22-23シーズン マンチェスターシティのビルドアップ大全
こんにちは。
tadashiです。
22-23シーズンが閉幕。
マンチェスターシティが強かった。相変わらずシーズン終盤にかけて勝ち続ける強さもあり、今シーズンはさらに強いマンチェスターシティが見られた。
ハーランドが加入したこと?リコルイスが台頭したとこ?ギュンドアンがシーズンを通して好調だったこと?ストーンズが覚醒したこと?
これらはすべて正しいが、これらがすべて正しくなったペップシティの戦術的進化がこれまでにないものだった。
本記事では、ペップシティのビルドアップスタイルを全試合抽出し、パターン化。
改めてマンチェスターシティの今シーズンの変化と強さをまとめていく。
各試合のビルドアップスタイルについてはただのメモなので、結論だけ知りたい人は飛ばしてほしい。
各試合のビルドアップスタイル
※各節ごとに書かれているフォーメーションは相手チームのもの。
■1節 4-4-1-1
両SBがロドリの横でしぼる2-3もしくは片方のSBが後ろに並ぶ3-2のビルドアップ
IHはCFと同ラインまで高い位置を取る。
■2〜4節 5-3-2、4-3-3、5-4-1
右SBウォーカーが絞る3-1のビルドアップ。左SBのカンセロは高い位置を取り、左WGと入れ替わりながらボールを引き出す。IHはCFと同ラインまて高い位置を取る。
■5節 5-4-1
右SBウォーカーがしぼる3-1のビルドアップ。左SBは高い位置。
前3節と異なるのは右IHが大外、右WGがCFと同ラインに入ること。4節も、5-4-1が相手となっていたのにスペースができるところが違ったのだろう。興味深い。
左WGはカンセロと入れ替わったりする。
■6節 4-3-3
ウォーカーは最初5分は外に開く。試合が落ち着いたらロドリの横へ。
ビラは前3-3がコンパクトに絞る。カンセロもウォーカーと同時にロドリの横にいるときもあった。試合が進むにつれてカンセロの方が絞ることが多くなる。大外に張るWGにボールを通しやすいようにより中央にディフェンスを集中させるためのSBの移動。
■8節 4-2-3-1
右SBに入ったストーンズがしぼり、IHベルがロドリに並ぶ2-3ビルド。カンセロは大外レーン。1節、6節以外カンセロは大外レーンでグリーリッシュやフォーデンの中への侵入をサポートしている。右サイドはWGが大外に張り、IHがハーフスペースにいる。ここら辺の構造は今シーズンのスタンダードかもしれない。
■9節 4-4-2もしくは4-2-3-1
カンセロはワイド。ウォーカーは中途半端な位置。CBはユナイテッドのFWが1枚でプレスに来たらドリブルで運ぶ。
アンカーとインサイドハーフは大きく距離を開け、ユナイテッドの守備を間延びさせていた。
15分過ぎてからいきなりウォーカーが入り込んで中央から左に展開。
ビルドアップにおけるSBの位置、特にウォーカーは臨機応変に対応していた。
■10節 4-4-2
GKにまでプレスに来るセインツに対して、シティは両SBは外に張り、ロドリの横にIHのベルが入る。もし、セインツのCHがロドリやベルに食いついたらさらにその後ろを狙う。重心はやや左より。
ロドリやベルナルド・シルバの後ろの前進の仕方は右はハーフスペースにデ・ブライネが動き、ロドリやCBからの配球。左はカンセロが高い位置を取り、CBからの配球。その際は後方カバーにベル。
■11節 4-4-2
シティは3-4-2-1。リーグでは初。
ビルドアップとしては3-2になる。
チアゴがうまくハーランドへの縦パスを消して、その他の前線の選手がプレスをかけるリバプール。
ビルドアップの出口として見られたのはデ・ブライネが右ワイドからハーフスペースに入り、チアゴを引き出してCBからハーランドに縦パス。
■13節 3-4-2-1
カンセロが高い位置を取る3-1のビルドにベルが降りてくるパターンとラポルトが開いて、エデルソンがDFラインに入るパターンもある。(前半はこっちがメイン)
■14節 5-4-1
右SBに入ったストーンズがしぼり、ロドリの横へ。カンセロが後方のハーフスペースに位置取る変則的な2-3のビルドアップ。
左はグリーリッシュが張ることが多いので、カンセロは中間ポジション。ストーンズが中央で受けたときは、CBアカンジが右サイドに開いてボールを受ける。残りの5人はレスターの5バックと同数。
■15節 4-4-2
右SBストーンズがスライドして、後ろは3枚。3-1もしくはカンセロが入って3-2のビルドアップとなる。
左はグリーリッシュ、右はベルが幅取り、カンセロとデ・ブライネがビルドアップのサポート。SBとWGの間にある左右のスペースを利用する。
■16節 5-3-2
右SBストーンズがスライドして後ろ3枚。中央のロドリと3-1を形成し、ビルドアップ。相手のFW2枚の間にロドリ。
左SBカンセロは幅を取る。右の幅取りはベルでデ・ブライネがSB落ち。
10分を過ぎてから後ろを2枚、SBをしぼって2-3に。攻め込んだこぼれを拾えるように中央を厚くしてるように見えた。
■17節 4-3-3
リーズは前の3枚を中央にコンパクトに配置。
シティはリコルイスがロドリの横に並ぶ。状況に応じてアケが並んだり後ろになったりと3-2、2-3を使い分け。後ろが3枚のときはワイドに配置している。
マンツーマン気味につぶしてくるリーズに対してギュンドアンとデ・ブライネは3-3のブロックから外れた位置でボールを引き出す。リーズがハイラインなのでハーランドが裏に抜け、シンプルに使う場面もある。
■18節 5-3-2
リコルイスが右SBに入り、ビルドアップ時には一列前に出てロドリと並ぶ。前節と違うのは後ろの3枚がそこまで開かないこと。
エバートンがアンカーも使って5枚をシティの後ろ5枚に当ててくる。デ・ブライネはそのブロックのそばで一人を吊り出すように動く。
エバートンは結局押し込まれ、5-4-1になる。
■19節 4-4-2
スタートは左SBカンセロの4-3-3。すぐさま3-4-2-1に変更し、カンセロは右ワイドに移動。ベルナルド・シルバがロドリと中盤ダブルボランチを形成。ビルドアップは3-2の形。
チェルシーの前線2枚に対して3枚でビルドアップ。ロドリとベルに対して中盤2枚を引っ張り出してギュンドアンとデ・ブライネを使いたい狙い。
チェルシーは深さも幅もコンパクトにして、追い込んでサイドに散らせてそこに強度を持っていく。必然的にスペースがなくなり、ギュンドアンとデ・ブライネはサイドに開くことになる。
後半リコルイスとアカンジをカンセロとウォーカーに代えた3-2のビルドアップに変更した。
■20節 4-2-3-1
スタートのシティは4バックが均等に並び、真ん中にロドリ。可変なし。
久しぶりにリコルイスのいない4バック。ウォーカーとカンセロのSB。
ユナイテッドはロドリをマークする選手を一人置いて、ボールホルダーに一人プレッシング。シティのCBはSBがマークにつかれていたら自分で運ぶ。CBに対してのパスコースを増やしてドリブルでも運びやすくするための横並び4枚。
SBを背中で消しながらSHが当たる。アンカー2枚はシティのIHにマンマーク。シティのSBを意図的にフリーにしている。
ベルナルド・シルバがDFラインまで落ち、ハーランドがセンターサークル付近で縦パスを受けることで打開していく。
■7節 3-4-3
3-2のビルドアップだが、後ろに並ぶ3人は幅を大きく取る。中央にロドリとリコルイス。
トッテナムは3トップがペナルティエリア幅程度に開いてケイン頂点の垂線の短い二等辺三角形のような形でにらみ合う。その間をリコルイスが顔を出して複数のパスコースを作っていく。トッテナムは中央の二人ホイビュアとベンタンクールがそれぞれロドリとリコルイスを見る。シティのビルドアップに対して五角形。
プレス回避としては、ビルドアップに対して中央コンパクトにするので、ワイドのCBから幅を取るWG、そしてリコルイス。
もう一つはアカンジからギュンドアンで人を釣りだしてハーランドに当てる。
■21節 4-2-3-1
シティは後ろ3枚、前にロドリとリコルイスの3-2ビルドアップ。
ウルヴスはロドリ番を一人つける。1トップはパスコースを消してWG2枚はサイドに流れたボールにプレス。
リコに対しては左WGのファン・ヒチャンがついてくる。幅はグリリとマフレズ。
ウルヴスは右WGも同じように絞ってコンパクトな幅で守る。ラポルテはそこから遠いところでボールを持つ。
レミナがギュンドアン、ネベスがロドリを見る。ギュンドアンは中央からあまり動かないので必然的に中央でレミナを固定。
右サイドは空いたスペースにデ・ブライネが入ったり、マフレズが入ったりする。
■22節 5-4-1。前プレ時は3-4-3。
シティは今シーズンお気に入りの幅取り3枚+コンパクト2枚の3-2のビルドアップ。リコルイスが左SBから可変。
3-2-1-4で2トップでトッテナムの3バックをピンドメ。ベルはトッテナムの中盤の背後やロドリ、リコが間に合わないときの後ろ3枚へのサポート。
■23節 4-4-2
後ろの3枚が幅を取る3-2のビルドアップ。
相手の2トップが背後で2を消しながらボールホルダーを睨む。後ろの4-4のブロックはコンパクト。
パスコースがなければ、エデルソンがDFラインまで上がり、サイドに素早く展開している。幅取りの二人をケアする関係で4-4のブロックでありながらワイドの3枚のサイドの二人はフリーとなる。
ベルナルド・シルバとロドリは場合によってはDFラインまで下がり、相手を釣りだす。ベルナルド・シルバはSB落ちを見せることもある。
70分過ぎぐらいからウォーカーが幅を取り出す。
■12節 4-3-3
アーセナルはシティが後ろ3枚でビルドアップしてくると予想して3トップを高い位置から当てている。その対策として幅を取る3バックかアケが絞ってベルがSB落ちするパターンでビルドアップの出口を作り出す。
ベルナルド・シルバの立ち位置は押し込まれたときや右から展開されたときなどその時時で立ち位置を変えている。
■24節 4-5-1
ベル左SBフォーメーション。
ビルドアップに詰まって、ロドリがDFラインに降りたときはウォーカーがワイドへ。ベルナルド・シルバが中にいてボールが左にうつったときはギュンドアンがワイドにいたりする。中央はやはりコンパクトにされるのでサイドにスペースができやすいため、必然的にそのスペースに人が流れる。
フォレフトは引いた守備なのでハーフラインまで簡単に運べる。運んだあとどう崩すかという展開。
■25節 5-4-1
SBのリコルイスがロドリと並ぶ3-2のビルドアップ。
ラポルトやストーンズが不在なので、アケをどう休ませながら起用するかが今シーズンの鍵。アカンジは本当によくがんばっている。
フォーデンとグリーリッシュが幅を取り、シャドーにギュンドアンとアルバレスの配置。
5-4-1はワイドをWBで見て、中盤の4枚はコンパクト。後ろで持っているときは5-2-3で後ろ3枚を見ている感じ。リコとロドリに中盤センターが、ギュンドアンとアルバレスにCBがいく。
点差を広げてからの後半は、セルヒオゴメスをインサイドハーフからトップ下の位置で動かす場面もあった。
■26節 4-5-1
途中2-3のビルドアップ。
本職CBのアケがSBに入った試合ではこれまでは3-2の形でアケは左CBの位置だったがアケが一列前に出るこの形は初めて。
ニューカッスルのWGをアケとウォーカーにマークさせて、幅を取るグリーリッシュとフォーデンへのパスコースを作る。
アケは相手の立ち位置によって自身の立ち位置も変えるため、試合中に3-2の形になる場合もある。後ろが3枚になった場合も後ろはそこまで幅を取らない。
■27節 4-2-3-1
後ろ3枚が大きく幅を取る3-2の形。
ストーンズが右SBに入り、そこから可変してロドリの横に立つ。
パレスは前4枚がダイヤモンド型でコンパクト。ロドリとストーンズに近い位置でブロックを作る。その分後ろのアカンジとアケは時間ができる。
幅を取るフォーデンとグリーリッシュがSBをピン留めし、スペースからボールを運ぶ。アカンジやアケとフォーデン、グリーリッシュは高い位置にボールが運ばれると位置をうまく入れ替えながら相手の判断を惑わす。
■28節 5-4-1
ストーンズがCBからロドリの横に入る3-2のビルドアップ。後半戦ペップシティの目玉偽CB。
ウェストハムは1トップのアントニオを含めて5枚で前からビルドアップを封じようとする。ベルとアルバレスが5のブロックの背後にいるが、パスコースを封じられる。GKを経由しながら左右に揺さぶり、WGと中盤で打開。
ベルナルド・シルバとアルバレスは中央でビルドアップの出口になるというよりは、WGが降りてビルドアップの出口となったあとのパスコースを意識している。
■29節 4-4-1-1
