Highlight of EURO2020 ~Group League~
こんにちは。
tadashiです。
本日はEURO2020グループリーグのハイライトとして、私が見た試合だけ感想やらを書いていきたいと思います。
分析もなにもしていないので、感想の共有や反論にご活用ください。
- イタリアトルコ
- ウェールズスイス
- イングランドクロアチア
- オランダウクライナ
- フランスドイツ
- ウクライナ北マケドニア
- デンマークベルギー
- ハンガリーフランス
- ポルトガルドイツ
- スペインポーランド
- ウクライナオーストリア
- フィンランドベルギー
- スロバキアスペイン
- 終わり
イタリアトルコ
EURO2020の開幕戦はこのカード。
正直内容をほとんど覚えていない。
シーズンオフのこの期間に行われる国際大会では初戦ほど難しく、コンディションやモチベーションの高め方に悩むことはないと思う。
どの国も、国を背負うという重圧を受けながらもシーズンが終わった少しの緊張感からの解放で、思うようなプレーができないのではないだろうか。
その予想通り、イタリアトルコの前半戦はどちらも決め手を欠いた。
鋭いカウンターを終盤に見せたトルコと、可変で4-3-3から配置をずらして戦うイタリア。
前後半含めて驚くほど記憶に残っていない。
サッカーキングのYouTubeチャンネルをこよなく愛しているので、伊藤さん細江さんコンビのおかげでイタリア代表にも少し詳しくなっていたが、なんだかうまく回らない攻撃だし、DFはいまだにユーベの二人だし、なんだかなと思っていた。
と思っていたらイタリアが後半に立て続けに3点を取り、終わってみれば3-0快勝だったので、イタリアにとっても大会の始まりとしても非常に良かったと思う。
ただ、大会ファーストゴールはイタリアの選手ではなく、トルコのデミラルのオウンゴールだった。
その後の2試合でイタリアの評価は大きく高まることになる。
チームとして成熟しているという意見が多かった。
ウェールズスイス
大会二日目の見やすい時間に始まったので見ていた。ベイルが出ているという要素も強かった。
スイスがキープして、ウェールズがカウンターを狙う展開。
ベイルとダニエル・ジェームズがいたらそうなるだろうな。
逆にスイスは、ラムジー、フロイラー、エンボロ、ザカリアと玄人好みな選手がそろう。控えだがシャキリもいる。
右のエンバブとエンンボロの推進力に押し込まれて、ベイルとジェームズが活かせる展開も作れず、エンボロがコーナーから決めスイスの勝利。
思い入れもなく、ぼーっと眺めているとどういった試合だったからか記憶に残らない。
イングランドクロアチア
マンチェスターシティを追っているので、イングランド代表の選手たちはよく知っている。(敵として)
だからアレクサンダーアーノルドが落選したのも少し寂しかったし、ライスとフィリップスが選出されたのはうれしかった。
この試合人々を困惑させたのは右SBが二人スタメン。そしてスターリング10番。
点を決めたのはケインでもなくスターリング。
いや、良い飛び出しだった。
そして申し訳ないが、試合内容はほとんど覚えていない。
なんでだろう。
オンデマンドが急停止したことは憶えている。
オランダウクライナ
大本命ウクライナの登場である。
ジンチェンコがキャプテンで、ジンチェンコが攻撃を司るウクライナの試合を観ないという選択肢がどうして取れようか(いや、取れない)
結果から言えば善戦しながらも敗戦。
しかも、決勝点はジンチェンコが競り負けたことでWBのダンフリースにヘディングで流し込まれたものによるもの。
相当悔しかっただろう。
オランダはもうワイナルドゥムがフレンキーよりも目立ち、チームを牽引していて、聞いてた話と違うオランダがそこにはいた。
2点先制したオランダが余裕をもって勝利すると思いきやウクライナが意地で追いつく、しかもヤルモレンコのカットインゴラッソのおまけつき。
試合として最後までとても面白かった。
試合終了間際のジンチェンコのドリブル。
あれはシティでは絶対に見られない。
「どうしても自分の力でチームを勝たせたい。自分のミスを挽回したい」という気持ちが最大限に出ていたプレー。
ジンチェンコよ。
その気持ちは絶対にチームメイトに、国民に伝わっているはず。
フランスドイツ
死のグループ最初の注目カード。
レーブの退任が決まっているドイツがここ最近の不調を拭えるのか、ワールドカップ王者フランスが1998-2000年以来の国際大会連覇を狙うのか、という対戦。
3-4-2-1が適正な配置だと思えない試合展開だったが、配置関係なく能力の高さにやられたドイツだったと思う。
グリーズマンは生き生きとプレーしていたし、カウンターはベンゼマが保持してエンバペにスルーパスでなんとなく点が取れそうなのが今のフランスの強いところ。
カンテがいて、カンテがいることでアグレッシブにプレーできるポグバがいる。
サッカーゲームで能力値の高い選手をポジションごとに並べたらこのフォーメーションになった、みたいなフランスが国際大会で強いのは当然のこと。
戦術を具現化する時間もない中で勝利するにはこれが一番手っ取り早い。
こういう戦い方を選択できるのはとても好感が持てる。
試合を見るときは大抵なにかメモをしているのだが、
この試合ドイツのことをまったくメモしていなかった。
ウクライナ北マケドニア
ジンチェンコ2戦目。しっかりと勝利。危なかったけど。
ジンチェンコは、シティでプレーしているということのすごさがチームメイトと比較して感じた。
ポジショニングが絶妙で、通れば前を向いて危険なプレーができるところに立っている。ただ、ウクライナのほかの選手たちからは、パスが出ない。出さないのか、出ないのかはわからないが。
後半北マケドニアは猛攻を仕掛けたけど、どうやら一戦目もそうだったようだが、もたずに失速していたらしい。
今回もそうだったのでなんとか助かった。
それにしてもパンデフがうますぎる…。
あの年齢だし、スピードという部分では他よりも劣るが、オフサイドになったあの1プレーで十分恐怖を与えられた。ほんと危なかった。
ウクライナはうまいけど、危なさはあった。
ボールを持てるが、「持って自分がどうするか」しか考えてないように思えた。自分のプレーがゴールに向かうにはどうすれば良いかということをあまり考えられてないのかもしれない。
ジンチェンコがずば抜けて見えるのはそこまで考えているから。
少し、ジンチェンコをほめすぎているかも。
デンマークベルギー
ベルギー2試合目。
デブライネが後半から出場して、デンマークを黙らせた。
ただ、それまではデンマークにだいぶ苦戦したベルギー。
出足早く前からがんがんプレスをかけ、3枚のCBのパスを狙って、開始から仕掛けていたデンマークの作戦がはまり、デンマークがすぐに先制。
デンマークのセンターハーフ2枚が、ベルギーのセンターハーフについていくから、どこかでFWのだれかが下りて数的優位を作ったらデンマークも崩れそうだなと思っていたが、たいして実行されずに後半へ。
後半はデブライネのショータイム。
1点目のアシストはルカクからの落としをシルキータッチでかわしてゴール前なのにラストパス。
逆転ゴールもデブライネ。
最適な選択を突き詰めるとデブライネのようなプレーヤーになる。あの展開で左で待ち構えていたのはさすがとしか言いようがない。
利き足ではない左でシュマイケルが反応できないシュートを打つのももう人間やめてる。
デンマーク監督の2失点目のときの表情はすごい切ない気持ち。
いけると思ったんだけど、デブライネがなー、という表情に違いない。
それにしても後半にデブライネ、アザール、ウィツェルが出てくるベルギーは卑怯でしかない。
ハンガリーフランス
グループFにおいて、ハンガリーがカギとなるのは死のグループと呼ばれる組に入った下位チームのいわば宿命のようなもの。
