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デ・ブライネをフリーにサ・セナイトネ 第11節 vs フルハム

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こんにちは。

tadashiです。

 

先日のCL第5節でポルトと引き分け首位通過が決まりました。CLのグループリーグはいつも順調。

プレミアも同じように復調していきたい。

 

今シーズンは、どのチームも戦術を落とし込む時間が少なかったのもあり、じっくり引いて守って手数をかけずにカウンターする方が戦いやすいシーズンになると感じています。また、そういうチームに元から弱いマンチェスターシティは苦戦しています。

今後ペップがどう舵をきってくるのか楽しみです。

 

本日はフルハムとの試合のレビューとなります。昇格組のフルハムはシティとどう戦うのでしょうか。

 

 

 

 

結果

マンチェスター  2  -  0  フルハム  

 

5' スターリング(assist by デ・ブライネ)

26' デ・ブライネ PK

 

スタッツ

シュート数  16本  |  6本

枠内シュート数  6本  |  1本

ポゼッション  68% | 32%

パス数  792本  |  351本

パス成功率  90%  |  78%

ドリブル  12/19回  |  19/24回

タックル  17  |  17

インターセプト  13  |  18

クリア  7  |  23

※Sofascore

 

デ・ブライネが、1G1Aの活躍。昨シーズンから彼は十分に休めればとてつもない働きを見せますね。彼に頼らない勝ち方ってあるんでしょうか。

 


https://youtu.be/KMVZtLFD10E

 

 

スタメン

両チームのスタメンはこちら

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■ホーム マンチェスターシティ 4-2-3-1

はい、出ました。だれ得システム4-2-3-1。なぜペップが今シーズンになっていつまでもこのシステムを使うのか、それは最後に話すとして、私はシティでは見たくないシステムです。勝てたとしてもね。

今日のSBは右がカンセロ、左がメンディーです。通称「だれがサイドを守るのだろうかシステム」です。

このシステムのすごいところは、スターリングとマフレズのWGが内に絞り、SBが高い位置をキープするため、カウンターにものすごく脆いところです。

今日はどのように対策していくのか。攻撃で圧倒するというやり方も見たいところです。

前節のバーンリー戦からは2人変え、カンセロとスターリングが入っています。

 

 

■アウェイ フルハム 前半3-4-1-2 →後半4-3-1-2 

今シーズンプレミア復帰を果たしたフルハム。日本では稲本が所属していたチームの一つとして認識されていたと思います。

監督が若い。スコットパーカーって聞いたことあるなと思ったらトッテナムからフルハムに移籍し引退したフルハムの選手でした。(どこで見たんだろう)

前節からはスタメンは変えていません。

メンバーを見ると、元シティのアダラバイヨ、PSGからレンタルのアレオラ、その他にもロフタスチーク、カバレイロ、アイナ、ルックマンとサッカー好きなら思わず知ってると言いたくなるような選手が並びます。

 

 

苦しめられた選手

苦しめられてはないですが。

■アレオラ

さすがPSGの選手。4本のセーブを見せてます。特に前半開始早々と後半開始早々の決定機阻止はシティからしたら、余計なことすんなよ!と思うぐらい。飛び出しのタイミング、寄せる技術がうまいですね。

 

 

■カバレイロ(後半残り20分)

カマラが入ってポジションを右に移した最後の方はメンディー相手に果敢に攻め、完全に勝っていました。

終盤にはメンディーがぶち抜かれたシーンもあり、トップじゃなくてサイドで、最初からメンディーとマッチアップさせていたら状況は変わっていたかもしれません。それぐらいカバレイロの個は恐怖でした。

 

 

前半 自分がやられて嫌なことをする

前半開始

 

前半のポイント

フルハムのミス

・いつもと違うビルドアップ

・ついてきてくれるうれしさ

 

フルハムのミス

試合はさっそく動きます。

マンチェスターシティの中盤での素早いプレスでフルハムのミスを誘います。

 

3分 マンチェスターシティ決定機

フルハムが自陣中央でミス。マフレズが運び左にいたスターリングへ。これはアレオラがセーブ。今日はアレオラがいなければ何点入っていたか、というぐらいの活躍でした。

 

5分 この試合の1点目が入ります。

マンチェスターシティのスターリング。

これもフルハムの中盤でのミスからデ・ブライネがキープし、この試合スタートからジェズスと並んでポジションを取っていたスターリングが抜け出しました。

もちろんデ・ブライネのアシスト。幸先が良い!