右SBストーンズが絞ってロドリの横に並ぶ3-2のビルドアップ。不可解なのはこの形でボールを運び、守備に回るとストーンズがそのままCBに入る。
リバプールはサラーが前、ガクポ二列目で守るが、シティはストーンズとロドリを置いてるのでどちらかはフリーになる。後ろ3枚のサイドにはリバプールのSHがパスが出たら行くようにしているがその後ろをIHが狙う。中央でヘンダーソンが3-2の2を消しに来たら後ろをまたIHかCFが狙う。
■30節 4-4-2
右SBストーンズが絞ってロドリの横に並ぶ3-2のビルドアップ。
セインツは2トップがロドリとストーンズの前、その後ろをセンター2枚でわりと前に配置して見合う形。
シティはエデルソンもズレてゴール前で4-2の形を作って回避するシーンが開始早々から見られた。
■31節 5-4-1
ウォーカーが久しぶりにスタメン。ウォーカーが幅を取り、マフレズが一つ内側のレーンに入り、後ろは3-1のビルドアップ。グリーリッシュが左は幅を取る。
IHの二人が同サイド、特に左サイドに寄せて左で数的優位を作っている。相手の5バックに対して前線を6枚にしていると推察。
自陣深くではラポルトが左SBの位置まで開いて、ルベンディアスとの間にエデルソンがサポート。レスターは深追いしないのでボールが持てる。
■33節 4-1-4-1→失点後4-4-2
ワントップがボールホルダーに対して横のパスを切りながら後ろの4枚がボールサイドを起点にマークをつける。
シティはストーンズがCBに入るが、これまでの試合のようにロドリの横に動かない。
ビルドアップはCBに対してSB、ロドリ、ギュンドアンが出口に。2-2+SBみたいな形。
前半はその形でビルドアップせずに後方からロングボールを無理せずハーランドに放っている。先制点はアーセナルが前後で分断しているところにストーンズがロングボールを放り込んだことで生まれた。
アーセナルが4-4-2になり、ギュンとロドリにジャカとトーマスがつくようになった。後ろは4枚を崩さず、じわじわとギュンロドリにつけて動かしながら機を見て中盤の背後でボールを受けている。ここも最近の偽CBを数試合ちらつかせてアルテタが対策を取ると見越した戦術。
■34節 4-2-3-1
ストーンズがCBの位置からロドリの横へ並ぶ最近実践している3-2のビルドアップ。
相手は、幅を取るWGにはSBが対応し、全体がスライド、降りてくるギュンドアンやアルバレスにはアンカーがついてくる。
右サイドでウォーカーが相手陣内でフリーでボールを持ち対角のグリーリッシュへサイドチェンジずるパターンが今日の狙いか。
失点後しばらくしてからエデルソンを交えた3-2+SBのビルドアップに変更?フラムがコンパクトにブロックを作るためその外を使って広げる狙い。
■35節 5-4-1
3-2のビルドアップ。リコルイスが久しぶりのスタメンでSBの位置から内側へ入っていく。
リーズが前からプレスはかけずブロックを、作るので前進は容易。
SBの位置にデ・ブライネが降りたりしている。
■36節 4-5-1
ストーンズ、デ・ブライネ欠場。
開始早々は相手が前一枚に対して4バックがフラットに4枚並ぶビルドアップ。その後アカンジがストーンズのようにロドリと並ぶ。中央にはハーランドだけ置いてなるべく密集から避けるように人を配置している。ギュンドアンとアルバレスがそれぞれ左右のハーフスペース。エバートンは引いてブロックを作るので前進は容易。
気づいたらラポルトがロドリの横に。規則性はあるのだろうか。
■37節 3-4-2-1 or 5-4-1
ターンオーバーのシティ。やることは変わらず。
セルヒオゴメスがうちに絞る偽SBの形。リコルイスはスタートからIHで、フォーデンと並ぶ。幅取りはパーマーとマフレズ。
チェルシーはギャラガーが少し前目でスターリングが下がってる。リコルイスにはギャラガーが下がって対応
■32節 4-4-2
ブライトンがシティの中央ラインをマンマーク気味に対応。
シティは後ろ4枚+ギュンドアンとベルナルドでビルドアップ。SBはピッチ幅に開く。ギュンドアンとベルナルドがボールを受けてに下ながら少しずつ前進し、ハーフライン近くになるとリコルイスが中央に、ウォーカーはよりワイドに開く。
デ・ブライネがCBを背負ったまま降りてきて、ブライトンのマンマークを利用してスペースを作る。
10分をすぎるとリコルイスがギュンドアンと並ぶ。右はウォーカーとマフレズが縦に並び、左はフォーデンだけ。左に関してはリコルイスが動いて空いたスペースはIHの回避用スペースとしていた。
■38節 5-3-2
ブレントフォードはキーパーに一人プレス、もう一人は背後でパスコースを消しながらパスがでたところにプレスをかけられる位置に立つ。アンカーのフィリップスには中盤が一人前に出て対応というようにマンマーク気味。
シティは、CBが開き、ウォーカーはワイド、セルヒオゴメスがフィリップスと並ぶ。少し歪な2-3のビルドアップ。IHに入るリコルイスがフィリップスに並ぶ3-3のパターンもあり。
少し前進すれば後ろは完全に3枚気味。マフレズとセルヒオゴメスが幅取り。仕掛けの局面へ。
下がっていく選手に対してもついていくブレントフォード。スペースが開かないようにするための5バック。
エデルソンからのビルドアップは、CBが前に出たり、IHが降りたり、横に移動したりしてマンマークを、ずらしてスペースを作りながらシティは繋いでいく。
ビルドアップのグルーピング
38試合のすべてをフルで観戦し、試合ごとのビルドアップの形が見えたところで、この章ではペップシティが用いたビルドアップスタイルをわかりやすくグルーピングしていく。
グループでわけるということは、わかりやすくするということである。
決して、複雑に数を増やしてはいけない。
現代フットボールのなんちゃらというのはたくさんの素晴らしいブログや書物がある。もちろんここでは説明しない。
マンチェスターシティがどうビルドアップしていたかにしかこのブログでは興味がないのです。
■2-3のビルドアップ
CBが後ろ、SBがアンカーの横に移動するいわゆる偽SBによるビルドアップを行うグループ。
■3-2のビルドアップ
このグループには、"片方のSBがアンカーの横まで移動する偽SBによるビルドアップ"と、"中盤と同等の選手がDFラインからアンカーの横に移動するビルドアップ"がある。
これまでも3-2の形は見られたが、今シーズンは後ろの3枚が大きく幅を取る形が見られた。例えばアケ、ルベンディアス、アカンジの場合など。アケ、アカンジがSBのように振る舞い、CBが一人。つまればエデルソンがDFラインに入ったり、中盤から降りてきたりとアレンジが多めの形だった。
■3-1のビルドアップ
カンセロやウォーカーなど片方のSBがビルドアップの出口として幅を取ることでビルドアップを行うグループ。
上記の3-2の形から3枚のDFは中央に絞り、SBが開き、片方のSBがフリーとなり、プレス回避の選択肢の一つとなる。
■4-1のビルドアップ
4バックがフラットに均等に幅を取り、アンカーが中央に位置するビルドアップのグループ。
アンカーの脇にインサイドハーフが降りてくるスペースを残し、SBの位置からの展開が基本になる。
■4-2のビルドアップ
上記の4-1+ギュンドアンやベルナルド・シルバが最初からアンカーの横に並ぶ形でのビルドアップを行うグループ。
所属選手と狙いによる違い
今季のマンチェスターシティは“所属選手”と“チームの狙い”の2つの観点から4つの期間に分けられると思っている。
ウォーカーに期待した時期からストーンズの偽SB、リコルイスの起用、カンセロの移籍、そしてストーンズによる最適解である。
各試合のビルドアップスタイルを見てもらえればわかるが、これから4つの時期が順を追って確認できる。
簡単にではあるが、一つずつ解説してみよう。
■偽SBウォーカーへの期待 第1節〜8節
シーズン当初はウォーカーを偽SBとして配置する可変を用いることが多かった。
ウォーカーに期待してのことだし、とてつもない守備力を誇るウォーカーが、守備時にDFライン付近に残っていることも大きい。
しかし、ウォーカーの怪我やウォーカー自身がペップの思い描く偽SBとしてのプレーができなかったことにより、早めに偽SBとしてプレーさせることをやめた。
第8節だったか、ペップがはっきりとウォーカーのことを口にしていた。これは同時にウォーカーが絶対的なスタメンではないよ、と言っていることと同義。それでも、要所要所でウォーカーを起用していたシーズンでもあり、ウォーカーという選手のキャラクター自身を評価していたのは間違いない。
この時期の特徴は左SBに入ったカンセロが幅を取っていたこと。彼はとてもテクニカルだけど色々と軽いし、浅い。右利きなので左で止めて右足でグリーリッシュにボールをつける。そのボールの置き方だとほぼ100%グリーリッシュにパスが出されるので相手も狙いが絞りやすい。時々右足のアウトサイドで切り替えしたりもしていたが、グリーリッシュも窮屈そうであった。この解決策はカンセロ移籍後に出現する。
■ウォーカー怪我による右SBの不在 第9節〜16節
ウォーカーが怪我したことで、ストーンズが代役を務める。最初の役割としては偽SBがこなせる選手ということで選ばれてる感じがした。左はカンセロとセルヒオゴメスがいたが、右はウォーカーだけだったので、ペップの中にはウォーカーを試してだめならストーンズというのは構想にあったと思う。
この時期の特徴は、後ろ3枚のビルドアップの際にエデルソンがDFラインに入ること、右SBストーンズが偽SBも、後ろ3枚でのプレーもこなすなどとわりと多種多様なビルドアップが見られた。相手の枚数と配置に対してのことだと思うが、この期間は見返すとなかなか面白い。
■リコルイスの台頭と左SBの不在 第17節〜26節
カンセロが出場時間に不満を表し、移籍を希望したあたりからがこの時期。
ウォーカーが偽SBとしては難しいと判断され、カンセロが移籍に向けてモチベーションを下げていたことで、ペップは左SBにアケ、右SBにリコルイスを起用する。
ペップに小さなフィリップラームと言わしめたリコルイスは、正直なところまったく知らなかった選手。右SBで出場し、ビルドアップ時にはロドリの横をキープし、ボールを引き出し前進させていた。まだ、18歳というので恐ろしい。
この時期の特徴は3-1、3-2のビルドアップ(相手によってフラットな4枚や可変なしの3-2のビルドアップを使用したりしている)で、後ろの3枚が大きくペナルティエリアの幅以上に開いていたこと。基本的には右からアカンジ、ディアス、アケという並び。
ボールを奪われ、ネガティブトランジションの際には後ろの3枚がスライドし、リコルイスが右SBに戻っていく。これはウォーカーのときもカンセロのときも、昨シーズンのジンチェンコのときも、むしろデルフでやり始めたときからこうだったと思うし、だいたいいつもここを狙われて失点をしている。後にペップはここのフラット4への移行に工夫を凝らす。
左SBアケは、元々の守備力は申し分なく、ビルドアップ時に右SBを移動させることで、3-1や3-2のビルドアップの“3”を任せることができる。CBが本職の選手なので対人守備も期待ができ、3枚でのビルドアップから4バックに移行するスライドもスムーズ。
そして何よりカンセロ左SBのときと違い左利きのアケが左足でボールを止め、複数の選択肢を持って、グリーリッシュに時間を与えるように預けることができたのも大きい。(後半戦のグリーリッシュなら厳しいパスでも問題なかったかもしれないが。それぐらい洗練されていた)
■ストーンズによる攻守のバランスの最適化 第27節〜38節
22-23シーズンの完成形がこの時期。
よく耳にしたのは「ストーンズの偽CB」という言葉。
初披露は第27節。いつものようにするすると右SBの位置からアンカーの位置に移動したストーンズ。ボールを前進させるだけでなく、自らも前に出る。今までロドリがいたようなところに顔を出す。相手陣内のペナルティエリア近くでサイドからボールを受けるストーンズ。なにより足元の技術が素晴らしい。
ボールを奪われたときは、前述しているフラット4への移行に工夫が。
ストーンズが中央のポジションからそのままCBの位置に下がり、CBの選手がSBの位置に入る。そしてボールを回収したらまたストーンズはロドリの横へ入る。
この時期の特徴はストーンズの立ち位置。CBの位置から、SBの位置から、ロドリの横に移動する。その偽CBを見せた上でアーセナル戦ではCBのままプレーした。
ストーンズという一人の選手の存在で対戦相手のシティ対策を自由に崩落させることができたところが最大の特徴だった。
