レアルマドリード 第1節 アルメリア戦
こんにちは。
tadashiです(ただし (@tadashi0716) | Twitter)。
ラ・リーガ開幕。
開幕前ラ・リーガを賑わせたのはバルセロナ。放映権を売りさばき、レヴァンドフスキやハフィーニャ、ケシエ、クンデ、クリステンセンと補強を敢行した。
シャビバルサは意地でもタイトルをマドリーから取り返したいらしい。
そのバルサも開幕戦は引き分け。
マドリーは先にいかせてもらいます。
では、目次
5-3-2の良いところ
開始6分の先制点は、マドリーではなく、アルメリア。
昇格組のアルメリアが昨シーズンの王者マドリー相手に先制したのは試合をより面白くしてくれた。
ゴールを決めたラマザーニと前線で起点になったサディク。
スピードかありシュートのうまいFWと手足が長く背も高いフィジカルFWの組み合わせは成熟してないマドリーDFラインには少しきつかった。カゼミーロも出ていない。
失点のシーンは、そのラマザーニが2列目から飛び出してオフサイドをかいくぐったのはハイライトでも見て取れる。
問題は3つあった。
・ナチョがサディクにつられすぎた
・左SBメンディーが絞れてなかった
・リュディガーがマークを受け渡したあとにボーッとしていた
アルメリアの左SBからパスが出る2、3手前に
リュディガーがマークしていたのはおそらく中盤の選手。スルスルとマドリーの右サイドにずれ、リュディガーはルーカス・バスケスに託す。
その時にはサディクが降りてパスを引き出そうとしている。
ここにナチョがついていったことでDFラインが凸凹になる。ルーカス・バスケスとナチョのライン、リュディガーとメンディーのライン。
そしてアルメリア左SBにパスが出たときにはラマザーニがリュディガーの横をすり抜けた。
試合開始からこのDFラインにけっこう不安を感じていたがばっちり当たったような守備だった。
さて、アルメリアの5-3-2に話を移そう。
アルメリアが今日のマドリー相手に用意した5-3-2は、前半だけで見れば思ったよりもマドリーに対して善戦していた。
用意したというのは、これまでアルメリアは4-2-3-1で2部を戦っていて1部での戦いのための布陣だと思ったからだ。
マドリーが相手にポゼッションされることを嫌がらないチームとはいえ、WBをマドリーのWGとSBの間に置き、キーパーから直接到達させる前進方法は非常に効果的。
パスコースがなくなったときの長身サディクへのロングボールという逃げ道も確保するというのもばっちり。
守備ではぎりぎりのとこで体を投げ出していてシュートをシャットアウトしていた。
5-3-2はWBを下げさせられて左右に揺さぶられると中盤の3枚がどうがんばってスライドしようともいずれ無理が出て崩されるパターンがマンチェスターシティの試合でよく見られる。
しかし、マドリーは左右の幅をそんなに大きく使わないでヴィニの裏抜けなんかにパスを出してしまうからアルメリアもたぶんそこまで脅威を感じなかったはず。
若手の成長と勝利の天秤
アンチェロッティが「若手を起用する代償は喜んで支払うさ」と言っていた記事を読んだ。
アンチェロッティの素晴らしさ。 https://t.co/SBqGchk6ni
— ただし (@tadashi0716) 2022年8月16日
勝利が至上命題のマドリーにおいて監督がその姿勢をもってくれてるのは今後訪れる盛大な世代交代に対して先手を売ってくれてるからとてもありがたいし、素晴らしいマインドだと思う。
マドリーが5年後まだ頂点にいるためにはモドリッチやクロースががんばることより、カマヴィンガやチュアメニが成長するほうがはるかに大事だ。
ただ、この試合を見ていた人たちは少しだけ気になったと思うんだけど、なんとなくなーんとなくカマヴィンガとチュアメニがキャラクター被ってるように感じた。