 

フルハムはおそらくこの3-4-1-2をマンチェスターシティ対策として選んできていたはずです。前節レスターに勝った5-4-1ではなく、ロフタスチークをトップ下に置いたのも当然この若い監督の"作戦"だったはずです。

5バックで攻撃を凌ぎ、ロフタスチークを軸にポゼッションしながら攻撃という展開かな、と思っていました。それはもろくも前半5分で崩れ去りました。

 

ハイプレッシャーを前からかけたマンチェスターシティは、作戦勝ちでしょう。

中央へ中央へ向かうフルハムのビルドアップは、密集して即時奪回を狙う今日のシティの守備と相性は、シティ側からすれば最高。

 

ポゼッションするチームには引いてコンパクトにするのが一番攻めにくいはず。フルハムは、自分たちがやられて嫌なことをするべきでした。

 

 

いつもと違うビルドアップ

前半5分で失点し、少なくとも勝ち点を手にするには得点が必要となったフルハム

しかし、前からプレスをかけるマンチェスターシティの網を潜り抜けられず、逆にマンチェスターシティはボールをどんどんと前進します。


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今シーズンのマンチェスターシティは、4-2-3-1と4-3-3を使い分けながらも共通していたことは片方のSBをビルドアップに組み込んでいたということです。

しかし、今日の試合はメンディーもカンセロもWGのような位置をキープし、2CB+2アンカーがダイヤモンドの形になるようにポジションを取っていました。

 

それはなぜか。

 

上図からもわかる通り、3-4-1-2のWBが下がり5バックを形成したところ2枚のCHの脇がすっぽり空いてしまうのです。

これまでマンチェスターシティに対して5バックで挑むチームは、CBに対してサイドの選手がCBの外側からプレスをかけてきました。これにより、プレスをかけられたCBは選択肢が絞られ、守る側も次のプレーを予測することが可能です。

今日のフルハムはどうでしょう。

2トップがマンチェスターシティの形成するダイヤモンドの中に入ってしまい、ロドリを封じていたとしても、GKを含めるとマンチェスターシティ4人、フルハム2人という状況でシティの選手は余裕をもってパスができます。

また、フルハムのCHの脇は空いています。当然ドリブルで持ち運ぶこともでき、選択肢はさらに広がります。ドリブルで運ぶのがうまいストーンズからしたら素晴らしい環境ですね。

 

先日ラリーガのグラナダの試合を見ていたときにこんなつぶやきをしました。

 

 

まさにグラナダで見た守備だったので、

 

あ!これ前に見たやつだ!

 

と、進研ゼミの広告みたいなことを口走ってしまいました。

 

 


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前進後のマンチェスターシティの攻撃に目を向けると、デ・ブライネは中央から左右に流れ、ジェズスはおりてくる。スターリングはトップのように振る舞い、マフレズも普段よりも内側にポジションを取り、サイドを空けているように見えました。

SBとWGが相手の5バックを牽制し、ジェズスが下がってきたときにDFがついてこれない状況をつくっていました。

 


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デ・ブライネが流れたとき


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カンセロが一つ下がったとき

 

フルハムのCH脇が空くこと、CHがそれについてくることを利用したとても合理的な配置だな、と個人的には思いました。

 

 

一方のフルハム

回数は少なかったのですが、10分に見られたようにSBの後ろというのは狙っていたと思います。

しかし、繋ぎたい意識のあるフルハムは、サイドに振った後必ずと言っていいほど、CHを経由するため、中央にボールが集まります。守備の時に中央に寄っていくシティと相性が悪く、ビルドアップの段階で引っかかっていました。(大事なことなので、もう一度書いておきます)

 

 

ついてきてくれるうれしさ

マンチェスターシティのペースのまま前半のうちに追加点。


25分 デ・ブライネのPKです。

 前半から再三起きていたCHが簡単に釣り出され、真ん中がぽっかり空いてしまう現象がこのシーンでも起きました。

前線から下りてきたジェズスにマークが一人。ジェズスは体を預けながらダイレクトで内側に走るカンセロヘパス。カンセロは空いている中央をドリブルし、スターリングへパス。