リーグも終盤になり、勝ち点計算やCLとの兼ね合いもあり、すべての試合で偽CBが見られたわけではないが、偽CBという言葉がこれからも対戦相手を惑わすことは間違いない。
使い分けの推察
それでは最後に、今回示したビルドアップのパターンがどう使い分けられていたかを推察していきたい。
■2-3
両SBがうちに絞り、アンカーと横並びになる形は今シーズンはあまり見られなかった。
というのも相手の守備が4-5-1、5-4-1でかつ1トップがロドリへのパスコースを消して、プレスもかけてこない場合に限定されていた。
後述する3-1、3-2の形では相手が1枚に対して後ろの枚数が余ってしまうので、相手の守備ブロックを動かし、前線の選手にボールを配給するという目的を達成するためにはシティからしたらもっと前(相手陣内)で、ボールを回すべきだ。
同じ守備の形でも相手のWGやSHもシティのビルドアップ時にプレスをかけてくる場合は後ろの枚数を3枚、4枚と増やしていた。
これは対戦相手の監督のスタイルで判断していたように思える。
チェルシー、リバプールには3枚、ユナイテッド、アーセナルには4枚を採用したところからもわかる。
■3-1、3-2
今シーズンの基本の形がこの2つ。
多くのチームが守備時に4-4-2や5-3-2になり、アンカーを一人が消しながらもう一人がボールホルダーへプレスをかけ、サイドの選手がボールの受け手をとらえる。
この守備ブロックに対して、3-1、3-2は相手の前線2枚に対して3枚と数的優位を作れるだけでなく、アンカーのロドリの立ち位置で2枚のうちの1枚を無効化させることができる。
余っているSBは相手守備の幅を見ながら外か中かを選択していた。
中央圧縮のコンパクトな守備に対しては残ったSBが外に張り出し、DFラインがスライドして生まれたもう片方のスペースにはIHが下りたりする。
アカンジやアケ、ストーンズはボールを運ぶこともできる。ロドリがマークをされている場合はドリブルを開始し、相手守備のマークをずらす工夫も見られた。
■4-1
シティのビルドアップに対してチームとして前から押し上げてプレスをかけてくるチームに対して用いた。特にコンパクトに陣形を作り、ロドリへのパスを阻害することに全力を注いでいるチームにはこの形が効いていた。
中央に人が集まるということはサイドが空いているということ。
IH(主にギュンドアンとベルナルド・シルバ)があえてロドリの脇のスペースに顔を出して相手選手を集め、サイドから崩していく。
■4-2
スタートからギュンドアンやベルナルド・シルバがロドリの横に配置された形は、4-1のビルドアップのときと違い、対戦相手の守備がシティのビルドアップに対してマンマーク気味のときに用いられた。
というのもこの場合は、後ろでボールを繋ぐというよりは相手を前に引き寄せてハーランドを使うという意味合いのものだった。プレス回避はハーランドへの浮き球のボール。
アーセナル戦やユナイテッド戦で見られた。特にアーセナル戦では前からマンマークでビルドアップを阻害してくるアーセナルに対して4-2の形でアーセナルを引き込み、ストーンズのロングボールをハーランドに当てたところからデ・ブライネのゴールが生まれている。
23-24シーズンは
ペップは来シーズンもマンチェスターシティを率いてさらなる高みを目指すだろう。
今シーズン、3冠トレブルを達成し、ようやくマンチェスターユナイテッドに肩を並べることができた?と思うのでこれからさらに強さを磨いていくだろう。
現段階では、ギュンドアンがバルセロナにフリー移籍で退団、ライプツィヒのグヴァルディオルがDF史上最高額で加入、チェルシーからコバチッチ加入というニュースが入ってきている。
ハーランドという理不尽も手に入れたことで、ペップのまだ開けられていない引き出しがどんどん開けられるかもしれないわくわく感がある。
ここまで魅力的なスカッドを手に入れたら、あとは過密日程と怪我人との兼ね合いで選手を決めていくだろうし、対戦相手の監督の戦術に合わせて、ビルドアップスタイルを流動的に使い分けるだろう。
ハーランドが加入するまでのマンチェスターシティに対しては、今シーズンのユナイテッドやアーセナルが実践した守備が有効であったが、今シーズンはハーランドに蹴られて形勢逆転する。
唯一の可能性は、CL決勝で見せたインテルの守備かもしれない。
開幕戦に向けてデ・ブライネの欠場が濃厚となっている。
来シーズンのマンチェスターシティについて個人的な願望を述べるとフォーデンのIHとハーランドアルバレスの2トップが見たい。
また、来シーズン。
マンチェスターシティ 第9節 vs マンチェスターユナイテッド
こんにちは。
tadashiです。
22-23シーズンのマンチェスターダービーがやってきた。
両チーム合計9ゴールの乱打戦となったダービーはどのような試合になったのか。
リアルタイムで観戦して感じたことをテキスト形式で記録していきたい。
スタメン
ホーム マンチェスターシティ
エデルソン、ウォーカー(セルヒオゴメス)、アカンジ、アケ、カンセロ、デ・ブライネ(アルバレス)、ギュンドアン(ラポルト)、ベルナルド、フォーデン、ハーランド、グリーリッシュ(パルマー)
※()内は交代選手
ギュンドアンアンカーの4-3-3でダービーに望んだシティ。
ルベンディアスとロドリを温存する布陣でシティズンの不安を煽るペップ。
前線には怪物ハーランド、シティの宝フォーデン、そしてセクシーアイコンのグリーリッシュが並ぶ。
アウェイ マンチェスターユナイテッド
デ・ヘア、ダロット、ヴァラン(リンデロフ)、L.マルティネス、マラシア(ルーク・ショー)、マクトミネイ(カゼミーロ)、エリクセン、アントニー、B.フェルナンデス、サンチョ(フレッジ)、ラッシュフォード(マルシャル)
マドリディスタとしてはヴァラン、カゼミーロ、ロナウドのいるユナイテッドはもはや無視できない存在。ヴァランだけがスタメン。マグワイアはいつの間にかスタメン落ちしている。
エリクセンが当たり前のようにスタメンでプレーしているのはサッカーファンとしてうれしいし、ドルトムントから赤い方を選んだ元マンチェスターシティのサンチョにはあまりがんばらないでほしい。
今日のビルドアップ
開幕からウォーカーの立ち位置にサッカーファンが驚愕したが、ここ数試合は大人しい立ち位置をキープしている。というより、ここ数試合はウォーカーは離脱をしており、そんなに本調子じゃなさそう。そのウォーカーでなんとか耐えていたサイドの質的優位性を突破される事案が発生したのは記憶に新しい。
ウォーカーのアンカーシステムはバイエルンでキミッヒにより実現しているし、シティでもデルフ、ジンチェンコ、カンセロなどにより実践している。しかし、純粋なSBをアンカーに移動させることはチャレンジ的な意味合いも大きいし、今後、年齢を重ねてスピードが衰えるウォーカーにしてもこのチャレンジは選手生命を延ばせる最高のチャンスでもある。
しかし、開幕からここまでで、正直なところ完全にウォーカーアンカーシステムをこれからも使用していくかというとおそらく相手の守備陣形、選手個々の判断によると思われる。
常にウォーカーがジンチェンコみたいに振る舞うかというとそういうわけではないと思う。
今日のシティはカンセロが幅を取り、ウォーカーがハーフスペースからサイドライン側に立つ。
マンチェスターユナイテッドは4-2-3-1でB.フェルナンデスがギュンドアンを見ながら2CBにはラッシュフォード一人で対応していた。
両SHは立ち位置に迷っていたように見えた。開くSBにつくか、ハーフスペースを閉じるか。
マンチェスターシティは、シンプルに空いたところからボールを運んだ。
ラッシュフォードが一人のCBに寄せれば隣のCBに。ユナイテッドのSHが自分にプレスに来たらSBかギュンドアンか前線から降りてくる選手へ。ユナイテッドのSHがSBに寄せれば自らで運ぶ。すべてが切られていたら逆サイドのSBへ。プレッシャーが早かったらエデルソンへ。
この判断はシンプルながらも非常に効果的だった。ユナイテッドが実践したいことを詰将棋のように一つずつつぶしていった。
沈黙した赤い方
フォーデンハーランドハーランドフォーデン!!
前半はもうこの実況がすべてを物語る。
ユナイテッドはなす術なく前半を終えた。と誰の目から見てもそう映ったはずだ。
定まらない守備の基準、プレスを突破されたあとのグダグダなブロック、統率されないラインコントロール。
攻撃ではラッシュフォードだけが裏を狙い、起点のできないロングボールや両SHの単調な仕掛け。
後半にシティが圧を落としたのもあり、多少の改善は見られたが、終始押されていたユナイテッドはSBも満足に攻撃参加することができなかった。
正直なところ、前半にユナイテッドの印象はまるでない。
マンチェスターシティは、グリーリッシュが輝きを見せた。
左サイドからハーフスペースに移動し、カットインで中央へ。
今日のシティの得点のほとんどは外と中を交互に使い、ユナイテッド守備陣の視野を振ることでスコアラーをフリーにさせたが、その外から中へのスイッチングはグリーリッシュが見事にやってのけた。
右足でボールをキープし、カットインするグリーリッシュは脅威だし、その足元の技術を活かし、ゴール前でハーフスペースに位置するのも守備者からしたら非常に厄介だ。
フォーデンの1点目、ハーランドの3点目、フォーデンの3点目。
その攻撃は美しく完全にユナイテッドを崩していたがそのスタートの合図はグリーリッシュだ。ぜひハイライトでも良いので見てほしい。
それにしてもシティの3点目(ハーランドの2点目)を演出したデ・ブライネのクロスはその足に幻術でも備えてるのではないかというほど次元の違うラストパスだった。
足元に入ってしまったボールを擦り上げるようにユナイテッドの4バックの裏に流す。デ・ブライネの視点ではスペースなんてほとんどなかったのではないか。
そこに飛び込むハーランドのストライカーとしての技術も素晴らしいが、前を向いたあの状態でシュートではなく、逆サイドへのパスを選択するデ・ブライネの今シーズンには期待が高まる。
ちなみにこのゴールも、デ・ブライネにパスを出しているのはグリーリッシュである。
締まらない青い方
本来ならば、大量得点無失点という終わり方が理想的だった。
しかし、結果を見ると6-3。なんと3失点もしてしまったのだ。
後半途中に大胆な選手交代で試合を事実上終わったものにした。
そのときのイレブンがこちら。
エデルソン、カンセロ、アカンジ、ラポルト、アケ、マフレズ、ベルナルド、セルヒオゴメス、フォーデン、アルバレス、ハーランドの4-4-2。
毎シーズンペップシティを見ている方ならすぐにわかるが、だいたい4-3-3か4-2-3-1以外のシティはまったくと言ってよいほどはまらない。
このシステムも例に漏れずグダクダの極みとなった。
ユナイテッドは後半頭から左SBをマラシアからルーク・ショーに替えた。攻撃的に振る舞うルーク・ショーはチャンスを作り、得点にも絡んでいる。そういえばいつかのマンチェスターダービーでも得点を決めていたような。
その後、カゼミーロ、マルシャル、フレッジと投入し、システムはそのままで、ダブルボランチをフィジカルなメンバーにした。カゼミーロがいることで、守備に安定感をもたらし、フレッジが後ろを気にせず前に出られるというメリットあった。その恩恵は2点目に現れている。
アントニーは補強成功と予感させるプレーで一人食らいついているように見えた。ドリブルに自信を持っているようで、カットインからのシュートは彼の一つの形なのかもしれない。
カゼミーロの獲得から、マクトミネイが調子を上げているという噂がある。カゼミーロにポジションを奪われないようにという気持ちの現れだろう。
しかし、今日のような試合を見るとカゼミーロを真ん中に置いて、もう片方のボランチを前に押し上げるほうが攻撃に厚みが出るのではないだろうか。
エリクセンは左で試合をコントロールしてる方が良さそうだと感じた。ルーク・ショーが攻撃的なのでなおさら相性は良い。
個人的には後半のユナイテッドのメンバーがベターだと思っている。マルシャルかラッシュフォードかは判断に困るが。
少しだけ心配に思ったのが後半のシティ。
怪我人が多く、アンカーより後ろに十分な控えを整えられていない。
マンチェスターダービーの1試合で見れば大量得点で、3失点ぐらい影響はないが、シーズンを通して見ると、ターンオーバーが組みにくい。
カルビンフィリップスやストーンズの怪我、ウォーカーの不調は、じわじわと特にCLを勝ち進んでいくと効いてくる。
今シーズンは11月にワールドカップがある変則的なシーズン。
このまま怪我人が増えないことを祈るばかりだ。
とにかくマンチェスターダービーに難なく勝利できたのは非常に大きい。
CL、リーグと週2回の日々が続くので着々と勝点を積み上げていってほしい。
それでは!
