ManCityを追うものは一兎を得ず

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サッカーとマンチェスターシティ

アンチェロッティの罠にはまったジェズス 第16節 vs エバートン

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こんにちは。

tadashiです。

 

今日はマンチェスターシティに新型コロナウイルス感染者が増えたときの延期分のエバートン戦です。

エバートンにはとても相性が良くて、10年間で負けたのは一度きり。また、ジェズスが7試合中5得点という相性の良さを発揮。

 

今シーズンはレアルマドリードからハメスロドリゲスノリッジからゴードフリー、ワトフォードからドゥクレボーンマスからキングなど戦力の上積みを行ったエバートンは、名将アンチェロッティのもとでどのようなシティ対策をしてくるのか楽しみでした。

一方、ギュンドアンが怪我により出場不可。SNSでは「ストライカー不在」と書かれるほど、今のギュンドアンはシティにとっての得点源

 

驚きの対策を披露してきたエバートンに対してもシティはいつも通りの戦い方を見せ、しっかり勝ち点3を獲得。

 

それではこの試合を時間もないのでさくっと振り返っていきましょう。

 

 

 

 

スタメン

両チームのスタメンはこちら

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ホーム エバートン 4-4-1-1

前節から3人を入れ替えたエバートン

ディフェンスラインの4枚は全員がCBをこなせる選手たちを並べています。

普段SBでプレーしているディーニュが今日はSHに入ります。

カルバートルーウィンが怪我で欠場のトップにはリシャルリソンが入ります。

起点を作れるのかがポイントですが、重心を低く守ることになると予想されました。

ハメスロドリゲスが、ベンチ入り。 

 

アウェイ マンチェスターシティ 4-3-3

 さて、前述したようにエバートンには相性が良いマンチェスターシティは、前節から3人を入れ替え。

怪我のギュンドアンは欠場。フォーデンが久しぶりにIHに入ります。

両WGはスターリングとマフレズ。逆足の配置。

 

デブライネが8試合ぶりにベンチ入り。80分からの出場を果たし、フォーデンへのアウトサイドでのらしいパスを1本通しています。

 

 

エバートンの対策とは

  エバートン マンチェスターシティ
得点 1 3
ポゼッション(%) 29.6 70.4
シュート(本) 3 16
パス(本) 313 755
パス成功率 73 90
ドリブル成功(回) 5 15
コーナーキック 0 10
     
クリア(回) 28 6
インターセプト(回) 14 4
空中戦 16 14

参考:WhoScored

 

本日の試合のスタッツが上の表です。

圧倒的です。守備のスタッツでエバートンが勝っているのはそれだけ攻められていたからです。

 

それにしてもポゼッションの低さ、パスの少なさは異常です。これだけタレントの揃っているエバートンがここまで圧倒されるのはなぜか。

それは、アンチェロッティがシティに勝つために施した対策が原因でした。

 

 

シティのIHとSBをマンマーク

 

 

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シティはいつものようにカンセロをロドリの横に並べる3-2のビルドアップで試合を進めます。当然、攻撃時には中盤の選手としてふるまうカンセロは、時に右サイドやゴール前まで移動します。

2分のシーンでは、右SHのイウォビがカンセロの中央へのドリブルに対して戸惑いながらの対応が見られました。それに対してチームのだれかがサポートするわけではなく、あくまでイウォビが対応するべき相手というような意思の統一が見られ、これ以降イウォビはカンセロを徹底マークすることになります。

38分にはルベンディアスからゴール前に飛び出したカンセロへ浮き球のパスが出ますが、ついていったのは右SHのイウォビでした。

 

というように、アンチェロッティは、CMのデイビスとドゥクレ、SHのイウォビとディーニュにマンマークをするように指示していました。

 

【マークの相手】

  • デイビス ⇒ ベルナルドシルバ
  • ドゥクレ ⇒ フォーデン
  • イウォビ ⇒ カンセロ
  • ディーニュ ⇒ ウォーカー

 

 