その望みもしない期待に応えてくれたハンガリーには賛辞を贈りたい。
ハンガリーは前半からフランス相手に臆することなくサッカーではなく、ファイトを選択。
その流れから少ない手数で先制したハンガリー。
試合は一層面白くなった。
この試合を見て気になったのは、
・ものすごい落ち着いている川島の解説
・コロナどこいった?ってほどの観客席の様子
・グリーズマンの人をいらつかせるゴールセレブレーション
である。
グリーズマンのゴールにつながったエンバペの一瞬のスピードは、やはり脅威。
早く白いユニフォームを着てほしい。
ちなみにこの試合のあとデンベレが怪我をしてユーロ終了。4か月の離脱。
バルサからしたらまたも売却が困難となり、どうしてもこうも年棒だけ獲得するうまいやり方を思いつくのか。
ポルトガルドイツ
死のグループをみんな言い飽きたと思う。
結果以上にドイツが試合をコントロールしていた。
ポルトガルは、前線の4枚の守備を信用していないのか、ダブルボランチに展開力を求めない人選だったからか、流動的すぎてみんながみんな持ち場を離れているように感じた。
唯一その中でベルナルドシルバが、その間を取り持ってくれていたが、どうしてもポルトガルの監督は、交代のファーストチョイスをベルナルドシルバにしたがるのは納得いかない。
最終戦でもそうだったように(まだ見てない)レナトサンチェスが交代で出てリズムを変えたようで、ダニーロとウィリアムカルバーリョのペアではなかなか個人頼みになりそうな気もするけど。
ドイツはゴゼンス一択。
WBなのに守備時に絞るのをさぼらないし攻撃では高い位置まで駆け上がる。
右からのクロスに大外から飛び込んできたシーンもセリエA好きの人からするといつも通りのシーンらしい。
スペインポーランド
スペイン観戦の初戦。
1試合目のスウェーデン戦を引き分けたようだが、この試合も引き分け。
モラタ全然点とってないと思っていたらこの試合でオフサイドになりかけながらも点を取っていた。
あそこらへんの感覚はさすがだな、と。
スペインを見ていて思ったのはスピードに乗らないバルサやシティ。
アルバがキャプテンだし、アルバの良さはだれも活かしてくれないし、ジェラールモレノは器用にどんどん下がってくるし、マルコスジョレンテは9割方ファウルスローだったのが印象的。
それでも、なんてことのないクロスを得点にしたレヴァンドフスキはさすがの一言。
モラタはとにかく外していた。
ルイスエンリケってバルサの監督していたような…。この試合のベンチワークでフェラン、オヤルサバル、サラビアになるのはどうもおかしい。
カウンターを受けていたのはむしろ選手交代後。
ロドリはまだカウンター対応が育まれていないんだ…。
ウクライナオーストリア
3試合すべて見たのはベルギーとウクライナだけ。
それだけデブライネとジンチェンコのプレーを見たいと心が叫んでいる。
第1戦からそうだが、ジンチェンコの国に対する思いは強い。
オランダ戦で逆転ゴールを叩き込まれたヘディングシュート。競り合っていたのはジンチェンコ。悔しさを露わにし、その後なんとか同点にしようともがいていた姿は心にぐっと来た。
が、しかし。
この試合はオーストリアにうまく試合を作られてしまった。
4-3-3で守るウクライナに対して、アラバを前に上げ、3-4-3でセットするオーストリア。
枚数をかけて攻めた後にそのままプレスをかけるため、ウクライナはパスコースが見つけられずに囲まれていた。
結果はオーストリアが1点を守り切りウクライナは敗戦したが、途中でジンチェンコをより前に動かす配置をチームとして取ってきて、「このチームの中心はジンチェンコ」というのがわかってうれしい。
ウクライナは足元のうまい選手が多いけど、飛び出す選手がいなくて、前進ができないチームという印象。
アラバは左SBも問題なくできそう。
マドリーでは、SBにCBにフル稼働してほしい。ラモスも抜けるので。
フィンランドベルギー
2連勝して突破を決めているベルギーにフィンランドが挑む試合となった。
ベルギーは前2戦とスタメンを変えたのにも関わらず、エデンアザールとデブライネがスタメンにいるという。
ベルギーからしたら負けてもいい第3戦で、アザールとデブライネの調子を見れるのはとても良い。二人にとってもコンディション調整にもってこい。
フィンランドが引く。
ベルギーが前に出る。
100人中99人ぐらいは予想していた展開だが、序盤はベルギーの連係の悪さにフィンランドが余裕をもって対応していたと思う。
その余裕が消えたのは、デブライネがハーフラインから伝家の宝刀スルーパスを繰り出してから。
彼は相手のがんばりとかどうでもいいからね。サッカーを追及している感じ。
アザールもデブライネも左に来るのに、チャンスは右からが多い。囮の方が市場価値が高いぞ、ベルギー。
アザールの株が落ちたかわりに19歳ドクの評価は高まったように感じる。
ナショナルチームはクラブチームに比べて連携をそこまで緻密に高められないので、ドクのような一人で前に持っていける選手は短期間の国際大会では非常に貴重。
スロバキアスペイン
グループEの最終節。2分のスペインは勝ち点2で、最終節を迎える。
うん、まあ、そうなるよね、これだけ点を取れなければ。という成績で、スロバキアと相対する。
結果は5得点クリーンシートの完勝でグループリーグの突破を決めた。
気になったことは3点
1.後ろの3人のパスセンス
「ハードボイルドパサーラポルト」
「血液すらもソシオの男エリガルくん」
が真ん中でビルドアップする今日のスペイン。
スロバキアは序盤こそ、ハイプレスをかけたが、暑いし、うまいしで失速した。
前半の終わりからは「あ、そこ縦パス選択するんだね」という何気ない縦パスでスロバキアのブロックを通過。
集中力も切れたスロバキアは相当大変だったと思う。
2.ペドリ
バルサの下部組織出身ですか?と勘違いされてもおかしくないサッカーのうまい少年。
線が細くまともにフィジカル勝負になったら確実に負けると思うが、ボールを動かしながら次のプレーに移行していて、相手選手と対峙する前に別の場所に移動するという、接触をなるべく避けたサッカーをしている。
この辺りはイニエスタを彷彿とさせているなと思った。
3.アスピリクエタ
ベテランとなり、模範となるべくシャツをインする男。
CL優勝チームのレギュラーの彼は右SBとして出場。
しかし、非常に窮屈なプレーだった。
後半真ん中あたりにビルドアップを狙われ、ロストしたシーンがあったように、普段チェルシーでプレーしているエリアとだいぶ違うエリアでプレーすることとなり、だいぶ中途半端な動きとなっていた。
普段の3バックの右や右WBでは、うまくプレッシャーのない状況でボールを受け、前に運ぶ役割だったが、右SBだとボールを受けてプレッシャーを感じながら次の展開に向かうのでやりにくそうだった。
終わり
ということで、グループリーグはこれぐらいが限界だった。
いまだに見ていないグループリーグの試合がHDDに残っている。
見ないままお蔵入りになりそうだ。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
今はもう決勝トーナメントの試合も始まっている。もうまったくと言っていいほど追いつかない。
最後に、マンチェスターシティの選手は現在、デブライネ、ジンチェンコ、ギュンドアン、スターリング、ストーンズ、フォーデン、フェラントーレス、ウォーカー、ラポルトが残っている(だれか忘れていたら教えてほしい)
レアルマドリードの選手は、アザール、クルトワ、ベンゼマ、モドリッチ、クロース、ヴァランが残っている(だれか忘れていたら教えてほしい)
怪我をせずに戻ってきてくれることを心から願うばかりである。
(デブライネが足を怪我したという情報が…)
決勝まで大変だ。
一応予想しておこう。
勇気をもって、
イタリア vs チェコ
もうトーナメントはこれやりません。
それでは!