プレミアリーグ 第5節 vs サウサンプトン
こんにちは。
tadashiです。
今回は、試合を見ながら書き連ねた内容で取って出しの最速レビューに挑戦します。
スタメン
ホーム マンチェスターシティ
GK:エデルソン
DF:ウォーカー、ルベン・ディアス、アケ、カンセロ
FW:ジェズス、スターリング、グリーリッシュ
一昨シーズンを思い出す。
アウェイ サウサンプトン
GK:マッカーシー
DF:リブラメント、スティーブン、ベドナレク、ウォーカー・ピータース
FW:アダムス、アームストロング
対戦成績
20-21シーズンはマンチェスターシティの2勝。
1-0、5-2の勝利。
個人的なマンチェスターシティのターニングポイントとなった試合がセインツとの1戦目だったので非常によく覚えています。
過去10年間でセインツは一度しかシティに勝てていません。
今シーズンも順当に勝ち点を重ねてほしいです。
注目選手
マンチェスターシティ:アケ(今お前しかいないけど、複雑な心情だと思う)、グリーリッシュ(加入から試合に出続けているセクシーアイコン)
セインツ:アームストロング(2部で28ゴール)、ウォードプラウズ(セインツを支え続ける名キッカー)
アンカー無効化だけじゃない組織的なセインツの守備
アンカーを消す
スターリングが1トップの4-3-3のシティとアダムス、アームストロング2トップのセインツ。
2分にはさっそくウォーカー対決の1回戦が開戦。今日は何試合行われるか。
セインツは2-2のビルドアップに対して、シティは前3枚+IH2枚。現時点では大外のSBにパスは出ていないが、だれが対応するのかは見もの。
4分のシティ両SBの位置に注目。カンセロもウォーカーも内に絞って、ロドリの横。
当然状況に応じてライン際に入る。
ベルナルドへのスルーパスはサイドで持ったカンセロから。
この時間6分では、ベルナルドが一列前に出て4-4-2のシティの守備。この使い分けは相手によるものなのかわからない。
セインツは2トップがフェルナンジーニョのパスコースを消す立ち位置。GKエデルソンにも不用意にプレスはかけない。8分のシーンでは、ルベンディアスから中途半端なパスが出て、セインツがインターセプトできたのでセインツはこの形を続けたい。
きちんとIHにはセインツのCHがマークをついている。
セインツが思いのほかボールを保持している。中2日のシティは、アグレッシブにプレスにはいけないということもあり、ある程度は受けてしまうという考えか。だとするとジェズスとグリーリッシュのサイドの戻り、セインツのCHが縦に抜けたときのIHの戻維りがかなり重要になる。
セインツが先手を取れるとしたら、そのインテンシティで上回れるか。
一方のシティは攻撃でも守備でもあまり目立った良いところはない。
アンカーを無効化し、偽SBを動かし、孤立したWGを狙うという守備組織が前半15分は機能しているセインツ。シティはこのままだと何か打開できる策がないと厳しい。
15分のシティのプレス回避。今日は偽SBじゃない方がセインツは広がるし、フェルナンジーニョが空いてくるタイミングが出てくるだろうなと感じさせる。
セインツのビルドアップに対して前からプレスをかけ、パスコースを限定して蹴らせて回収。フェルナンジーニョを経由して、斜めにスターリングへパス。ベルナルドが中央を抜けでたがわずかに通らず。この18分のプレーは今日のシティの狙いたい形。
IHがひとり前に出たときに、フェルナンジーニョの脇を使われてしまい、前向きでセインツに仕掛けられてしまう。縦の距離が遠く、フェルナンジーニョの脇はカバーできないDFライン。2トップなので、CBは前に出にくい。
23分にはグリーリッシュが抜け出して左からクロス。大外にまつスターリングにはぎりぎり届かず。ベドナレクのクリア。
このシーンでは、ベルナルドが斜めに下りてきてグリーリッシュとレーンを交換していた。ベルナルドはつり出されたSBを見て、グリーリッシュを見ずにSBの背後へスルーパス。この時間までなかったレーン移動でセインツをうまく動かすことができた。
26分スターリングの左サイドからのシュート。200試合目の出場のスターリングはあと3得点でプレミアリーグ100ゴール。
グリーリッシュが巧みにボールを動かし、2対3を崩した。
ハイプレスの背後を取る
しばらくセインツのペースだったが、はめにくるセインツを利用して背後を使いだしてからは、シティのペースになってきた。触れればゴールという攻撃が続いている。
ビルドアップでは、変わらずセインツがアンカーを消してくるが、背後を取られてから後ろの選手の連動が弱くなってきた。背後を取られることは失点に直結するのでチームとして認識がずれはじめているということだろう。枚数がかけられなければ、枚数的にはビルドアップ側の方が優位で、フェルナンジーニョに入るとポゼッションが高められる。
39分のセインツのカウンターで、中央をケアしたのが右SBのウォーカー。ルベンディアスがサイドにいて、最終的に守れたけど、カンセロとウォーカーがCBの位置になっていた。偽SBがカウンター対策だとしてもDFラインのバランスが崩れることになるのはどこまで許容されているのか。
前半の途中からロメウを下げて5バックにして、シティの攻撃後にカウンター気味に中央1トップにあてるという戦術に切り替えているセインツ。
右サイドはリブラメント、左サイドはエルユヌシが連動して縦に速く飛び出してくるので、マンチェスターシティは守備の対応が間に合っていない。今のところはアケとルベンディアスの個で守り切れている印象。
ロメウの使い分けと再現性のないシティ
変わらないセインツにはまるシティ
最後5バックで終えたセインツは、後半開始は4バックに戻っている。
シティは、開始はスターリングが右、ジェズスが中央。
後半5分間はボールを握るのはセインツ。
シティの少しだけ見える変化は前半よりも、ギュンドアンが下りてもらいに来ていること。SBはフェルナンジーニョとCBとの距離感を少し考え始めた。ギュンドアンのフォローと偽SBでのフォローを使い分けるようにしているのか、それとも一時の動きか。
56分にチャンスをつくるスターリング。ウォーカーから縦にロングボールを放り込み、スターリングを走らせるプレー。前向きの守備に対して効果的で、スターリングはウォーカー・ピータースと1対1を作ることができる。
今日のシティは再現性が低い。セインツの組織的なサッカーに自分たちのペースがうまくつくれていない印象。
サイドを広く使いたいが、使われている。ビルドアップで相手を動かしたいが、セインツに引っかかる。
60分 セインツにPKの判定⇒VARでPK取消
後半何度かあったビルドアップのとこでセインツに引っ掛かるということが、右サイドでも発生し、ウォーカーが奪われ、アームストロングがペナルティーエリア手前でドリブル。シュートフェイクでルベンディアスをかわし、ペナルティーエリアに侵入したところを奪われた張本人であるウォーカーが後ろからアームストロングを倒してしまった。
PKは取り消しになったが、これまでのシティではありえないミスが続いている。
アンカーギュンドアンの意味
64分 フェルナンジーニョ⇒デ・ブライネ
ギュンドアンがアンカーに入り、攻撃的な采配にシフト。
ギュンドアンアンカーというのはCL決勝チェルシー戦を思い出してしまい良いイメージはない。ギュンドアンの攻撃的な部分を殺してしまうことになりそうではある。
アンカーではなく、3センターというイメージならいいと思うが。
67分 ジェズス⇒マフレズ
シティ二人目の交代。
やはりサイドにいる選手が孤立するようなセインツのプレッシングにうまくはまっているシティ。ウォーカーがなかなかビルドアップで良いプレーが出ないのは、単純に孤立しているから。
69分にも同じように左サイドでもボールロスト。この時間でもそこまでプレスのクオリティが下がらないのは素直にすごい。ビルドアップをするCBやSBにかなり高い思考の負荷をかけることに成功している。
71分 ベルナルド⇒フォーデン
プレミアリーグは初出場のフォーデン。怪我だけはしないでほしいが、できれば得点を取ってほしいと思っている。左のIHに入り、グリーリッシュとプレーをする。
75分にようやくデブライネに良いプレーがあった。
なかなかデブライネが良い位置でボールを触れていないのも攻撃があんまり活性化しない原因。
セインツはクリアした後に前に出られなくなってきた。2トップが孤立してきたので、ボールは回収できるようになったシティ。
ボールを持った時に次の展開を予測する時間がなかったことで、奪われていたが、強度が落ちる終盤でシティは取り返せるか。
と、言っていたがセインツはなかなか強度が落ちず、攻撃後の切り替えが非常に速い。80分もそうした中で最終的にシュートを打たれてしまう。
試合終盤
スターリングは中央でプレーし、かなり起点になっている。得点はないが、得点の可能性はスターリングが多い。
お互いが疲労の中で最後は体を投げ出してシュートブロック、クロスブロックを見せる。惜しい!というシーンが多いが、セインツのシーンはほとんどがロメウからの展開。
シティはスターリングに縦パスが入るか、グリーリッシュの突破が唯一の糸口になっている。結局だれが点を取るのかわからないマンチェスターシティはこういったときに狙うべき選手がいない。
残り5分になって、ロメウがまた最終ラインに入り5バックの5-4-1となっている。
ロスタイムに入り、セインツは時間稼ぎ。シティに対してアウェイで勝ち点を稼げると考えキープ。
ロスタイム7分を過ぎたところで試合終了。
所感
試合を見終えた感想は、引き分けで良かった。というところ。
アンカーと偽SBを消し、ビルドアップを阻害し、大外に張るWGにCBから直接パスを通させ、孤立したWGを複数で仕留めるという形が何度も成功しており、再現性を高めた組織的な守備をハーゼンヒュットルはチームに仕込んでいた。
その中でもアンカーのフェルナンジーニョがボールを受けると、シュートやクロスまで到達できるシーンが出てくるので、シティとしてはフェルナンジーニョをどの過程で絡めるかを考えた試合だったと思う。
セインツは前後半の終盤にはロメウをDFラインに下げ5バックを形成し、シティのサイドからの逆サイドに向けたクロス対応もコンプリートさせていた。
シティはグリーリッシュの突破、ショートカウンターでスターリングに縦パスが入るぐらいしか、チャンスらしいチャンスは作れていなかったように思える。
前半に見せたベルナルドとグリーリッシュのレーン交換はセインツには大きく効いていて、そこから何度か左サイドでSBの背後を取ることに成功していたが、今日のセインツの集中力は並みではなかった。
後半のビルドアップでのミス。おそらく3,4回連続で続き、ペナルティーエリアまで侵入されあわやPKとなる手前までセインツに攻め込まれた。
その前段で見せた2-3ビルドアップにギュンドアンがフォローにいった形でセインツの守備組織を動かすことができていたのに、それをやめてしまったのが残念だった。
点を取りに行きたいシティは、ギュンドアンの得点力を最大化する位置に置きたかったのかとも思ったがそれなら、フェルナンジーニョ交代後、ギュンドアンにアンカーをさせたのは理解不能だった。
シティファンは納得のいかない試合だったと思うが、グリーリッシュの好調ぶりはプラス要素。
良かった選手
〇リブラメント(セインツ)
18歳の右SB。足がつるまで走ってグリーリッシュとやりあっていた。
ビルドアップでは、シティのプレッシャーをものともせず、トラップ、ドリブル、パスが非常に落ち着いていた。若くしてこのプレーができるのは、今後も見続けたい選手。
〇ロメウ(セインツ)
攻撃のすべてに彼が関わっていた。周囲が見えていて、後ろに目がついているのかと思うほど。シティのプレスをあざ笑うかのように、ロメウが時間をかけてシティを集め、次のプレーでは手薄なところにダイレクトで展開。的を自分にしぼらせて、フリーを作る大柄なレジスタ。
DFラインに入っても仕事ができるので、試合中に瞬時に4バックと5バックを使い分けられる。監督としては一人ほしい人材。
〇グリーリッシュ(シティ)
開幕からスタメンを継続している150億円の男。今のところ得点アシスト量産ではないが、確実にコンスタントに良いプレーができているのは、グリーリッシュとルベンディアスぐらい。
左サイドでボールをキープし、独特のリズムでドリブルする姿はエレガント。相手をいなして縦にも中にも入る込めるその技術はシティの中でもダントツ。思ったよりもチームに溶け込んでいて、ベルナルドとの相性は良さそう。今後に大いに期待できる。
それでは!
