ManCityを追うものは一兎を得ず

ManCityを追うものは一兎を得ず

サッカーとマンチェスターシティ それだけじゃないブログ

マンチェスターシティ 一時代の終焉

こんにちは。

tadashiです。

 

 

 

 

始まり

さっそくですが、私はシティズンです。

マンチェスターシティが好きで、マンチェスターシティの試合結果に一喜一憂する人間です。 

 

マンチェスターシティとの出会いは遡ること13年前の2008年。

レアルマドリードロビーニョプレミアリーグに引き抜かれた?チームがマンチェスターシティでした。(私は古くからのマドリディスタでもある)

この時期のマドリーは、ジダンが引退し、リーガを制したカペッロもいなくなり、翌年のクリスティアーノロナウド獲得までの個人的には狭間の時期でした。選手は入れ替わり立ち代わり、監督も入れ替わり立ち代わり。

 

ロビーニョマンチェスターシティというチームに行ってしまった

と言うのが最初の出会いでした。

 

プレミアでは、チェルシーアブラモビッチが大きく日本で取り上げられ、それから数年後マンチェスターシティもオイルマネーを手にし、さあ、これからサッカー界に旋風を巻き起こそうというような取っ掛かりだったかもしれません。

ここではまだマンチェスターシティという存在を認知しただけ。

プレミアリーグマンチェスターユナイテッドアーセナルが日本でも人気でした。

 

 

月日は流れ、2014年

14-15シーズンにたまたま見つけたハイライト映像に衝撃を受けました。

 

バイエルンをボコボコにするデブライネというベルギー出身のミッドフィルダー

ブンデスリーガは、香川を皮切りに数多くの日本人がプレーするようになったリーグでした。それもあって私の目にも届いたのかもしれません。ブンデスリーガを熱心に追っていたわけでもなく、7年前は個人的にまったく余裕のない日々を過ごしていたのでサッカー自体から少し離れていた時期でもありました。

もしかしたらこの出会いがサッカーへの活力を少しだけ取り戻せた出会いだったかもと今なら思えます。

 

緑色のユニフォームをまとったデブライネという若きミッドフィルダーは、バイエルン相手に自在にドリブル、パスを成功させていました。

 

これはだれだ?

 

デブライネが15-16シーズンにやってきたのが、マンチェスターシティでした。

この2回目の出会いが、僕をマンチェスターシティに引きつける要因となりました。

 

ということで、僕の中ではそんな入りだったマンチェスターシティは、いまや生活の一部。

多くの人たちと交流ができ、僕がブログを始めるきっかけとも言えるチーム。

 

 

さて、前置きが長くなりましたが、今回はマンチェスターシティの終焉について書きたいと思います。

終焉という言葉はあまりに重く冷たい言葉のように思えますが、これはマンチェスターシティの変化、強者のメンタリティがチーム、そしてファンに強く残ったままこれからの10年、20年を戦っていくための始まりの言葉です。

 

 

本格的にマンチェスターシティを追うようになったのは18-19シーズンからです。

今回の記事ではデブライネ加入からのマンチェスターシティの移り変わりとペップが去ったあとの問題、アフターペップの時代を少しだけイメージしようと思います。

 

完全に私の主観で語ります。

皆様もいろんなことを想像しながらしばし、お付き合いください。

 

 

ペップシティ振り返り

16-17シーズン~21-22シーズンの基本システム

ブンデスリーガのなんでもないハイライトで衝撃を受けた14-15シーズン。

デブライネが移籍先に選んだマンチェスターシティは、2008年からアブダビ王族のシェイク・マンスールに買収され、資金力だけで言えばプレミアリーグのトップクラブへとなった。

アブダビ王族”なんて単語、おそらくマンチェスターシティ関連でしか使わないワードだ。

莫大な資金力を元手に移籍市場に大金を放り込んでくるマンチェスターシティは、次々とビッグネームを獲得した。

 

デブライネが来た時でさえ、すでにアグエロダビド・シルバスターリング、フェルナンジーニョがいて、マヌエル・ペジェグリーニ監督の元ではデブライネも完全なスタメン選手ではなかった。

 

それではさっそくですが、フォーメーションを振り返ってみよう。

 

 

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16-17シーズン               17-18シーズン

ペップの色が出始めたのは、17-18シーズンから。

本来中盤の選手であるデルフを左SBで起用した。ウォーカーはこのときはまだ脳筋感があったのは懐かしい。完全なスタメンではなかったもののコンパニはやはりこのチームのキャプテンだった。

オタメンディの兄貴がなぜかペップの下でビルドアップ能力に目覚めたのは個人的にはネタ。

 

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18-19シーズン              19-20シーズン

18-19シーズンはデブライネが不調だったシーズン。代わりにベルナルドが絶好調。冬に来たラポルトがこれまた大当たりの補強だった。

19-20シーズンにラポルトが怪我をして、このシーズンはロドリやらフェルナンジーニョやらがCBをやっていた。

ここら辺からジンチェンコが台頭。本来であればメンディーを大外レーンすべて担当させたかったのだが、怪我もあり無念。でも、今考えるとザネやスターリングとメンディーって絶対に相性悪い。

主力はあまり変わらないけど、19-20シーズンにはザネがバイエルンに移籍した。

 

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20-21シーズン              21-22シーズン

マフレズがぐんぐん来た。いつの間にか裏抜けまで覚えて、シティに来てからドリブラーではなくなってしまった。

カンセロの守備の曖昧さがどうしても気になってしまったが、今シーズンも安定して曖昧だったのであきらめた。

そういえばベルナルドは移籍報道が出ていた。試合に出れなかったらそりゃ移籍したいよな、と思う。

フォーメーション図を眺めてふと思うのは意外にここ数シーズンはデブライネフル稼働がない。

フル稼働してほしいものだけど。

 

メンバーを見て思うのはあんまりネタにできる選手がいないこと。

オタメンディの兄貴やメンディーは、非常にそういった部分では必要な存在だったかもしれない。

ジンチェンコのラップも今じゃ影が薄くなっている。

薄くなっていると言えばベルナルドの毛髪。ネクスジダン

 

ということで一つ目の問題点

問題①

ネタ枠が少ない

どの選手もどこでもできるが、スペシャリストが不在

 

 

ペップ プレミア上陸から見るシティのWGの変遷

さて、過去6シーズンをシステムで振り返りました。

この並びを見ていると、シティはどのポジションにも長年同じ役割を与えていることがわかります。

 

例えば、IHにはDFライン高くまであがりハーフスペースを取ること、SBはアンカーを助けるため後方のハーフスペースに動くこと、CBはボールを動かし、効果的な縦パスを前線のアタッカーに配球すること、そしてWGは大きく幅を取ること…。

 

一見するとペップの考えはほとんど変わっていないように見えるが、たった1つのポジションだけがこの6シーズンで大きく変わっている。

 

それはシティの攻撃を司る両WGの役割

 

ペップがやってきた16-17シーズンから順番に追っていくと、ザネが退団した19-20シーズンから逆足のWGを配置していることがわかる。

スターリングは主戦場が左となり、右WGにはマフレズやベルナルドシルバが置かれることが増えた。

バイエルン時代から両WGには縦と中の強力な単独突破からゴールに向かう役割を与えていたのに、このタイミングでペップの中でのWGは単独突破の駒ではなく、IHのポケット侵入のためボールホルダーの意味合いが強くなった

これはスターリングが点を取れなくなり、スタメンから外されることも増えたことの理由にもなる。また、ストライカー不在の影響も大いに関係するが、話が長くなるので割愛する。

 

今でこそ、対戦相手によって順足の配置を見せることもあるが、役割はあくまでサイドラインでのボールキープ。

相手の守備を同サイドに偏らせるいわば時間稼ぎのための配置になっている。

 

 

問題点2つ目はこちら

問題②

純粋なサイドアタッカー不在

WGからの単独突破の欠如

 

 

 

CL決勝に到達した20-21シーズン

11-12シーズンでプレミアリーグを始めて制覇したマンチェスターシティ。

そこから毎シーズンのようにプレミアリーグの優勝争いに名を連ねていたシティがペップ・グアルディオラを監督に招く理由は当然ながらチャンピオンズリーグ制覇だ。

もはやそれしかない。

 

クラブの最大の目標に限りなく近づくことができたのが、昨シーズンのチャンピオンズリーグだった。

初の決勝進出。

相手は同じプレミアリーグチェルシー

結果はみなさんご存知のとおりチェルシーがハヴァーツの1点を守りきり優勝。

初めて決勝に進出したチームは優勝できないというジンクスは破られることなくシティもそのジンクスどおりに敗戦した形となった。

 

 

このシーズンは17-18シーズン、18-19シーズンに連覇をしたあと1年ぶりにプレミアリーグを制覇したシーズンでもあった。

勝ち点も得点もこの2シーズンには遠く及ばないもののチーム力としては格段に強固となった印象があった。

劣勢の状態からの逆転、CF不在でも現れたスコアラー、対策されてもなお攻めきれる戦術など圧倒的ではない数字から、圧倒的な強さを感じるシーズンだっただけに、我々ファンは大いに期待をしていた。

だからこそ気分の落ち込みはとても大きかった。

 

チャンピオンズリーグの敗戦から、何度も多くの人が議論を重ねてきたのが大舞台の経験値のなさ絶対的なスコアラー不在という問題だった。

特にアグエロというプレミアリーグ屈指の点取り屋はチャンピオンズリーグに関しては大事な試合ほど出場しないことが多かった。

バルセロナのメッシ、レアルマドリードロナウドバイエルンレヴァンドフスキのように大舞台でなんとか得点をもぎ取ってくれる選手がいないということの限界が見えてしまった結果でもあった。

 

さて、新シーズンはもちろんクラブはストライカーの獲得に動き出した。

狙うのはトッテナムのハリー・ケイン、ドルトムントのハーランド、ユベントスロナウドなんて話も出た。

しかし、どの選手も獲得にはいたらなかった。

さらにアグエロは契約満了でバルセロナへ(2021年に不整脈のため、引退を発表)、唯一のCFジェズスはWGでのプレーを好んでいることが判明した。

 

2021年12月現在、マンチェスターシティはプレミアリーグで最多得点、最少失点で2位に8ポイント差をつけて首位に立っている。ストライカーが不在なのにも関わらず

CFで起用していたフェラントーレスバルセロナに移籍も決まり、マンチェスターシティは常に偽9番で試合に臨んでい

勝っているから良いのだろうか。

 

CL決勝で敗戦した理由でもある問題点3つ目

問題③

偽9番に慣れすぎたシティ

ストライカーがビルドアップに組み込まれる前提の配置

 

 

 

ペップ体制残り1年

ここで一度立ち止まってペップ体制について現状を把握しておこう。

 

契約期間

ペップは、同じチームを3年を超えて率いることはない

 

と、よく言われていた。

 

本人もバルセロナでの4年間は長かったと言っていた。

 

そんなペップもマンチェスターシティとの契約は2023年までである。

2016年の夏にシティに来たので契約を全うすると7年間在籍することになる。

それだけチームが素晴らしいのか、フロントに知り合いもいてやりやすいのか、はたまたマンチェスターという街が住みやすいのかはわからないが、7年間は長い。

 

だからこそ危険である。

 

獲得タイトル

ペップはマンチェスターシティを率いて現在6年目。

その期間に獲得したタイトルは数多くある。

 

 

18-19シーズンにはコミュニティシールドも含めて国内4冠を達成。

完全なる内弁慶である。

 

ここまでイングランドで輝かしい成績を残せた監督は、ここ近年で言うとマンチェスターユナイテッドファーガソンアーセナルのヴェンゲルだろうか。

ペップは確実にプレミアリーグの歴史に名を刻んだ監督であるのは間違いない。

 

だが、一方でチャンピオンズリーグはどうかというと、

20-21シーズンの準優勝を除くと、ベスト16が1回、ベスト8が3回と完全に経験値が不足している。

チャンピオンズリーグでの勝ち方を知らないようなチームに見えてしまう。

 

私はいまだにベスト8リヨン戦の3バックは、思い出すだけで苦い顔になる。チャンピオンズリーグでのペップの奇策はファンの間でも風物詩のように語られるのだ。

 

昨シーズンのCL決勝でもシーズンで一度も採用していないアンカーギュンドアンだったのだから気が抜けない。

 

今シーズンはないことを願うが。

 

主眼をどこに置くか

今シーズンはもう折り返しに入っているので、ペップ体制は残すところあと1年となった。

我々ファンは何を主眼にしてチームを応援すればいいだろうか。

 

一番のポイントはチャンピオンズリーグの制覇だ。

これは揺るがない。

これは至上命題であり、ペップであれば叶えられる現実的な目標だ。

 

 

二番目は、第二のフォーデンの出現だろうか。

大事に大事に育てたイングランドの至宝は昨シーズンについに輝きだした。

シティのファンは「シティの育成システムは素晴らしい」ともしかしたら思っている人もいるだろうけど、まあ、しかしそんなうまくいくとも思えない。

シティの選手という肩書を載せていい感じの値段で売却することがおそらく現在のアカデミーの位置づけに感じるので、フォーデンの次に出場機会を得ているパルマーですら来シーズンはわからない。

なんだかフェラントーレスがいなくてもパルマーがいるからなんとかとペップは言っていたが、ペップはすぐにこういうことを言って選手を潰しかねないので心配である。

 

三番目のポイントがストライカーとしてだれを置くのかとしたい。

アグエロは素晴らしいストライカーだったが、CLではいまいちだったのは事実。

普段微妙だけど、なぜか大事な時に絶対点を取る理不尽な選手がいてくれたらシティのCL制覇はぐっと近づくような気がする。

(私はスターリングにその片鱗を感じたが、リヨン戦のあれでもうそう思うことはやめた)

 

tadashicity.hatenadiary.jp

※怒りの記事を読んでください。

 

 

アフターペップ

ようやく最後だ。

最後に、アフターペップ(ペップが去ったあとのこと)のシティについて考えてみようと思う。

7年間も同じ監督に率いられたチームはどういった転換をするべきなのか。

同一路線で後任を探すべきなのか。

 

その鍵は同じくアフターペップを経験したチームが持っているのではないかと私は思った。

 

アフターペップの2チームの現状

ということで、これまでアフターペップを経験したチームはヨーロッパに2チームある。

 

まずはラ・リーガバルセロナ

2008年から4年間ペップに率いられ、ヨーロッパに衝撃を与えたチーム

その当時のメンバーであるイニエスタやビジャはJリーグでプレイし、チャビは現在そのバルサの監督をしている。

アフターペップ期間は10年目。

 

9年間の成績は以下

 

  国内リーグ 国王杯 CL
12-13 1位 ベスト4 ベスト4
13-14 2位 準優勝 ベスト8
14-15 1位 優勝 優勝
15-16 1位 優勝 ベスト8
16-17 2位 優勝 ベスト8
17-18 1位 優勝 ベスト8
18-19 1位 準優勝 ベスト4
19-20 2位 ベスト8 ベスト8
20-21 3位 優勝 ベスト16

 

21-22シーズン12月現在はリーグ7位、CLグループリーグ敗退。

 

 

続いてはブンデスリーガバイエルン

バルセロナを退任し、1年間の休養を得たペップが、CLを制覇したハインケスを押しのけて就任したのが、13-14シーズン。そこから3年間バイエルンはペップの元でブンデスリーガを無双したが、CLは取れなかった

アフターペップ期間は6年目。

 

  国内リーグ ポカール CL
16-17 1位 ベスト4 ベスト8
17-18 1位 準優勝 ベスト4
18-19 1位 優勝 ベスト16
19-20 1位 優勝 優勝
20-21 1位 2回戦 ベスト8

 

21-22シーズン12月現在はリーグ首位、CLグループリーグ突破。

 

いかがでしょうか。

 

直近2年間のバルセロナは置いておいて、アフターペップは2チームとも大きく崩れてないことがわかる。

バルセロナバイエルンアフターペップにCLを優勝している。

マンチェスターシティも大いに期待できる。

またも大いに期待してしまう。

 

ただ、少しだけこの表からは読み取れない情報を頭に入れておく必要がある。

 

この2チーム、一度ずつCLを制覇しているが、どちらの監督もポゼッション思考ではない縦に速いサッカー、前からプレスに行くサッカーを貫いていた

 

待てよ…?

