対応が素晴らしかった。シティのWGがボールを持ったときにまず初めに近づいてすぐに距離をとる。そこからまたじわじわ近づいて、縦突破されたときには一番近くにいる。そこでシャットアウト。クロスを上げさせない、突破させない、とかなり厄介でした。特にワンビサカは毎回の対戦でスターリングが止められていて、シティの攻撃が平凡なものになってしまう。
CBはギリギリのところで体を投げ出し、GKデ・ヘアとともにクリーンシートを達成。マグワイアは組み立てでも貢献していました。
今日のポイント
■決めきれないシティ
■マクトミネイの仕掛け
■SBの守備
前半 決めていれば…
前半開始
試合の序盤においては、両チームインテンシティ高く、ボールホルダーへのプレスが速い展開になりました。両チームとも人に対するプレスがすごい速いが、それをかわせる技術のある選手が両チームとも多いので、ビルドアップの攻防は見応えがありました。前半見ていたときはCBの差とセットプレーが勝敗を決めるんじゃないかと思ったぐらいでした。(結局、なにも起きず)
ユナイテッドのファーストプレッシャーラインはシティのCB。フルハム戦と同様のダイヤモンドでのビルドアップとなったシティに対してエデルソンからのゴールキックが始まったところからST2枚がプレス。アンカーをブルーノがふさぎ、サイドに追いやるプレッシングです。
ユナイテッドの右SBワンビサカがシティの左SBカンセロまでプレスに行き、リンデロフがスターリング、その空いたスペースをマクトミネイやフレッジが埋めるというアグレッシブなプレスがユナイテッドには見られました。(左はそこまででもなかったですが)
しかし、そのプレスが突破されるとグリーンウッドを下げて4-4のブロックを形成(左にポグバ)。展開は早いながらもボール保持はマンチェスターシティが上回る序盤でした。
ユナイテッドはホームですが、そこまでリスクはかけず、シティもアンカーを2枚並べているところから安定性を重視。なかなか決定機の生まれない時間が続きます。
ようやく生まれたシュートチャンスは、20分のスターリングでした。
カンセロがドリブルで相手陣地コーナー付近までいきます。戻してもらったスターリングがデブライネとのワンツーでペナルティエリアに侵入。猛烈な切り返しでワンビサカを置き去りにし、シュート。これはブロックされましたが、久しぶりのキレのあるスターリングのドリブルに「おおっ!」と感嘆の声をあげたファンがどれだけいたでしょうか。
立て続けにシティが攻めます。25分。
右から斜めに降りてきたマフレズが中央後方でボールを持つとジェズスがユナイテッドDFの背後に飛び出します。惜しくも足一つ分届かずシュートは枠の外。
一方のユナイテッド。前半はほとんど決定機は作れず。30分エデルソンのパスミスから最終的にポグバが打ったシュートぐらいだったのではないでしょうか。相手陣地に入ってからの攻撃のバリエーションがまったくないです。ブルーノいなかったらなにも生まれないだろうなと思うほどです。ユナイテッドはこの偉大なブルーノに週給を倍にする契約更新をもちかけているようですね。
35分。マンチェスターシティ決定機。
カンセロがユナイテッドのプレスをドリブルでかわすと、連動した動きでスターリング、ジェズスと繋がります。左サイドをドリブルで運び、並走するペナルティエリア前中央のデ・ブライネへ。デ・ブライネは寄せるルークショーの股を抜いたダイレクトパスで右を走るマフレズへ。マフレズシュート!デ・ヘア!こぼれをデ・ブライネ!のシュートは上へ外れました。
おそらくこれが両チームあわせてもっとも得点に近づいたプレー。
このプレーのあとに、カンセロからデ・ブライネへ通ったパスがありましたがユナイテッドのファウルで止まります。リンデロフがスターリングにより釣りだされ、中央がすっぽり空いていたのがわかりました。
さて、ここでユナイテッドが動きます。スールシャールが動いたのか、選手が判断したのか、37分です。
マクトミネイがリンデロフの右側におりました。これまではフレッジと並んで中央にいたマクトミネイ。
シティの4-4-2のセットと非常に相性が悪かった。
しかし、このプレーにより、SBを一列あげ、マクトミネイがフリーでボールを持てるようになり、窮屈だった中盤後方のスペースが空き、フレッジが活きるようになります。また、SBを押し上げピッチを広くしたことでシティの守備が広がり、ポグバやブルーノへのパスコースも生み出され、ここからユナイテッドもボールを持てるようになるのです。(攻撃できるようになったとは言ってない)
しかし、この対応に前半残り15分はシティも苦慮していたと感じました。
まあ、しかしながらボールを持たれることが少し増えただけでシティとしては、SBとWG、CBとデ・ブライネという二つの縦の関係と、アンカーとWG、SBとジェズスという二つの斜めの関係が築けていたと思います。決定機はシティが作っていたし。
シティは決めきりたい場面がありながら決めきれず、スコアレスのまま後半に入ります。
後半 マクトミネイに苦労する
両チームともハーフタイムでのメンバー交代はなし。現状維持を両チームとも選択しました。
