プレミアリーグ20-21シーズン シティを苦しめたベストイレブン
デブライネ「おれの後ろマスクしろよ…」
こんにちは。
tadashiです。
初めに
プレミアリーグの全日程が終了しました。
昨シーズン猛威を振るったコロナウイルスは依然として猛威を振るいながらも、人類は強く、中断もなくすべての試合を終えることができました。
プレミアリーグではないけれど、人数制限がありながらFAカップとチャンピオンズリーグの決勝では観客を入れて試合をすることができました。
少しずつ日常を取り戻していきつつあるサッカーは、ここでオフシーズンに入ります。
海外サッカーフリークのみなさま、特に海外リーグを主に見ている人からすると、このオフシーズンは次の熱狂までのしばしの休息となります。
本日は、そんなオフシーズンの始まりにふさわしい毎年恒例のベストイレブン企画の開催です。
題して
プレミアリーグ20-21 シティが苦しめられたベストイレブン
選考の前提条件
昨シーズンの終わりから半ばネタ的に始めた「苦しめられたイレブン」ですが、依然としてGoogle検索では上位に位置し、だれも手を出さない領域であることがわかったので、今シーズンも手を出してみました。
選考の条件はたったこれだけ。
プレミアリーグマンチェスターシティ戦で、1試合でも出場していること。
そして、我がマンチェスターシティを苦しめたこと。
この中から各ポジションの選手を選出していきます。
ベストイレブンの発表
まずは、フォーメーションとあわせてベストイレブンを御覧ください。
システムは4-2-3-1。昨シーズンと同じです。
このシステムを選んだ理由は2つあります。
6敗のうち3敗が4-2-3-1に敗戦
スコアレスで終わった3試合は4-2-3-1を相手にしたとき
敗戦、スコアレスと聞いて、嫌でも思い出す赤いユニフォームと白いユニフォーム。
20節から首位の座を渡さなかったマンチェスターシティを苦しめたマンチェスターユナイテッドとトッテナムのシステムがベースになっています。
それでは、各選手を見ていきましょう。
■凡例
名前(所属チーム・国籍)
年齢 マンシティ戦出場数
GK
サム・ジョンストン(ウェスト・ブリムウィッチ・アルビオン/イングランド代表)
28歳 2試合出場
あとでノミネート選手も出てきますが、2試合を通してシティを苦しめたGKはなかなか見つけられませんでした。
リーズのメリエと悩みましたが、シーズン最初のシティ戦、1対1のドローを演じた試合で枠内シュートのほぼすべてをセーブしたこのGKを選出しました。
特に後半残り10分間のデブライネとの熱い戦いは全シティファンが覚えていることでしょう。(え、覚えていない?)
サッカー選手らしからぬ丸坊主は好感が持てます。
サウスゲイト代表監督にも認められ、現在、イングランド代表にも選出されています。
2戦目は5失点をするもその愚直な姿に心を打たれてしまいました。見てください、この全身証明写真のような姿を。
ちなみに、このジョンストンは、マンチェスターユナイテッドに所属しており、ローンで長らくアストンビラに。今シーズンからWBAに完全移籍をした選手です。
GKは1人しか出られないため、こうやって自分を必要としてくれるチームに移籍することがとても重要だと思ってしまいます。
DF
DFは4枚選びました。
選ばれるのにふさわしい4人を持ってきました。(自信あり)
【右サイドバック】
31歳 2試合出場
右SBは悩みました。(自信があるとか言っていきなり)
彼はクリスタルパレスのウォードという選手。イケメンですね。
2012年からクリスタルパレスに所属。今シーズンで9年間パレスで過ごしています。
みなさんはこの選手をご存知でしたか?私は知りませんでした。
しかし、シティとの2戦目で見つけてしまいました。
左SHで先発したスターリングとのマッチアップで、スターリングを完全に止めたこの選手を。
シティは、ターンオーバーで4-4-2を採用。左に入るスターリングをマンマークしたのが彼です。
シーズン終盤にかけて調子を落としていたとはいえ、リーグ随一のWGをシャットアウトしたベテランに拍手を送らざるを得ません。
試合は、負けてしまいましたが、個人としては、インターセプト2回、タックル3回を記録。対峙するスターリングはこの試合ドリブル突破が0回でした。
※これ以降、使用する写真はすべてその選手をネガティブに表している写真にしました。だって、シティ相手に活躍しすぎなんですから…!