もし、マンチェスターシティがペップの意思を継いで、ポゼッション路線のまま進んでいったとしたら…

 

 

アフターペップの戦術的アプローチ

これでほんとのほんとに最後となる。

長いこと読んでいただきありがとうございました。

 

最後は、マンチェスターシティの戦術について。

ペップのおかげでマンチェスターシティは非常に統率の取れたチームとなった。

どんな相手であってもボールを保持し、相手が守りにくいエリアを制圧し、ストライカーがいなくても得点を取れるチームに仕上がった。

 

が、しかし、サッカーは変わっていく。

すでにペップがヨーロッパに衝撃を与えたパスサッカーは、ストーミングという真逆のコンセプトやコンパクトな5バックなどの対策が取られてきている。

これによってペップ自身もルベンディアスのおかげか、引いて受けることも実践している。

 

ペップのサッカーは、ボールを奪われる位置までコントロールしたがっている。

DFラインやアンカーで奪われるなんて論外。絶対に奪われてはいけない。

それはなぜか。

DF能力に長けた選手が少ないからだ。

そういった選手、比較的足元の技術に優れ、戦術眼のある選手がこの6年間次々にシティに加入したからだ。

ボールを保持する時間が長いので、守備だけが突出している選手がいても、シティでは出番はほとんどない。もしかしたらCL決勝1点差で勝利している残り5分間だけは出場機会があるかもしれない。

 

 

では、監督が変わったらどうか。

 

ペップは異常だ。大きく偏っている。

 

だからこそカンセロをSBの位置でゲームメイクさせるし、ギュンドアンをストライカーとして前線に飛び出させる。

エデルソンはCBよりも高い位置に置くし、ほぼすべての試合で偽9番を採用する。

 

 

おそらく次の監督はそんなことしない。

 

サイドバックにはウォーカーのようにフィジカル能力が高い選手を置きたいだろうし、前線にはクロスからもスルーパスからも得点の取れるストライカを起用したい。ましてやWGが縦に仕掛けないことなんてもったいないとしか言いようがない。

 

自分たちのコーナーキックのこぼれ球を相手陣地で拾ったにも関わらず、ゴールキーパーまで下げるデブライネのプレーに「よくやった」なんてことも言うはずがない。

 

マンチェスターシティはどう考えてもまったく別物のチームになる

 

ペップがシティでこのサッカーを選択し、プレミアリーグ最強でいられるのは、マンチェスターシティだからではなく、ペップだからだということを忘れてはいけない。

 

 

何をそんな当たり前のことを。

と思っている人がいるかもしれないが、私が一番恐れているのはペップシティではなくなってサッカーが変わった時にファンが離れてしまうことだ。

こんなにボールは保持できなくなり、負けることも増えたときに、我々はどこまでマンチェスターシティを信じて応援できるのだろうか。

 

かくいう私もデブライネやジンチェンコが移籍したら気持ちがどうなるかわからない。

 

アフターペップの恐ろしさは、チーム力とペップの戦術を同じだと考えてしまうことにあると思っている。

極端なことを言えば、バルサバイエルンがアフターペップでも勝ち続けたのはメッシ、ネイマールがいたから、レヴァンドフスキ、キミッヒがいたからと誤解を恐れず言っておく。

マンチェスターシティには今のところそこまでの選手がいない。

だからこそ、魅力的なのだが、果たしてその魅力がどこまでもってくれるのか。

5年後、10年後の未来を想像してみたい。

 

 

終わりに

いかがでしたでしょうか。

ペップがいなくなったあとのマンチェスターシティを考えるのは難しく、このサイクルはいずれ終えてしまうのは間違いない。

サイクルの終焉はどの世界にも等しく存在するもので、その次のサイクルをどう見据えているかというのが重要だ。

 

マンチェスターユナイテッドアーセナルはまさにそれで一度失敗をしている。

アトレティコマドリードマンチェスターシティと同じく、アフターを考えなければいけない。

本当に強いチームは選手や監督に左右されないものだ。

それでも選手や監督にファンが集まるのも事実なので、常に新しくそれでいて伝統を重んじるクラブになるには、クラブそのものがどういった道を描いていくかという部分が見たい。

 

2023年からのマンチェスターシティにはとても興味がある

どう変わっていくのか、何が変わらないのか。

 

ようやくマンチェスターシティの浮き沈みにファンとして踏み込めると思うとわくわくしてしまう。

 

上に挙げた3つの問題点は、アフターペップで、もしかしたらペップがいるのに来シーズンからでも訪れるものだろう。

今回の記事には対処法も回答もないが、クラブの方針がそんな問題を書き消してくれることを願う。

 

まずは、ペップ体制で最大の目標が達成されるのを見届けたい。

話はそれからでもいいかもしれない。

 

それでは!

よいお年を。

CL第4節 Real Madrid vs Shakhtar Donetsk

こんにちは。

tadashiです。

 

本日はチャンピオンズリーグのレビューをしていきたいと思います。

今回の試合は、私の愛するレアルマドリードとロシアの強豪シャフタールの試合です。

 

レアルマドリードは苦戦しながらもしっかりと勝ち点を積み重ねていくのはさすが。特に相手の勢いを殺すことにかけてはどこか悪魔的です。

 

それでは、接戦のゲームの中で見られた両チームの戦術を見ていきたいと思います。

 

 

 

 

スタメン

ホーム レアルマドリード CL男ロドリゴの不在を埋めた愛に溢れたバスケス

クルトワ、カルバハル(⇒66'ナチョ)、ミリトン、アラバ、メンディー、モドリッチ、カゼミーロ、クロース、ルーカスバスケスベンゼマ(⇒79’ヨビッチ)、ヴィニシウス

 

アウェイ シャフタール 優秀なブラジル人はここから

取る便、ドゥドゥ、マルロン、マチュビエンコ、イスマイリ、マイコン、ステファネンコ(80’スダコフ)、テテ(⇒80’マルロス)、アラン・パトリギ(⇒79’アントニオ)、ムドリク(⇒71’ソロモン)、フェルナンド(⇒86’デンチーニョ)

 

下記フォーメーション図参照

 

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狙いと狙いが交差する前半

猛攻のマドリー

試合開始からハイテンポで両チームの良さが見える展開が見えました。

シャフタールはサイドにマドリーを追い詰め、局所的な数的優位で囲い込みますが、マドリーはそのシャフタールの誘いを得意の右サイドで引き受けることでプレス回避による左サイドへの展開をして攻撃に転じていました。

 

この流れはマドリーが先制点をあげる前半15分まで見られました。

 

この時間、そして前半のマドリーは下記の図のように左ハーフスペースをベンゼマが使うことで、攻撃の軸であるヴィニシウスにボールを集めるようにしていました。

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右でプレス回避を行い、一気に逆サイドに展開。

その展開の方法はロングボールではなく、ベンゼマのスライドによる中継です。

 

ヴィニシウスが当然警戒されていたこともありますが、ベンゼマが一度ハーフスペースで受けることで、後ろの選手たちが前に出る時間を稼ぐ効果もあります。

現にこの試合はベンゼマが流れた中央にはモドリッチが入るようになっていました。

ロングボール一発でヴィニシウスの裏を取っていたら相手の守備に対して攻撃の枚数が少なくなってしまっていました。

 

今のヴィニシウスとベンゼマであれば二人だけで点を取ることもできたでしょうが、被カウンターのことも考えるとファーストチョイスがベンゼマの足元だったのだと思います。

 

 

そして、そのファーストチョイスじゃない次の選択から先制点が生まれたのが14分のシーンでした。

ミリトンからのロングボールは裏へ抜けるベンゼマの目の前に落ちるも一度は奪われます。

しかし、その直後に守備への切り替えでぼボールを奪い返したヴィニシウスがベンゼマにアシストをしたゴールでした。

このゴールはヨーロッパカップ戦の1000ゴール目のゴールで、そのゴールをベンゼマがあげられたことが今のマドリーには重要なゴールだったと言えます。

 

デ・ゼルビの分析

マドリーの後方でのビルドアップに対して、物おじせずに前からはめてやろうと高い位置を取っていたシャフタールでしたが、左サイド(マドリーの右サイド)でうまくいなされ、質的優位のある左サイドに展開されてしまうというなかなか苦しい入りで先制点を与えてしまいました。

 

しかし、これでマドリーが落ち着いてくれたことで、デ・ゼルビのシャフタールはしっかりとボールを持って、マドリーを揺さぶることでチャンスを作っていくことに成功しました。

 

デ・ゼルビは前回の対戦も含め、マドリーを分析しました。

それがマドリーの4-4-2守備です。

・IHの1人が一列前に出る

・カゼミーロの脇がマドリーのデッドスペース

・DFラインのマークの受け渡しに難がある

 

以上のような弱点のあるマドリーの守備に対してデ・ゼルビは以下のアクションでボールを保持、ゴール前まで侵入を成功させます。

 

 

・左SBのイスマイリを最前線に上げ、マークを増やす

・アラン・パトリギを上下動させ、カゼミーロの脇や背後を使う

・左CBがドリブルで持ち上がり、IH+ベンゼマの守備を無効化させる

 

 

 

これらを頭にすりこんだところで、下記の図を見てください。

 

まず、シャフタールが狙ったのが丸で囲っている2つのエリア。

左CBマチュビエンコの前とカゼミーロの脇です。

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右CBのマルロンがボールを持つと、ベンゼマは背中でマイコンを消しながら緩くプレス。クロースが一列前に出てマイコンをマークします。

マイコンがボールを受けにマルロンに近づくとそれに合わせてベンゼマとクロースもずれてきます。

そこでフリーになるのがマチュビエンコでした。

横パスを受けたマチュビエンコは何度となくドリブルでハーフラインを超え、危険なエリアへパスを配球していました。

彼の今日のパスのスタッツは97回のタッチのうち74本のパスを成功(成功率89%)

 

このマチュビエンコのドリブルをどうしてケアできなかったのか

それはもう一人のボランチ ステファネンコとイスマイリのポジションにつきます。

 

ステファネンコのポジションは、ルーカスバスケスがマークをつかなければならなくなり、最前線のイスマイリはモドリッチの意識を後ろ向きにさせるに十分でした。

 

例えば、モドリッチがマチュビエンコのドリブルを嫌って高い位置を取れば、その背後のイスマイリがフリーになり、そのイスマイリをフリーにさせないようにカルバハルが絞れば、大外のムドリクがフリーになります。

次の図ではバスケスが意図的に最終ラインに落ちた瞬間がありましたが、これはCBのドリブルに対してだれかがいかないといけないための苦肉の策のように感じました。

 

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続いて、カゼミーロの脇を狙うアラン・パトリギのプレーですが、これはマドリーの永遠の課題、未来永劫解決しないマドリー七不思議のひとつなので、見ているマドリディスタの方々は諦めているだろうと思います。

私も諦めています。

ただ、今日の試合はそのカゼミーロの脇を狙うだけでなく、足元でボールを受ける次の動きでDFライン上でフリーになっていたのがポイントでした。

 

おそらく、アラン・パトリギをマークするのはカゼミーロで、アラバはボールとゴールと周辺の選手を見ながら統率を取る役目だったのだと思います。

カゼミーロはボールウォッチャーになってしまうという欠点があり、アラン・パトリギに足元で受けられないように自分の両脇に注意を払ってプレーしていましたが、アラン・パトリギは「受けられなければその背後」というように、カゼミーロの背後、つまりDFラインでフリーとなることができていました。

 

結局、アラン・パトリギが後半に交代するまで続くことになりましたが、それでも1失点しかしなかったのはクルトワのおかげであり、最後の最後で食らいつくDF陣とカゼミーロも要因でした。

組織的に守れない、というのはもうどうしようもないので、マドリーらしさで片付けてしまいたいなと思います。

 

 

華麗な失点

上で説明したカゼミーロの背後で失点をしたのが40分でした。

上下動するアラン・パトリギにカゼミーロは相当手を焼いていて注意はしていたと思いますが、左CBがかなり高い位置まで持ち運んだことで一瞬気が緩み、気づけばアラバとメンディーの間でフリーになるアラン・パトリギの姿が。

 

あの瞬間アラバはフェルナンドを見なければならなかった。

大外はメンディーがマークしていたので、アラン・パトリギの飛び出しにはカゼミーロがついていくという選択肢しかなかった中でカゼミーロはボールウォッチャーになっていたので、アラバとしてはどうしようもなかったと思います。

 

あの場面で胸でパスをしたアラン・パトリギには拍手を送りたいですし、あともう少しのところで届きそうだったアラバの反応速度にも賛辞を贈りたいです。

 

これで完全に勢いはシャフタール

前半終了間際にはフェルナンドが抜け出し決定機を作られましたが、ここはクルトワがビッグセーブ。

入ってもおかしくない場面でクルトワがチームを救いました。

 

 

相手の勢いを殺すマドリーの後半

猛攻のシャフタール

両チームともハーフタイムでの交代はなし。

 

