ManCityを追うものは一兎を得ず

ManCityを追うものは一兎を得ず

サッカーとマンチェスターシティ

CL準決勝 vs PSG マンシティはいかにしてPSGに逆転したのか

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こんにちは。

tadashiです。

 

あと2勝

マンチェスターシティが目指した頂はもうすぐそこまで来ている。

ペップグアルディオラが招聘されたときにだれもが思った。

マンチェスターシティがビッグイヤーを取りに来た」と。

 

準決勝第1戦 PSGのホーム パルク・デ・プランス

それでは振り替えっていきましょう。

 

プレビューはこちら

 

tadashicity.hatenadiary.jp

 

 

 

 

両チームのスタメン

両チームのスタメンはこちら。

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特筆すべきはこのコロナ禍の過密日程の中で怪我人がどちらにもいないことです。

 

 

前半:PSGが狙ったこと

それはたった二つ

 

・シティのビルドアップを中央で奪う

・最初にネイマールとエンバペを見る

 

パリの狙いは開始2分にさっそく見られました。

中盤でのビルドアップで、ロドリにボールが入ったところでカット。

シュートを放ちます。

シティからすると開始早々のロドリのロストは試合の流れを左右するものでした。

 

トゥヘルのときと比べて、ポチェッティーノはあまりポゼッションに固執しない監督なので、この試合もシティにボールを持たれることを嫌っているようには見えませんでした。

むしろ積極的に持たせて、狩場に誘導してゲイエ、パレデスで奪うという戦術を基本としていました。

ネイマールとエンバペの二人が守備でもアンカーを消したり、サイドに追ったり、パスコースを限定したりしていたのがこの作戦の肝であり核。

18分のシーンでは、シティのスピードを中盤で落としたところをネイマール、エンバペが下りて挟んでボールを奪っています。

本気のときのPSGは、全員が守備をするのです。

 

 

PSGの攻撃はどうだったかというとこれまた非常にシンプルです。

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4-2-4と前からくるシティに対して、ビルドアップでパレデスがCBの間に下りてSBを押し上げ、ヴェラッティがシティの配置の穴をついたりと工夫が見られましたが、

崩しの局面では、どれだけネイマールとエンバペに気持ちよくプレーさせるかという点に気を配っていたと思います。

顔を上げたらネイマールとエンバペを探すのが攻撃のスタートに見えました。

 

特に、ヴェラッティディ・マリアネイマールのポジションに合わせて、下りたりサイドに広がったり、中に入ったり、ドリブルでネイマールのスペースを作り出したりと、良い意味での接待サッカーをしていました。

 

前半に限って言えばカンセロの裏をSBのフロレンツィが狙うシーンがありました。

開始早々の4分は、ディ・マリアにつられたカンセロの裏。

33分は、ネイマールから右に展開し、ディ・マリアとフロレンツィで崩したシーンでした。

SBが押しあがることで、シティのWGは下がらざるを得ません。それをさぼればフロレンツィのオーバーラップのようにシティのSBの裏をうかれクロスを上げられてしまうのです。

 

 

一方のマンチェスターシティは、デブライネの0トップでかつ、ギュンドアンがロドリの横に並びます。

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デブライネが左のハーフスペースに下りてきてしまうので重心が重く、パリのDFラインの前にはシティの選手がいない状況もかなり多くありました。

縦パスを入れてもリターンが多く、相手を動かすことにはならず、前には進めどゴールが遠い状況。

 

唯一のチャンスらしいチャンスは、前半はまらなかったプレスがふとしたときにはまったときでしった。

32分にDFラインでのビルドアップにプレスをかけたところをパリの方でミスがあり、シュートまでいけたシーンでした。

後半に向けてのポジティブなことは、このDFラインのミスの可能性ぐらいだったかもしれません。

前半終盤はボールを持つこともできない時間帯もあり、おそらく0トップだったときの作戦をポチェッティーノに持たれていたと考えられます。

 

 

 

前半のスタッツです。

 

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シティは最短でサイドチェンジを行い、PSGを揺さぶりたいのに、その過程で奪われてショートカウンターを受けるという展開で前半が終わってしまいました。