【右センターバック】
ハリー・マグワイア(マンチェスターユナイテッド/イングランド代表)
28歳 2試合出場
マンチェスターシティを無失点に抑えたユナイテッドの守備の要であり、キャプテンの彼を選ばない理由はないでしょう。
ミラクルレスターによるプレミアリーグ制覇後の2017年、レスターに移籍したマグワイアはプレミアリーグでその実力を発揮し、2019年にはマンチェスターの赤い方へ。
瞬く間にレギュラーに。彼の安定した守備は、戦術のないだれかに依存したユナイテッドの攻撃を支えるスーパーマンとなりました。
シティ戦では、その圧倒的な守備力でシティの攻撃を0で封殺。
昨シーズンからそうでしたが、ユナイテッドを前にすると得点のイメージがなくなります。おそらくそれもマグワイアの実力があってこそでしょう。
とてもセクシーなパートナーがおり、うらやまけしからんと思い、その時点でも苦しめられた(私が)ので文句なしの選出でした。
【左センターバック】
28歳 2試合出場
シティ相手に7失点とチームとしての成績を見れば大敗だったサウサンプトンでしたが、この199㎝の大柄なCBは、大いにシティを苦しめました。
ヴェスターゴーアは、その恵まれたフィジカルに注目がいきがちですが、彼の魅力はなんといってもパス精度の高さです。
左から逆サイドの選手に展開するサイドチェンジの質の高さは一級品。
スピード、正確さは、シティのラポルト、リバプールのファンダイク、もっと言えばレアルマドリードのセルヒオ・ラモスとも遜色ないと言いたいぐらいでした。
また、縦パスの精度も素晴らしくウォードプラウズやウォルコットがハーフスペースに顔を出せば絶妙なタイミングで足元にあてていきます。
1戦目はロングパスを10本成功させており、2戦目は何度もシティ守備ラインを飛び越える縦パスを出していました。
2010年にスカンジナビア半島からドイツに渡ったこの青年は、ホッフェンハイム、ブレーメン(大迫ともプレー?)、ボルシアMGと経験を積み、2018年にサウサンプトンに加入。
当時スタメンだった吉田をおぼやかす存在としても日本で少しだけ話題になっていたと思います。
シティ相手だったから気づけたものを、こうやって毎試合見ることのできないリーグにももっとたくさんの素晴らしい選手がいると思うと悔しいですね。
【左サイドバック】
ルーク・ショー(マンチェスターユナイテッド/イングランド代表)
25歳 2試合出場
ぽっちゃりしているけど、足は速い。
時々スポーツ界にいる体格と動きが合わない人。それがこのルーク・ショーです。
なんといっても、2戦目の後半開始早々のプレーをシティファンは忘れたい忌まわしい出来事です。
GKからのスローを受け、ワントラップでカンセロをかわしドリブル。ラッシュフォードとパス交換をして思い切り左足を振りぬいたシュートはうまくエデルソンすらもかわしゴールに吸い込まれました。
やられた…!と試合を見ながら思いました。
この日のルーク・ショーは敵ながらも素晴らしい活躍でしたし、シティのサイドバックにはこのように推進力のある選手が少ないのでうらやましさもありました。
推進力のあるDFによくある1対1の弱さもこの試合では見られず。
シティ相手だからなのかまだ25歳だし、成長されても厄介だなと思ったのが正直な感想です。
ユナイテッドからはもう一人出しています。
MF
MFはアンカーを2枚並べ、トップ下を置いた5枚編成になります。
【左ボランチ】
フレッジ(マンチェスターユナイテッド/ブラジル代表)
28歳 2試合出場
昨シーズン、シャフタールからこの赤いマンチェスターに移籍したボランチを選出。
昨シーズンはあまりフィットしていなかったけど、今シーズンは2戦ともマンチェスターシティを苦しめる活躍。
マクトミネイが上下の動きを見せるなら、フレッジは横の動きでシティの攻撃をブロック。