前半良い形で終えられたのはシャフタール

前半開始からボールを持ち、46分には後半最初のシュートを放ちます。(これもDFライン上でフリーになっていた)

 

マドリーもホームで同点のままではまずいので攻撃に出ていきます。

前半よりもペースを高めているように感じます。

 

メンディーがハーフスペースに上がり、攻撃の圧を高めていたのは間違いないです。

 

前半最初のマドリーの猛攻に仕返しするように後半開始はシャフタールが攻めます。

およそ10分間で言えばシャフタールの方がチャンスを作っていました。

レアルマドリード相手にアウェイで同点、というのは選手たちの気持ちも昂るものです。

 

55分には約2分間ボールを持ち、マドリーにプレーさせることなくゴール前クロスまで持ち込んだシーンもあり、マドリーのカウンターもすぐに潰し、常にマイボールで試合を進めていました。

 

前に出ても人が足りず、なかなかゴール前まで運べないマドリーに我々は少しだけ嫌な予感がありました。

少しだけですけどね。

 

強者のゲーム運び

そんな不安を消し飛ばしてくれたのがやはりベンゼマとヴィニシウスでした。

シャフタールが勢いに乗り、良いリズムでマドリーゴールに襲い掛かるプレーを連発している中で、マドリーが逆転ゴールを上げます。

 

しかも、この攻撃は久しぶりに自分たちのボールにできて、後ろから丁寧にビルドアップを始めた最初のプレーだったので、

レアルマドリードというチームはなんでこうも強いんだろう。技術が高いだけでなく、相手の気持ちをへし折る時間に、なんで得点があげられるんだろう」と思いました。

 

レアルマドリードに引き込まれるのはこの強者の部分なんだと今日の試合を見て思いました。

攻められている時間の長さなんて関係ない

守備の組織が統率されるかなんて関係ない

決めるべき人が決めるべきタイミングで試合を決める。

相手がやられてはペースが乱される時間帯で、そういったプレーができる。

 

レアルマドリードの選手としてプレーする選手たちは、この感覚が抜群。

 

しかもこのゴール。

ペナルティーエリア内で複数のダイレクトパスが重なる非常に美しいゴールでした。

ヴィニシウスが左から右に横断してきたことで、より狭くなっていたにも関わらず、カゼミーロまでペナルティーエリアに入っていました。

ヴィニシウスとカゼミーロのヒールによるワンツーと、それをダイレクトで真横にパスをするヴィニシウス、そしてそこにいるベンゼマ

 

白く輝くマドリーの非常に美しく絶望的なゴールでした。

 

試合はこのままスコアは動かずにマドリーの勝利です。

 

後半、マドリーは左サイドの配置を変え、守備の時はモドリッチが一列前に出るように少しだけ変化をつけました

 

シャフタールはこの状況でも下を向くことなく、自分たちのやり方を貫き、何度となくチャンスを作っていましたが、こうなったときのマドリーは強い。

なんだかよくわかんないけど点は入らないし、あわよくばもう1点取ろうとする。

 

大事な試合ほどマドリーはとても強い。

 

それがよくわかる試合でした。

 

 

マドリーの左サイドの使い分け

最後に、この試合で感じたレアルマドリードの左サイドのパターンについて感じたことを書いて終わりにしたいと思います。

 

下の図を見てください。

この図は、後半の左サイドの攻撃の組み立て方です。

 

メンディーがハーフスペースの高い位置に上がり、クロースがSBの位置に落ちる。そしてヴィニシウスはワイドに大きく開くというこの動きは、パサーであるクロースを意図的にフリーにすることができる非常に有効なマドリーのビルドアップの形の一つです。

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メンディーに対してはDFライン以外の選手が下りてこなければならず、マドリーはより優位にボールを後ろで回すことができるのです。

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さて、この形は昨シーズンも良く見たし、クロースがいるときは今シーズンも見られたわけですが、どうやらこの形はクロースの有無で行っているわけではないことがなんとなくわかりました。

 

それは前半はこの位置をベンゼマが使っていたからです。

前半はメンディーはそれほど上がってこないで、クロースも下りてくることもほとんどなく、中央でゲームメイク。

モドリッチが前線に上がるため、後方でサポートというように見えました。

 

となると、答えは私の中では一つです。

 

それは、攻撃の圧力を左サイドの配置でスイッチングしている、ということです。

 

図を再掲します。

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前半の形です。

 

見比べてもらうとわかると思いますが、前線にかける人数が違います

 

後半の形だと、初めからベンゼマを中央に据えることができる、かつ、メンディーがペナルティーエリアに入りフィニッシャーとしても動くことができます。

さらに、前に人が多いので、ネガティブトランジションへの移行も素早く行うことが可能です。

 

前半は失点をしないように効率よくゲームを進めたかった、後半は勝つために前に人を送りたかった。

この使い分けがマドリーの左サイドによってなされているのだろうなと感じました。

 

ただ、これは今のところクロースとモドリッチがどっちも出ていないと難しいです。

また、左SBがメンディー以外でも可能かどうかも未知数です。

なので、今シーズンはあまり見られていないのかもしれません。

 

攻撃的にいきたいから前線の枚数を増やすのではなく、ビルドアップから崩しの局面に対して配置を変えてくることで、切り替えていくマドリーにやはり魅力を感じてしまいました。

 

 

ということで、以上です。

リーグではオサスナに引き分けていたので勝利できてよかったです。

 

バルサの監督にシャビが決まったようで、これからラ・リーガはますます盛り上がっていくことでしょう。

CLにあわせて、ラ・リーガも見ていきましょう!

 

Hala Madrid!!

 

それでは!

負けるなら美しく ラ・リーガ第9節 vs バルセロナ

こんにちは。

tadashiです。

 

今シーズン初対戦。

スペイン国内だけでなく、全世界が注目する試合が日本時間10月23日23:15に行われました。

 

 

結果は、今のクラブ事情を表すかのような展開となりました。

プレミアリーグの方がスピーディだとかエル・クラシコですらこのレベルといったネガティブな声が聞こえてきましたが、これはエル・クラシコ

試合の内容ではないサッカーを超えた文化と歴史の戦いなので、どちらが勝つか、どちらが勝ったかというのが重要です。

 

と、言いつつもそれではこのブログは「レアルマドリードの勝利!良かった!」で終わってしまいますので、今シーズン初対戦のクラシコを振り返りたいと思います。

 

 

 

 

スタメン

両チームのスタメンはこちら。

バルセロナ ホーム

テア・シュテーゲン、ミンゲサ(⇒46’コウチーニョ)、ピケ、エリガル、ジョルディ・アルバブスケツ、フレンキー・デ・ヨング(⇒77’セルジロベルト)、ガビ(⇒85’ルーク・デ・ヨング)、デパイ、ファティ(⇒74’アグエロ)、デスト

 

レアルマドリード アウェイ

クルトワバスケスミリトン、アラバ、メンディー、カゼミーロ、モドリッチ、クロース、ヴィニシウス(⇒87’アセンシオ)、ベンゼマロドリゴ(⇒72'バルベルデ⇒90+1’カルバハル)

 

詳しくは下記フォーメーション図参照

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シンプルな構図

 

久しぶりの有観客

エル・クラシコ

満員のカンプ・ノウ

 

 

両チームのオフの振る舞いは、サッカー界に衝撃を与えた。

 

バルサはメッシ、グリーズマンを放出し、デパイとルーク・デ・ヨングを獲得。

 

マドリーはヴァラン、セルヒオ・ラモス、そしてジダンと別れを決め、ダビド・アラバをフリーで、カルロ・アンチェロッティを監督として迎え入れた。

 

字面だけでもネガティブな印象のほうが強い。

メッシというスーパースターがいなくなり、マドリーからもカピタンがいなくなった。日本でのラ・リーガの盛り上がりは、やはりこのクラシコにかかっているかもしれない。

 

 

試合は非常に明確だった。

お互いのゲームプランを4局面(攻撃、ネガティブトランジション、守備、ポジティブトランジションそれぞれに切り取って簡単に表してみようと思います。

 

バルセロナ

攻撃

ボールを保持して、前線のファティやデパイに繋げてフレンキーを絡めて手数をかけて攻める。

 

ネガティブトランジション

カウンター受け放題。マドリーの前線にボールが入ってからCBががんばる。

 

守備

マドリーのGKクルトワを除いて前から人にマンツーマン。スペースではなく、人に基準を置いた守備。

ガビを一列前に上げて、カゼミーロをマンマーク

 

ポジティブトランジション

速攻はなし。GK、CB、ピボーテを絡めてそれぞの初期配置を取り戻す。

 

 

レアルマドリード

攻撃

後ろ前関わらず左に集めてオープンスペースの右へ展開。カゼミーロは邪魔をしないようにベンゼマの後ろへ。

 

ネガティブトランジション

ボールロスト後1人か2人は一度は追うが深追いはしない。

 

守備

4-1-4-1もしくは4-4-2でブロックを作り、引いてバルサの攻撃を受ける。

 

ポジティブトランジション

高速カウンター。

およそ2タッチ程度でベンゼマ、ヴィニシウスへボールを渡す。走れる選手がフォロー。

 

 

両チームとも後半の中盤ぐらいまではゲームプランどおりに試合を進めていた。

 

 

 

左から攻めたい

左から攻めたい」「左で形を作りたい」というのは、この試合両チームに共通していたゲームプラン遂行のための手段だった。

 

バルサの左

バルサは、左にいるデパイがボールを持ち、ファティやフレンキーとの連携でペナルティエリアに侵入したかったように見えた。

 

開始からしばらくはバルサがボールを持ち続けた。4-1-4-1、4-4-2のブロックで守るマドリーに対してマドリー陣内でのプレーを見せる。

ここでのキープレーヤーがフレンキーとファティ

 

バルサはマンツーで人数をかけるマドリーに、人を引き連れてフレンキーが移動し、空いたスペースにファティが下がるというプレーがあったように、ボールを前進させる方法は選手同士がバルサイズムのもとに実行できていた

前進したボールは左に集め、デパイのボールキープを餌にマドリー守備陣をバルサの左サイドに寄せながらジョルディ・アルバ、ファティの裏への飛び出しをちらつかせ、マドリーのライン自体を下げる。

下がりきったラインはゴール前を固めるが、後方に待つブスケツにはプレスが間に合わず、常にフリーの状態でブスケツが左右に展開することができていた。

この日のバルセロナは、ここまではとても円滑だった。

ただ、シュートまでの形がなかっただけだ。

 

さて、ではなぜバルサがシュートまでいかなかったのか。せっかくボールを高い位置まで運べているのに。

それはおそらく2つあって、ハーフスペースにチャンスメイカーがいないことと、ゴール前に人がいないこと。

 

1つ目は、クーマンがこの試合フレンキーとガビの位置を入れ替えたことが原因と思われる。

モドリッチを17歳のガビに任せるのは酷だと判断したクーマンの優しさなのかもしれない。しかし、本来ゴール前にダイナミックに入り込むことが持ち味のフレンキーがファティやデパイとともにボールに絡み、逆サイドに展開するためのプレイヤーとなってしまい、ハーフスペースで周囲と連携するガビがこの試合はデストとともにマドリーと同数でガチンコ勝負を行うことになってしまった。

 

2つ目は、フレンキーが左サイドでクーマンの采配に軟禁されていたこととファティが下りたスペースに入る人がいなかったことが原因だと言える。

どこがで聞いたような話だ。どこかのレアルマドリードが昨シーズンに陥った問題と似ている。というか同じだ。

特にバルサは深刻で、左で持てば持つほど、マドリーの右サイドの守備は強固になってしまった

 

 

マドリーの左

IHとCFの縦の動きでマークをずらしたバルサとは異なり、レアルマドリードは大胆にレーンを移動するこれまでのビルドアップで、バルサと同じく左から攻撃を仕掛けた。

 

メンディーとクロース

ジダンマドリーのときから頻繁に見られたポジション移動。

メンディーが敵陣ハーフスペースまで上がり、SBが元々いたスペースにクロースが下がりビルドアップを行うというもの。

序盤はバルサにボールを持たれていたのであまり見られなかったが20分を過ぎてからようやく見られた。

マンツーマンの守備に対して、どこまでついてきますか?との問いかけができるのが良い。

だいたいクロースがフリーになるのでクロースが好きなように展開していくのだが、この試合はヴィニシウスがファーストチョイスとなった。

 

 

メンディーとアラバ

これは今シーズンから見られる形。インタビューでアラバが、メンディーは自分のフォローをしてくれるから前に出られると言っていた。

出れるタイミングではアラバが持ち上がり、メンディーが後方をケアする形だ。

この試合では得点シーンで見ることができたが、アラバの前進に対してメンディーは上がることはなく後方をキープしていた。

これもメンディーにマークがつけば、アラバの前は比較的スペースが空いてくるというアラバのボールタッチの技術、パスセンスを活かせる動きだろう。

この試合ではゴールを決めてしまったが。

 

 

これらにより、レアルマドリードは同じく自分たちの左サイドにバルサ守備陣を集め、空いた右サイドのスペースを活用した。

 

 

そしてこの試合もっともバルサを苦しめ、マドリーの生命線となったのがヴィニシウスからの仕掛けだ

ボールを持てばミンゲサを圧倒し、キープも突破もヴィニシウスの思うタイミングで行っていた。

特筆すべきは20分のペナルティエリアに侵入し、倒されたプレー

足の裏でボールを転がしながらDFの股を抜き、ペナルティエリアに侵入したら細かいタッチで鋭角に二人のDFの間を割って入った。

この日のヴィニシウスはサイドライン際ではフットサルプレイヤーのような足さばきを見せていた。

 

また、マドリーはバルサのマンツーマンでのハイプレスに対し、シンプルにバルサDFラインの裏へロングボールを出すシーンが何度か見られた。

その取っ掛かりもヴィニシウスで、開始早々2、3分にパスは出なかったがはっきりと裏へ抜け出したヴィニシウスがいて、13分にはその意志を読み取ったアラバがヴィニシウスの抜け出しに合わせてロングボールを放っていた。

ミンゲサがSB本職ではなく、何度かワイドに張るヴィニシウスから視線を切ってしまうことがあり、「まずは守備から」考えた右サイドは逆にマドリーの攻めどころになっていた

 

 

25分以降

試合が加速化したのは、バルサが決定機を作った25分から。

おそらく勝敗を決めたとも言えるシーンだったと個人的には思う。デストが気の毒。

ただ、このシーンはマドリーもバルサに対して前からマンツーマンではめにいったところを中央を空けられ、緩いボールで前線のデパイにつけられたところから始まっている。

おそらくFWに対してミリトンやアラバもアタックするような守備を決めていたのだと思うが、後ろにフォローがない状態で、インターセプトを狙うのはミリトンのミスだっただろう。