8月8日 コミュニティシールド vs レスター
こんにちは。
tadashiです。
この2チームがシーズン開幕に華を添える
それがコミュニティシールドです。
圧倒的なチーム力でプレミアリーグを制したマンチェスターシティと決勝でチェルシーをくだしたレスター。
今回は最初ということもあり、感想メインにシティに注目して書いていきます。
スタメン
両チームのスタメンはこちら
ユーロ、コパアメリカと二つの国際大会があったため、そこに主力として参加していた選手たちはこの試合には出場しませんでした。
ペップも言っている通り、全員で集まって練習をすることが難しいままシーズンをスタートするため、序盤は厳しいのは間違いない。
メンバーの入れ替えが少ないことはポジティブに働くかもしれません。
レスターは主力もばっちり出場していますね。
バカンスの期間を短くしたのか、強行出場なのか。
ただ、今シーズンもロジャース監督のレスターは手ごわいことがわかりました。
期待していたこと
上で述べているようにデブライネなどの主力選手が出場しないことで、期待したことは以下の2つでした。
・若手のプライオリティ
・ベルナルドの起用
若手のプライオリティ
1つ目は、プレシーズンマッチ(以下、PSM)から1つ下のカテゴリーの選手を試していたペップがコミュニティシールドにだれを使ってくるのかというところを期待していました。
結果的にスタメンは、PSM3ゴールのエドージーとPSMでダビド・シルバに近いとみなが言っていたパルマーでした。
エドージーは前半は明らかに緊張からか目立つことはできていませんでした。何度かゴール前でパスが受けられていたけど、うまくシュートが打てず。
後半は良い感じに力も抜け、左サイドからドリブルを仕掛け、何度か成功していました。それによりシティが優位に試合を進めることができていました。
パルマーはというと、守備では普段のデブライネのように一列前でCBを牽制し、攻撃ではハーフスペースをファーストポジションにしながら、レスターSBの裏をフリーランニングで取っていく。
エドージーよりも前半から試合に入り込めていたように思います。
身長も高くこれまでにないシティのIHが生まれるかもしれないです。
ここから第二のフォーデンが出てくることを期待しています。
ベルナルドの起用
今夏に退団したいことを告げていたと言われるベルナルドシルバ。
コミュニティシールドは、74分からの出場でした。
左のIHに入ったことで、グリーリッシュやメンディーと小気味良くパスをつないでいました。
グリーリッシュの持つタイミングに合わせてペナルティーエリアの奥にフリーランニングを見せたりとコンビネーションは悪くないように思えました。
ベルナルドの投入に合わせて、グリーリッシュがサイドから中に入ることも増え、メンディーも大外をオーバーラップする姿も見えた。
SB内、WG外というのをベルナルドの投入でSB外、WG内というスイッチに切り替えたようにも見えた。
ベルナルドが退団したいというのならそれを尊重したいとは思うけど、昨シーズンデブライネ不在時にその穴を埋めることができたのはベルナルドだけだった。
デブライネに依存していたマンチェスターシティにおいて、彼に手を差し伸べることができたのは、ベルナルドだけだった。
チームメイトが得点をしたときにだれよりも早く走って祝福してくれるのはベルナルド。
グリーリッシュが来て、フォーデンが台頭してきたことと、イベリア半島に戻りたい気持ちが今ちょうど重なっているのかもしれない。
もう少し彼の動向を見守りたいと思います。
メンディーの魔改造
ペップが今シーズン初めに手掛けているのがこれだと思いました。
銀髪のフランス人は試合開始からジンチェンコのような位置取りをスタート。
少し戸惑いながらもフェルナンジーニョの横をキープし、マークするペレスを内側に寄せ、そのスペースをギュンドアンがフリーで使う、といった左サイドが円滑に回っているように思えました。
図のようにギュンドアンが開くことで、レスターは迷いますが、中央を薄くすることはまず考えられないので、必然的にギュンドアンはフリーになります。
そのひとつ前でエドージーがピン留めしているのもポイントです。
緊張の見えたエドージーがなかなか周りを使えなかったこともあってチャンスにはならなかったけど、メンディーは前半かなりインナーラップを見せていましたし、
19分のカウンターの起点となるスルーパスを出してそのままゴール前に入り込むなど精力的な動きを見せていました。
ウォーカーに仕込んだように、メンディーもついにシティのSBとなるのでしょうか。
個人的には、メンディーまで魔改造されてしまったらメンディーの良さも消え、オプションがなくなってしまうのでほどほどにしてほしいなと思っています。
グリーリッシュ出場
さあ、65分にグリーリッシュが出場です。
加入早々から色気全開の宣材写真で世界中を虜にした彼のプレーもやはりエレガント。右足でボールを運ぶその軸足はセクシーそのもの。
靴下を半分までしかあげないその脛もセクシーダイナマイト。
ルイコスタを尊敬してると思ったが、そうではなかったことだけが残念。
約25分間のプレーを見て思ったのは、まだ万全ではないのかドリブルは少なめでした。
左ワイドでボールをキープし、釣られたSBの裏をIHで狙う。
右足で持っているのでその足でスルーパスが出せる。
チャンスクリエイトがデブライネに次いでいた昨シーズンのスタッツは嘘じゃないかもしれないと思いました。
明らかにスターリングにはないプレー選択でした。
それはパルマーでもベルナルドでも同様でしたが、これはデブライネとのコンビネーションが楽しみだなと思わせてくれました。
敗戦を受けて
88分のPK献上。
イヘアナチョのPK成功により0-1で敗戦。
敗戦はしたもののシーズン初戦はどうだったのか。
まず、守備について
昨シーズン途中から安定して守れていたIHを一列前にあげた4-4-2でレスターに応対。
これは前半よりも後半の方がうまく機能していた印象でした。
CBに素早くプレスをかけ、下りてくるマディソンをケアし、パスコースを塞ぎロングボールを蹴らせることに成功していました。
失点に関しては、シーズンの大事な場面で起きるロドリのエラーですね。
しかし、ロドリはあの時点で前へのパスコースがなかった状態でした。
ロドリを敗因にあげるのはかわいそうだとも言えますが、後ろに下げるならGKに下げるべきだとも思ったのは私だけではないでしょう。
フェルナンジーニョはああいった場面で適当に遠くの方に前に蹴ることも見られます。
こういったときの潔さはフェルナンジーニョを見習ってほしいとも思います。
では、攻撃に関して。
両チームに言えたことですが、前半からチャンスはポジトラでの推進力によって多く生まれていました。
相手のネガティブトランジションを上回る切り替えの速さでゴール前に侵入。
レスターはわかるが、シティがこれに付き合う必要があったのかは疑問でした。
おそらくメンバー構成的にそっちの方が効率的に攻められたのだと思います。
特に前半のメンディーからの攻撃は昨シーズンにないオプションになると感じたところです。
レスターは、マディソンがだいぶ頭を使ってシティの中盤を引き出していました。
20分過ぎからだったと思います。
これにより重心を低くしたかに見せて足の速い選手で後ろの広いスペースを使うという攻撃は、レスターの選手たちの特性をいかした非常に効果的な攻撃だと思いました。
シーズンのスタートは敗戦から始まったマンチェスターシティ。
次は16日のトッテナム戦。
リーグ戦開幕です。
ケインやベルナルドの去就も気になるところですが、まずは合流した選手たちが無事にベストコンディションに戻れるように、その時が来るまでPSMから調整している選手たちが結果を出せるように応援していきましょう。
それでは!
プレミアリーグ20-21シーズン シティを苦しめたベストイレブン
デブライネ「おれの後ろマスクしろよ…」
こんにちは。
tadashiです。
初めに
プレミアリーグの全日程が終了しました。
昨シーズン猛威を振るったコロナウイルスは依然として猛威を振るいながらも、人類は強く、中断もなくすべての試合を終えることができました。
プレミアリーグではないけれど、人数制限がありながらFAカップとチャンピオンズリーグの決勝では観客を入れて試合をすることができました。
少しずつ日常を取り戻していきつつあるサッカーは、ここでオフシーズンに入ります。
海外サッカーフリークのみなさま、特に海外リーグを主に見ている人からすると、このオフシーズンは次の熱狂までのしばしの休息となります。
本日は、そんなオフシーズンの始まりにふさわしい毎年恒例のベストイレブン企画の開催です。
題して
プレミアリーグ20-21 シティが苦しめられたベストイレブン
選考の前提条件
昨シーズンの終わりから半ばネタ的に始めた「苦しめられたイレブン」ですが、依然としてGoogle検索では上位に位置し、だれも手を出さない領域であることがわかったので、今シーズンも手を出してみました。
選考の条件はたったこれだけ。
プレミアリーグマンチェスターシティ戦で、1試合でも出場していること。
そして、我がマンチェスターシティを苦しめたこと。
この中から各ポジションの選手を選出していきます。
ベストイレブンの発表
まずは、フォーメーションとあわせてベストイレブンを御覧ください。
システムは4-2-3-1。昨シーズンと同じです。
このシステムを選んだ理由は2つあります。
6敗のうち3敗が4-2-3-1に敗戦
スコアレスで終わった3試合は4-2-3-1を相手にしたとき
敗戦、スコアレスと聞いて、嫌でも思い出す赤いユニフォームと白いユニフォーム。
20節から首位の座を渡さなかったマンチェスターシティを苦しめたマンチェスターユナイテッドとトッテナムのシステムがベースになっています。
それでは、各選手を見ていきましょう。
■凡例
名前(所属チーム・国籍)
年齢 マンシティ戦出場数
GK
サム・ジョンストン(ウェスト・ブリムウィッチ・アルビオン/イングランド代表)
28歳 2試合出場
あとでノミネート選手も出てきますが、2試合を通してシティを苦しめたGKはなかなか見つけられませんでした。
リーズのメリエと悩みましたが、シーズン最初のシティ戦、1対1のドローを演じた試合で枠内シュートのほぼすべてをセーブしたこのGKを選出しました。
特に後半残り10分間のデブライネとの熱い戦いは全シティファンが覚えていることでしょう。(え、覚えていない?)