ペナルティエリア内に入ったスターリングが切り返してファウルを呼び込みました。

 

前半のフルハムは、デ・ブライネやジェズスが下りたときにだれがついていき、だれがカバーするかということが決められていなかったように思えます。(単純に選手たちの理解不足か)

 

 

それにしても今日はシティのプレスが速いですね。一瞬で囲み、奪いきる。

特にデ・ブライネ。相手ボールになったらすぐにテイクバック。かなりの確率でボールをカットしていました。デ・ブライネが後ろから追ってくれるので十分な余裕をもって複数で対応ができる。理想的な展開でした。

欲を言えば3点目を決めて試合を終わらせたかったです。

 

ここ最近のシティの失点は、中盤がスペースを忘れてくいついてそのスペースを使われるところから失点することも多い。今日の試合は、自分たちがやられて嫌なことを実践しているようでした。

 

 

後半 変わらない欠点

後半です。

 

後半のポイント

・左でつくって右で仕留めたい

フルハムの変更

・メンディーを狙っていたら

 

左でつくって右でしとめたい

後半開始

 

2得点を先行したシティに対して、フルハムは得点が欲しい。

サイドから攻撃を狙うことにしますが、どうしても一度中央にボールを集めるので、シティの守備に相変わらず引っ掛かる。

 

なかなかフルハムが攻めることができないなかマンチェスターシティがチャンスを作ります。


50分 デ・ブライネ2連発
このシーンもデブライネにはゆとりのもてるスペースがあり、前を向いてドリブル。5バックにつっかけて釣り出されたらジェズスへ。ジェズスはキックフェイントでDFをかわし、デ・ブライネに戻してフィニッシュ。

 


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シティプレイヤーの平均ポジション。

左の選手たちが寄っているのはより近い位置でパス交換していたのだと思います。


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デ・ブライネのヒートマップ。トップ下でいながらかなり左に片寄った動きをしています。

 

プレーエリアからもよくわかりますが、この試合のシティは左サイドでキープして、右サイドからフィニッシュに向かう形が見られました。


左サイド大外にはメンディーが張って、そのメンディーに当ててからギュンとスターリング、ジェズス、デ・ブライネで作りながら右サイドへ展開。右はマフレズとカンセロ、そこにデ・ブライネを絡めて突破するという形です。

簡単にCHがサイドに寄ってくるフルハムに対してはとても有効でしたね。

 

しかし、追加点はならず。こういった決定機を決めきれないとサッカーというゲームは流れが変わってしまうのです。

 

 

フルハムの変更

50分の決定機を境に、フルハムは繋ぐことに固執することをやめました。シンプルに前線にあてて素早く攻める姿勢を見せました。

 

そんな中、再度マンチェスターシティにチャンスが訪れます。

58分 デ・ブライネの決定機
フルハムのコーナーからのショートカウンター

コーナーのこぼれ球を回収したギュンドアンが前に放るとそこにはマフレズが。得意のいやらしいフェザータッチから鬼のポジトラで一人抜け出すデブライネへスルーパス

ここも決まらず。アレオラのビッグセーブです。

 


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このプレーのあとに気付きましたが、フルハムが4-1-3-2にシステム変更をしています。守備ではワイドレーンをCHがメインで間に合わなければSBがケア。中央を4-3で閉めてハーフスペースを消す。シティには、サイドから攻めてもらって跳ね返しを拾ってロフタスチークに預けるというよりシンプルな形にシフトチェンジしました。

 

 マンチェスターシティはその後、効果的な攻撃ができなくなり、試合としては動きの少ないものとなりました。

 

71分にカマラが1トップに入ってからそれは顕著になります。

マンチェスターシティが、後ろでセーフティに繋ごうとするところに対して、中央カマラがプレス。サイドにパスが出れば、カマラを軸に連動しながらサイドに追いやるプレス。CHを後ろに3枚並べたので、サイドチェンジに対してもCHが変にスペースを空けることなく守ることができていました。観戦していた人から見れば、フルハムのプレスに対して空いているスペースはいくらでもありましたが、今日のシティはそこをうまくさばけず、後半はよほどマンチェスターシティのようではありませんでした。