前を向かせない、という選択肢を取りたかった。

 

 

これ以降、バルサは前からのマンツーマンディフェンスがかからなくなり、マドリーのCBが簡単に人を剥がして運べるようになった

なによりカゼミーロがビルドアップを邪魔しないようにマークを引き連れて前線に上がってくれていた。

 

しかし、この日のマドリーは明確にバルサの攻撃を狙っていた。

それが32分のアラバの得点シーンだった。

 

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前半から何度も見られた左サイドからの展開。

 

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中央で受けたデパイのドリブルが大きくなったところをアラバがアタック。

デパイからアラバがボールを奪った瞬間にマドリーの攻撃はスタートした。

 

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アラバは左にいたヴィニシウスにボールを預けそのまま前線へ駆け上がる。左サイドを縦にスプリントし、DFを振り切ったが、ヴィニシウスは同じく同時に走り出していた右WGのロドリゴを選択。

 

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中央よりに位置していたロドリゴが1トラップしたのちに、完全にフリーで抜け出していたアラバへスルーパス

 

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ボールを受けたアラバは寄せに来るDFとゴールマウス、そしてボールを何度も確認して美しいフォームでボールを押し出した。

それはまた美しい軌道でテア・シュテーゲンの手をすり抜け、心地よい音色をゴールネットから呼び起こした。

マドリーでの初ゴールはエル・クラシコでの先制点。持っている男は違う。

彼は、フリーでバイエルンからマドリーに加入している。

 

 

後半のクーマン

前半のバルサは、いや、前半のクーマンは、レアルマドリードのカウンターへの対策をまったくチームに落とし込んでいなかった

 

高い位置を取るSBのせいで、カウンターを浴びるとCBvsベンゼマ、ヴィニシウスという質的に不利な状況でかつ両CBは下がりながらの守備に追われていた。

 

さすがにこのままではまずいと試合を見ている素人の我々も感じたほどだった。

やはり当然ながらクーマンは後半開始から動いた。

 

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ミンゲサ⇒コウチーニョ

 

デストを右SBに落とし、ガビを右に置いた4-2-3-1のシステムとした。

守備は4-2-3-1のままマンツーマンを変えないスタンス。

ただ、守勢に回らず攻撃的に。

 

コウチーニョを投入した前線は、たしかに引き気味に構えるマドリーに対して何度かチャンスを作っていた。シュートが枠に飛ぶ回数も増えていた。しかし、そのほとんどはクルトワの正面であったり、シュートブロックされたりと25分にあった決定機ほどのチャンスは訪れなかった。

逆にボールを持ちたいプレイヤーが二人に増え、後半はスピード感がなくなり、より攻撃が停滞してしまった印象を受けた。

デストに変えた右サイドの守備は前半と変わらずマドリーのカウンターを受けていた。

 

 

後半に関しては、両チームともしまりのないものだった。

収まらないボール、上がら切らないスピード、GKに届かない攻撃など最高峰のゲームとは言えないようなそんな45分だったと言ってしまいたい。

 

それでも勝ったのはレアルマドリードだというのは紛れもない事実。

それだけでいいのさ。

 

 

美しさとは

バルセロナのレジェンド ヨハン・クライフの言葉にとても有名な言葉がある。

 

「負けるなら美しく」

「美しく勝利せよ」

 

サッカーというのは美しくなければならない。

5点差で勝利しているならシュートをバーやポストに当てたほうが盛り上がる、そして美しい。

 

 

バルセロナは美しく負けることができただろうか

後半73分から出場したアグエロがロスタイム7分にあげた得点はデストの突破も含めてきれいな形だった。

この試合唯一デストがメンディーに1対1で勝ったそのラストプレーが得点を生み出した。

ワンタッチで輝いたアグエロも素晴らしい。さすがはマンチェスターシティの最多得点記録保持者だ。

クーマンは、ルーク・デ・ヨングとピケを前線に並べてクロスを放り込んだが、バルサの正解はそうじゃないと自らの選手たちが反発したような美しさを感じた。

 

 

レアルマドリードは美しく勝利できただろうか

どんな戦い方でもハイレベルにこなすマドリーは美しいカウンターでゴールネットを揺らした。縦に急ぐのであれば、ヴィニシウスからそのままアラバにスルーパスを出しても良かったのにも関わらずマドリーは中央を経由した。

そちらの方がバルサDFの守備を惑わすことができたからだ。

 

2点目は、両チームとも中盤がルーズとなった展開からバスケスが泥臭くゴールをあげた。

体を張った守備からのカウンターは、自陣ゴール前からボールが前に運ばれるごとに私たちの心を熱くし、感情を高ぶらせた

交代したアセンシオがカウンターのために飛び出したことも、右SBのバスケスがアセンシオのシュートに反応したことも形は美しいとは言えないもののその展開は美しいとしか言いようがなかった。

 

 

雑感

銀河系レアルマドリードに魅了されて、レアルマドリードの沼にハマってしまったので、これまで数々のクラシコを見てきた。

 

新しい記憶ではベンゼマのヒールシュートやマリアーノの角度のないところからのゴール、古い記憶はロナウジーニョのベルナベウでのスタンディングオベーションフィーゴへの豚の頭投げ込み。

 

少ししかサッカーを知らない人でも試合があれば気になってしまうこのクラシコは今でも価値は高いと思わせる。

この試合は、バルセロナレアルマドリードのクラブとしての現在地を表すのに非常に適した試合だった。

 

 

バルサはどうしたんだ。

やっぱりマドリーはこれだ。

 

 

会長の手腕なのか、率いた監督たちの差なのか、ファンの違いなのかそれはわからないが、クラシコ4連勝というのは自分の記憶にはない

これはマドリーにとってもだが、バルサにとっても相当な事態なんだと思っている。

マドリディスタの私からすれば素晴らしい朝であったし、ハイライトを見直すぐらい浮かれているので、やはりクラシコの勝利はいろんなことを有耶無耶にできる存在である。いまだに。

 

 

最後にマドリー目線で、マドリーのことを。

この10月までの約2ヶ月半で今期のマドリーの方向性が見えてきた。

 

強豪との試合、勝利が絶対に必要な試合、またはボールポゼッションをするチームとの試合では、今回のクラシコのように相手にボールを持たせ、鋭いカウンターで最小得点差で勝利を狙い、

リーグの中位以下との対戦ではマジョルカ戦のようにボールを握り、大胆な采配でチームのモチベーションを上げるような試合を狙うだろう。

 

戦い方は違えども共通しているのはゲームを支配すること。

 

アンチェロッティ監督は、相手チームと自らが抱える選手たちの特性を見て、ゲームを支配するために試行錯誤を見せていた。ようやく方向性が定まったのではないかと思っている。

 

一つだけ心配なのは、シェリフとエスパニョールに負けたようになんでもない試合で勝点を落とすこと。

今シーズンはこれをなくしていけばラ・リーガの覇権奪回も十分に手が届くはずだ。

 

とにかくこのクラシコの勝利は今シーズンを優位に進める大切な勝利。今シーズンもレアルマドリードは王者に最も近い存在だ。

 

Hala Madrid!!

 

 

それでは!

デ・ブライネのタスクは守備 プレミアリーグ第6節 Chelsea vs Manchestercity

こんにちは。

tadashiです。

 

本日は、昨シーズンから3連敗と負け続けているトゥヘルチェルシーに挑んだマンチェスターシティの試合のレビューをしたいと思います。

 

最初にマンチェスターシティが見せた攻守の形を解説し、次にこの試合枠内シュート0本に終わったチェルシーを少しだけ考えたあと、チェルシーがシステム変更した残りの30分間を追ってみます。

最後にこの試合素晴らしいプレーを見せたベルナルドシルバについて言及する流れです。

 

最後まで読んでもらえるとうれしいです。

 

 

 

 

スタメン

詳しくは下記フォーメーション図を参照してください。

 

ホーム チェルシー 3-5-2 フィジカルとスピードの共演

GK:メンディー

DF:アスピリクエタ、クリステンセン、リュディガー

MF:リースジェイムズ(⇒29’チアゴ・シウバ)、カンテ(⇒60’ハヴァーツ)、ジョルジーニョ(⇒76’ロフタスチーク)、コバチッチ、マルコスアロンソ

FW:ルカク、ヴェルナー

 

アウェイ マンチェスターシティ 4-3-3 情報戦大勝利

GK:エデルソン

DF:ウォーカー、ルベンディアス、ラポルト、カンセロ

MF:ベルナルドシルバ、ロドリ、デ・ブライネ(⇒81’マフレズ)

FW:ジェズス、フォーデン(⇒87’フェルナンジーニョ)、グリーリッシュ(⇒87’グリーリッシュ)

 

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偽物ばかりのシティ

”偽”偽SB

悪口ではありません。

試合開始はシティのキックオフ。

 

下げてもらったロドリが大外にパスをするとそこには右SBのウォーカーがいます。

ウォーカーがCBのルベンディアスに下げたところでいつもと違う違和感にシティファンであれば気づいたと思います。

逆サイドのカンセロは開いたままだったのです。

 

普通のSBなのですが、マンチェスターシティからすればこれは偽SBではないSBなので、”偽”偽SBですね。

この位置はこの試合の非常に重要なポイントなので頭に入れたまま読み進めてください。

後に図で解説しますが、チェルシーは守備時5バックで5レーンを封じ、中盤3枚+2トップで中央のビルドアップを阻害する準備万端でした。

 

 

”偽”偽SBだけではありません。

今日のシティは、フォーデンを前線に据えた0トップを採用していました。偽9番です。

フィジカル能力だけでなく、クレバーな選手がそろっているチェルシーのCB陣に対して中央で真っ向で受けるのではなく、空けてひたすら空けて、最後に入り込むという動きをチームとして統一していたと思います。

 

 

最後の偽〇〇は、偽IHのベルナルドシルバとしておきましょう。

詳しくは後に出てきますが、今日のベルナルドシルバをIHと呼ぶにはあまりにもすべてをこなしていました

なんと呼んで良いのかわかりません。なので、偽IHとします。

 

 

それでは、次に前半のマンチェスターシティのビルドアップ。そして、崩しの局面について解説します。

 

 

前半にゆったりと持てた理由

前半のポゼッション率は、ホームチェルシー34.3%アウェイマンチェスターシティが65.7%となり、比較的ゆったりとボールを保持し、枠内シュートはなかったもののシュートはチェルシーとシティで1本対6本。コーナーキックの数は1本対9本と、ポゼッションを高めながらシュートチャンスやセットプレーを多くつくっていたシティ。

コミュニティシールドから実践していた両偽SBというビルドアップのアプローチを変えてきたペップの考えを想像してみましょう。

 

まずは、基本的な配置を以下の図に示します。

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両チームそれぞれに特徴的なことがあるので上の図を見ながら確認します。

 

チェルシー

前線からプレスをかけずに中盤3枚と2トップで中央を圧縮し、五角形を形成

マンチェスターシティ:

偽SBは使用せず、4-1+αのビルドアップ

 

 

トゥヘルも含めて予想できなかったのが、この偽SBを採用しない”偽”偽SBでした。

両SBのウォーカーとカンセロはあまりロドリに近づかないような位置取りをしつつ、大外レーンの両WGへのパスコースを阻害しない位置をキープしていました。

それでいてロドリが2トップの後ろに立ち、チェルシーの2トップがパスコースを消さなければいけない位置を取ることでCBへのプレッシャーをほぼ0としたのです。

 

開始早々にこの違和感に気づきましたが、前半2分にはこの判断が正しかったことを証明するビルドアップから崩しまでの局面を見ることができました。

 

それが以下の図で示しているものです。

このシーンは、チェルシーのボールをカットした後にベルナルドシルバが右からルベン・ディアスに下げたところから始まります。

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さて、注目するのはチェルシーが形成する五角形です。

上の図の台形に近い五角形は統率が取れている形なので、シティは中央を使わずに五角形を崩し、崩れた瞬間に中央を使ってゴール前まで進出するという流れを狙っていました。

 

ルベン・ディアスがボールを持つとベルナルドシルバがSBの位置に下り、ウォーカーがジェズスと同一レーンまで大きく開きました。

 

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そのウォーカーにボールは渡った時が上の図になります。

ベルナルドシルバはSBの位置からまた前線に走ります。

このあと、コバチッチは持ち場を離れてウォーカーに、ヴェルナーは一応ベルナルドシルバへの対応として少しポジションを落とします。

ロドリは継続して五角形の中にポジションを取ります。

 

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パスコースが切られていたので、ウォーカーはルベン・ディアスに落とし、1枚目のような形に戻ります。

そこで次に、ディアスはベルナルドシルバへのパスを選択。ベルナルドシルバはコバチッチを引きつけて逆サイドのラポルトへ展開します。

このときの五角形はかなり崩れ始めていますが、カンテとジョルジーニョの位置はほとんど変わっていないので、中央は空きません

 

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そして上の図の展開になりますが、ひとつ前の図でラポルトは一度、カンセロに預け、カンセロはカンテを引きつけてラポルトに下げました。

これにより少しだけチェルシーが全体的にポジションを上げましたラポルトが左足でボールを持ったと同時にカンセロは斜めに外側に開き、右WBのリースジェイムズの位置でボールを呼び込み、パスを受けます。

それが上の図となります。

 

図を見てもらうとわかりますが、ここでついにカンテとジョルジーニョが動きました。カンセロの内側への数歩のドリブルでリースジェイムズをつり出し、アスピリクエタとクリステンセンの間にデ・ブライネを置くことで、ジョルジーニョが動かざるを得ない状況が演出されました。

 

このあとはカンセロがフォーデンへパスを通し、右サイドに展開した後に、ジェズスがクロスを放り込みました。

得点にはならなかったのですが、試合開始直後から狙いがはっきりと見えて興奮しました。

 

このようなゴール前で中央を使う形は、ペナルティーエリア手前で横方向のパスを含めてこの試合は多かったことから、五角形を崩して、DFラインを下げさせて、中央を使うという意識が共有されていたと感じました。

31分のデ・ブライネのシュートにいたったシーンや、58分のSB同士のパス交換から最後グリーリッシュがシュートを打ったシーンなどが思い出されます。

 

さて、次は守備を見てみます。

 

チェルシーにされたくないこと

それは”ビルドアップでWBを使われること”ジョルジーニョから楔が入ること”です。

 