後半は47分のシーンから。
大外ブルーノからのアーリークロスでラッシュフォードへ。オフサイドだったけど、その前の一連の流れがあまり良くなかったです。フェルナンジーニョが右サイドでポグバに釣り出されて、右サイドワンビサカにロングボールで展開され、左サイドでマクトミネイにロドリが釣り出されていました。マクトミネイはドリブルでボールを運びます。しかもロドリがファウルしても潰せず。
初めはラッシュフォードがペナルティエリアで倒されPK判定となりましたが、VARでオフサイドに。あれは危なかった。
後半シティが対応できず終わってしまったのが前半から続くマクトミネイへの対応です。マクトミネイがCBの脇におりるとスターリングがそこへ対応。その分ワンビサカが空くため、そのケアをロドリかフェルナンジーニョがしなければならず、中央にスペースができてしまうといった形です。
例えば、カンセロを一列上げてワンビサカに当てるなどの対応はできたはずなんですが、ここら辺はワンビサカの攻撃への貢献度を見て、判断したのかもしれません。
68分シティのチャンス。
ペナルティエリア周りでボールを回すシティ。右のフェラントーレスからロドリに戻し、左サイドカンセロへロングボール。カンセロがキープをして右足で持ち出した時に中央ジェズスが飛び出し。クロスが渡り、ジェズスは打てないが、デ・ブライネがすかさずフォロー。ペナルティエリアに侵入したデ・ブライネにパス、そしてシュート。しかし、マグワイアにブロックされました。
残りのシーンはユナイテッド。
88分と90分のブルーノのシュート。片方は枠外、片方はキーパー正面。
tadashiのつぶやき
少しだけぼくのぼやきを。
デ・ブライネはDFラインの背後を狙って、あんまり繋いで崩すという意思が見えない。
— ただし (@tadashi0716) 2020年12月13日
グリーンウッドが右にいる。カンセロにとっては厳しい。今の裏走られたプレーとか。
— ただし (@tadashi0716) 2020年12月13日
ポグバとブルーノとパサーが二人いるのきついな。
69分のデ・ブライネからのカウンター。あれだけ囲まれながらアウトサイドで右を走るフェラントーレスにスルーパス。異次元だわ。
— ただし (@tadashi0716) 2020年12月13日
攻められ始めるとものすごく輝き始めるワンビサカ。スターリングとの1on1をストップ。カンセロのクロスをストップ。
— ただし (@tadashi0716) 2020年12月13日
試合はスコアレスドローで終了。ファンでなければ見る必要のなかった試合かもしれませんね。特にシティはこれまでとあまり変わらず、点が取れない。
守備が固くなって点が取れなくなる。4-2-3-1を多用しているのでこれまでより得点力が落ちるというのは当然と言えば当然かもしれません。
マンチェスターダービーの感想
ダービーなのにこれでいいのか?というのが正直な感想です。
両チームがイエローカード1枚ずつという同じ街のチームが争うにはとてもクリーンな試合。試合の展開としてはユナイテッドが途中から動いたりと細かく見ると面白かったです。
個人的にはもっとがんがん攻めあって、責め合って、戦い抜いた90分が見たかったのですが、過密日程のなか、交代枠も3人の状況では力も出せませんね。(両指揮官とも交代1人使っただけ)
最後に今日の見所を二つ紹介して終わりたいと思います。
この二つは見逃し配信でも見るべきです。
1.SBの守備
最初の方にも書きましたが、やっぱりユナイテッドのSBのシティのWGへの対応が素晴らしかった。
特に後半を見てください。
WGが持ったときの距離の詰めかた。
初めにすっと近づいてすぐに距離を取る。そこからまたじわじわと近づいて、縦突破されたときにはスライディングもしくは体を当てれば取れる距離まで近づく。
お手本です。 全国のSB少年はお手本にしてほしいぐらいです。
2.フェルナンジーニョの愛
言葉はいりません。この画像を見てなにかを感じ取ってください。
これも後半です。
抱いてるやん。絶対にささやいてる。
ということで、以上です。
今日はなんというか不完全燃焼の思いをぶつけるようなレビューもなってしまいました。
シティは特に前半は悪くなかった。停滞もしていなかった。チャンスもあった。
決められない。メンバーは変わっていないのになぜこんなにも点が入らないのか。シュートも打っているのに。
一つだけ気になったのは20分のスターリングとデ・ブライネのワンツーのあと。昨シーズンまでのシティであれば大外に一人いるはずなんですけど、いなかったですよね?チームとしてその意識から薄れてしまっているのではないかと。少し心配しています。
それにしてもユナイテッドの攻撃は自由なんでしょうか。無策にしか見えませんでした。ブルーノに集めろ、あとは任せた!という。
水曜日もすぐに試合があります。
昇格組のWBA。勝って当たり前と思うのはだめでしょうか…。
どれだけ文句を言おうが、愛は変わりませんよ。
最後まで詠んでいただきありがとうございました。
それでは!