試合を見ながら、またフレッジ!またマクトミネイ!と苛立っていたことを思い出します。
2点クリーンシートで勝利した2戦目よりも1戦目の引き分けの試合の方が印象的でした。
パス成功率は90%を超え、タックルも3度成功させていました。
それもこれも試合途中からのシステム変更が効きました。だれの指示だか知らないけれど。
1戦目を見て思ったのですが、フレッジは隣に味方がいるよりも一人で広いエリアをカバーした方が活きるなと感じました。その点で言うと縦に強みのあるマクトミネイとのダブルボランチは最善の組み合わせと言えますね。(悔しい)
【右ボランチ】
ユーリ・ティーレマンス(レスター/ベルギー代表)
24歳 2試合出場
ベルギー代表の若き才能を選びました。
シティ戦ではなんといってもその視野の広さ、配球の質の高さが目立っていて、1戦目の5失点のゲームではすべてのプレーに関与していたのでは?と思うほどボールを散らし、ヴァーディを活かし、シティのSBを孤立させていました。
1対1にも12分の8で勝利、インターセプト3回、タックル2回。5点目の得点もあげました。
チームとしては残念ながら今シーズンもギリギリで、チャンピオンズリーグ出場権を逃してしまいましたが、個人で見れば十分CL圏内のチームへステップアップすることは可能だと思います。
モナコからプレミアへの輸入が近年凄まじいです。その恩恵をリバプールもシティも受けているのでフランスリーグ1には感謝です。
【右サイドハーフ】
スチュアート・ダラス(リーズユナイテッド/北アイルランド代表)
30歳 2試合出場
リーズ自体はシティに無敗。
1勝1分と十分な結果だったので、リーズから一人は選びたいと思っていました。
そこで、そのユーティリティでポリバレントな存在としてダラスを選びました。
チーム事情もあったのかもしれませんが、1戦目の引き分けの試合では左SBとしてプレー、2戦目の勝利をあげた試合ではCHとしてプレーをしています。
2戦目では一人少ないながらダラスはパス成功率90%を超え、少ないボールを持つ時間を無駄にしていなかったし、枠内シュート2本で2点。そのすべてがダラスでした。
特に2戦目の2得点は、本当に余計なことをしてくれた!と思ってしまいましたが、あの切れ味鋭いカウンターは見ていて気持ちが良いものでした。
【トップ下】
タンギ・エンドンベレ(トッテナム/フランス)
24歳 2試合出場
ここでの選出?と思った方も多いと思いますが、普段シティの試合を見ない方はぜひハイライトだけでもトッテナムシティの1戦目を見てください。
普段ダブルボランチの一人として起用されるエンドンベレはトップ下でプレー。
フィジカル的な選手を前に置くやり方は重心は低くなるものの守備での安定感を与えます。
彼がモウリーニョから与えられたタスクは「シティポゼッションの阻害」です。決してボールを奪うわけではないけれど、ファーストディフェンダーとしてケインと二人でアンカーを塞ぎ、ボールが来ればフィジカルでキープしていました。
チャンスメイクはケインに任せてエンドンベレはエンドンベレにできる最良のプレーでチームに貢献するという形です。
これもケインが万能型FWの完成形であり、ソン・フンミンのように左右には得点力のあるアタッカーがいたからトップ下をチャンスメイク以外に専念させられたトッテナムの特殊性もありましたが。
まだ24歳ですし、リヨンで名を上げ、トッテナムに加入した経歴を持っていますので、精神的に問題なければこれからもトップでやっていけるはず。
残念ながらユーロの代表には残れませんでした。
【左サイドハーフ】
レアンドロ・トロサール(ブライトン/ベルギー代表)
26歳 2試合出場
風圧に顔が負けるトロサール
シティファンがこの選手の名前を聞いて思い出すのは第37節だと思います。