1つ目の”ビルドアップでWBを使われること”というのはこの試合チェルシーが3-5-2で来てくれたことで問題にはなりませんでした

図は用意していませんが、3-4-3と3-5-2では残すDFの枚数が変わるので、2トップ相手には3枚残し、余ったSBはゴールキックサイドのWBをケアすることができました

 

 

さて、問題は2つ目です。

昨シーズンのチェルシーと大きく異なることは、イタリアでポストプレーを学んだルカクがいることです。

これまでのルカクはこの圧倒的なフィジカルがありながら、ポストプレーが苦手だったようで、そのままでいてくれれば良かったものの、どうやらかなりの成長を見せてチェルシーに戻ってきてしまいました。

片手をあげるだけでDFが止まるルカクポストプレーは快速ヴェルナーとの相性はおそくら抜群。どうしてもポストプレールカクから裏へ抜け出すヴェルナーという攻撃を受けることは避けたい。

となったときに考えたのが「楔を出させない」というアプローチでした。

 

下の図を見てください。

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20分ごろだったと思いますが、シティDFラインからチェルシーの背後に出たボールをチェルシーにカットされ、クリステンセンからジョルジーニョにパスが出た瞬間の図です。

ジョルジーニョは当然、プレッシャーが来ているのはわかっていますので、簡単にボールをはたき、次のプレーで前向きで受けることを考えていたでしょう。

 

それに対してシティが仕掛けたのがデ・ブライネのアジリティでつぶすというアプローチでした。

 

デ・ブライネはジョルジーニョにプレス。ジョルジーニョは近くにいるマルコスアロンソにパス。

デ・ブライネは足を止めずに追い続けます。それが次の図。

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デ・ブライネはマルコスアロンソにもプレスをかけ、マルコスアロンソに判断の余地を与えず、クリアをさせる前にボールに間に合い、中途半端なボールをロドリが保持することができました。

 

このようにビルドアップでWBを使われるという問題をクリアしていたシティはこの試合前線のハイプレス、ロスト後の素早い戻りを徹底し、パスコースを塞ぎ続けるプレーでチェルシーのビルドアップを阻害していたのです。

 

 

チェルシーが抱えた悩み

背後と前のバランス

続いてはチェルシーのことを想像しましょう。

昨シーズンのCL決勝、開幕からの5試合を見て、おそらくチェルシーは下の図のような形になると思っていたはずです。

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両偽SBによりシティの五角形と自分たちの五角形を数的同数にし、たまらず下りてくるデ・ブライネ、ベルナルド、フォーデンを利用した両WGへのパスを阻害し、カット後に速攻。

ルカクがいて、ヴェルナーがいる今日のチェルシーにはぴったりの戦術です。

 

しかし、実際は以下のような展開になり、チェルシーは自分たちのペースを掴めないまま90分をいたずらに使うこととなりました。

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SBは内側に絞らず、本来のSB(現代の多様化した戦術の中で、何が本来のものなのか改めて定義付けが必要ですが、ここではクラシカルなSBを本来のSBとします)のポジションを取っていました。

これはチェルシーにとっては大きな誤算です。

ビルドアップを阻害してシティの前線の選手をビルドアップにフォローさせる目的はおろか、SBの位置がCHからもWBからも遠く、「だれがプレッシャーにいくのか」という問題を発生させました。

 

ただ、この問題だけであれば片方のサイドのWBをシティのSBまで上げて一時的に4-4-2のオーガナイズを取ることが対策としてできました。(あくまで対策の一例)

 

チェルシー、というよりもトゥヘルにとって誤算が問題になった要因がフォーデンとジェズスのDFの背後への飛び出しです。

 

これは開幕5試合見せなかったことでもあったし、フォーデン0トップでフォーデンが裏へ抜け出すのはこれまで一度もなかったことです。

フォーデンの怪我が癒えるのを待ち、満を持してスタメンで出場させた場所が1トップのポジション。だれもが偽9番というタスクを与えるはずだと思っていたはずです。

 

左CBにはラポルト、左SBはカンセロ。

左足からも右足からも、マルコスアロンソが前に出た背後をつかれる高精度のロングボールが飛んできます。

 

前半10分のうちにチェルシーのDF陣には、「自分たちの背後を取りに来る」というイメージが強烈に植えつけられたことだろうと思います。

 

これによりチェルシーの左サイドは重心が低くなり、右サイドとのラインに少しだけばらつきが生じました。

シティは左サイドでボールをキープし、チェルシーのDF組織に段差を作り、中央もしくは右サイドから崩すという形を終始繰り返すことになります。

 

 

左サイドにいる選手たちが、ラポルト、カンセロ、グリーリッシュ、デ・ブライネ。

ボールが奪えないのに追わないといけないのつらいです。

 

 

唯一の突破口はヴェルナー

少なくとも前半はヴェルナーの裏への飛び出しぐらいしかチャンスの可能性がなかったと思いました。

パスは繋がらないなら当然ルカクに縦パスが通ることもほとんどない。

チェルシーの攻撃で印象に残っているのは、運良くシティの崩しの局面の手前で奪えたときに矢印がシテゴールに向くヴェルナーがスピードに乗った時だけでした。

 

15分のシーンは唯一ゴールに迫ったプレーでしたが、これはルカクについていたカンセロをほめることになりました。

チェルシーの2トップは調子が良かったと思います。

ルカクは背負えていたし、ヴェルナーはタイミングよく走れていました。

 


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チェルシーの前半の平均ポジション。

予想通りといった感じですか。

左サイドに集められ、手薄の右を攻められるというのが見えてきますし、2トップと中盤の距離感も遠いことがよくわかります。

 

 

孤立した2トップ

後半のチェルシーも状況はなかなか改善されず。

ルカクとヴェルナーという強力な2トップも孤立してしまえば1対1の勝負です。

 

すぐ上でも書いていますが、前半ヴェルナーのスピードは驚異でした。

ルカクに当てないでウォーカーが戻ってくる前にルベン・ディアス側から背後を狙う。

という形はシティも危険を感じていたと思います。

しかし、ルベン・ディアスに止められてしまった前半を得て、後半は完全に孤立。

スピード勝負もサイドに追いやられ、2人3人に囲まれることでボールロスト。

シティのボールになり、チェルシーのラインは上げられず、いつまでたっても8人と2人は分断されたまま時間が経過していくことなりました。

それでもチェルシーは耐えていてお互い無得点のまま試合を進めていくつもりだったかもしれません。

 

そこで決まったのがジェズスのゴール。

53分のゴールはこのままでは無理だとトゥヘルに思わせるに十分な失点でした。

 

トゥヘルは残り30分というところでシステムを修正します。

 

 

3-4-2-1に変えた30分間の攻防

前から行くことに決めた

60分 トゥヘルはカンテをハヴァーツに代え、3-4-2-1にシステムを変更しました。

頂点にルカクを置き、その背後の2シャドーにハヴァーツとヴェルナー、センターにはジョルジーニョコバチッチが並びます。

 

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もちろん守備も変更。

ロドリへのパスコースをルカクで消し、前からプレスをかけ、奪えたら速く前へ。

シティの後ろから同数で当てていき、前から前からのプレッシングに変更です。

 

得点を取らないといけないので当然の判断です。

ロフタスチークも投入し、パスを繋ぐよりも推進力を取りました。

 

チェルシーもチャンスを作りましたが、今のシティは攻撃よりもCBの守備能力の方が高いので、ペナルティエリア手前で振られてもギリギリのところで追いつきます。

70分のシュートブロックなんかはルベンディアスの個人能力に依存したディフェンスでした。

 

もうそれでいいんです。勝てれば。

 

 

カウンター合戦に乗ってしまうシティ

試合はマンチェスターシティが1点を守りきりトゥヘルチェルシーに4試合目にして初勝利。そしてペップは歴代シティマネージャーとしての勝利記録が1位となりました。

大変喜ばしいことですが、いつも疑問に思うのはカウンター合戦になったときに相手と同じ労力でカウンターを仕掛ける必要があるのかということです。

特にデ・ブライネが交代するまではとにかく速い。止まることを知らないほどの勢いです。

 

チェルシーがなんとかゴールをこじ開けようと前がかりになるのならもう少しカウンターに工夫をと思ってしまうのは多くを期待しすぎなのでしょうか。

そして相変わらず疲労と比例して異常に精度が落ちるデ・ブライネ。

精度が落ちるというか味方と合ってないけどもうパス出すからというパスが目立つのが数年前から気になるところです。

 

残り30分間のスタッツは両チーム均衡していました。

シュート数は4本で同数。

ポゼッションもチェルシーが51.6%とほぼイーブン。

どちらにも得点が生まれなかったのが不思議なほどでした。

チェルシーチアゴ・シウバ、シティはルベンディアスという二人のCBがチームを守る素晴らしいディフェンスを見せました。

 

ベルナルドとその他大勢

スタッツ

プレイタイム:90分

タッチ数:92回(両チーム内で2位)

パス成功率:89%

キーパス:1本

地上デュエル勝率(50%)

クリア数:4本(両チーム最多タイ)

インターセプト:1回

タックル:3回

 

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チーム全体での守備ではなく…

今日のマンチェスターシティはチェルシーの思惑をうまく利用し、それを外した配置によって90分間自分たちのペースで試合を進めました。

 

それだけではなく、前からジョルジーニョなどのビルドアップのキーマンにハードにプレスをかけることで、即時奪回を繰り返すことができていました。

 

ただ、守備が組織的だったか?と言われたらまだそうとは言い切れないです。

 

例えばネガティブトランジションの最高到達点はチェルシー陣内のペナルティエリア手前ぐらいまで

うまくその先に運ばれてしまったら結局、CB+ウォーカーが頼みの綱になってしまう。

そして今日の試合はDFの選手以上にベルナルドシルバが走って戻って、チェルシーの攻撃を跳ね返しそのまま攻撃に転じていました

チェルシーにカンテがいるなら、シティにはベルナルドシルバがいる。それぐらいの活躍でした。

 

試合終了の瞬間にピッチに顔を埋め、喜びを爆発させたベルナルドシルバをいとおしく思ったシティファンがいったい何人いたでしょう。

 

 

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

 

最後に

最後の最後にこの試合で個人的に興味深かったことを書いて終わりにします。

 

 

ペップはマンチェスターシティの攻撃のキーマンをフォーデンに移そうとしている

 

 

 

デ・ブライネではないの?と思うかもしれませんが、今日のデ・ブライネは守備の特攻隊長としての役割が一番でした。

ボールロストの瞬間の爆発力はチェルシーの驚異になり続けました。

また、フォーデンのスペースを空けるためなのか、CB-SBを狙い動いていました。(ジョルジーニョを動かすため)

 

ジェズスが巧みなボールタッチで背中を向けた状態からシュートを放ちゴールになりましたが、その他のほとんどで「フォーデン、君はどうする?」という問題提起をこの試合に感じました

 

おそらく今回のチェルシー戦のようなビッグゲームでペップは同じようにフォーデン最前線のシステムを採用してくると考えています。

それは、フォーデンへの期待とマンチェスターシティの未来のための一手じゃないかと勝手に想像していて、もしそうだったら鳥肌ものです。

 

フォーデンがゴールゲッターになるのか、チャンスメイカーになるのか、今シーズンを見届けようと思います。

 

とにかくチェルシーに勝利したのはうれしい!

気持ちよくチャンピオンズリーグに気持ちを持っていけそうです。

 

 

それでは!

ピボーテに求めたもの ラ・リーガ第6節 RealMadrid vs RCD Mallorca

こんにちは。

tadashiです。

 

本日はラ・リーガ第6節のレアルマドリードvsマジョルカの試合のレビューとなります。

最後まで読んでもらえるとうれしいです。

そして、励みになります。

 

まず最初にレアルマドリードが見せた新しいビルドアップのスタイルを分析し、その後マジョルカのこの試合に対する位置付けを少しだけ考えます。

最後はアセンシオとカマヴィンガにスポットを当てるというレビューになります。

 

 

 

 

スタメン

両チームのスタメンです。

詳しくは下記フォーメーション図をご覧ください。

 

ホーム レアルマドリード 4-3-3 ナチョはどこでもやらされる

GK:クルトワ

DF:ナチョ(80’サントス)、ミリトン、アラバ、ミゲル

MF:アセンシオ(72’イスコ)、カマヴィンガ(60’ブランコ)、バルベルデ

FW:ロドリゴ(72’バスケス)、ベンゼマ(80’ヨビッチ)、ヴィニシウス

機動力たっぷりの前線と渋いDFライン

 

アウェイ マジョルカ 4-2-3-1 久保、イ・ガンイン同時起用

GK:レイナ

DF:サストーレ、ヴァリエント、ガヤ(59’ジャウメ・コスタ)、オリヴァン

MF:バタグリア、フェバス(59’サンチェス)、久保建英(46’ババ)、イ・ガンイン、ラゴ(76’ンボウラ)

FW:ホッペ(59’アブドン)

スタメン7人入れ替え。マドリー相手にターンオーバー

 

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マドリーのビルドアップと前進

基本事項

試合はマジョルカDFのミスにより、開始たった3分でマドリーが先制しました。

CBのガヤはBチームの選手でラ・リーガ初スタメン。少しだけかわいそうな気がしました。しかし、自信を失わずに最後までプレーできましたね。

 

ということで、試合はさっそくマドリーペースで進むことになりましたが、まずはマドリーのボールキープに対する基本事項を解説します。

 

この試合のポイントは「下りてこないインテリオール」と「アラバによる前進」です。

 

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モドリッチやクロースのいるマドリーは、ビルドアップ時に彼らがCBの脇におりてきてサポート。SBがハーフスペースに入ったり、ベンゼマがおりてきてボールを引き出して前進を行います。

しかし、今日のマドリーのインテリオールのバルベルデとアセンシオはおよそ高い位置をキープしたままでした。

 

図を参照してもらうと基本的にはインテリオールが前に出て中央はこの試合ピボーテをつとめるカマヴィンガのみという形となっています。

このカマヴィンガにはマジョルカのイ・ガンインがマークをし、ボールを持つCBには1トップのホッペがプレスをかけるというマジョルカの守備も同時に見てとれると思います。

 

この状況でどうやってビルドアップを行うのか。

それがこの配置。上の図を良く見てから次に進んでください。

カマヴィンガの横の動きと下りてこないインテリオールにより、スムーズなビルドアップを可能としたのです。

 

 

ビルドアップ例

前項で基本事項を説明しましたので、具体例を見てみましょう。

 

これは7分のシーン。

左サイドでボールを持つアラバがミゲルにパスを出したあとの流れです。

 

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まず、ミゲルは真横にボールを運び右に開くミリトンにパスを出します。