プレミアリーグ20-21シーズン シティを苦しめたベストイレブン
デブライネ「おれの後ろマスクしろよ…」
こんにちは。
tadashiです。
初めに
プレミアリーグの全日程が終了しました。
昨シーズン猛威を振るったコロナウイルスは依然として猛威を振るいながらも、人類は強く、中断もなくすべての試合を終えることができました。
プレミアリーグではないけれど、人数制限がありながらFAカップとチャンピオンズリーグの決勝では観客を入れて試合をすることができました。
少しずつ日常を取り戻していきつつあるサッカーは、ここでオフシーズンに入ります。
海外サッカーフリークのみなさま、特に海外リーグを主に見ている人からすると、このオフシーズンは次の熱狂までのしばしの休息となります。
本日は、そんなオフシーズンの始まりにふさわしい毎年恒例のベストイレブン企画の開催です。
題して
プレミアリーグ20-21 シティが苦しめられたベストイレブン
選考の前提条件
昨シーズンの終わりから半ばネタ的に始めた「苦しめられたイレブン」ですが、依然としてGoogle検索では上位に位置し、だれも手を出さない領域であることがわかったので、今シーズンも手を出してみました。
選考の条件はたったこれだけ。
プレミアリーグマンチェスターシティ戦で、1試合でも出場していること。
そして、我がマンチェスターシティを苦しめたこと。
この中から各ポジションの選手を選出していきます。
ベストイレブンの発表
まずは、フォーメーションとあわせてベストイレブンを御覧ください。
システムは4-2-3-1。昨シーズンと同じです。
このシステムを選んだ理由は2つあります。
6敗のうち3敗が4-2-3-1に敗戦
スコアレスで終わった3試合は4-2-3-1を相手にしたとき
敗戦、スコアレスと聞いて、嫌でも思い出す赤いユニフォームと白いユニフォーム。
20節から首位の座を渡さなかったマンチェスターシティを苦しめたマンチェスターユナイテッドとトッテナムのシステムがベースになっています。
それでは、各選手を見ていきましょう。
■凡例
名前(所属チーム・国籍)
年齢 マンシティ戦出場数
GK
サム・ジョンストン(ウェスト・ブリムウィッチ・アルビオン/イングランド代表)
28歳 2試合出場
あとでノミネート選手も出てきますが、2試合を通してシティを苦しめたGKはなかなか見つけられませんでした。
リーズのメリエと悩みましたが、シーズン最初のシティ戦、1対1のドローを演じた試合で枠内シュートのほぼすべてをセーブしたこのGKを選出しました。
特に後半残り10分間のデブライネとの熱い戦いは全シティファンが覚えていることでしょう。(え、覚えていない?)
サッカー選手らしからぬ丸坊主は好感が持てます。
サウスゲイト代表監督にも認められ、現在、イングランド代表にも選出されています。
2戦目は5失点をするもその愚直な姿に心を打たれてしまいました。見てください、この全身証明写真のような姿を。
ちなみに、このジョンストンは、マンチェスターユナイテッドに所属しており、ローンで長らくアストンビラに。今シーズンからWBAに完全移籍をした選手です。
GKは1人しか出られないため、こうやって自分を必要としてくれるチームに移籍することがとても重要だと思ってしまいます。
DF
DFは4枚選びました。
選ばれるのにふさわしい4人を持ってきました。(自信あり)
【右サイドバック】
31歳 2試合出場
右SBは悩みました。(自信があるとか言っていきなり)
彼はクリスタルパレスのウォードという選手。イケメンですね。
2012年からクリスタルパレスに所属。今シーズンで9年間パレスで過ごしています。
みなさんはこの選手をご存知でしたか?私は知りませんでした。
しかし、シティとの2戦目で見つけてしまいました。
左SHで先発したスターリングとのマッチアップで、スターリングを完全に止めたこの選手を。
シティは、ターンオーバーで4-4-2を採用。左に入るスターリングをマンマークしたのが彼です。
シーズン終盤にかけて調子を落としていたとはいえ、リーグ随一のWGをシャットアウトしたベテランに拍手を送らざるを得ません。
試合は、負けてしまいましたが、個人としては、インターセプト2回、タックル3回を記録。対峙するスターリングはこの試合ドリブル突破が0回でした。
※これ以降、使用する写真はすべてその選手をネガティブに表している写真にしました。だって、シティ相手に活躍しすぎなんですから…!