ロングホールとか縦パスとか成功はしてるんだけど、タイミングが近いというか、二人いるのにリズムが同じというか。
ここにゆったりとしたリズムでパスを送るクロースで中盤が構成されたもんだから、攻撃はあまりうまくいかなかった。
Twitterでも見かけたけど、クロースにはピルロになってもらうしかない。あのメンバーであれば。
ちなみにチュアメニがマドリーに来てすぐリーグでスタメンなのは当然期待の表れだと思うけど、ちょっと守備のときのタイミング悪いなと感じた。まだベストコンディションじゃないのだろうか。
合わせてこいよ。マドリーだぞ。
後半の変更点
さすがレアル・マドリー。
前半0-1で後半2-1。見事な逆転勝利。
後半さっそくカマヴィンガを変えてモドリッチを投入。
もうさすがです。
リズムを見事に変えてくれた。
モドリッチはアウトサイドのパスがあるから嫌でも相手のタイミングがずれて、アルメリアの守備が少しずつ間に合ってこなくなったのがわかった。
次に入ったのがアザール。
チュアメニを変えて、バルベルデをインテリオールに下げてクロースをピボーテに。
右サイドは前半と変わらず、ルーカス・バスケスとバルベルデが担当して、アザールはベンゼマの近くで2トップ気味にプレー。
ドリブルのキレはたしかに減ってきてはいるけどやはり狭いところでのプレーはまだまだ健在。
モドリッチ、ヴィニ、ベンゼマ、アザールの小気味よいパス回しでアルメリアを制圧していった。
最後はダビド・アラバ。
投入後すぐさま蹴ったフリーキックが美しい軌道でゴールマウスに吸い込まれる。
どのチームもレジェンド退団後の背番号問題に悩まされる中でアラバほどすんなりと収まった選手はいない。
もうマドリディスモを体現してやがる…!!そうでなければクロースがいるのにフリーキックは蹴らない。
素晴らしい逆転劇で今シーズンもマドリーは強いなと思ったところで、最後の感想。
アザールがあの形で使えるとして、アンチェロッティがあの形を多用したら右サイドのロドリゴとアセンシオは起用されにくい。
アザールが中に入っていく以上、右サイドは二人でなんとかしないといけない。
ロドリゴにはインテリオールの振る舞いをしながら右SHはできないだろうし、アセンシオのインテリオール起用は昨シーズン序盤で打ち切っている。
アンチェロッティのことなので、うまく使い分けるとは思うけど、この試合の後半のメンバーで逆転したのをベンチから見ていた二人の心境はいかに。
それにしてもバルベルデとルーカス・バスケスの右サイドの組み合わせは非常にマッチしていて良かった。
押し込まれればバルベルデがWB的に下がれるし、バルベルデがWGの時は一時的に縦の二人のポジションが入れ替わってもいい。バルベルデがサイドに張り、ルーカス・バスケスがインナーラップしても効果的で、その役割が逆になっても成立する。
どこでもがんばれる選手を二人組み合わせることで、新たな選手起用の幅を作り出すアンチェロッティもマドリーと同じぐらいさすがだった。
次の試合で気になるのがCBをどう組み合わせるか。
この試合では、得点が欲しくて左SBにアラバを入れたが、アラバはCBでのプレーを希望している。
チャレンジ&カバーが基本のCBで、チャレンジするCBが多すぎるのが今のマドリーの課題の一つだ。
リュディガーもミリトンも、意外にもナチョもチャレンジタイプのCBだ。(バジェホは知らない)
やはり今シーズンもミリトンとアラバがファーストチョイスになるだろうと感じるDFラインではあった。
今シーズンもラ・リーガが始まった。
今シーズンは途中でワールドカップを挟む特殊なシーズン。疲労がどう影響してくるか。
マドリーで給料がもらえれば良いマリアーノと幸運のオドリオソラなどもどこかで出場せざるを得ない事態がやってくる。
昨シーズン以上に困難なシーズンになりそうだ。
それでは!