ミリトンはボールを受け、ルックアップ。

そこにやってくるのがマジョルカの1トップ ホッペとイ・ガンインを引き連れたカマヴィンガです。

 

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ミリトンは右SBのナチョにボールを預け、バックステップでナチョと距離を取ります。リターンをもらうつもりです。

ナチョはマジョルカの左SHのラゴと対峙し、内側に少しボールを運んで、ミリトンに戻しました。

おそらくナチョの視界にもイ・ガンインを背後に背負ったカマヴィンガが見えていたはずです。

 

そしてここが大きなポイントなります。

 

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カマヴィンガがイ・ガンインを引き付けることで、元々カマヴィンガがいたスペースが空き、アラバの前には広大なスペースが広がっています

 

ミリトンは自然な流れで、アラバに横パス。それに合わせてミゲルは大きく開く動きを見せています。

 

これもまた重要な要素。

ここではだれもアラバに寄ろうとしません

ここは周りの選手が自分のマーカーを引き連れて離れることがなによりも重要で、アラバが持ち出すスペースを作り出すことが必要です。

 

下りてこないインテリオールも、元々大外に開いているヴィニシウスと同じレーンまで開くミゲルもすべてはアラバにプレッシャーのないフリーな状態でボールを前進させるためのものなのです。

 

このシーンではアラバはそのまま持ち上がり、ハーフラインを超え、ヴィニシウスにパスを出しています。

 

こうすることで、インテリオールが下りてこなくとも安定したビルドアップが可能となり、機動力のある選手を前線に置いておくことができるのです。

 

ちなみにアセンシオの2点目は、ミリトンからの縦パスでした。

これはマドリーが上述のやり方で左右に揺さぶった結果アラバを意識しすぎてスライドが間に合わなかったことによるものだと推察。真ん中のベンゼマミリトンとの間にはパスコースがしっかりと生まれていました。

 

 

DFの裏への意識

今日のマドリーはチーム全体に躍動感がありました。前線からの圧力もあり、終始ターンオーバーをしいたマジョルカを圧倒していました。

 

さて、後ろを4-1の形で、アラバによる前進を成功させていたマドリー。

なぜマジョルカがそのスペースを埋めに来ないのかと不思議に思ったかもしれません。

なぜ、マジョルカがその対応ができなかったのかは、ビルドアップ時のマドリーの前線の選手たちの動きに関係がありました。

 

上述したビルドアップのシーンでも実はミリトンが持ったときにロドリゴが一度背後に走っています。(ミリトンが出さないとわかったためすぐに方向転換していましたが)

 

また、別のシーンではベンゼマ、ヴィニシウスがCBのルックアップに合わせてDFの背後をとる動きを継続して見せていました。

 

そうなるとマジョルカもあまり前から行けません。

前線の選手はアラバのスペースを埋め、後ろの選手は背後をケアしてしまったら、組織が分断されもっとも使われてはいけないライン間を簡単に取られていたでしょう。

きっとマジョルカが前後で分断したらバルベルデベンゼマが下りてきていたと勝手に推測します。

 

このようにマジョルカ相手に三重の罠を張り、見事に試合をコントロールしたマドリー。

78分のベンゼマのゴールや84分にイスコにアシストしたヴィニシウスと裏へ飛び出したところにアラバからのパスが通りました。

 

カゼミーロ、モドリッチ、クロースの三連覇トリオとは趣向の違うビルドアップが見られて楽しかったのが正直な感想です。

 

 

マジョルカの立ち振舞い

ターンオーバーに見るルイス・ガルシアの意図

開幕5試合を終え、2勝2分1敗と出来すぎなぐらいのスタートを見せたマジョルカ

順位表も上の方なのでどうしても気持ちが浮わついてしまう。

 

もしかしたらレアルマドリードに良い勝負ができるのではないか

 

ただ、そんな浮わついた気持ちを持っていたのはどうやら視聴者だけだったようです。

 

ルイス・ガルシア監督は前節からスタメンを7人も変え、大胆なターンオーバーで試合に臨みました。SNSではほぼ二軍などと書かれているものも読みましたが、実際にそうだったのでしょう。

中盤のババとサルバ・セビージャ、1トップのフェル・ニーニョ、CBのをスタメンから外しました。

中にはラ・リーガ初スタメンの選手もいて、緊張、連携、あるゆる面で課題が出そうな布陣は案の定マドリーに打ちのめされました。

開幕から大量得点の試合がなかったラ・リーガで6-1というのはまさかといったところ。ファンもなんとも言えない複雑な気持ちだったと思います。

 

しかし、マジョルカの目標はどこなのでしょう。

マジョルカは昨シーズン2部を戦い、今シーズンは1部リベンジのシーズン。

目標はおそらく残留ではないでしょうか。

 

残留に大事なのはどこで勝ち点を計算するか

マドリーに対して総力戦を挑んでも勝てる可能性はそこまで上がらないのであれば思いきってターンオーバーして、週末の試合に照準を合わせるのが良い。

ルイス・ガルシアは思った以上に冷静で素晴らしいマインドを持った監督かもしれないと思いました。

 

縦パスが入ることが条件

このスコアがその戦力差を物語っていてアンチェロッティの術中にはまったマジョルカは大敗という形で試合を終えました。

しかし、防戦一方だったわけではありません。

イ・ガンインの一発、ラゴの抜け出しなどチャンスは作っていたし、ゴールを取っています。

 

そのチャンスのトリガーは表題の”サイドから出る縦パス”でした。

 

17分の攻撃は最もたる例。

 

1トップのホッペがクルトワにプレスをかけて、蹴らせたボールを右SBサストーレがカット。ボールを受けたイ・ガンインがサストーレに下げたところから攻撃は始まります。

DFラインが上げきらない内にマジョルカの攻撃となったことで、マドリーもバタバタしていた様子がわかりました。

 

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サストーレはトラップで、ヴィニシウスをかわすと、アラバを背負った久保とのワンツーでカマヴィンガを抜き去り、ミリトンを背負ったホッペとのワンツーでペナルティーエリア手前でフリーとなりました。

 

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左SHのラゴが斜めに飛び出し、スルーパスが通りましたが、ハードについていたナチョによりシュートブロックとなったのです。

 

このシーンは、数少ないマジョルカの決定機でしたが、このようにマドリーが空けているカマヴィンガの脇から縦パスが入るとチャンスを生み出せていました。数は少なかったですが。

 

25分のイ・ガンインのゴールも縦パスがトリガーになっていることがわかります。

このシーンはアセンシオのゴール後のキックオフでマドリーが一度もボールを触らずに得点となりましたが、これも久保が右ハーフスペースからホッペに縦パスを入れ、イ・ガンインが素晴らしいタイミングでフォローに入ったことで生まれたゴールでした。

もちろんその後のイ・ガンインのドリブルからのシュートは韓国の未来の可能性を感じたほどの突破力でした。

 

ただ、こういったシーンはごくわずかでした。それをものにできるかというのはマジョルカが今後、残留に向けて勝ち点を積み重ねられるかの重要なポイントでもあると感じます。

マドリー相手にできたことは少なからず自信としても良いと個人的には思います。

 

 

形は見えた試合

最後にマジョルカがマドリーに実践していた形を話したいと思います。

 

1トップにホッペ、2列目に右から久保、イ・ガンイン、ラゴと並んでいた前線は、主に2つの突破口を用意していたようでした。

 

1.右でボールを集め、ラゴの斜めのランニング(前半)

2.ラゴのサイドアタック、イ・ガンインの周囲を使った強引な前進(後半)

 

 

ババとサルバ・セビージャがスタートから出ていたマジョルカを見たかったなと思いました。

 

ラゴは前半と後半で役割がだいぶ変わっていたように映りました。

あれだけ中央に入り込んでいた前半とライン際でSBとともにナチョを突破しにいった後半。2年前に見たラゴはまだまだ粗削りなドリブラーだったんですがね。

 

久保を失ってからのマジョルカはおさめるところを失ったままでした。

イ・ガンインがいろんな場面に顔を出して、それはそれで劣勢のときの孤軍奮闘にも映るプレーでもありました。

イ・ガンインのスタッツは1ゴール、キーパス5本、地上デュエル勝率50%を記録。ピッチを大きく動き大量失点で意気消沈する中でも気を吐いていたと思います。

 

久保は膝の負傷で前半で交代となってしまいましたが、シュートは2本、ドリブル突破が2回、パス成功率は8割超えとまずまずの数字。

そろそろ得点という結果がほしいところです。

 

マジョルカ全体で言えば、得点は1点で6失点もしていたが、シュート数はほぼ互角の17本。セットプレーからのシュートが多く、マドリー相手にも通用する部分はあったと思います。

特に久保とイ・ガンインのラインからラゴで仕留めるという形は、他チームにも通用する攻撃。

ダニロドリゲスとフェルニーニョがいるので、イ・ガンインと久保の同時起用はそこまで多くはないと思いますが、今後のオプションとしては十分すぎる成果だったのではないでしょうか。

 

 

ハットトリック アセンシオ

古巣マジョルカ相手にハットトリックを達成し、ノーセレブレーションで古巣への敬意を示したアセンシオの3ゴールをプレイバック

 

1点目 24分 こぼれ球をプッシュ

これはこの記事の最初に書いてあるアラバ前進によるビルドアップから決まったゴールでした。

ここではナチョが右サイドで受け、ミリトンとカマヴィンガがマークを引き連れ、アラバがフリーとなっていました。

大外のヴィニシウスに展開したことで始まった攻撃でした。

 

2点目 29分 ベンゼマとの連携

このシーンもアラバを使おうというマドリーの思惑に乗せられたマジョルカの守備でのスライドが間に合わずにCBミリトンからベンゼマへのパスコースが空いたことで生まれた攻撃でした。

今日のマドリーのインテリオールは高い位置をキープしていますので、ミリトンからベンゼマに縦パスが入った時に、スムーズにフォローに行くことができ、そこで落としを受けたアセンシオが持ち込みゴールを決めました。

左右の揺さぶりにマジョルカは素直に対応していたことで一番空けたくない中央を空けてしまったシーンです。

 

3点目 55分 アセンシオの代名詞ミドルシュート 

最後は蹴った方も見ていた方も気持ちが良いミドルシュートでした。

このシーンはミリトンがマジョルカのボールをうばったあとのショートカウンターのような形でした、ここでも抜け出したのはベンゼマ

少し後ろで待っていたアセンシオはベンゼマからボールを受けると左に持ち出し冷静にコースを狙う見事なシュートを決めました。キーパーも反応が間に合っていないためかなりのスピードがあったのだと思います。

 

アセンシオのハットトリックも素晴らしいですが、ベンゼマはこの試合2ゴール2アシスト。200ゴールを達成し、今シーズンは早くも8ゴール7アシスト。

相当調子が良いです。

 

カマヴィンガのピボーテについて

スタッツ

プレータイム:60分

パス成功率:91.9%

キーパス:0本

ロングパス:2本中2本成功

インターセプト:3回(両チーム1位)

ファウル:4回

ボールロスト:5回

 

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常にイ・ガンインにマークにつかれていたので、質の高いボールを前線の選手に配球するというよりは、動いてマジョルカを動かして、パスコースを作り出すプレーの方が目立っていました。

 

ファウルとボールロストの回数は両チームあわせて最多

これはあまりよろしくない数字かもしれません。

特にピボーテという中盤底のプレーヤーが簡単にボールを失ってしまうとチームは不安に思うでしょう。

 

この試合の役割

これまでのマドリーのピボーテにはカゼミーロという守備のときに強烈な力でチームを救う選手が配置され、ビルドアップに関してはモドリッチやクロースなどのインテリオールに任せていました。

しかし、アンチェロッティは18歳のカマヴィンガをアンカーで起用し、ビルドアップのキーマンに据えました。

 

これは今回のレビューでも何度も言っている「マーカーを引き連れる横の動き」です。

カマヴィンガが受けても、別の選手が展開しても、最終的にアラバに到達させるための美しいパスコースをカマヴィンガは作り出すことに成功していました。

テクニックも申し分なく、機動力もある。

これまでのマドリーにはなかった新しい風であることは間違いないです。

 

一方で、アンチェロッティはカマヴィンガにこの試合での守備のタスクは明確にしていなかったように感じます。

そう感じた理由は守備のときにも左右に動きすぎていたからです。

また、被カウンターの場面でのポジショニングはやはりカゼミーロには遠く及ばないと言わざるを得ません。アンチェロッティもそこまでを求めてはいなかっただろうし、強豪との試合ではおそらくまだカゼミーロに頼ると思います。

 

こんな議論を呼び起こすほどの18歳というのは恐ろしい。と、同時にマドリーの未来が明るい。

最終的にインテリオールなのかピボーテなのか適性がどこかアンチェロッティも試しているところだと思うので、楽しみに待ちたいと思います。

 

唯一中盤の底で不用意にロストするところはカゼミーロとカマヴィンガは似ていると感じました。(ブランコに期待です…)

 

カルロのプレイヤー復活大作戦

開幕から6試合が終了。

アンチェロッティは、少しずつ既存選手の復活大作戦を遂行しています。

 

まず、アザール

チェルシー時代のキレはさすがにまだ届かないものの、CB-SB間を駆け抜けるアザールの姿には復調を期待してしまいます。

ドリブルのときの腰の入れ具合も体の状態の良さを感じます。

 

続いて、イスコ。

主に試合終盤でピッチに入ることが多いが、勝っているときにボールを持てる選手がいると体力温存にもなるし、時間を稼げる。

素直に上手い選手なので、相手も飛び込めないという利点もある。起用時間で復活を促すとはさすが。

 

そして、今日の試合でアセンシオ復活。

インテリオールで起用することで、これまでサイドで孤立していたアセンシオが活き活きと輝く姿が見られるとは。

個人で打開するよりも連携を取っていく方がアセンシオは向いていたのか。

中央でプレーすることでよりダイレクトにゴールに向かっているようにも見えて、とても頼もしく見えた。

 

最後にヨビッチ。

私にはわからなかったが、アンチェロッティから言わせると、ベンゼマの代わりはヨビッチで間違いないようです。

今日は後半から出場したものの無得点。チームメイトたちは明らかにヨビッチにゴールを取らせようとしていたのが伝わってきた。本人もつらかっただろう。

それでもそのシュートチャンスをシュートで終えているのは良いことなのではないか。

シュートを打たなければ点は入らないのだから。

 

 

ということで、以上です。

ビルドアップへの直接的な関与をインテリオールからCBに移したアプローチを見せたカルロマドリー。フリーで獲得したアラバは相当な価値をマドリーで証明していくことになると感じさせます。

アンチェロッティが就任してからというもの毎試合わくわくしている自分がいます。

この試合はどんなことをしてくるのか、次は何を試してくるのか。

 

サッカーの醍醐味であるスペクタクルを忘れないアンチェロッティのアプローチはとても楽しいです。

楽しく勝つ。まるで小学校のサッカースクールのような言葉ですが、今のラ・リーガに必要な明るい話題をマドリーがどんどん提供していってほしいなと思っています。

 

それでは!