ポゼッションは上回っているが、負けているという嫌な展開。

 

なにより、プレミアでは考えられないほどの圧倒的な個が組織だったシティを内面から削り取ってくるようでした。

得点となったコーナーキックにつながったネイマールの左サイドでのワンツー。あんなのプレミアでやってる人見たことないです。

不覚にも楽しい…!と思ってしまいました。

 

 

後半:メンバーチェンジなしで見せた変化

昨シーズンの決勝戦を思い出す

19-20シーズンの決勝。

バイエルンvsPSGの試合を思い出すと、PSGは前半からバイエルンにハイプレスを慣行。

この作戦が良かったのか、前半はスコアレスドローで折り返しました。

 

しかし、問題はここから。

前半から繰り返してきたハイプレスは少しずつ弱まり、唯一奪われた1点により敗北し、準優勝という結果に終わったのでした。

 

プレッシャーラインは昨年より低い位置だったとは言え、ネイマールやエンバペにも守備をさせ、マンチェスターシティのビルドアップを中央で阻害したPSG。

その勢いそのままに後半に挑むことは、ポチェッティーノにはできなかったのだと思います。

だからこそ、ネイマールとエンバペの守備を減らし、ブロックを作るようにしたPSG。これが結果的にかなりマイナスに働いたのです。

 

フォーデンの位置

後半に入るタイミングでのメンバー交代がなかったマンチェスターシティは、配置の変更で状況を盛り返します。

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PSGが引いた守りになることで、後ろの選手たち(ストーンズ、ディアス、ロドリ、ギュンドアン)が、前半よりもゆとりを持ちボールを捌くことができるようになりました。

それに合わせて後半からはフォーデンを真ん中に固定し、ギュンドアンとフォーデンの間にデ・ブライネをおろすことで、デ・ブライネをプレッシャーの外側に置こうと考えました。

 

前半はDFラインの前という選択肢がなかったことで、PSGにパスコースを予測させやすくしていたので、選択肢を増やして狙いを絞りにくくさせようとしたのだと思います。

現に、これにより前半にはなかったくさびのパスも通るようになっています。 

 

守備の基準

もう一つ変えたことが守備の基準点です。

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4-2-4や4-3-3でWGが外切りする守備をベルナルドシルバを1列前に上げたシンプルな4-4-2に修正。

さらにロドリとギュンドアンでパレデスとゲイエを見ることにしました。

この修正により、PSG側に余る選手がいなくなり、よりシンプルに守ることに成功します。PSG側は、中央の2人が不自由になったため、パスコースが限定され、DFラインからボールを繋ぐことができなくなっていました

ボールは常にシティが持つようになり、ゲームをコントロールし始めます。

前半と逆転してしまったPSGはゲームプラン通りなのかはわかりませんが、全体として引いてブロックを作るようになります。

プレミアリーグでシティがよくやられる中央を締め外側でボールを回させる守備です。

 

ジンチェンコの投入

後半の15分間は、ボールをシティが持ちながら一進一退の攻防が続きます。

シティには、左から何度かクロスがあったり、60分にはクロスのこぼれをデブライネがバイシクル気味のボレーシュート

PSGには、56分のペナルティーエリア内のエンバペの突破からのクロスや、59分にはPSG陣内からディ・マリアがカンセロをかわし、エンバペにスルーパスを送ったシーンがありました。

あわやというシーンもエデルソンが飛び出し事なきをえます。

 

 

この直後の61分にジンチェンコを投入

傾いていたシティのペースは完全にシティのものとなりました。

 

ジンチェンコは普段の試合と同じように的確にボールをキープし、ボールを手放し、すぐにまた自分のもとに呼ぶなど、左サイドを完全に制圧していたと言っても過言ではありません。

パスだけでなく、守備においても、ネイマールをマークし、エンバペの突破を止めていました

 

ジンチェンコが入ったことで、フォーデンは真ん中でのプレーに専念でき、ギュンドアンが近づくことで、ジンチェンコ、フォーデン、ギュンドアンのトライアングル+ルベンディアスでパリDFを揺さぶりにかけることに成功していました。