シティのIHは中央に留まることはあまりなく、サイドにスペースがあれば開いてボールを受けることもあります。チャンスがあればCB-SB間を抜けるプレーも見せますが、特に前半はその行動すべてに張り付いていました

後半では、デイビスやドゥクレがマークを受け渡す瞬間も何度か見られましたが、シティ3点目のシーンでは中央ががら空きでした。マークの受け渡しもマンマークもダイレクトプレーにはなす術がないということです。

 

 

アンチェロッティの策は少なくとも2失点目を奪われるまではシティに対して有効に機能していました。

まず、コーナーキックの数

これは中央を締め、サイドからの攻撃に終始させ、クロスを上げさせない、もしくはクリアしていたことによるものでした。

 

また、ジェズスのプレーエリアをゴール前から遠ざけることに成功

エバートンのCMが動き回るIHにマンマークでついていくのだから必然的に中央には、敵も味方もいない瞬間がありました。そこでジェズスに下りて受けさせることで、ゲームメイクの必要性をジェズスに与え、ミスを誘発していました。

 

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ジェズスのタッチ位置をプロットしたものです。

ボールを受ける位置が比較的低い位置で、その回数も多いことがわかります。

 

このようにエバートンマンチェスターシティの選手がゴール前から離れるように誘導するこができていました。

コーナーキックの数が増えつつもなかなか決定機を作れなかったのはアンチェロッティの策にはまっていたからだと思いました。

 

そんな中で32分のフォーデンのゴールは流れを断ち切る意味もあり非常に良かったと思います。コーナーキックのこぼれ球からつながれたものでしたが、予測をしたポジショニングと利き足ではない右足でのシュートと、フォーデンは今シーズン絶好調のリーグ6ゴール目です。

 

 

 

先制点を取ってさらにシティの時間になるかと思いましたがその5分後の37分にエバートンが同点のゴールをあげます。

これは唯一といってもいいSBのインナーラップに、シティDFが対応できずペナルティーエリアの深くでフリーにさせてしまったことが原因です。

ここに関してはSBの侵入をだれが寄せるのかという決まりを作っておくべきだと強く感じました。あまりこの位置に侵入されることがないのでなおさらチームとしての共通認識が必要と感じさせる失点だったと思います。

 

前半はその後エバートンの時間帯。

デイビスを中央に残し、ドゥクレが高い位置に進出し、攻撃に転じることができていました。

 

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エバートンのCMの二人のタッチ位置をプロットしたものです。

最後の10分間においては、ドゥクレが高い位置をキープ。8回のタッチのうち相手陣内でのボールタッチが半分以上を占めています。

エバートンは、3本のシュートのうち2本はこの10分間で打ったもので、1点を取っています。好調のシティ相手に前半を同点で終えられた。これはアンチェロッティの作戦通りだったと言えるでしょう。

 

一方のシティはサイドから起点にクロスを試みるもエバートンの高さによってシンプルなクロスがあげられず、チャンスを作ることができませんでした

 (残り10分間のクロス数はエバートンと同数の3本)

 

 

右サイドの微修正

同点で迎えた後半は、前半よりもマンチェスターシティのペースが顕著でした。

 

前半からボールを持たれていたリシャルリソンに対してより厳しくぶつかるようになり、起点をつぶし始めたシティ

リシャルリソンは、前半13本パスを出していましたが、後半は6本と半分以下に減。

シティは、対抗できていたリシャルリソンを止め、一方的な展開を作ります。

 

 

マンチェスターシティの具体的な変更はウォーカーのポジショニング

前半よりも開いた位置でボールを受けるようにしたり、高い位置に進出したりエバートンマンマークを利用して(ウォーカーが高い位置に行けばディーニュがついてくる)、攻撃をしながら守備を考えたプレーを見せることができました(カウンター封じ)。

 

逆サイドも同様で、イウォビがどこまでタスクを与えられていたかはわかりませんが、左から中央へ入り込んだカンセロの右足でのパスから決定機を作っています。

 