プレミアリーグ 第5節 vs サウサンプトン

こんにちは。

tadashiです。

 

 

今回は、試合を見ながら書き連ねた内容で取って出しの最速レビューに挑戦します。

 

 

 

 

スタメン

ホーム マンチェスターシティ

GK:エデルソン

DF:ウォーカー、ルベン・ディアス、アケ、カンセロ

MF:フェルナンジーニョギュンドアン、ベルナルド

FW:ジェズス、スターリング、グリーリッシュ

 

ラポルトストーンズに加えて、ジンチェンコとロドリが怪我。

一昨シーズンを思い出す。

 

アウェイ サウサンプトン

GK:マッカーシー

DF:リブラメント、スティーブン、ベドナレク、ウォーカー・ピータース

MF:レドモンド、ロメウ、ウォードプラウズ、エルユネシ

FW:アダムス、アームストロング

 

対戦成績

20-21シーズンはマンチェスターシティの2勝。

1-0、5-2の勝利。

個人的なマンチェスターシティのターニングポイントとなった試合がセインツとの1戦目だったので非常によく覚えています。

 

過去10年間でセインツは一度しかシティに勝てていません。

今シーズンも順当に勝ち点を重ねてほしいです。

 

注目選手

マンチェスターシティ:アケ(今お前しかいないけど、複雑な心情だと思う)、グリーリッシュ(加入から試合に出続けているセクシーアイコン)

 

セインツ:アームストロング(2部で28ゴール)、ウォードプラウズ(セインツを支え続ける名キッカー)

 

 

アンカー無効化だけじゃない組織的なセインツの守備

アンカーを消す

スターリングが1トップの4-3-3のシティとアダムス、アームストロング2トップのセインツ。

2分にはさっそくウォーカー対決の1回戦が開戦。今日は何試合行われるか。

 

セインツは2-2のビルドアップに対して、シティは前3枚+IH2枚。現時点では大外のSBにパスは出ていないが、だれが対応するのかは見もの。

 

4分のシティ両SBの位置に注目。カンセロもウォーカーも内に絞って、ロドリの横。

当然状況に応じてライン際に入る。

ベルナルドへのスルーパスはサイドで持ったカンセロから。

 

この時間6分では、ベルナルドが一列前に出て4-4-2のシティの守備。この使い分けは相手によるものなのかわからない。

 

セインツは2トップがフェルナンジーニョのパスコースを消す立ち位置。GKエデルソンにも不用意にプレスはかけない。8分のシーンでは、ルベンディアスから中途半端なパスが出て、セインツがインターセプトできたのでセインツはこの形を続けたい。

きちんとIHにはセインツのCHがマークをついている。

 

セインツが思いのほかボールを保持している。中2日のシティは、アグレッシブにプレスにはいけないということもあり、ある程度は受けてしまうという考えか。だとするとジェズスとグリーリッシュのサイドの戻り、セインツのCHが縦に抜けたときのIHの戻維りがかなり重要になる。

セインツが先手を取れるとしたら、そのインテンシティで上回れるか。

 

一方のシティは攻撃でも守備でもあまり目立った良いところはない。

アンカーを無効化し、偽SBを動かし、孤立したWGを狙うという守備組織が前半15分は機能しているセインツ。シティはこのままだと何か打開できる策がないと厳しい。

 

15分のシティのプレス回避。今日は偽SBじゃない方がセインツは広がるし、フェルナンジーニョが空いてくるタイミングが出てくるだろうなと感じさせる。

 

セインツのビルドアップに対して前からプレスをかけ、パスコースを限定して蹴らせて回収。フェルナンジーニョを経由して、斜めにスターリングへパス。ベルナルドが中央を抜けでたがわずかに通らず。この18分のプレーは今日のシティの狙いたい形。

 

IHがひとり前に出たときに、フェルナンジーニョの脇を使われてしまい、前向きでセインツに仕掛けられてしまう。縦の距離が遠く、フェルナンジーニョの脇はカバーできないDFライン。2トップなので、CBは前に出にくい。

 

23分にはグリーリッシュが抜け出して左からクロス。大外にまつスターリングにはぎりぎり届かず。ベドナレクのクリア。

このシーンでは、ベルナルドが斜めに下りてきてグリーリッシュとレーンを交換していた。ベルナルドはつり出されたSBを見て、グリーリッシュを見ずにSBの背後へスルーパス。この時間までなかったレーン移動でセインツをうまく動かすことができた。

 

26分スターリングの左サイドからのシュート。200試合目の出場のスターリングはあと3得点でプレミアリーグ100ゴール。

グリーリッシュが巧みにボールを動かし、2対3を崩した。

 

ハイプレスの背後を取る

しばらくセインツのペースだったが、はめにくるセインツを利用して背後を使いだしてからは、シティのペースになってきた。触れればゴールという攻撃が続いている。

ビルドアップでは、変わらずセインツがアンカーを消してくるが、背後を取られてから後ろの選手の連動が弱くなってきた。背後を取られることは失点に直結するのでチームとして認識がずれはじめているということだろう。枚数がかけられなければ、枚数的にはビルドアップ側の方が優位で、フェルナンジーニョに入るとポゼッションが高められる。

 

39分のセインツのカウンターで、中央をケアしたのが右SBのウォーカー。ルベンディアスがサイドにいて、最終的に守れたけど、カンセロとウォーカーがCBの位置になっていた。偽SBがカウンター対策だとしてもDFラインのバランスが崩れることになるのはどこまで許容されているのか。

 

 

前半の途中からロメウを下げて5バックにして、シティの攻撃後にカウンター気味に中央1トップにあてるという戦術に切り替えているセインツ。

右サイドはリブラメント、左サイドはエルユヌシが連動して縦に速く飛び出してくるので、マンチェスターシティは守備の対応が間に合っていない。今のところはアケとルベンディアスの個で守り切れている印象。

 

 

ロメウの使い分けと再現性のないシティ

変わらないセインツにはまるシティ

最後5バックで終えたセインツは、後半開始は4バックに戻っている。

シティは、開始はスターリングが右、ジェズスが中央。

 

後半5分間はボールを握るのはセインツ。

 

シティの少しだけ見える変化は前半よりも、ギュンドアンが下りてもらいに来ていること。SBはフェルナンジーニョとCBとの距離感を少し考え始めた。ギュンドアンのフォローと偽SBでのフォローを使い分けるようにしているのか、それとも一時の動きか。

 

56分にチャンスをつくるスターリング。ウォーカーから縦にロングボールを放り込み、スターリングを走らせるプレー。前向きの守備に対して効果的で、スターリングはウォーカー・ピータースと1対1を作ることができる。

 

今日のシティは再現性が低い。セインツの組織的なサッカーに自分たちのペースがうまくつくれていない印象。

サイドを広く使いたいが、使われている。ビルドアップで相手を動かしたいが、セインツに引っかかる。

 

60分 セインツにPKの判定⇒VARでPK取消

後半何度かあったビルドアップのとこでセインツに引っ掛かるということが、右サイドでも発生し、ウォーカーが奪われ、アームストロングがペナルティーエリア手前でドリブル。シュートフェイクでルベンディアスをかわし、ペナルティーエリアに侵入したところを奪われた張本人であるウォーカーが後ろからアームストロングを倒してしまった。

PKは取り消しになったが、これまでのシティではありえないミスが続いている。

 

アンカーギュンドアンの意味

64分 フェルナンジーニョ⇒デ・ブライネ

ギュンドアンがアンカーに入り、攻撃的な采配にシフト。

ギュンドアンアンカーというのはCL決勝チェルシー戦を思い出してしまい良いイメージはない。ギュンドアンの攻撃的な部分を殺してしまうことになりそうではある。

アンカーではなく、3センターというイメージならいいと思うが。

 

67分 ジェズス⇒マフレズ

シティ二人目の交代。

 

やはりサイドにいる選手が孤立するようなセインツのプレッシングにうまくはまっているシティ。ウォーカーがなかなかビルドアップで良いプレーが出ないのは、単純に孤立しているから。

69分にも同じように左サイドでもボールロスト。この時間でもそこまでプレスのクオリティが下がらないのは素直にすごい。ビルドアップをするCBやSBにかなり高い思考の負荷をかけることに成功している。

 

71分 ベルナルド⇒フォーデン

プレミアリーグは初出場のフォーデン。怪我だけはしないでほしいが、できれば得点を取ってほしいと思っている。左のIHに入り、グリーリッシュとプレーをする。

 

75分にようやくデブライネに良いプレーがあった。

ボールを受けて即座にスターリングにスルーパス

なかなかデブライネが良い位置でボールを触れていないのも攻撃があんまり活性化しない原因。

 

セインツはクリアした後に前に出られなくなってきた。2トップが孤立してきたので、ボールは回収できるようになったシティ。

ボールを持った時に次の展開を予測する時間がなかったことで、奪われていたが、強度が落ちる終盤でシティは取り返せるか。

と、言っていたがセインツはなかなか強度が落ちず、攻撃後の切り替えが非常に速い。80分もそうした中で最終的にシュートを打たれてしまう。

 

試合終盤

スターリングは中央でプレーし、かなり起点になっている。得点はないが、得点の可能性はスターリングが多い。

お互いが疲労の中で最後は体を投げ出してシュートブロック、クロスブロックを見せる。惜しい!というシーンが多いが、セインツのシーンはほとんどがロメウからの展開。

シティはスターリングに縦パスが入るか、グリーリッシュの突破が唯一の糸口になっている。結局だれが点を取るのかわからないマンチェスターシティはこういったときに狙うべき選手がいない。

 

残り5分になって、ロメウがまた最終ラインに入り5バックの5-4-1となっている。

 

ロスタイムに入り、セインツは時間稼ぎ。シティに対してアウェイで勝ち点を稼げると考えキープ。

ロスタイム7分を過ぎたところで試合終了。

 

 

所感

試合を見終えた感想は、引き分けで良かった。というところ。

 

アンカーと偽SBを消し、ビルドアップを阻害し、大外に張るWGにCBから直接パスを通させ、孤立したWGを複数で仕留めるという形が何度も成功しており、再現性を高めた組織的な守備をハーゼンヒュットルはチームに仕込んでいた。

その中でもアンカーのフェルナンジーニョがボールを受けると、シュートやクロスまで到達できるシーンが出てくるので、シティとしてはフェルナンジーニョをどの過程で絡めるかを考えた試合だったと思う。

 

セインツは前後半の終盤にはロメウをDFラインに下げ5バックを形成し、シティのサイドからの逆サイドに向けたクロス対応もコンプリートさせていた。

シティはグリーリッシュの突破、ショートカウンタースターリングに縦パスが入るぐらいしか、チャンスらしいチャンスは作れていなかったように思える。

 

前半に見せたベルナルドとグリーリッシュのレーン交換はセインツには大きく効いていて、そこから何度か左サイドでSBの背後を取ることに成功していたが、今日のセインツの集中力は並みではなかった。

 

後半のビルドアップでのミス。おそらく3,4回連続で続き、ペナルティーエリアまで侵入されあわやPKとなる手前までセインツに攻め込まれた。

その前段で見せた2-3ビルドアップにギュンドアンがフォローにいった形でセインツの守備組織を動かすことができていたのに、それをやめてしまったのが残念だった。

点を取りに行きたいシティは、ギュンドアンの得点力を最大化する位置に置きたかったのかとも思ったがそれなら、フェルナンジーニョ交代後、ギュンドアンにアンカーをさせたのは理解不能だった。

 

ティファンは納得のいかない試合だったと思うが、グリーリッシュの好調ぶりはプラス要素。

 

良かった選手

〇リブラメント(セインツ)

18歳の右SB。足がつるまで走ってグリーリッシュとやりあっていた。

ビルドアップでは、シティのプレッシャーをものともせず、トラップ、ドリブル、パスが非常に落ち着いていた。若くしてこのプレーができるのは、今後も見続けたい選手。

 

ロメウ(セインツ)

攻撃のすべてに彼が関わっていた。周囲が見えていて、後ろに目がついているのかと思うほど。シティのプレスをあざ笑うかのように、ロメウが時間をかけてシティを集め、次のプレーでは手薄なところにダイレクトで展開。的を自分にしぼらせて、フリーを作る大柄なレジスタ

DFラインに入っても仕事ができるので、試合中に瞬時に4バックと5バックを使い分けられる。監督としては一人ほしい人材。

 

〇グリーリッシュ(シティ)

開幕からスタメンを継続している150億円の男。今のところ得点アシスト量産ではないが、確実にコンスタントに良いプレーができているのは、グリーリッシュとルベンディアスぐらい。

左サイドでボールをキープし、独特のリズムでドリブルする姿はエレガント。相手をいなして縦にも中にも入る込めるその技術はシティの中でもダントツ。思ったよりもチームに溶け込んでいて、ベルナルドとの相性は良さそう。今後に大いに期待できる。

 

 

それでは!