【右センターバック】
ハリー・マグワイア(マンチェスターユナイテッド/イングランド代表)
28歳 2試合出場
マンチェスターシティを無失点に抑えたユナイテッドの守備の要であり、キャプテンの彼を選ばない理由はないでしょう。
ミラクルレスターによるプレミアリーグ制覇後の2017年、レスターに移籍したマグワイアはプレミアリーグでその実力を発揮し、2019年にはマンチェスターの赤い方へ。
瞬く間にレギュラーに。彼の安定した守備は、戦術のないだれかに依存したユナイテッドの攻撃を支えるスーパーマンとなりました。
シティ戦では、その圧倒的な守備力でシティの攻撃を0で封殺。
昨シーズンからそうでしたが、ユナイテッドを前にすると得点のイメージがなくなります。おそらくそれもマグワイアの実力があってこそでしょう。
とてもセクシーなパートナーがおり、うらやまけしからんと思い、その時点でも苦しめられた(私が)ので文句なしの選出でした。
【左センターバック】
28歳 2試合出場
シティ相手に7失点とチームとしての成績を見れば大敗だったサウサンプトンでしたが、この199㎝の大柄なCBは、大いにシティを苦しめました。
ヴェスターゴーアは、その恵まれたフィジカルに注目がいきがちですが、彼の魅力はなんといってもパス精度の高さです。
左から逆サイドの選手に展開するサイドチェンジの質の高さは一級品。
スピード、正確さは、シティのラポルト、リバプールのファンダイク、もっと言えばレアルマドリードのセルヒオ・ラモスとも遜色ないと言いたいぐらいでした。
また、縦パスの精度も素晴らしくウォードプラウズやウォルコットがハーフスペースに顔を出せば絶妙なタイミングで足元にあてていきます。
1戦目はロングパスを10本成功させており、2戦目は何度もシティ守備ラインを飛び越える縦パスを出していました。
2010年にスカンジナビア半島からドイツに渡ったこの青年は、ホッフェンハイム、ブレーメン(大迫ともプレー?)、ボルシアMGと経験を積み、2018年にサウサンプトンに加入。
当時スタメンだった吉田をおぼやかす存在としても日本で少しだけ話題になっていたと思います。
シティ相手だったから気づけたものを、こうやって毎試合見ることのできないリーグにももっとたくさんの素晴らしい選手がいると思うと悔しいですね。
【左サイドバック】
ルーク・ショー(マンチェスターユナイテッド/イングランド代表)
25歳 2試合出場
ぽっちゃりしているけど、足は速い。
時々スポーツ界にいる体格と動きが合わない人。それがこのルーク・ショーです。
なんといっても、2戦目の後半開始早々のプレーをシティファンは忘れたい忌まわしい出来事です。
GKからのスローを受け、ワントラップでカンセロをかわしドリブル。ラッシュフォードとパス交換をして思い切り左足を振りぬいたシュートはうまくエデルソンすらもかわしゴールに吸い込まれました。
やられた…!と試合を見ながら思いました。
この日のルーク・ショーは敵ながらも素晴らしい活躍でしたし、シティのサイドバックにはこのように推進力のある選手が少ないのでうらやましさもありました。
推進力のあるDFによくある1対1の弱さもこの試合では見られず。
シティ相手だからなのかまだ25歳だし、成長されても厄介だなと思ったのが正直な感想です。
ユナイテッドからはもう一人出しています。
MF
MFはアンカーを2枚並べ、トップ下を置いた5枚編成になります。
【左ボランチ】
フレッジ(マンチェスターユナイテッド/ブラジル代表)
28歳 2試合出場
昨シーズン、シャフタールからこの赤いマンチェスターに移籍したボランチを選出。
昨シーズンはあまりフィットしていなかったけど、今シーズンは2戦ともマンチェスターシティを苦しめる活躍。
マクトミネイが上下の動きを見せるなら、フレッジは横の動きでシティの攻撃をブロック。
試合を見ながら、またフレッジ!またマクトミネイ!と苛立っていたことを思い出します。
2点クリーンシートで勝利した2戦目よりも1戦目の引き分けの試合の方が印象的でした。
パス成功率は90%を超え、タックルも3度成功させていました。
それもこれも試合途中からのシステム変更が効きました。だれの指示だか知らないけれど。
1戦目を見て思ったのですが、フレッジは隣に味方がいるよりも一人で広いエリアをカバーした方が活きるなと感じました。その点で言うと縦に強みのあるマクトミネイとのダブルボランチは最善の組み合わせと言えますね。(悔しい)
【右ボランチ】
ユーリ・ティーレマンス(レスター/ベルギー代表)
24歳 2試合出場
ベルギー代表の若き才能を選びました。
シティ戦ではなんといってもその視野の広さ、配球の質の高さが目立っていて、1戦目の5失点のゲームではすべてのプレーに関与していたのでは?と思うほどボールを散らし、ヴァーディを活かし、シティのSBを孤立させていました。
1対1にも12分の8で勝利、インターセプト3回、タックル2回。5点目の得点もあげました。
チームとしては残念ながら今シーズンもギリギリで、チャンピオンズリーグ出場権を逃してしまいましたが、個人で見れば十分CL圏内のチームへステップアップすることは可能だと思います。
モナコからプレミアへの輸入が近年凄まじいです。その恩恵をリバプールもシティも受けているのでフランスリーグ1には感謝です。
【右サイドハーフ】
スチュアート・ダラス(リーズユナイテッド/北アイルランド代表)
30歳 2試合出場
リーズ自体はシティに無敗。
1勝1分と十分な結果だったので、リーズから一人は選びたいと思っていました。
そこで、そのユーティリティでポリバレントな存在としてダラスを選びました。
チーム事情もあったのかもしれませんが、1戦目の引き分けの試合では左SBとしてプレー、2戦目の勝利をあげた試合ではCHとしてプレーをしています。
2戦目では一人少ないながらダラスはパス成功率90%を超え、少ないボールを持つ時間を無駄にしていなかったし、枠内シュート2本で2点。そのすべてがダラスでした。
特に2戦目の2得点は、本当に余計なことをしてくれた!と思ってしまいましたが、あの切れ味鋭いカウンターは見ていて気持ちが良いものでした。
【トップ下】
タンギ・エンドンベレ(トッテナム/フランス)
24歳 2試合出場
ここでの選出?と思った方も多いと思いますが、普段シティの試合を見ない方はぜひハイライトだけでもトッテナムシティの1戦目を見てください。
普段ダブルボランチの一人として起用されるエンドンベレはトップ下でプレー。
フィジカル的な選手を前に置くやり方は重心は低くなるものの守備での安定感を与えます。
彼がモウリーニョから与えられたタスクは「シティポゼッションの阻害」です。決してボールを奪うわけではないけれど、ファーストディフェンダーとしてケインと二人でアンカーを塞ぎ、ボールが来ればフィジカルでキープしていました。
チャンスメイクはケインに任せてエンドンベレはエンドンベレにできる最良のプレーでチームに貢献するという形です。
これもケインが万能型FWの完成形であり、ソン・フンミンのように左右には得点力のあるアタッカーがいたからトップ下をチャンスメイク以外に専念させられたトッテナムの特殊性もありましたが。
まだ24歳ですし、リヨンで名を上げ、トッテナムに加入した経歴を持っていますので、精神的に問題なければこれからもトップでやっていけるはず。
残念ながらユーロの代表には残れませんでした。
【左サイドハーフ】
レアンドロ・トロサール(ブライトン/ベルギー代表)
26歳 2試合出場
風圧に顔が負けるトロサール
シティファンがこの選手の名前を聞いて思い出すのは第37節だと思います。
1人少なくなったシティがフォーデンのゴールで2点差にしたことで、試合をうまくこのまま終えようとしていたのに、彼の一発でブライトンに勢いが生まれ、残りの2得点はオーバーラップしたCBの二人という展開で敗戦。
得点もそうですが、こういうドリブルやプレーの1つ1つでチームに勢いを与えられる選手はとても重要ですね。(シティで言うルベンディアス)
ブライトンも見事残留を果たしています。(ブライトンは得点入らなさすぎですが)
トロサールは、ヘンクでキャリアを始め、レンタルを繰り返しながら努力を重ね、2019年にブライトンへ移籍しています。