 

メンディーを狙っていたら

残りの時間は特に動きはありませんでした。

80分にメンディーのところから奪われ、カバレイロがドリブル。メンディーが守備を失敗してカバレイロに抜かれ、フルハムにシュートまでいかれるシーンがありました。

最初からカバレイロをメンディーにマッチアップさせてたら少し展開が変わっていたかもと思いました。

 

しかし、スコアは動かず2-0の勝利となりました。

 

 

勝ったことはとても良いことなのですが、シティは3点目を取りに行った中で追加点があげられなかった。

今シーズンの問題点であるコンパクトに中央を締められると点が取れなくなる、というところはフルハム相手にも露呈することとなっていしまいました。

 

 

 

この勝利により一試合少ないながら7位。序盤戦は簡単に順位が入れ替わりますね。

 

 

交代枠を使わないペップ

試合が終わってふと気づいたのは、マンチェスターシティがだれもメンバー交代をしていないことです。

もっとも選手交代をしたかった70分過ぎに、フルハムはカマラを投入。システムを4-1-3-2にし、後方からのビルドアップに対して連動してプレスをかけられるようになってきました。それにより若干ではありますが、流れを引き寄せられそうになったことが交代を渋った理由かと思っています。

もしくは、リージョも含めて忘れていたかですね。

 

 

SBとアンカーの組み合わせ

今日の試合から感じたことを一つだけ。

4-2-3-1とSBのキャラクターの組み合わせです。

 

では、さっそくプレミアリーグでのシステムとSBの組み合わせを見てください。

 

・ウルヴス 4-2-3-1 ウォーカー、メンディー 勝ち

・レスター 4-2-3-1 ウォーカー、メンディー 負け

・リーズ 4-3-3 ウォーカー、メンディー 引き分け

アーセナル 3-1-4-2のため対象外

ウェストハム 4-3-3 ウォーカー、カンセロ 引き分け

・ブレイズ 4-3-3 ウォーカー、カンセロ 勝ち

リバプール 4-2-3-1 ウォーカー、カンセロ 引き分け

トッテナム 4-3-3 ウォーカー、カンセロ 負け

・バーンリー 4-2-3-1 ウォーカー、メンディー 勝ち

 

まとめると、

■ウォーカー、メンディー 4回

■ウォーカー、カンセロ 4回

■カンセロ、メンディー 1回(今日の試合)

 

今回、ビルドアップが今までと異なる形でした。SBが関与しなかったのです。

これはペップとしては珍しいやり方でした。

バイエルン時代から積み重ねてきた偽SBをここに来てさらっと変えました。

 

それはなぜか。

今日の試合はウォーカーがいなかったからです。

 

ペップのもとで進化したウォーカーはビルドアップにも守備にもとても重要な選手です。

カンセロやメンディーはそこまで達していないのでしょう。ウォーカーの役目を担わせるのはまだ無理だという判断。

カンセロもメンディーも守備に難がありそれはいまだに改善は見られません。シティにいる間は改善しないと思います

それを踏まえてビルドアップをだれにやらせるかと考えると2CB+2アンカーという結論に至ったのだろうと推察します。

また、フルハムの守りにたいして3-2や2-3のビルドアップは人をかけすぎで無駄になると判断することもできます。

ウォーカーが出ていたら、ウォーカーをダイヤモンドに組み込んで、ギュンドアンではなく、ベルナルドシルバが出ていたと思えます。

それだけ、ウォーカーというのは今のシティに欠かせない存在で、他のSBにも続いてほしいと思うわけですね。

 

いやー、それならジンチェンコ出してくれよ。と思うのは私のエゴなのでしょうか。

 

リーグで見たいぜジンチェンコという思いを巡らせながら今日はおわりたいと思います。

 

長々とした文章を読んでくださりありがとうございました。

 

次はCL最終節を挟んで、赤い悪魔、赤い隣人とのダービーです。ここはなんとしてでも勝ちたい。きれいさはいらない。ただ、勝ちたい!

 

スターリング。ハッピーバースデイ!

ペップ監督700試合おめでとう!

 

それでは!