プレミア第2節 vs ウォルヴーハンプトン ~フェルナンジーニョの破壊力~
こんにちは。
tadashiです。
リーグとしては第2節ですが、シティは第1節ボーンマス戦が順延となっています。
初戦の相手は昨シーズンダブルをされたウルヴスです。
3連敗はなんとしても避けたいところです。
昨シーズンの中断明けは、フィジカルコンディションを考慮し、交代は5人まで認められていましたが、今シーズンからはこれまでの3人に戻っています。
結果
スコア
マンチェスターシティ ⚽⚽⚽
ウルヴス ⚽
20' デ・ブライネ (PK)
32' フォーデン (assist by スターリング)
78' ヒメネス (assist by ポデンセ)
90'+5 ジェズス (assist by デ・ブライネ)
スタッツ
■ウルヴス
ポゼッション 34.8%
シュート数 10本 (枠内1本)
決定機 1回
インターセプト 15回
キーパーセーブ 6回
■マンチェスターシティ
ポゼッション 65.2%
シュート数 14本 (枠内9本)
決定機 3回
インターセプト 4回
キーパーセーブ 0回
MOM
ケビンデ・ブライネ
初戦のマンオブザマッチはこの人。1ゴール1アシストの活躍!
ハイライト
📺プレミアリーグ第2節ハイライト📺
— Manchester City (@ManCityJP) 2020年9月22日
🐺@Wolves 1-3 @ManCityJP🔵
20' @DeBruyneKev (P) ⚽
32' @PhilFoden ⚽
90+5' @gabrieljesus9 ⚽
🔷 #ManCitypic.twitter.com/5ZlGpM4RhF
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スターティングメンバー
両チームのスタメンはこちら
■ウルヴス 3-4-3
この移籍期間にジョタがリバプールへ、ドハーティがトッテナムに移籍。
その関係でアダマトラオレが右WGに入ります。
■マンチェスターシティ 4-2-3-1
このオフのシティは、ナタン・アケをボーンマスから、フェラントーレスをバレンシアから獲得。
そのアケがさっそくのスタメン。フェラントーレスはリザーブメンバーに入ります。
ザック・ステフェン/オタメンディ/ドイル/ベルナベ/フェラントーレス (←82' スターリング)/デラップ/マフレズ
■マンチェスターシティ怪我人
アグエロ ⇒ 膝の怪我
ベルナルドシルバ、ジンチェンコ ⇒ 筋肉系のトラブル
エリック・ガルシア ⇒ 頭部外傷
カンセロ ⇒ 足に問題あり
■ウルヴスリザーブ
ルディ/オスカル/キルマン/ヴィチーニャ/ヴィナーグレ (←8' マルサウ)/デンドンケル (←78' モウティーニョ)/ファビオシウバ (←78' ネト)
前半
両チームの狙い ~前半15分
まずは、スタートのシステムから両チームの形をおさらい
マンチェスターシティ
シティは4-2-3-1でスタート。
デブライネをトップ下に置いて、守備の負担を軽減させる形です。
今日の試合で目立ったのはトップ下デブライネの横のレーン移動。中央を起点に、右に左に自由に顔を出す姿が見られました。左に流れることの方が多く、右WGのフォーデンが入ってくるスペースを開けておくことためだと思われます。
ダブルボランチの二人は、相手の守備ブロックの後ろからハーフスペースにパスを配給する役割と同時に、ロドリはメンディーを高い位置に押し上げるために、SBの位置に落ちてくるプレーが何度か見られました。
スターリングをジェズスと並べ、よりゴールに近い位置でプレーさせ、メンディーの個人能力の高さを活かそうという形だと思います。
今日の右サイドは、左サイドよりも複雑で、フォーデンとウォーカーは状況によってレーンを細かく移動。それだけでなく、先制点を呼び込んだデブライネのチャンネルランのように、彼が走るスペースを残すためのポジショニングが必要でした。
ウルヴス
ウルヴスの3-4-3は、ほとんどの場面で5-3-2のように見えました。
ウルヴスが狙いたいのは、2枚のCHからの展開とヒメネスによりCBを動かすこと。しかし、後述するシティの守備により、2シャドーの一人であるネトが中盤をフォローすることが必要でした。
これにより前進は、右サイドに委ねられることになりますが、そこにはアダマトラオレがいるので、その他のチームよりは難易度は高くないと、見ている方も思ったと思います。
3枚のCBは攻撃に関与するよりは、守りのタスクに重きを置いていました。
マンチェスターシティのボール非保持
前述の通り、ウルヴスは5-3-2で前進を試みます。繋げなければシンプルにヒメネスへ。こぼれ球を拾ってトラオレでメンディーの裏をつく。
チームとして最初の狙いだったと思いますが、今日のシティは昨シーズンよりも低い位置でプレーするトラオレをボール奪取のポイントと設定したところがこれまでの戦いと異なるところだったと言えるでしょう。