この2年たしかにトロサールはシティ戦では切れ味の鋭いドリブルでシティDFを困らせていましたし、2戦目では途中出場で結果を出しました。
優勝したシティ戦での活躍はその選手の成長を促してしまいます。
本当にやめていただきたい。
FW
30歳 2試合出場
この選出に文句のある人がいれば今すぐにマンチェスターシティの38試合を見直してほしい。
それぐらい苦しめられた選手と言って過言ではありません。
今シーズンのマンチェスターシティはルベンディアスの加入によりとてつもなく強固なディフェンスを築くことが可能となりました。CLとのターンオーバーで終盤に失点のかさむゲームをしていましたが、32失点というのはリーグ最小です。
そのチーム相手には2戦2得点。これは素晴らしい記録です。
特に素晴らしいのはフィジカルなゴールだったということです。
マンチェスターシティの弱点をしっかりと明るみにし、ルベンディアスの気持ちをさらに奮い立たせてくれた優勝の立役者とも言いたいぐらいです。
しかも彼は多くのレンタル移籍を重ねてようやくこのプレミアの舞台に立っています。
プレミアでシーズン10ゴール。
そのうちの2得点が優勝したマンチェスターシティからあげたゴールだなんてとても夢があると思ってしまいます。
惜しくも落選した人
残念ながら11人に入らなかった選手たちを紹介します。
■GK
アレオラ/フラム
マルティネス/アストンビラ
メリエ/リーズ
■DF
ティアニー/アーセナル
ターゲット/アストンビラ
■MF
ライス/ウェストハム
マクトミネイ/マンチェスターユナイテッド
ハリソンリード/リーズ
シェルビー/ニューカッスル
カーティス・ジョーンズ/リバプール
リンガード/ウェストハム
ネト/ウルヴス
シエシュ/チェルシー
■FW
カバレイロ/フラム
ポグバ/マンチェスターユナイテッド
ポデンセ/ウルヴス
フィルミーノ/リバプール
ケイン/トッテナム
サンマクシマン/ニューカッスル
ジョエリントン/ニューカッスル
所感
最後です。
この11人を見たときに感じたのは、相当マンチェスターシティとの相性が良いだろうなということです。
右サイドのビルドアップが読めないところはありますが、引かずに中央を閉め、ブロックを作ってロドリで奪い、ダラスとトロサールのカウンターからクロスさえ上げることができればフィジカルでアントニオが押し込んでくれるはずです。
そういえば監督を決めていませんでしたね。
このチームを率いる監督はシティに負けていないビエルサかスールシャールと言いたいところですが、おそらくはまらないので、シティを行動不能にさせたレスターのロジャース監督にしましょう。
今シーズンのマンチェスターシティは、13節を境に大きく印象を変えています。
20節には首位に立ち、そこから一度もその場所を譲らなかったことを考えるとその状態のシティ相手に勝利したマンチェスターユナイテッドへの苦手意識は増し、11人のうち3人も選ばれるのは必然だったと思います。
最後までお読みいただきありがとうございます。
今シーズンはプレミアリーグで覇権奪回。CLでは準優勝。カラバオカップは4連覇となりました。
それでも、思い返すとこれだけの選手に苦しめられていました。この企画もまだまだ続けられそうだな、と思いました。
また、来シーズンにお会いしましょう。
それでは!
父とレアルマドリード
それはもう何年も前からわかっていたいつか来る現実であった。
覚悟していたはずの感情は、事実を聞いて、別れの日を目の前にして、覆い隠せるようなものではなかったと自分自身でも驚いた。
SNSでも勢いで想いを書いてしまった。
サッカーと彼の存在を結びつけたときに話ができて、理解してもらえる人がいなかったから。
少しだけお付き合いください。
現実と向き合う
父親が他界した。
父は約10年前"多系統萎縮症"という難病にかかり闘病を強いられ、そして長らく入院をしていた。
神経系の病気であり、治療法はなく、進行のスピードも個人差があるということで、長くて10年というのが一番最初に聞いた内容だった。
大学生(大学院生)だった当時の私は、自分のことでいっぱいいっぱいで、それでも突きつけられた現実に「どうすればいいんだろう」という疑問だけが漫然と浮かんでいた。
あれからあっという間に10年。
病気はしっかりと進行し、自宅のトイレで動けなくなり入院し、食べることができなくなり、声を出せなくなったが最後まで意識は残っていた。
最終的には癌により亡くなってしまったが、コロナによる面会禁止があったためどのような最期を迎えたかはわからない。
久しぶりに見たその顔は穏やかで、骨となる直前までただ眠っているような姿だったのは、目に焼きついてる。
さて、私とっての父親の存在は、サッカーというスポーツを見るようになったきっかけであり、思い返すとただの家族というだけではなかったということが今になってわかってきた。
こんなにサッカーを見るようになった一番初めは、ちょっとした父親とのきっかけであった。
前置きが長くなってしまったが、父親の生きていた証と私がしっかりと彼の子供であったことを、供養として書き留めていきたいと思う。
彼と私の繋がりにはサッカーというスポーツが密接に関係している。というよりほぼそれだ。
これから始まる自分語りは、私が初めて好きになったレアルマドリードに出会わせてくれた父親とそのレアルマドリード、そしてその先のサッカーと私の、ほんの数十年の物語である。
サッカーとの出会い
こんな見出しでありながらサッカーとの出会いに記憶はない。
例えばサッカースタジアムにサッカー観戦に連れていってもらったとか、父親がサッカーをやっていて生まれたときからボールを与えられていたとか、そんなことはまったくなかった。
ドーハの悲劇も初のワールドカップ出場ももはや記憶にはない。伝聞の類いだ。
しかし、小学校2年生にはサッカーというスポーツを始めていた。
おそらく近所の○○くんもサッカーをやるみたいだから一緒にやらない?と、これもおそらくだが、母親が勧めたんじゃないかと思っている。
なぜなら父親は学生時代のすべてを野球に注いできた人だからだ。
どうやら大学でも続けていたようで、キャッチャーとして大洋ホエールズから声がかかっていたとかなんとか。
「お父さんがプロになっていたらあんたたちは生まれてなかったよ!」というのが母親の唯一父親を誉めるときの言葉であった。きっと二人は出会っていなかったということだろう。
結局この決断は私の人生を大いに良い意味で狂わせ、今でもサッカーにどっぷりとはまっている。
どれだけ記憶をたどっても本当にサッカーを始めた理由は覚えていない。
家では毎日のように野球中継が流れ、ホームランを打つと父親の喜びの雄叫びが聞こえ、元キャッチャーの父親の配球予測が自慢げに語られていたのだ。
どうして野球ではなくサッカーなんだ…。
これは我が家の七不思議の一つだ。(七不思議と言ったが、もう不思議は出てこないので期待しないでほしい)
「だれも野球をやらねえんだよな」とよく愚痴をこぼしていたのも、彼が亡くなってから母親から聞いたぐらいだ。(私には弟たちがいるがだれも野球をしていない)
つまり両親の期待や心残りを押しつけられることなく、好きなことをやれたというのは、両親のおかげで、それは感謝でしかない。
かくして、長い長いサッカー人生が始まった。
プレイヤーの楽しさ
小学生で始めたサッカーに、私は大変熱を入れてしまった。
その当時に熱を入れていた感覚はまったくもってないのだが、それから高校2年生まで競技としてサッカーを続けていた。
勝つか負けるか、試合に出られるか出られないか。常に競争に身を置いていたと今では思う。
よくやっていたとも思う。
友達がみんなやっていたのもあったが、負けると悔しいし、勝つとうれしい。
コーチは怖いけど、優しくて面白いし、なによりがんばっていると父親も母親も応援をしてくれるのだ。
そんなことスポーツを始めるまでなかった経験だ。素晴らしいと思っていたのかもしれない。
といってもサッカーが上手かったわけではなかった。小学6年生まで試合中にボールを触るのも怖くて全然活躍できなくて、いつもチームメイトからやんや言われていた。
父親も怖かった。
走れ!がんばれ!追え!