サッカー選手らしからぬ丸坊主は好感が持てます。
サウスゲイト代表監督にも認められ、現在、イングランド代表にも選出されています。
2戦目は5失点をするもその愚直な姿に心を打たれてしまいました。見てください、この全身証明写真のような姿を。
ちなみに、このジョンストンは、マンチェスターユナイテッドに所属しており、ローンで長らくアストンビラに。今シーズンからWBAに完全移籍をした選手です。
GKは1人しか出られないため、こうやって自分を必要としてくれるチームに移籍することがとても重要だと思ってしまいます。
DF
DFは4枚選びました。
選ばれるのにふさわしい4人を持ってきました。(自信あり)
【右サイドバック】
31歳 2試合出場
右SBは悩みました。(自信があるとか言っていきなり)
彼はクリスタルパレスのウォードという選手。イケメンですね。
2012年からクリスタルパレスに所属。今シーズンで9年間パレスで過ごしています。
みなさんはこの選手をご存知でしたか?私は知りませんでした。
しかし、シティとの2戦目で見つけてしまいました。
左SHで先発したスターリングとのマッチアップで、スターリングを完全に止めたこの選手を。
シティは、ターンオーバーで4-4-2を採用。左に入るスターリングをマンマークしたのが彼です。
シーズン終盤にかけて調子を落としていたとはいえ、リーグ随一のWGをシャットアウトしたベテランに拍手を送らざるを得ません。
試合は、負けてしまいましたが、個人としては、インターセプト2回、タックル3回を記録。対峙するスターリングはこの試合ドリブル突破が0回でした。
※これ以降、使用する写真はすべてその選手をネガティブに表している写真にしました。だって、シティ相手に活躍しすぎなんですから…!
【右センターバック】
ハリー・マグワイア(マンチェスターユナイテッド/イングランド代表)
28歳 2試合出場
マンチェスターシティを無失点に抑えたユナイテッドの守備の要であり、キャプテンの彼を選ばない理由はないでしょう。
ミラクルレスターによるプレミアリーグ制覇後の2017年、レスターに移籍したマグワイアはプレミアリーグでその実力を発揮し、2019年にはマンチェスターの赤い方へ。
瞬く間にレギュラーに。彼の安定した守備は、戦術のないだれかに依存したユナイテッドの攻撃を支えるスーパーマンとなりました。
シティ戦では、その圧倒的な守備力でシティの攻撃を0で封殺。
昨シーズンからそうでしたが、ユナイテッドを前にすると得点のイメージがなくなります。おそらくそれもマグワイアの実力があってこそでしょう。
とてもセクシーなパートナーがおり、うらやまけしからんと思い、その時点でも苦しめられた(私が)ので文句なしの選出でした。
【左センターバック】
28歳 2試合出場
シティ相手に7失点とチームとしての成績を見れば大敗だったサウサンプトンでしたが、この199㎝の大柄なCBは、大いにシティを苦しめました。
ヴェスターゴーアは、その恵まれたフィジカルに注目がいきがちですが、彼の魅力はなんといってもパス精度の高さです。
左から逆サイドの選手に展開するサイドチェンジの質の高さは一級品。
スピード、正確さは、シティのラポルト、リバプールのファンダイク、もっと言えばレアルマドリードのセルヒオ・ラモスとも遜色ないと言いたいぐらいでした。
また、縦パスの精度も素晴らしくウォードプラウズやウォルコットがハーフスペースに顔を出せば絶妙なタイミングで足元にあてていきます。
1戦目はロングパスを10本成功させており、2戦目は何度もシティ守備ラインを飛び越える縦パスを出していました。
2010年にスカンジナビア半島からドイツに渡ったこの青年は、ホッフェンハイム、ブレーメン(大迫ともプレー?)、ボルシアMGと経験を積み、2018年にサウサンプトンに加入。
当時スタメンだった吉田をおぼやかす存在としても日本で少しだけ話題になっていたと思います。
シティ相手だったから気づけたものを、こうやって毎試合見ることのできないリーグにももっとたくさんの素晴らしい選手がいると思うと悔しいですね。
【左サイドバック】
ルーク・ショー(マンチェスターユナイテッド/イングランド代表)
25歳 2試合出場
ぽっちゃりしているけど、足は速い。
時々スポーツ界にいる体格と動きが合わない人。それがこのルーク・ショーです。
なんといっても、2戦目の後半開始早々のプレーをシティファンは忘れたい忌まわしい出来事です。
GKからのスローを受け、ワントラップでカンセロをかわしドリブル。ラッシュフォードとパス交換をして思い切り左足を振りぬいたシュートはうまくエデルソンすらもかわしゴールに吸い込まれました。
やられた…!と試合を見ながら思いました。
この日のルーク・ショーは敵ながらも素晴らしい活躍でしたし、シティのサイドバックにはこのように推進力のある選手が少ないのでうらやましさもありました。
推進力のあるDFによくある1対1の弱さもこの試合では見られず。
シティ相手だからなのかまだ25歳だし、成長されても厄介だなと思ったのが正直な感想です。
ユナイテッドからはもう一人出しています。
MF
MFはアンカーを2枚並べ、トップ下を置いた5枚編成になります。
【左ボランチ】
フレッジ(マンチェスターユナイテッド/ブラジル代表)
28歳 2試合出場
昨シーズン、シャフタールからこの赤いマンチェスターに移籍したボランチを選出。
昨シーズンはあまりフィットしていなかったけど、今シーズンは2戦ともマンチェスターシティを苦しめる活躍。
マクトミネイが上下の動きを見せるなら、フレッジは横の動きでシティの攻撃をブロック。
試合を見ながら、またフレッジ!またマクトミネイ!と苛立っていたことを思い出します。
2点クリーンシートで勝利した2戦目よりも1戦目の引き分けの試合の方が印象的でした。
パス成功率は90%を超え、タックルも3度成功させていました。
それもこれも試合途中からのシステム変更が効きました。だれの指示だか知らないけれど。
1戦目を見て思ったのですが、フレッジは隣に味方がいるよりも一人で広いエリアをカバーした方が活きるなと感じました。その点で言うと縦に強みのあるマクトミネイとのダブルボランチは最善の組み合わせと言えますね。(悔しい)
【右ボランチ】
ユーリ・ティーレマンス(レスター/ベルギー代表)
24歳 2試合出場
ベルギー代表の若き才能を選びました。
シティ戦ではなんといってもその視野の広さ、配球の質の高さが目立っていて、1戦目の5失点のゲームではすべてのプレーに関与していたのでは?と思うほどボールを散らし、ヴァーディを活かし、シティのSBを孤立させていました。
1対1にも12分の8で勝利、インターセプト3回、タックル2回。5点目の得点もあげました。
チームとしては残念ながら今シーズンもギリギリで、チャンピオンズリーグ出場権を逃してしまいましたが、個人で見れば十分CL圏内のチームへステップアップすることは可能だと思います。
モナコからプレミアへの輸入が近年凄まじいです。その恩恵をリバプールもシティも受けているのでフランスリーグ1には感謝です。
【右サイドハーフ】
スチュアート・ダラス(リーズユナイテッド/北アイルランド代表)
30歳 2試合出場
リーズ自体はシティに無敗。
1勝1分と十分な結果だったので、リーズから一人は選びたいと思っていました。
そこで、そのユーティリティでポリバレントな存在としてダラスを選びました。
チーム事情もあったのかもしれませんが、1戦目の引き分けの試合では左SBとしてプレー、2戦目の勝利をあげた試合ではCHとしてプレーをしています。
2戦目では一人少ないながらダラスはパス成功率90%を超え、少ないボールを持つ時間を無駄にしていなかったし、枠内シュート2本で2点。そのすべてがダラスでした。
特に2戦目の2得点は、本当に余計なことをしてくれた!と思ってしまいましたが、あの切れ味鋭いカウンターは見ていて気持ちが良いものでした。
【トップ下】
タンギ・エンドンベレ(トッテナム/フランス)
24歳 2試合出場
ここでの選出?と思った方も多いと思いますが、普段シティの試合を見ない方はぜひハイライトだけでもトッテナムシティの1戦目を見てください。
普段ダブルボランチの一人として起用されるエンドンベレはトップ下でプレー。
フィジカル的な選手を前に置くやり方は重心は低くなるものの守備での安定感を与えます。
彼がモウリーニョから与えられたタスクは「シティポゼッションの阻害」です。決してボールを奪うわけではないけれど、ファーストディフェンダーとしてケインと二人でアンカーを塞ぎ、ボールが来ればフィジカルでキープしていました。
チャンスメイクはケインに任せてエンドンベレはエンドンベレにできる最良のプレーでチームに貢献するという形です。
これもケインが万能型FWの完成形であり、ソン・フンミンのように左右には得点力のあるアタッカーがいたからトップ下をチャンスメイク以外に専念させられたトッテナムの特殊性もありましたが。
まだ24歳ですし、リヨンで名を上げ、トッテナムに加入した経歴を持っていますので、精神的に問題なければこれからもトップでやっていけるはず。
残念ながらユーロの代表には残れませんでした。
【左サイドハーフ】
レアンドロ・トロサール(ブライトン/ベルギー代表)
26歳 2試合出場
風圧に顔が負けるトロサール
シティファンがこの選手の名前を聞いて思い出すのは第37節だと思います。
1人少なくなったシティがフォーデンのゴールで2点差にしたことで、試合をうまくこのまま終えようとしていたのに、彼の一発でブライトンに勢いが生まれ、残りの2得点はオーバーラップしたCBの二人という展開で敗戦。
得点もそうですが、こういうドリブルやプレーの1つ1つでチームに勢いを与えられる選手はとても重要ですね。(シティで言うルベンディアス)
ブライトンも見事残留を果たしています。(ブライトンは得点入らなさすぎですが)
トロサールは、ヘンクでキャリアを始め、レンタルを繰り返しながら努力を重ね、2019年にブライトンへ移籍しています。
この2年たしかにトロサールはシティ戦では切れ味の鋭いドリブルでシティDFを困らせていましたし、2戦目では途中出場で結果を出しました。
優勝したシティ戦での活躍はその選手の成長を促してしまいます。
本当にやめていただきたい。
FW
30歳 2試合出場
この選出に文句のある人がいれば今すぐにマンチェスターシティの38試合を見直してほしい。
それぐらい苦しめられた選手と言って過言ではありません。
今シーズンのマンチェスターシティはルベンディアスの加入によりとてつもなく強固なディフェンスを築くことが可能となりました。CLとのターンオーバーで終盤に失点のかさむゲームをしていましたが、32失点というのはリーグ最小です。
そのチーム相手には2戦2得点。これは素晴らしい記録です。
特に素晴らしいのはフィジカルなゴールだったということです。
マンチェスターシティの弱点をしっかりと明るみにし、ルベンディアスの気持ちをさらに奮い立たせてくれた優勝の立役者とも言いたいぐらいです。
しかも彼は多くのレンタル移籍を重ねてようやくこのプレミアの舞台に立っています。
プレミアでシーズン10ゴール。
そのうちの2得点が優勝したマンチェスターシティからあげたゴールだなんてとても夢があると思ってしまいます。
惜しくも落選した人
残念ながら11人に入らなかった選手たちを紹介します。
■GK
アレオラ/フラム
マルティネス/アストンビラ
メリエ/リーズ
■DF
ティアニー/アーセナル
ターゲット/アストンビラ
■MF
ライス/ウェストハム
マクトミネイ/マンチェスターユナイテッド
ハリソンリード/リーズ
シェルビー/ニューカッスル
カーティス・ジョーンズ/リバプール
リンガード/ウェストハム
ネト/ウルヴス
シエシュ/チェルシー
■FW
カバレイロ/フラム
ポグバ/マンチェスターユナイテッド
ポデンセ/ウルヴス
フィルミーノ/リバプール
ケイン/トッテナム
サンマクシマン/ニューカッスル
ジョエリントン/ニューカッスル
所感
最後です。
この11人を見たときに感じたのは、相当マンチェスターシティとの相性が良いだろうなということです。
右サイドのビルドアップが読めないところはありますが、引かずに中央を閉め、ブロックを作ってロドリで奪い、ダラスとトロサールのカウンターからクロスさえ上げることができればフィジカルでアントニオが押し込んでくれるはずです。
そういえば監督を決めていませんでしたね。
このチームを率いる監督はシティに負けていないビエルサかスールシャールと言いたいところですが、おそらくはまらないので、シティを行動不能にさせたレスターのロジャース監督にしましょう。
今シーズンのマンチェスターシティは、13節を境に大きく印象を変えています。
20節には首位に立ち、そこから一度もその場所を譲らなかったことを考えるとその状態のシティ相手に勝利したマンチェスターユナイテッドへの苦手意識は増し、11人のうち3人も選ばれるのは必然だったと思います。
最後までお読みいただきありがとうございます。
今シーズンはプレミアリーグで覇権奪回。CLでは準優勝。カラバオカップは4連覇となりました。
それでも、思い返すとこれだけの選手に苦しめられていました。この企画もまだまだ続けられそうだな、と思いました。
また、来シーズンにお会いしましょう。
それでは!