3トップ+デブライネ(必要に応じてロドリが加勢)で、ほぼマンツーマンでセット。
パスコースのなくなったウルヴスはヒメネスめがけてロングボール。
このシーンは、ヒメネスの落としをトラオレが拾ったシーンです。トラオレがボールを持った瞬間に3選手がプレスをかけ、パスコースとドリブルのコースを消し、見事にマイボールにしました。
その他にもドリブルのコースをふさぎつつ、2CHへのパスを制限し、精度の低いパスを出させるなどして前半はウルヴスの攻撃、トラオレの突破を完全にシャットアウトしていました。
マンチェスターシティのボール保持
まず、後ろの4人。2CB+2アンカーですが、この4人はウルヴスの2枚に対して常に四角形を形成してビルドアップしていたように感じました。正方形、長方形、ひし形とさまざまな形を取りながら前進を成功させていました。
現に試合の多くの場面で、ロドリやフェルナンジーニョが素早くCBの横に走っていく姿が見られたからです。
また、簡単に前進できたのには、デ・ブライネとフォーデンの位置取りにも関係が。
3枚で中盤の守備を形成するウルヴスに対して、シティはウルヴスの3枚の外側でボールを呼び込もうとします。また、DF5枚と中盤の間ではジェズスとスターリングがスタンバイ。
仮に、だれか一人がシティのビルドアップに対して加勢しようものなら空いたところから即座にフィニッシュまで持ち込んでいたと思います。
何度かポデンセが後ろを気にしてプレッシャーをかけられそうなときにためらっていたことがありましたが、ウルヴスとしてもシティのビルドアップに前から行くことができないと感じていたのだと思います。
10分のジェズスがFKを獲得した場面は、その前にトラオレのパスコースを限定してモウティーニョからボールを奪った狙い通りのシーンでした。
デ・ブライネとフェルナンジーニョ ~前半終了
18分 シティにシーズン初ゴールが生まれます。
右サイドにレーン移動していたデ・ブライネのランニングから生まれたPKで、自らが決めました。
サイドに張るフォーデン、ハーフスペースに位置するウォーカーでパス交換。その間デ・ブライネが寄ってきてハーフスペースをふらふらとします。
一度、ストーンズにボールが戻りますが、ストーンズは、ウォーカーを飛ばしてフォーデンに鋭いグラウンダーのパスをいれます。
フォーデンが顔を上げるとまだそこに滞在していたデ・ブライネが5バックの間をフリーラン。スルーパスを受けたデ・ブライネはそのままサイスをかわそうとして足がかかりました。
これもおそらく狙っていたプレーの一つ。幸先良く先制です。
25分を過ぎたあたりからモウティーニョがたまらずアンカーまでプレッシャーをかけ始めましたが、上述の通りこれは逆効果。より押し込まれることになり、頼みのWBは、ウルヴスの攻撃時に出遅れてしまいます。
ドリブルが始まっても怖くはない位置にいるトラオレにボールを預けなければいけないシーンも見られ、シティの2点目はそのトラオレのパスをカットしてからのショートカウンターでした。
32分の流れるような攻撃はシティファンみんながガッツポーズしたと思います。
そして、なによりもフェルナンジーニョのアンカー。
これは世界中が再認識した事実。
フェルナンジーニョはアンカーの選手
無駄がないというか、縦パスのタイミングも絶妙だし、微細なポジション修正も瞬時に行い、チームメイトがいてほしいところにいる。確実にチームがボールを前進させられるベターな手をいくつも持ってるみたい。
昨シーズンずっとCBでプレーしていたけど、今日の試合を見て、フェルナンジーニョがアンカーでプレーできるスカッドになったことが一番の補強だと思いました。
さて、狙いががっちりはまったシティとトラオレのポジションが仇となったウルヴスと対照的な前半を過ごした両チーム。
後半に進みます。
後半
抑えきれない苦手意識 ~70分
両チームメンバー交代はなく後半開始。
後半が始まって10分間は良かった。
トラオレにプレッシャーをかけるよりも、ネベス、モウティーニョに寄ってパスの成功率を下げさせる作戦はとても効いていました。
流れが傾いたのは54分。
トラオレがパスをせずに単独突破。メンディーが簡単に抜かれ、ポデンセへラストパスを送られたシーンです。
見ている方も「あれ?」と思ったはずです。
後半と変えてないんですが、なにも変わってないと思うんですが、明らかに流れが変わりました。
前半はトラオレにプレッシャーをかけ、トラオレのパスとそのパスの先を狙っていました。しかし、トラオレは狙われているのが自分だと思い、こんな考えに思い至ります。
パスはしないでメンディーぶち抜こう
これが攻めこまれた10分間の理由です。
これは誤算だったのか、わかっていて対処できなかったのかわかりませんが、これまたメンディーが1対1に弱い弱い笑