試合が終わればあーだこーだ。
辞めなかったあのときの自分を抱きしめてやりたい。
まあ、今にして思えば心から応援してくれていたんだろう。
自分のサッカー人生に衝撃を与えた出来事があった。
それは中学のときに友達とサッカーボールで遊んでいたら、同年代ぐらいのブラジル人に一緒にやらないかと誘われたことだ。
向こうはポルトガル語、こっちは日本語ながらも、ボールを蹴りあったが、その技術力の高さに脱帽。
ボールは取れない、クイックネスがとてつもないし、フィジカルは強い。なんだか知らないが「世界」を勝手に感じた瞬間だった。
全然本題に入れない。
悪い癖である。
サッカーを観る体験
ようやくである。
サッカーをしっかりと見たのは2002年日韓ワールドカップ。
それまではコーチからサッカーを見ろよと言われても「なぜ見るのか」「自分と技術がまったく異なるものを見てなにになるのか」というところがわからなかった。当然、Jリーグはおろか日本代表の試合すらもテレビがついてるからとりあえず眺めている程度。
しかし、そんな状況が一変したのがこの日韓ワールドカップであった。
友達とだれかの家でキックオフ待つ間、点が入った瞬間、失点した瞬間。心が沸き立つのを感じた。
自分がプレーしていないのにどうしてこんな感情になるのか。
エキサイティングの塊じゃないか。
トルコに負けるそのときまでテレビに釘付けだった。日本が世界と戦ったあのときを。
ただ、だからといってそのあとサッカーの試合を観るようになったかと言えばまったくそんなことはなかった。
部活で疲れた体でプロの試合を見る肉体的余裕はない。
月日は簡単に流れていった。
相変わらずJリーグはそこまで見ていなかったが、ワールドカップになれば夜更かしをして友達と多くの試合を観戦していたことを思い出す。
レアルマドリードとの邂逅
2002年の日韓ワールドカップが終わって、私が高校生になったころなんと我が家にWOWOWが導入された。
2003年、2004年ごろの出来事だ。
WOWOWを契約したのはもちろん父親だが、野球中継は民放で見られるにも関わらずWOWOWを契約。
ここが本当に父親を尊敬するべきところだが、サッカーを観る楽しさに父親は私よりも早く気づいて、それを我々子供たちに伝えようとしてくれたのだ。(真相は闇のなかだが)
WOWOWが導入されたことで、我が家ではスペインリーグの試合を観られるようになった。
当時マンデイフットボールでしか海外サッカーの情報を得られなかった私にとって海外サッカーをフルで見られる感動は、、最初は感じていなかった。もったいない。
父親はだれに言われるでもなく、子供たちに自慢するでもなく、スペインリーグを観始めた。
深夜や朝方なので録画をして、休日の早朝から観ていた。
そう。ここで出会ったのがレアルマドリードである。
マンデイフットボールのおかげで当然、名前は知っていた。チャンピオンズリーグのロベカルからジダンのボレーも映像だけは見たことがあった。
当時のレアルマドリードはそれはそれは魅力的なスカッドだった。今考えると本当にとんでもない選手たちが揃っていた。銀河系軍団の活躍をこの目にできていたのは幸せだった。
(その前から知っていただろうという声も聞こえてきそうだがそこは脳内補正をしてほしい)
記憶が曖昧で気になって調べたがWOWOWでラリーガが放映され始めたのは2003年だった。記憶とほぼ一致したのでほっとした。
あのころのレアルマドリードが一番好きだった。クラッキばかりだったがだれも悪いやつがいなかった。サッカーに対して熱心で、プロとしての振る舞いも素晴らしかった。
デルボスケ、カルロスケイロス、カマーチョと続いた監督たちのレアルマドリードを応援していたことを思い出した。
ありがちだがモウリーニョのマドリーはあまり好きになれなかった。
今でも鮮明に思い出せる。
左SBだった私に感動を与えたロベカルの破壊力
PKがやたらと上手いイエロはCBの印象を変えてくれたし、エルゲラはCBもボランチもできる万能なプレイヤーだった
セルヒオ・ラモスが来るまでの右サイドはミチェルサルガドが、マドリーに魂を注入し、マケレレが銀河系のために体を張った
ベッカムのその右足は芸術そのものであったし、グティは天才でほれぼれとした
左サイドから中央に移動するジダンはエレガントそのもの、フィーゴのドリブルはフェイントができなくても渡り合える希望をもらえた
ラウールの動きは、自分のためではなく人のためにスペースを作ることを教えてくれ、怪物ロナウドは、体型はこのスポーツに関係なく、得点こそがすべてであると見せてくれた
どうでもいいことだが、好きなサッカー選手を聞かれたら、ジダンとクライフと答えるようにしている。
クラシコと父親
無理やりに父とレアルマドリードを関連づけようとしているが、関係はまったくない。
父が録画をしていたラリーガの試合は、バルサとマドリーの試合がほとんどだった。(時々、セビージャベティスや日本人所属チームの試合があった)
マジョルカに在籍していた大久保のデビュー戦ゴールをリアルタイムで見ていたのは今でも覚えている。
高校生になり、部活と勉強ばかりの日々になると父親との記憶はほぼこの朝方のラリーガの録画を観ていた記憶になる。およそ2006年ごろまでのことだ。
いかんせん積極的に会話をしない父親との会話は試合を見ながら感想をもらし、共感してもらうというパターンが常だった。
この中でクラシコという非常に重要な試合は外すことができない。
私の記憶の中では塩試合はなかったんじゃないかと思う。それは試合内容だけでなく、父との会話がしっかりとなされていたからなのかもしれないが。
良いプレーに感嘆し、今のが良かった。と言えば、ああ、とかそうだな、とか簡単な言葉が返ってくる。
見逃したところを巻き戻して二人で見たり、ラウールが二人引き付けていた、と話したところで、やはり、うん、とかああ、とかが返ってくるが、個人的にはわりと満足していた。
なにより野球しか見ていなかった父が、サッカーを観る時間の方が長くなっていたから、それはそれでサッカーを認められた気がして嬉しかったのかもしれない。
大学生になり、プライベートが変わっていき、一緒に試合を観ることが減っていた。
そして、在学中に父の病気が発症した。
病気が発症するまで、彼は一人でたくさんの試合を観ていたことだろう。
ジダンは引退し、レアルマドリードには新しい風が流れていた時代。
その変遷をラリーガを通じて観ていた父とサッカーについてもっと語り合いたかった。
やっぱり早すぎる。
そんなこと言ったって仕方ないのはわかっているけど、もっと長く生きる人がいるのになんで。