1人少なくなったシティがフォーデンのゴールで2点差にしたことで、試合をうまくこのまま終えようとしていたのに、彼の一発でブライトンに勢いが生まれ、残りの2得点はオーバーラップしたCBの二人という展開で敗戦。
得点もそうですが、こういうドリブルやプレーの1つ1つでチームに勢いを与えられる選手はとても重要ですね。(シティで言うルベンディアス)
ブライトンも見事残留を果たしています。(ブライトンは得点入らなさすぎですが)
トロサールは、ヘンクでキャリアを始め、レンタルを繰り返しながら努力を重ね、2019年にブライトンへ移籍しています。
この2年たしかにトロサールはシティ戦では切れ味の鋭いドリブルでシティDFを困らせていましたし、2戦目では途中出場で結果を出しました。
優勝したシティ戦での活躍はその選手の成長を促してしまいます。
本当にやめていただきたい。
FW
30歳 2試合出場
この選出に文句のある人がいれば今すぐにマンチェスターシティの38試合を見直してほしい。
それぐらい苦しめられた選手と言って過言ではありません。
今シーズンのマンチェスターシティはルベンディアスの加入によりとてつもなく強固なディフェンスを築くことが可能となりました。CLとのターンオーバーで終盤に失点のかさむゲームをしていましたが、32失点というのはリーグ最小です。
そのチーム相手には2戦2得点。これは素晴らしい記録です。
特に素晴らしいのはフィジカルなゴールだったということです。
マンチェスターシティの弱点をしっかりと明るみにし、ルベンディアスの気持ちをさらに奮い立たせてくれた優勝の立役者とも言いたいぐらいです。
しかも彼は多くのレンタル移籍を重ねてようやくこのプレミアの舞台に立っています。
プレミアでシーズン10ゴール。
そのうちの2得点が優勝したマンチェスターシティからあげたゴールだなんてとても夢があると思ってしまいます。
惜しくも落選した人
残念ながら11人に入らなかった選手たちを紹介します。
■GK
アレオラ/フラム
マルティネス/アストンビラ
メリエ/リーズ
■DF
ティアニー/アーセナル
ターゲット/アストンビラ
■MF
ライス/ウェストハム
マクトミネイ/マンチェスターユナイテッド
ハリソンリード/リーズ
シェルビー/ニューカッスル
カーティス・ジョーンズ/リバプール
リンガード/ウェストハム
ネト/ウルヴス
シエシュ/チェルシー
■FW
カバレイロ/フラム
ポグバ/マンチェスターユナイテッド
ポデンセ/ウルヴス
フィルミーノ/リバプール
ケイン/トッテナム
サンマクシマン/ニューカッスル
ジョエリントン/ニューカッスル
所感
最後です。
この11人を見たときに感じたのは、相当マンチェスターシティとの相性が良いだろうなということです。
右サイドのビルドアップが読めないところはありますが、引かずに中央を閉め、ブロックを作ってロドリで奪い、ダラスとトロサールのカウンターからクロスさえ上げることができればフィジカルでアントニオが押し込んでくれるはずです。
そういえば監督を決めていませんでしたね。
このチームを率いる監督はシティに負けていないビエルサかスールシャールと言いたいところですが、おそらくはまらないので、シティを行動不能にさせたレスターのロジャース監督にしましょう。
今シーズンのマンチェスターシティは、13節を境に大きく印象を変えています。
20節には首位に立ち、そこから一度もその場所を譲らなかったことを考えるとその状態のシティ相手に勝利したマンチェスターユナイテッドへの苦手意識は増し、11人のうち3人も選ばれるのは必然だったと思います。
最後までお読みいただきありがとうございます。
今シーズンはプレミアリーグで覇権奪回。CLでは準優勝。カラバオカップは4連覇となりました。
それでも、思い返すとこれだけの選手に苦しめられていました。この企画もまだまだ続けられそうだな、と思いました。
また、来シーズンにお会いしましょう。
それでは!