 

51分、55分の決定機は、それぞれカンセロとウォーカーのパスから生み出されたもので、これによりエバートンのSHは重心を低く、その危険なプレーに注意する必要が生じました

 

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イウォビ(左図)とディーニュ(右図)のヒートマップを表しています。(攻撃方向は左から右)

二人とも自陣でのプレーが多く前線に上がることが少なかったことが見て取れます。アンチェロッティの策は、キーマンとなるSBを封じ、ボールを奪った後、1トップでキープして次の展開を考えていたのだと思いますが、シティの圧はそれ以上で、SHはほとんど高い位置でのプレーができていなかったです。

 

 

そして試合を決めたのが右サイドから生まれた2本のゴールです。

これは前半から何度もシティが仕掛けていたベルナルドシルバとマフレズのコンビからなるものでしたが、前半と比べて少しだけ彼らは変えています。

それがサイドライン際から中に入るタイミングです。

 

前半は、例えばベルナルドシルバがペナルティーエリア付近でボールを持った時、マフレズが外を回って後方にポジションを取ったのを確認してからつっかけるドリブルを開始していました。これはディフェンスからしてもタイミングがとりやすくマークもつきやすいため、2対2という状況でもカットインを防ぎ、クロスに対してもパスコースに入り込むことができていました。

しかし、後半はドリブルの開始のタイミングを早め、マークに来ている目の前の選手を先に動かすことを意識

63分のマフレズのゴールは、そんな細やかな修正から生まれたものでした。

ベルナルドシルバがデイビスを引き連れて縦につっかけるドリブルを見せているころには、マフレズが外を回ってベルナルドシルバの後方へ。SBとデイビスがベルナルドシルバに釣られていることでフリーとなったマフレズが左足できれいな弧を描いてゴールを決めました。

 

77分の3点目はこれまでのエバートンマンマーク守備をあざ笑うかのようなダイレクトプレーでディフェンスをはがしてベルナルドシルバのミドルシュートが決まりました。

マンマークはたしかに有効だけど、すべて1タッチでプレーすれば寄せる暇もなくゴールできるよ、と教えてくれたようでした。

 

ちなみに70分から出場したハメス。トップ下に入りましたが、シグルドゥソンと違ってあんまり動きもなく、中央を意識していたシティにとってはより守りやすくなってしまったと言えるでしょう。個人的にはなにか見せてくれるかと思っていたので残念でした。 

 

結果

エバートン 1 - 3 マンチェスターシティ

 

32' フォーデン

37' リシャルリソン

63' マフレズ(assist by ベルナルドシルバ)

77' ベルナルドシルバ(assist by ジェズス)

 


HIGHLIGHTS | EVERTON 1-3 MAN CITY

 

 

まとめ(今日のジンチェンコ)

今日のジンチェンコは、ベンチスタート。

そのまま試合に出ることはありませんでした。

 

次回のジンチェンコは、2月21日アウェイのアーセナル戦。

出場に期待。

 

 

アンチェロッティの策は個人的には驚きでした。

あれだけのタレントを抱えながらマンマークのディフェンスSHにマンマークを課すことで、カウンターへの移行も遅くなるなんてことはアンチェロッティもわかっていたはず。

それだけリシャルリソンのキープ力を期待していたのか、セットプレーやコーナーキックなど一発だけを狙っていたのかそれはわかりませんが、少なくとも今のシティにマンマークを強いても無駄だということがわかりました。

攻撃に転じる形が見られずSHが押し込まれる。ポジティブな展開を思い出すことも難しいそんな試合になっていたと思います。

 

 

さて、マンチェスターシティは公式戦16連勝、リーグ戦13連勝

独走態勢です。

このまま優勝まで突っ走りたい。

 

アケが個人練習に戻り、ギュンドアンが全体練習に復帰したマンチェスターシティ。ついに全員がそろう時がくるのか! 

 

次節はアーセナル

アルテタの作戦はいかに。

 

それでは!