父が入院したあともクラシコはどんなに忙しくてもリアルタイムで観ていた。
それは結局唯一の父親との繋がり、記憶、思い出だったからで、観た試合をいつか話し合えるようにと些細な悪あがきだったかもしれない。
サッカーを観るということ
父が入院していた間は、話したいことがたくさんある。
この約10年の間にレアルマドリードがCLで三連覇したこと。
ジダンはマドリーで引退し、その後は指導者となり、ジダンはマドリーの監督になったこと。
シャルケに行ったラウールも下部組織のコーチをしていること。
バルサにいたグアルディオラはドイツへ渡り、今は私の応援するマンチェスターシティの監督をしていること。
中田英寿が旅人を続けていて、日本酒を作っているとは父親は考えもしていないだろう。
多くの日本人が欧州に渡ったこと。
乾や清武がラリーガに挑戦し、乾は今でもプレーしていること。
久保建英が日本に戻り、その後レアルマドリードに加入したこと。
久保のJリーグ最後のゴールを味スタで観戦していたこと。
ロシアワールドカップでベルギーをギリギリまで追い詰めたこと。
むしろベルギーが強豪国となっているなんてことも、きっと話したら驚いたに違いない。
試合の一つ一つ、サッカーに関係する事柄は記憶とリンクする。
WOWOWとラリーガは今でもこれからもきっと父とのことを思い出すことを助けてくれる。
最後の2年間はコロナの影響もあって病院での面会は禁止だった。
この2年間で会えたのは癌だと告げられた日ともう意識のなくなった日の2回だけだ。
その間にもすごい勢いで世界は変わり、いくらでも話のネタはあったはず。
それを伝えられないことはとても悲しい。
父親が定年退職し、自分が働き、二人でお酒を飲むようになってから、昔話をするようになるんじゃないのかな、と思っていた。
現実は残酷で昔話はおろか、お酒も一緒に飲むことなく、彼はこの世から去った。もう少し待ってくれてもいいじゃないかと今でも思っている。
湿っぽくなってしまった。
これで終わりにしよう。
父親と私はサッカーによって繋がっていた。
私がサッカーをしていたのを父親として観に来ていただけでなく、サッカーファンとしてWOWOWを通じたラリーガの世界の感動を共有していた。そこには親と子ではない関係があった気がする。
父のおかげでレアルマドリードを好きになり、サッカーが好きなだけでなく、特定のチームを応援することの楽しさを知った。
そして、レアルマドリードだけでなく、マンチェスターシティというチームを好きになった。
どこか好きなチームがあると楽しいということは父が教えてくれたとも言える。
今の私がいるのは紛れもなく彼のおかげだ。
そういえばまだゆっくりだがかろうじて喋れるときに、病室で最近の海外サッカーの話をしたことがあった。
返事は「ああ」だった。
なんだよ、今までと変わらないじゃないか。
このやりとりを思い出して今、泣いている。
これからもきっとサッカーは好きだろう。
マンチェスターシティやレアルマドリードの試合に一喜一憂し、サッカーに関係なく、自分の人生も変わっていくだろう。
子供にこれだけの影響を与えられる親に自分はなれるだろうか。
67歳というあまりにも早い最期は、思い出になるには少しだけ時間が短いように思える。
それでも安らかに。永遠に。
サッカーに焦点を当てたが、サッカー意外にも当然、さまざまな話があるのだが、ここでは割愛し、父と私とサッカーの思い出を語らせてもらった。
本人が良い人生だったと思えたかはわからないが、今、私が良い人生を過ごしているのは間違いなく彼のおかげである。
2021年6月2日
シティ戦で全然活躍できなかったビッグネームイレブン
こんにちは。
tadashiです。
本日はこんな内容を題材に記事を書いてみようと思います。
題して
20-21シーズン シティ戦で全然活躍できなかったビッグネームイレブン
です。
はじまり
シーズンが終わると必ず出てくるベストイレブン。
どの雑誌も各個人も今やSNSが全世界に発信できるのを良いことに、多くの人がシーズンを振り返り、もっとも活躍した選手や優秀な若手など一番を決め、順位をつける。
挙句の果てには、ベストイレブンを選定し、勝手に表彰してしまう。
そんな私もなにかシーズンを振り返るイレブンを決めたいなと思い、昨年から始めたのが「シティが苦しめられたベストイレブン」だ。
これはマンチェスターシティがシーズンで2度戦う中でどの選手がシティを苦しめたかを独断と偏見で決めてしまおうという企画である。
さて、今シーズンが終わり、私は悩んだ。
昨シーズンはペップシティが不調で、問題もたくさんあった。
リバプールに独走されてしまったこともあり、比較的簡単に苦しめられた選手を選ぶことができた。
しかし、今シーズンは途中から独走状態。
21試合連続勝利、アウェイ12試合連続勝利、アウェイ23試合連続無敗などなど、シティの強さが際立っていて、苦しめられたことが昨シーズンよりもマイルドになってしまった。
とても良いことだが、10年は続けようと思っていた矢先のことなので困っている。
もちろんこの企画は続けるつもりだが、こんなに気持ちよく優勝したことだし、タイトルにもあるように、本来シティと相対するビッグネームが今シーズン全然活躍できなかった、活躍させなかった良き思い出を形にしたいと思っている。
つまり、盛大な煽りである。
それではいってみよう。
選定条件
まず、ビッグネームという定義をしておこう。
直訳すれば大きな名前、言い方を変えれば有名選手と言えるだろう。
この有名という定義はその人それぞれのサッカーに対する知見に左右されてしまう非常に曖昧な言葉だ。
私の考えるビッグネームとみなさまの考えるビッグネームは明らかに異なる。
とうことで、今回はtransfer markt(https://www.transfermarkt.com/)
というサッカー選手の市場価値をまとめているサイトで上位に位置する選手たちから選定しようと思う。
条件としては、各ポジションで、シティと対戦したチームのうち上位10人ということにしたい。
異論はもちろん認めるが、悉く却下していくので気をつけてほしい。
そしてさらに曖昧なことの「全然活躍できなかった」という言葉。
これは、さすがに試合を見ればわかる。
ここだけはシティファンの主観で語らせてほしい。シティ戦で全然活躍できなかった選手と言えばすぐにでも思いつく名前があるはずだ。
ちなみに、シティ戦に出場していない選手は対象外とする。
(例えば、ビッグネームではあるが、出場していないリバプールのファンダイクは対象外)
では、以下に条件を整理する。
1.transfer marktの市場価値の上位選手