54分、60分とあっさり抜かれてクロスをあげられます。しかも割りと余裕で。
左SBが昨シーズンから狙われ始めた理由がこの試合を見てわかったと思います。
ディフェンスの練習をしましょう。
また、59分のシーンは初めてウルヴスの狙いが成功したシーンです。
ヒメネスがアケを背負った状態で下がってきたところで、モウティーニョがすぐさまフォロー。ヒメネスがボールを落としたときには後ろの広大なスペースにポデンセが飛び出します。
前を向いてフリーなウルヴスCHはいとも簡単にスルーパス。決定機でした。
ポデンセのループシュートはギリギリでゴール上へ外れました。
CBのスピードにもよりますが、シティにおいてCBが引き出されるのは致命的です。今回のシーンはメンディーのパスミスにより陣形が崩れていたとはいえ、ダブルボランチも間に合わず、ただボールの動きを見ているだけしかなかったシティ。ここは改善の余地があると思いました。
シティが疲れてきたのか、ウルヴスのエンジンがかかったのか、ウルヴス3-4-3で前から仕掛けてくることになります。
デ・ブライネも下がり、後半は3トップ+中盤3枚でウルヴスの2CHを囲み、ウルヴスの攻撃をなんとか食い止めていた印象でした。
最後はハードワーク ~後半終了
試合は終盤へ。
ウルヴスはより明確に左サイドから攻撃を仕掛ける。
75分 質的優位を保ったトラオレがメンディー相手に仕掛けてCKを得る。
そのタイミングでポルトから加入した18歳ファビオシウバが入ります。
ものすごく期待はありましたが、まだフィットしていないのでしょうか。目立つこともありませんでした。今後に期待。
78分 そのCKからウルヴスが得点。
CKの跳ね返りを確保したトラオレからボールを受けたポデンセは、対峙するデ・ブライネをまた抜きでかわし、クロスをあげた。
その先に待ち構えたヒメネスがだれよりも高い打点でヘディングを突き刺しました。
うーん、終盤になるとプレーに荒さが目立つデ・ブライネはなんとかならないですか。と数シーズン前から思っているところです笑
その直後にフェラントーレスがシティデビュー!
楽しみだったんですがほとんどボールにも絡めず与えられたタスクも読み取れずで、ファビオシウバと同じくこれからに期待という感じです。
90分が近づいてからは、ボールキープで時間を使うシティ。
ウルヴスに勝つ、ということの意味を選手たちはよく知っている。走るしかないし、時間を使って時計を動かすしかない。
そんななか生まれたもっとも欲しかっただめ押し弾!
ガブリエル・ジェズース!!!!
ドヤ顔のはずなのに困ってそうな表情。たまりません。
しかも、このゴールは左サイドの混戦からデ・ブライネの足にボールが当たり、ジェズスへ。
そのジェズスが右足で振り抜くとウルヴスDFにあたりゴールへ。
ゴールがほしい!
その気持ちがしっかりと現れた最高のゴールでしたね。
最後にSBのプレーについて
最後に言わせてください。今日のSBの選手たちのことを。
ウォーカー
素晴らしいの一言。フォーデンとも息がぴったり。ケースバイケースでレーン移動を緻密に繰り返してビルドアップに貢献。守備では再三仕掛けてくるヴィナーグレをがっちりと止め、左から攻められたのはほとんどなかったと思います。
メンディー
悪いところが全部出た試合。
対人の弱さ、仕掛けない消極性。なかなかシティの左SBとして殻を破れないメンディー。
試合後のインスタ。トラオレとのマッチアップの写真あげてるけど惨敗してるじゃん!
唯一感心したのは前半ロスタイムの内側への動き。フェルナンジーニョのパスを引き出した非常に効果的な動き。
トラオレとの1対1はスピードを気にして重心が後ろになる気持ちとてもわかる。でも、踵までつけてちゃだめだ!メンタルの後ろ向きなところが体に出てましたね。
アダマトラオレ
驚異。
前半はシティにはめられて、チームの穴のようになっていたけど後半は圧巻のドリブル。
バルサのカンテラ育ちだからなのかドリブルだけでなくキープもできる。2シャドーの一人だったら本当にこの試合も危なかったと試合が終わって冷静に思う。
ヴィナーグレ
新加入マルサウが8分で負傷交代。準備もままならないなか投入されたが、後半は良かった。
ウォーカーに対して何度も仕掛け、チームへの意識を前に向けるプレーを連発。今、プレミアリーグで右SBと言えばウォーカー。そんな選手に向かって物怖じせず立ち向かっていく姿には応援したい気持ちすら芽生えさせる。まだ21歳。ポルトガル。
いやー、ポルトガルは良い選手たくさん出てくるなぁ。
ということで、レビュー一発目。久しぶりだったし、新しくTacticalistaを使わせていただくので、非常に難しかった。
だがしかし!
ウルヴスに勝てたということがとてもうれしい!
怪我人がさっそく多くて今後に不安があるけれど、アケの落ち着き、ストーンズの復帰がとてもポジティブに見えました。
相変わらずデ・ブライネは鬼だし。
それでは!