 

 

このあとの展開は、みなさんが歓喜した素晴らしい展開でした。

64分のデブライネのゴールアシストはジンチェンコ

71分のマフレズの技あり直接フリーキック

77分のゲイエにレッドカードで一発退場

 

PSGは万事休す。

試合は1-2でアウェイのマンチェスターシティが1stレグを制しました。

 

終盤は、ネイマールもボールをもうらためにかなり下がってきていました。

ホームで敗戦は避けたいはずですが、攻撃的なカードを切ることができなかったのは予想外だったと思います。

 

 

 

後半のスタッツです。

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PSGが引いてくれたのがかなりプラスに働きました

得点となったフリーキックに繋がったファウルやゲイエのレッドカードなど前半であればあそこまでパスをつなぐ前にネイマールかエンバペがプレッシャーをかけてきていたはずです。

その守備のタスクをはがしたことが、PSGの敗因とも言えますね。

 

 

今日のジンチェンコ

今日のジンチェンコを振り返ります。

 

スタッツ

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30分前後のプレー時間でした。

パス成功率は96%

もはやミスしてないです。

タックルも2回成功していて、思い出す限りネイマールとエンバペを1回ずつ止めています

デブライネの得点では、ジンチェンコがアシスト

コーナーキック時に真ん中にポジションを取るジンチェンコ。精度の高いパスがあるので、あの位置で持ったジンチェンコに強くプレスがかけられず、守備の目線を外す真横へのパスを選択したジンチェンコは称賛に値します。(あのスピードとコースを狙って蹴ったデブライネは変態です)

 

 

プレーエリア

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パスプロット図

 

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タッチマップ

上の図がパスの位置をプロットしたもので、下の図がボールタッチしたエリアを表しています。(タッチマップはクリアなどのパスにならなかったボールタッチも含まれている)

ハーフラインでは、サイドライン際で味方のパスコースの選択肢となり、相手陣内に入れば、より内側に侵入し、アタッカーの後方支援に回っているような動き方に見えます。

ロドリとギュンドアンがアンカーの位置で横並びになっていたので、ほとんどそのエリアに入っていないことも読み取れると思います。

 

プレー振り返り

カンセロがスタートで、そのカンセロとかわって入りましたが、負けている状態での投入にも関わらず落ち着いたプレー。

取れそうで取れないスピード、タイミングでパスを出していくので、相手としては厄介だったでしょう。 

 

17分 ジンチェンコのディフェンス。エンバペへのパスをクリアしてマイボールに

18分 ジンチェンコのカット。自分のトラップミスで奪われた後にすぐに戻り、ディ・マリアから奪います

19分 デブライネのゴールをアシスト

31分 美しいアウトサイドトラップ。右からのロングボールをアウトサイドのクッションコントロール。何度もリプレイしたい映像です。

 

結果

PSG 1 - 2 マンチェスターシティ

 

15' マルキーニョス(assist by ディ・マリア

64' デブライネ(assist by ジンチェンコ)

71' マフレズ

 


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2ndレグ

ビハインドを見事に逆転し、貴重なアウェイゴールを2つ奪っての勝利

言うことはなにもありません。

 

個人的なベストプレイヤーはストーンズとルベンディアスのCB

エンバペのシュート数0は、今シーズンのチャンピオンズリーグで初めてのことです。

 

第2戦はPSGもスタートから本気で来るでしょう。

ポチェッティーノがあの状況で、数ある攻撃のカードを切らなかったことがなんとも不穏ではありました。(退場者を出していたことも関係しますが)

 

2点を奪うことができたけど、プレミアで見せているような相手陣内深くへの侵入はなかなか見られず、効果的にゴール前を脅かしたシーンも少なかったというところは気になるところですが、

 

 

あまりうまく攻めることができてないのにペナルティの外から2点取れた

 

 

という事実がこの5年のチャンピオンズリーグでの成長の証とも言えるでしょう。

 

残り2勝。

悲願のビッグイヤーを掲げているかどうか。

 

 

それでは!