先生、ライプツィヒの問の答えを教えてください CLグループリーグ第1節 vs ライプツィヒ

こんにちは。

tadashiです。

 

本日は、いよいよ開幕したチャンピオンズリーグライプツィヒ戦をプレイバックしましょう。

 

昨シーズンペップシティ初の決勝で同国チームにビッグイヤーを掲げられ、悲願はかなえられず。

取っていないタイトルはヨーロッパのタイトルだけ。

 

では、さっそく始めていきましょう。

 

 

 

 

スターティングイレブン

配置は後のフォーメーション図を参照してください。

 

マンチェスターシティ 4-3-3

GK:エデルソン

DF:カンセロ、ルベン・ディアス、アケ、ジンチェンコ

MF:ロドリ(⇒フェルナンジーニョ)、ベルナルド・シルバ(⇒ギュンドアン)、デ・ブライネ(⇒フォーデン)

FW:マフレズ、フェラン・トーレス(⇒スターリング)、グリーリッシュ(⇒ジェズス)

 

ライプツィヒ 4-2-3-1

GK:グラーチ

DF:ムキエレ、クロスターマン、オルバン、アンヘリーニョ

MF:アダムス、ライマー(⇒ハイダラ)、エンクンク(⇒Gvardiol)、ダニ・オルモ(⇒ブロービー)、フォルスベリ(⇒ショボスライ)

FW:アンドレ・シルバ(⇒ポウルセン)

 

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5分間の問いと回答

他国のチームと本気でやりあうのはこのようなヨーロッパの大会となるわけですが、マンチェスターシティは、ライプツィヒとは初対戦。調べてみると監督同士の対戦経験もない

文字通り初顔合わせです。

チームの手の内や監督の采配も選手の能力も、試合の映像やデータから分析することになり、その強さを肌で感じるのは対戦して初めて感じることになります。

 

ラングニック派の一人だと言われるライプツィヒのMarsch監督は昨シーズンまでオーストリアリーグのザルツブルグを率いていました。前任のナーゲルスマンがバイエルンの監督にステップアップしたことで、今シーズンからライプツィヒを率いています。

 

ラングニック派と聞くとどうしてもインテンシティの高さと縦に速い攻撃、即時奪回が印象に残ってしまいますが、Marsch監督のライプツィヒはどうやらそこまで振りきれてはなさそうでした。

 

4-2-3-1を基本にし、両SBを高く張り出させ前線の4人は、ハーフスペースに二人、残りの二人が縦関係で中央に、とどこでもボールを受けられるような立ち位置を意識していました。

 

スタッツを眺めるとほぼ互角でした。

どちらが勝ったかスタッツからは読めない試合でしたが、ライプツィヒが縦に速いというわけではないと感じたのは、カウンターの回数が0だったところからです。(マンチェスターシティの守備の配置は良くはなかった)

マンチェスターシティは2本のカウンターで、2本ともシュートで終えています。

 

 

さて、長い前置きはこれくらいにして、試合を見ていきましょう。

普段ブンデスリーガを見ない人からすると、上で書いているように「ライプツィヒ=ラングニック派=縦に速い」というかなり強いイメージがこびりついています。

しかし、このイメージ通りだったのは試合開始の最初だけ。

 

そしてこの5分間はお互いが相手に対して「どうしますか?どう来ますか?」という問題提起したことで、見せ物としてのスピーディーでストロングな展開にはなかなかならない前半となりました。

 

アウェイ ライプツィヒのQuesiton

 

2列目の3枚が密集したときの"偽SB"がCBからのパスコースに入ることのできる位置を求めよ

問題っぽく書いたらわかりにくくなりました。

 

 

ライプツィヒは4-2-3-1で守備の時はこの形。攻撃では形を変えます。

マンチェスターシティは両偽SBが前線への中継役を担い、試合展開を円滑にしてくるので、ライプツィヒは2列目の3枚、右からエンクンク、ダニ・オルモ、フォルスベリがかなり近い距離で並び、偽SBによるビルドアップを阻害しようと試みます。

 

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中央のオルモがロドリをマークし、絞ってくるSBが絞るスペースを失うほど最初から近づいているのがライプツィヒの守備陣形でした。

 

つまり、マンチェスターシティのCBがボールを持ったとしても得られるパスコースは、サイドライン際のエリアということになりました。

その位置はSBのアンヘリーニョやムキエレがカバーし、シティのビルドアップを受けながらも全体として前向きな守備を行っていたと言えます。

また、開始30秒ぐらいでロドリへのハイプレスからボールを奪ったことで、ロドリの積極性はかなり落ちました。

この二つの事象でライプツィヒサイドからサイドに展開するシティの攻撃パターンを途中で食い止め同一サイドで完結させるように仕向けることができました。

 

 

さて、そこでマンチェスターシティも極上の問題を相手に投げかけます。

その問題提起の裏で別の側面からライプツィヒへの回答を放り込んでいました。

 

 

ホームマンチェスターシティのQuestion

 

同一レーン上に二人縦に並んだときの優先順位を求めよ

 

これは前節のレスター戦で、左サイドで行っていたことです。

ほぼ同様のことをライプツィヒに対しても行い、ライプツィヒの左SBアンヘリーニョ(元マンチェスターシティ)に幾度となく判断をさせていました。

 

ここ最近のシティは5レーンをもう少し細かく分割しているようにも思うほど、これまでの5レーンでは重なってしまっているのでは?という配置がよく見られます。

この試合もマフレズとデ・ブライネは縦関係で並び、アンヘリーニョに判断を与え、空いた方や間違った方を使って攻めるようにしていました。

この判断の連続はただでさえ、体力的に疲弊するサッカーにおいて脳内までも疲弊してしまう非常に恐ろしい展開です。

 

デ・ブライネに釣られればSBの背後めがけてマフレズが走り、マフレズに釣られれば、デ・ブライネが空けたハーフスペースをドリブルし、サイドに流れたデ・ブライネ(この位置もアンヘリーニョの背後)を取っていました。

 

例えば3分のシーン

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アンヘリーニョはデ・ブライネに釣られ、背後を空けてしまいます。

 

続いて5~6分のシーン

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同じようにマフレズに釣られ、背後を空けていることがわかります。

 

ライプツィヒの左のボランチに入るライマーはサイドに流れるデ・ブライネにマークしにいくこともなかなか難しい。

あのエリアを空けるということはカンセロに自由を与えてしまうようなものです。

 

こうした右サイドでの問いはじわじわとライプツィヒの出足を遅くさせ、一歩また一歩とシティが前に出ることになります。

先制したコーナーキックを得られたマフレズのクロスもその判断の連続に苛まれたライプツィヒの時間的隙間を利用した攻撃でした。

 

 

ライプツィヒへのAnswer

では、ライプツィヒが出した問いに対する回答を見てみましょう。

 

この図を見てください。

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これは前半の15分ころの展開です。ちょうどアケのゴールに繋がったコーナーキックの前のプレーです。

ポイントはジンチェンコの立ち位置です。

縦パスが通らないほどの狭い距離を保つライプツィヒの2列目に対して、ジンチェンコはさらに2歩内側に入っていきます

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ロドリの真横と表現しても過大表現ではありません。

ライプツィヒもさすがにこれ以上は近寄れないポジショニングをしているのに、そこからさらに内側へ。

IHよりも中へ中へ入るジンチェンコの判断とプレーにより欲しかった追加点に繋がるのです。

 

 

普段の偽SBはSHの守備ポジションを操り、守備の基準を曖昧にさせ、ビルドアップ補助を可能にしているのですが、今日の試合の効果としては左WGをフリーにできるということです。

グリーリッシュはボールを持って真価を発揮する選手。ボールタッチの柔らかさと色気、タイミングの妙とまた色気、むしろ色気でサッカーをしているようなグリーリッシュが非常に活きるシチュエーションです。

後半の見事なタッチで見せたドリブルからの完璧なコースへのシュートは、足を離れた瞬間にゴールが確信されたスペシャルなゴールでした。

 

 

ライプツィヒの右SBムキエレがあまり攻撃参加に加わらなかったのも相乗効果だったかもしれません。

大外を使われる可能性があるかないかは偽SBとしての立ち位置にも大きく影響します。右サイドのカンセロがジンチェンコのような立ち位置であったらおそらく好き放題アンヘリーニョにオーバーラップをされていたでしょう。

 

 

中央を締められたので、さらに中央で勝負するペップシティ。

狭ければその狭いところに通すことで、一度に複数人を突破できます。とてもシンプルな考え。

しかし、最終的に狙うのはサイドです。

相手の誘いにわざとのって意識を集中させることで、その逆をついたときのほころびをついていくというチームとしてのイメージの共有は今日の試合かなりできていたと感じました。

その意識を集中させるという非常に重要な役割をジンチェンコが担い、見事に遂行していたと思います。

守備による不安は当然ありますが、メンディーもいないし、今に始まったことではありません。

 

彼の立ち位置、ボールの動かし方、方向は十分に満足のいくものだったと思います。

 

 

なぜカンセロだったのか

チャンピオンズリーグの開幕戦。流れに乗るためにも勝利がほしいし、失点もしたくない。

そう考えたときに右SBのファーストチョイスは我々凡人ならウォーカーという理不尽の塊SBになるでしょう。

 

しかし、ペップが選択した右SBはカンセロでした。

スタメンを見たときからなぜだろうと思いました。そう思ったシティファンの方々も多かったのではないでしょうか。

ましてやアンヘリーニョがライプツィヒで調子が良く、オーバーラップも果敢に仕掛けてくる選手だと当然わかっていたわけですから、それを封じて、しまいには上回るウォーカーという選択肢は理にかなっていると思ってしまいます。

 

 

では、見方を変えましょう。

最初の方にも書いていますがMarsch監督のライプツィヒは縦への速さを全面に出すサッカーではありません。

フォルスベリ、ダニ・オルモとハーフスペースでボールを待ち受ける選手が2列目に入り、幅狭く攻撃をしてくるチームです。

事前のスカウティングでもカウンターが少なかったデータがあったのかもしれません。むしろほとんどない。

 

だとするとマンチェスターシティとして考えるべきはカウンター対策ではなく、前半のうちに優位に立ち、後半はショートカウンターでも攻めることのできる試合展開に持っていくことです。

チャンピオンズリーグの開幕戦。ホームチームなら勝ち点3、アウェイチームでも勝ち点1がほしい。

ライプツィヒのサイドからの展開が限られているなら、デ・ブライネ+マフレズのユニットを活かせるコンダクター(指揮者)が必要なのはもう説明の必要もありませんね。

 

 

 

……説明します。

 

今日のマンチェスターシティの右サイドは縦に並ぶことが多かった。

それは上の方でも書いているようにアンヘリーニョに判断を連続させることとなるべく右サイドに寄ってきてほしいという思いがあったからです。

これは結果的には成功。

ジンチェンコの立ち位置も相まってシティの左サイドは常に1対1で勝負ができる環境が整っていました。

 

このデ・ブライネ+マフレズの縦のユニットが機能したあとはそれを逆サイドに届ける選手が必要です。

それがコンダクター。

後方からチームを指揮し、パスの大小強弱で、チームメイトの音色を変えるマエストロです。

普段はデ・ブライネをコンダクターにしていたましたが、縦のユニットを機能させるためにコンダクターをひとつ後ろに起きたかった。それがカンセロということになります。

 

今日のカンセロに関しては、パスだけでなく、ドリブル、シュートでも輝きを見せ、素晴らしいミドルシュートでゴールも決めています。

 

今後もカンセロが攻撃の起点となるのは間違いないと感じる試合でした。

64分、66分のパスはどちらも得点の可能性を感じる、かつ、一本のパスでDFラインを突破するプレーでした。

デ・ブライネをユニットの一つとして機能させても、その後方にまだパサーが控えているマンチェスターシティの右サイドは世界的に見ても攻撃性は一番とも言っても良いと思います。

 

問題提起は終わらない

試合を終えた出てきた新たな問いは"マンチェスターシティが守備の組織を整えるのはいつか"という史上最大の難題。

江戸川乱歩エドガー・アラン・ポーもどうにも解けない問題をペップはいかにして解いていくのか見物です。

ということを2年前ぐらいから言っているのですが、なかなか改善はされません。

 

やはり偽SBの空けた本来SBがいるべきスペースをチームとしてどう守るかという部分が圧倒的に欠けているので、

ウォーカーがあと一人だけで良いから追加でほしいところです。

4-4-2で守るもののセンター2人の間をライプツィヒの最終ラインからとてもきれいに何度も通っていたのも心配なポイントでした。

これがなぜかフェルナンジーニョがアンカーに入ると減るのでフェルナンジーニョはシティ退団前に必ずロドリにポジショニングを指導いただきたいです。

 

ルベンディアスという個を連れてこれたことで、組織的な守備はまた遠退いてしまったような気もするマンチェスターシティは、これからも偽SBの裏のスペースをストーンズやウォーカーががんばって埋めるのだと考えると、やっぱり

ウォーカーがもう一人ほしいです。

 

特に31分のライプツィヒのビルドアップに対するマンチェスターシティの守備は恐ろしいほど連携が取れていなかったので心配は2乗です。

 

簡単に見てみましょう。

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ゴールキーパーからボランチのライマー、CBのクロスターマン、もう一人のボランチのアダムスにダイレクトパスで渡ったシーンの切り取りです。

 

途中までアダムスについていったベルナルドがなぜか途中で方向を変えサイドにいるムキエレへのパスコースを切ります。

しかし、そのときにはアダムスは前を向いていて、ロドリは後ろを向いて逆走しようとしていました。

 

まず、この時点で守備の組織がないことがわかります。意識の共有がまるでないです。

ベルナルドは、アダムスをだれに託したのでしょうか。

何度見ても受け渡しがされてるようには見えませんでした。

 

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そして逆サイドに展開されてしまいます。

さらにここで問題なのが、カンセロのポジションです。

 

最初は、中央が一番危険だと察し、フォルスベリをつぶしに行ったのかと思いましたが、映像を見るとわかりますが、急ブレーキをして方向転換。アンヘリーニョの方へ体を向けていました。

当然間に合うはずがないので、中途半端な位置で守備組織としては無意味な行動をとってしまっていました。

 

普段から守備練習をしているのか非常に心配になる一連の展開でしたので、みなさまこのシーンを強く頭に留めておいてください。

 

6-3の乱打戦

試合は、両チームあわせて9点も入るスコアだけ見ると大味な試合となりました。

ただ、この試合を見てようやくマンチェスターシティに強者の巧みさを感じることができたので良かったと思っています。

 

例えば前半。

2点を先取した42分に1点返されてしまいます。

このまま後半に進むと嫌な流れを引きずったままになってしまいますが、PKとは言え2点差で前半を終えることができました。

 

また、後半開始すぐにライプツィヒに再度1点差に詰め寄られても、失点の5分後にグリーリッシュのゴラッソでさらに2点差に戻します。

 

これで試合は終わらず、73分にエンクンクのハットトリックで何回目になるのかもわからない1点差に縮められ、エティハドでエデルソンがハットトリックという前代未聞の事件に勢いを持っていかれそうなところ、その2分後にとどめの一撃がカンセロのミドルシュートでした。

 

最終的にはその後のアンヘリーニョの退場で、試合は終わりましたが、最後の最後に途中交代のジェズスがきっちりダメ押しの6点目を入れていました。

 

この試合の流れの消し方。

対戦相手を寄せ付けない強者の戦い方であると感じました。

少し失点しすぎですが、相手が勢いづく前に叩くという常に一歩前で余裕をもった戦い方ができていたなと思いました。

 

怪我明けのデ・ブライネとフォーデンの状態も確認でき、多くの選手がゴールとアシストに絡み(実に8人)、手ごたえと自信をもって今後の試合に臨めるなと思います。

(ちなみにあくまで攻撃の面だけ)

 

 

開幕戦勝利で初めの1歩を踏み出しました。

ゆっくりと着実に階段あがっていく様子を応援していきたいと思います。

 

それでは!