CL準決勝 vs PSG マンシティはいかにしてPSGに逆転したのか
こんにちは。
tadashiです。
あと2勝
マンチェスターシティが目指した頂はもうすぐそこまで来ている。
ペップグアルディオラが招聘されたときにだれもが思った。
準決勝第1戦 PSGのホーム パルク・デ・プランス
それでは振り替えっていきましょう。
プレビューはこちら
両チームのスタメン
両チームのスタメンはこちら。
特筆すべきはこのコロナ禍の過密日程の中で怪我人がどちらにもいないことです。
前半:PSGが狙ったこと
それはたった二つ
・シティのビルドアップを中央で奪う
・最初にネイマールとエンバペを見る
パリの狙いは開始2分にさっそく見られました。
中盤でのビルドアップで、ロドリにボールが入ったところでカット。
シュートを放ちます。
シティからすると開始早々のロドリのロストは試合の流れを左右するものでした。
トゥヘルのときと比べて、ポチェッティーノはあまりポゼッションに固執しない監督なので、この試合もシティにボールを持たれることを嫌っているようには見えませんでした。
むしろ積極的に持たせて、狩場に誘導してゲイエ、パレデスで奪うという戦術を基本としていました。
ネイマールとエンバペの二人が守備でもアンカーを消したり、サイドに追ったり、パスコースを限定したりしていたのがこの作戦の肝であり核。
18分のシーンでは、シティのスピードを中盤で落としたところをネイマール、エンバペが下りて挟んでボールを奪っています。
本気のときのPSGは、全員が守備をするのです。
PSGの攻撃はどうだったかというとこれまた非常にシンプルです。
4-2-4と前からくるシティに対して、ビルドアップでパレデスがCBの間に下りてSBを押し上げ、ヴェラッティがシティの配置の穴をついたりと工夫が見られましたが、
崩しの局面では、どれだけネイマールとエンバペに気持ちよくプレーさせるかという点に気を配っていたと思います。
顔を上げたらネイマールとエンバペを探すのが攻撃のスタートに見えました。
特に、ヴェラッティとディ・マリアはネイマールのポジションに合わせて、下りたりサイドに広がったり、中に入ったり、ドリブルでネイマールのスペースを作り出したりと、良い意味での接待サッカーをしていました。
前半に限って言えばカンセロの裏をSBのフロレンツィが狙うシーンがありました。
開始早々の4分は、ディ・マリアにつられたカンセロの裏。
33分は、ネイマールから右に展開し、ディ・マリアとフロレンツィで崩したシーンでした。
SBが押しあがることで、シティのWGは下がらざるを得ません。それをさぼればフロレンツィのオーバーラップのようにシティのSBの裏をうかれクロスを上げられてしまうのです。
一方のマンチェスターシティは、デブライネの0トップでかつ、ギュンドアンがロドリの横に並びます。
デブライネが左のハーフスペースに下りてきてしまうので重心が重く、パリのDFラインの前にはシティの選手がいない状況もかなり多くありました。
縦パスを入れてもリターンが多く、相手を動かすことにはならず、前には進めどゴールが遠い状況。
唯一のチャンスらしいチャンスは、前半はまらなかったプレスがふとしたときにはまったときでしった。
32分にDFラインでのビルドアップにプレスをかけたところをパリの方でミスがあり、シュートまでいけたシーンでした。
後半に向けてのポジティブなことは、このDFラインのミスの可能性ぐらいだったかもしれません。
前半終盤はボールを持つこともできない時間帯もあり、おそらく0トップだったときの作戦をポチェッティーノに持たれていたと考えられます。
前半のスタッツです。
シティは最短でサイドチェンジを行い、PSGを揺さぶりたいのに、その過程で奪われてショートカウンターを受けるという展開で前半が終わってしまいました。
ポゼッションは上回っているが、負けているという嫌な展開。
なにより、プレミアでは考えられないほどの圧倒的な個が組織だったシティを内面から削り取ってくるようでした。
得点となったコーナーキックにつながったネイマールの左サイドでのワンツー。あんなのプレミアでやってる人見たことないです。
不覚にも楽しい…!と思ってしまいました。
後半:メンバーチェンジなしで見せた変化
昨シーズンの決勝戦を思い出す
19-20シーズンの決勝。
バイエルンvsPSGの試合を思い出すと、PSGは前半からバイエルンにハイプレスを慣行。
この作戦が良かったのか、前半はスコアレスドローで折り返しました。
しかし、問題はここから。
前半から繰り返してきたハイプレスは少しずつ弱まり、唯一奪われた1点により敗北し、準優勝という結果に終わったのでした。
プレッシャーラインは昨年より低い位置だったとは言え、ネイマールやエンバペにも守備をさせ、マンチェスターシティのビルドアップを中央で阻害したPSG。
その勢いそのままに後半に挑むことは、ポチェッティーノにはできなかったのだと思います。
だからこそ、ネイマールとエンバペの守備を減らし、ブロックを作るようにしたPSG。これが結果的にかなりマイナスに働いたのです。
フォーデンの位置
後半に入るタイミングでのメンバー交代がなかったマンチェスターシティは、配置の変更で状況を盛り返します。
PSGが引いた守りになることで、後ろの選手たち(ストーンズ、ディアス、ロドリ、ギュンドアン)が、前半よりもゆとりを持ちボールを捌くことができるようになりました。
それに合わせて後半からはフォーデンを真ん中に固定し、ギュンドアンとフォーデンの間にデ・ブライネをおろすことで、デ・ブライネをプレッシャーの外側に置こうと考えました。
前半はDFラインの前という選択肢がなかったことで、PSGにパスコースを予測させやすくしていたので、選択肢を増やして狙いを絞りにくくさせようとしたのだと思います。
現に、これにより前半にはなかったくさびのパスも通るようになっています。
守備の基準
もう一つ変えたことが守備の基準点です。
4-2-4や4-3-3でWGが外切りする守備をベルナルドシルバを1列前に上げたシンプルな4-4-2に修正。
さらにロドリとギュンドアンでパレデスとゲイエを見ることにしました。
この修正により、PSG側に余る選手がいなくなり、よりシンプルに守ることに成功します。PSG側は、中央の2人が不自由になったため、パスコースが限定され、DFラインからボールを繋ぐことができなくなっていました
ボールは常にシティが持つようになり、ゲームをコントロールし始めます。
前半と逆転してしまったPSGはゲームプラン通りなのかはわかりませんが、全体として引いてブロックを作るようになります。
プレミアリーグでシティがよくやられる中央を締め外側でボールを回させる守備です。
ジンチェンコの投入
後半の15分間は、ボールをシティが持ちながら一進一退の攻防が続きます。
シティには、左から何度かクロスがあったり、60分にはクロスのこぼれをデブライネがバイシクル気味のボレーシュート。
PSGには、56分のペナルティーエリア内のエンバペの突破からのクロスや、59分にはPSG陣内からディ・マリアがカンセロをかわし、エンバペにスルーパスを送ったシーンがありました。
あわやというシーンもエデルソンが飛び出し事なきをえます。
この直後の61分にジンチェンコを投入。
傾いていたシティのペースは完全にシティのものとなりました。
ジンチェンコは普段の試合と同じように的確にボールをキープし、ボールを手放し、すぐにまた自分のもとに呼ぶなど、左サイドを完全に制圧していたと言っても過言ではありません。
パスだけでなく、守備においても、ネイマールをマークし、エンバペの突破を止めていました。
ジンチェンコが入ったことで、フォーデンは真ん中でのプレーに専念でき、ギュンドアンが近づくことで、ジンチェンコ、フォーデン、ギュンドアンのトライアングル+ルベンディアスでパリDFを揺さぶりにかけることに成功していました。
このあとの展開は、みなさんが歓喜した素晴らしい展開でした。
64分のデブライネのゴール(アシストはジンチェンコ)
71分のマフレズの技あり直接フリーキック
77分のゲイエにレッドカードで一発退場
PSGは万事休す。
試合は1-2でアウェイのマンチェスターシティが1stレグを制しました。
終盤は、ネイマールもボールをもうらためにかなり下がってきていました。
ホームで敗戦は避けたいはずですが、攻撃的なカードを切ることができなかったのは予想外だったと思います。
後半のスタッツです。
PSGが引いてくれたのがかなりプラスに働きました。
得点となったフリーキックに繋がったファウルやゲイエのレッドカードなど前半であればあそこまでパスをつなぐ前にネイマールかエンバペがプレッシャーをかけてきていたはずです。
その守備のタスクをはがしたことが、PSGの敗因とも言えますね。
今日のジンチェンコ
今日のジンチェンコを振り返ります。
■スタッツ
30分前後のプレー時間でした。
パス成功率は96%
もはやミスしてないです。
タックルも2回成功していて、思い出す限りネイマールとエンバペを1回ずつ止めています。
デブライネの得点では、ジンチェンコがアシスト。
コーナーキック時に真ん中にポジションを取るジンチェンコ。精度の高いパスがあるので、あの位置で持ったジンチェンコに強くプレスがかけられず、守備の目線を外す真横へのパスを選択したジンチェンコは称賛に値します。(あのスピードとコースを狙って蹴ったデブライネは変態です)
■プレーエリア
上の図がパスの位置をプロットしたもので、下の図がボールタッチしたエリアを表しています。(タッチマップはクリアなどのパスにならなかったボールタッチも含まれている)
ハーフラインでは、サイドライン際で味方のパスコースの選択肢となり、相手陣内に入れば、より内側に侵入し、アタッカーの後方支援に回っているような動き方に見えます。
ロドリとギュンドアンがアンカーの位置で横並びになっていたので、ほとんどそのエリアに入っていないことも読み取れると思います。
■プレー振り返り
カンセロがスタートで、そのカンセロとかわって入りましたが、負けている状態での投入にも関わらず落ち着いたプレー。
取れそうで取れないスピード、タイミングでパスを出していくので、相手としては厄介だったでしょう。
17分 ジンチェンコのディフェンス。エンバペへのパスをクリアしてマイボールに。
18分 ジンチェンコのカット。自分のトラップミスで奪われた後にすぐに戻り、ディ・マリアから奪います。
19分 デブライネのゴールをアシスト。
31分 美しいアウトサイドトラップ。右からのロングボールをアウトサイドのクッションコントロール。何度もリプレイしたい映像です。
結果
PSG 1 - 2 マンチェスターシティ
64' デブライネ(assist by ジンチェンコ)
71' マフレズ
2ndレグ
ビハインドを見事に逆転し、貴重なアウェイゴールを2つ奪っての勝利。
言うことはなにもありません。
個人的なベストプレイヤーはストーンズとルベンディアスのCB。
エンバペのシュート数0は、今シーズンのチャンピオンズリーグで初めてのことです。
第2戦はPSGもスタートから本気で来るでしょう。
ポチェッティーノがあの状況で、数ある攻撃のカードを切らなかったことがなんとも不穏ではありました。(退場者を出していたことも関係しますが)
2点を奪うことができたけど、プレミアで見せているような相手陣内深くへの侵入はなかなか見られず、効果的にゴール前を脅かしたシーンも少なかったというところは気になるところですが、
あまりうまく攻めることができてないのにペナルティの外から2点取れた
という事実がこの5年のチャンピオンズリーグでの成長の証とも言えるでしょう。
残り2勝。
悲願のビッグイヤーを掲げているかどうか。
それでは!
第29節 vs ウルヴス
こんにちは。
tadashiです。
今日はウォルバーハンプトンとの一戦。
ピッチに8人のポルトガル人が立ったこの試合。昨シーズンのダブルの借りを返せるか、シティファンにとっては気になる試合。
この過密日程の中でもまったく手を抜かず、常に調子の良いスタメンをピッチに送り込むマンチェスターシティ。
CLがあるから少しは温存しながらリーグを戦ってくれ
と、フロントに言われたりはしてないのでしょうか。
言われていないのでしょうね。
固定メンバーで戦って分析されても失点しないし、という自信すら感じます。
今日の試合も勝利をおさめてくれました。(ひやひやしましたが)
昨シーズンダブルをくらったチームにダブルを達成。
そんな記念すべき試合を簡単に振り返ってみたいと思います。
スタメン
両チームのスタメンはこちら
■ホーム マンチェスターシティ 4-3-3
前節より人変更。いつもの4-3-3の形。
SBはウォーカーとカンセロ。最近はジンチェンコも含めた3人を相手チームの特徴や状態を見ながら起用することができています。
ルベンディアス、ベルナルドシルバ、カンセロがポルトガル国籍の選手
■アウェイ ウォルバーハンプトン 3-4-2-1
前節より1人を入れ替え。
アダマ・トラオレの1トップでセメドとネトがセカンドトップの位置にいます。中盤センターにはネベスとモウチーニョが並び、前線3人を支えます。
トラオレは今季いまだにゴールもアシストもないようで真価が問われるときがきていますが、単独で突破できるフィジカルとスピード、そしてテクニックを持っているので、負けたくないけど期待したい。
ルイパトリシオ、ネベス、モウチーニョ、ネト、セメドがポルトガル国籍の選手
苦しめられた選手
■ネト
後半残り10分までタイスコアであったこの試合では、後半のネトとセメドの右サイドでハーフスペースをうまく取りながら攻める姿勢を見せていて60分のファウル獲得により、61分のコーディのゴールが生まれました。
攻められていてもカウンターのためにトラオレとファビオシウバの2枚は残していたので攻守に汗をかかなければいけなかったのがネトでした。
5-4-1への対抗策
今日の試合は残り10分で決着がつきました。
前半こそリードで折り返しながら、後半に失点。そのまま80分まで同点。
後半はウルヴスの圧のあるカウンターに少しヒヤッとする場面も。
しかし、前節と比べると落ちついて試合を進めていましたし、苦手とするトラオレにもきちっと対応ができていました。
今日は前節との違いを踏まえて見ていきたいと思います。
前節のウェストハム戦をご覧になっている方がいれば思い出してほしいのですが、シティはウェストハムの5バックに苦しみました。
5-2-3、5-3-2で前からのプレスとピッチ幅を占有したバックラインの配置で、中央からの展開を阻害、WGには複数枚で対応され前半20分までシュートが0だったシティ。
ウルヴスは普段から3-4-2-1の守備時5バックを採用しているチーム。
ウェストハムよりも攻めあぐねる展開が予想されました。
しかし、試合が開始するとウェストハム戦よりも一方的な展開で試合が進みました。
なぜか?のポイントは2つです。
- ビルドアップの形
- 巧妙な立ち位置
ビルドアップは、片方のSBがアンカーと並ぶ今までの3-2ではなく、SBの一人が高い位置で幅を取る3-1のダイヤモンドの形をとりました。
前節のウェストハム戦でもそうでしたが、シティは相手が前からプレスに来なかったとしてもビルドアップに人数を割いてしまう傾向にあります。
そのもっともたる失敗がWBAとの最初の対戦です。1-1のスコアで引き分けとなりましたが、WBAがほとんどプレスに来ない中で5人の選手をビルドアップに割いていました。
※ペップもこの試合以降自分たちのプレーを見直したとインタビューで言っていました。
今日のウルヴス戦は、3-1のビルドアップ。
ウルヴスが守備時に5-4-1もしくは5-2-3になると分析できていた証拠です。
5-4-1であれば、3-1の両脇(ラポルトとウォーカー)がドリブルで持ち運べるし、5-2-3であれば、2の脇をIHが使いフリーでボールを受けることができました。
続いて、シティ選手側の巧妙な立ち位置について。
上の図は前節のウェストハム戦のシティボール保持のシーンです。
5レーンを埋められ、中央のスペースを消されたことで、ハーフスペースからシティの選手が離れてしまっていました。これにより相手の5バックは均等な間隔を保ち、サイドチェンジにもゆとりをもって対応できていました。
これは、この試合の一つのシーン切り取った場面です。
ウェストハム戦との決定的な違いはハーフスペースに選手がいるということです。狭くても狙われていてもハーフスペースに人を配置することで、ディフェンスの意識はより中にいる人に向くのが常です。
上の図でもビルドアップからファイナルサードに移行する場面で、デブライネがハーフスペースにいることで、右WBのフーフェルが絞ることを強いられ、本来攻撃に意識を強く持ちたいセメドがカンセロのケアをする必要性に迫られていました。
セメドが戻らなければ、WBは一人で二人を相手にすることになり、局所的数的優位を取ることができます。
15分の先制点、そして80分の2点目はそのハーフスペースに立つことで空いた大外レーンを攻め込んだ結果の狙い通りのプレーでした。
どちらもベルナルドシルバが左WBの意識を引きつけ、マフレズとウォーカーを瞬間的にフリーにし、パスコースを作り出していました。
あと、思いつくとしたらフィニッシュへの道筋をサイドからつくりだしていたことです。
スターリングとジェズスを2トップ気味に配置し、左はカンセロやデブライネのパス、右はマフレズの突破を攻撃の軸にしていました。
上記のハーフスペースへの人の配置が影響して、大外レーンが空いていくことを利用していました。
24分には、通らなかったけど、デブライネがサイドライン際からダイレクトでスルーパスを出したシーンもありました。ゴールへの最短距離を取るデブライネはどんなチームにも貴重です。
ここで注意しなければならないのが、そのデブライネが入ることによるオープンな展開に残りの10人が耐えられるかということです。
24分のシーンは、その後ベルナルドシルバが猛然とウルヴスGKにプレスをかけていますが、チーム全体にこの意識がないとカウンターを受ける場面も増えるし、そもそも体力ももたなくなっている。
シティがリーグ折り返しでもここまでフィジカル的に良い状態が保てているのは、デブライネがいなかったことが良い方向に影響していたのかもしれません。
一方で、ここまでスタッツで圧倒されながらウルヴスが後半同点に追いつき、終盤まで戦えたのはなぜなのか
それは以下の2点です。
- トラオレの配置替え
- 打ち合い上等の2枚残し
今日のトラオレは1トップでの出場でしたが、持ち味は発揮できていませんでした。
5-4-1での守備がほとんどだった前半は、ボールを奪えても前線への距離が遠く、トラオレもサイドに流れてボールを受けるプレーが多く、囲まれてしまうことが多かったと思います。
後半FWのファビオ・シウバを投入し、左のシャドウに入ると、ファビオ・シウバとともにカウンター要員として前線に残り、攻撃へつなげていました。
また、5-4-1の守備から5-2-3や5-3-2にシフトできたことで、前からシティにプレッシャーをかけられるようになりました。
狙いが明確になったことが良かったことかもしれません。
2つ目の理由も関係しますが、もはやウルヴスは打ち合う気満々で後半を進めていたと思います。
61分の同点弾、68分のカウンター、69分のシティ陣内でロドリをとらえた場面など攻撃的な姿勢を後半の45分は見せていました。
このようにウルヴスもなんとか食らいつきましたが、勝利はシティへ。
決勝点はジェズス。
ハーフスペースの選手につられてウォーカーをフリーにしたのが決定打。
ディフェンスはなんとか戻りましたがクリアした位置が悪かったです。仕方ない…。この時間にちゃんと二人ペナルティエリアに入っていたマンチェスターシティがさすがです。
さらにマンチェスターシティは、というよりペップは攻めのメンバー交代。
ベルナルドシルバを下げてギュンドアン
解説の戸田さんも「ボールを落ち着かせることを考えるとデ・ブライネが交代すると思っていた」と言っていましたが、デ・ブライネピッチに残りました。
結果はご存じの通りです。
残り10分での交代は守備固めかボール保持だと思うじゃないですか。
シティの最後の2点ともハイライトを見てください。
得点取る気満々。
ネベスが交代して若い選手が入ったことでチャンスだと思ったのかなんなのか。
3点目はその20歳のアメリカ人が自陣深くでボールをタッチしたところを狙ってボールを奪ったのが決め手になっています。
抜け目ないですね。
スタッツから見る
90分間のスタッツをまずは確認します。
すべてのスタッツにおいて圧倒的な数字をシティは出しています。
シュート22本のうち10本が枠内シュート。そのうち4点を決めているので、枠内へのシュートの実に40%が得点になっています。
また、パスの本数はウルヴスの約2.9倍のパスを成功させています。ほとんどの時間をシティが支配し、圧倒的な勝利を見せているだろうということがわかります。
特にウルヴスのクリアの数。26回のクリアを見せるほどシティが攻めていたということもわかると思います。
4対1というスコア。そして90分間のこのスタッツの差を見たら、マンチェスターシティ圧勝のゲームと見ることができます。
これを前半と後半にわけてみても実はそこまで大差はありませんでした。
後半の方がウルヴスは前に出てきていました。
ウルヴスが前半のシュート0本に対して後半は6本。そのうちファーストシュートで唯一の枠内シュートで1点を取っています。
xGに関しては
マンシティ 3.35(1.07:2.27)
ウルヴス 0.33(0.00:0.33)
※かっこ内 前の数字が前半 後ろの数字が後半
となっています。
前半に比べて重心を前にし、攻撃に転じたウルヴスのおかげで同点というスコアも重なってシティもより攻撃的になっていったということでしょう。
(以降、WhoScored引用)
続いてアクションゾーン。
ホームマンチェスターシティは40%を相手のエリアでプレーしていました。
相手陣内でプレーしている時間が長いということは、守備のときも相手陣内でスタートできるメリットがあります。ペップが好む展開ですね。
ペップは臆病なんですね、きっと。
両チームの攻撃にかけたピッチの縦方向については、ウルヴスの攻撃の半分が右サイドからでした。ネトとセメドのがんばりが利いていますね。
こちらはシュートを放ったゾーン。
両チームともペナルティーエリア内でのシュートがほとんどです。
シティについては、22本の18%の4本がゴール前でのシュートとなります。
試合終盤でもあれだけペナルティーエリア内に選手を配置できるシティは本当に選手たちの状態が良いのだと思います。
ギュンドアンを終盤に投入するのも悪くないですね。
最後に両チームのボールロストした位置のプロットです。
相手陣内深くまで入ってからボールロストしているシティに対して、自陣でプレッシャーをかけられて、ボールロストしているウルヴスという対照的な結果が見ることができました。
ウルヴスは試合終盤に自陣ペナルティーエリア内でボールを奪われ失点をしています。
シティのプレス位置が高いことはわかっていたので、もう少し奪われるリスクを回避したプレー選択を考えておくべきだったのかなと思いました。せっかくファビオ・シウバとトラオレが前線にいるので、なんとかなりそうな気もしますが。
ちなみに個人スタッツに着目すると、デブライネのボールロストの数が28回と圧倒的に多く、両チーム最多となっています。
シュート4本(枠内2)、タックル5回と攻守にわたり、活躍していたようにも思えますが、試合を見ていたら少しパスがずれるなんてことがよく見られました。
デブライネが本調子に戻った時にはチームもデブライネに慣れてくるころだと思うのであまり心配はしていませんが、少し気になりました。
結果
マンチェスターシティ 4 - 1 ウォルバーハンプトン
15' Own goal
61' コーディ(assist by モウチーニョ)
80' ジェズス
90' マフレズ
90'+3 ジェズス
HIGHLIGHTS | City 4-1 Wolves | THE UNBEATEN RUN GOES ON
まとめ(今日のジンチェンコ)
今日のジンチェンコは出場なし。(ベンチ入り)
前節のウェストハム戦の反省もあり、相手がトラオレ、ネトなどの個で打開する相手だったので仕方ないかなと思っています。
特に今日のような大外レーンに張ったカンセロがフィニッシュへのパスを出していたりしたので、役割としてはジンチェンコではないですね。
次回のジンチェンコは、次節のマンチェスターダービーです。出場に期待。
ウルヴスはやはり良いチームですね。
極上のパサーがいれフリーキックだって最高のチャンスになるし、自陣深い位置からでも攻撃が成立する力強さがあります。
ヒメネスやポデンセがいなかったことが悔やまれますし、シティが絶好調なのでウルヴスでなくても手が付けられないと思います。
そのほかの試合ではぜひ勝利を。そしてトラオレに得点を。
ということで、以上です。
マンチェスターシティが公式戦21連勝となったこの試合。
上には上がいるもので、世界記録にはまだまだです。あまり気にせずにやれることを精いっぱいやってほしいです。
3月にはCLもあります。
プレミアリーグ制覇が見えてきたので、CLモードに頭を切り替えつつ応援していきましょう。
それでは!