2.各ポジションから上位10名
3.シティ戦に出場した選手に限る
4.”活躍できなかった”のは主観で判断
5.すべてのコンペティションを対象とする
各受賞選手の紹介
受賞選手を紹介する前に、まずは上位10位のリストを示しておこう。
ここに、私の主観は入っていないことをぜひ確かめてもらいたい。
注釈もしているが、シティ戦に出場した選手だけを抜き出している。当然のことだが、シティの選手は除外している。
各ポジションの上位を並べてみたがやはり前線の選手の方が評価されやすい傾向にあるようだ。
そんなことは放っておいてさっそく受賞選手を紹介していこう。
一人ずつ紹介し、最後に何人か追加し、イレブンをご覧いただこう。
GK
「フォーデンのシュートうまかったな…」
アリソン(ブラジル・リバプール)
市場価値 6000万ユーロ
ブラジルの正ゴールキーパーが受賞。
年間を通して考えたときにGKは簡単に選ぶことができた。
マンチェスターシティとの二度目の対戦。
無観客のアンフィールドでのシティ大勝。
少なくとも2失点に絡むアリソンのミスは我々を盛り上がらせ、リバプールファンの心を砕いたに違いない。
カリウスもそうだが、リバプールのGKはなにかに取りつかれているのか。イスタンブールの奇跡で見せたドゥデクのクネクネPKストップをなぜか思い出した。
シーズン途中からフレディマーキュリーのような風貌に仕上がったアリソン。
We are the champion!!とはならなかったが、CL出場権を最終節で獲得。
来シーズンは19-20シーズンのような活躍を。
2試合計 5失点
CB
言葉の響きの良さは今回の選手で一番。
ダビンソンサンチェス(コロンビア・トッテナム)
市場価値 3500万ユーロ
受賞の決め手は、二回目の対戦。
シティがホームで3点クリーンシートの快勝を見せた試合だ。
フィジカル的に勝っているはずのギュンドアンに体をぶつけられ、バランスを崩したところで、キックフェイントを見せられて地面に突っ伏してしまった。
ギュンドアンの左足のシュートに対して頭を投げ出すファイトは見せたが失点してしまった。
いや、そもそもがエデルソンのキック一発でギュンドアンと並走してしまった時点で終了だ。
実はSBもこなせるユーティリティを持ち合わせているが、SBでなにができるかはだれも掴めていないとか。
ギュンドアンにやられたシーン。ダビンソンサンチェスだと思っているが、もし違ったら名誉毀損も甚だしいのですぐにでも教えてほしい。
1試合に出場 3失点
SB
市場価値 3500万ユーロ
実はSBが一番選ぶのが困難だった。
昨今のSBへの戦術依存からして、ほとんどのチームのSBが目立って活躍をしていた。
なので、シティとの対戦であまり目立たなかった選手を選定した。
ドルトムント加入時にはCHでプレー。
香川とも同時期にドルトムントにいた。
元々、SBだったようで、SH、CH、そしてSBと今のチームでの地位を獲得。
「序盤は調子が良かった。」というドルトムントへの評価は、もはや評価になるのかわからない。
今、ドルトムントでは、2012年先発vs2020年?先発を企てているようだ。
非常に楽しみだ。
2試合フル出場
DH
「去年と同じ写真じゃねえか!」
市場価値 6000万ユーロ
昨シーズンは「シティが苦しめられたイレブン」で選出されたが今シーズンは不名誉な受賞に。
そもそもアンカーで受賞しても良いものか疑問を抱かせるほど、今シーズンはリバプールの守備ラインが崩壊。
昨シーズンのマンチェスターシティのように次々とCBが怪我で離脱し、ファビーニョとヘンダーソンでCBをやったとかやらないとか。
10位まで見てもらうとファビーニョ以外はしっかりとシティ戦で活躍している。
何よりも19戦負けなしだったアンフィールドでのシティ戦で4失点大敗のCBをここで挙げないわけにはいかないだろう。
CBで1試合フル出場 4失点
IH
ペップの娘と付き合っているので、苦しめているかも?
市場価値 3200万ユーロ
モウリーニョ政権下ではことごとく信頼を勝ち取れずシティ戦は後半出場が1試合。
出場していたの?というぐらいの記憶しかない。当然受賞に値する。
モウリーニョが来る前のデレアリは、ボールをもってリズムを作り、決定的な違いも生み出せる選手としてトッテナムをけん引していたが、この手の選手は試合に出れないと調子も上がらず、低調なパフォーマンスのままシーズンを終えている。
なんと0ゴール1アシスト。そりゃシティ戦でも目立たないわけだ。
最初にも書いたが、デレアリはペップの娘マリアさんとバーで熱いキスをかわしている姿を撮られている。
21-22シーズンにデレアリがマンチェスターシティにいたとしたら、デレアリはすでに最高のゴールを決めた後かもしれない。
26分間のみ出場
WG
約束のネバーランドなら間違いなく強敵。
市場価値 4500万ユーロ
ザハのようなテクニックとフィジカルとスピードをあわせ持つプレーヤーはたいがいシティ相手に素晴らしい活躍を見せるのだが、今シーズンのザハは不発。
一度目は出場せず、二度目はシュート0本とさんざんな結果に。
ロイ・ホジソン率いるパレスの前線は出てくる選手みな怖いプレーヤーのはずだが、シティ相手だとまずほとんどボールがさわれない。そして、ルベンディアスがいる。
他の9人を見れば自ずとザハが受賞するだろうなと思える。
二桁得点でチームに貢献しているもののシティ相手にはまったく活躍できなかった。
2試合目フル出場 シュート0本
FW
「ノムノムノム」
エンバペ(フランス・PSG)
市場価値 1億6000万ユーロ
今、もっとも価値のある男。
CLセミファイナルでエンバペと対峙したルベンディアスは、被シュート0本と彼を完璧に抑え込んだ。
むしろこの賞はエンバペのためにあると言っても過言ではない。(そのためにこのテーマを選んだ)
ネイマールがあれだけ活躍できたのにエンバペは…というところにPSGの限界があったのかも。
リーグ1で27ゴール、CLで8ゴールと大活躍を見せたエンバペもシティの前ではお口チャック、YKK、ミッフィーちゃんである。
来シーズンはいったいどのチームにいるだろうか。
1試合目フル出場 シュート0本
ビッグネームイレブン
皆様お待ちかねのイレブンである。
総額5億3200万ユーロのとんでもない陣営となった。
上記各ポジションの受賞選手に、CB、SB、SH、STを加え4-4-2というシステムでメンバーを構成した。
CBのキーンは最終節5失点大敗したエバートンのCBとして滑り込みランクイン。
相棒のゴッドフリーがアグレッシブに守備をして非常に良かったこともあり、相対的に悪く見えたのは仕方がない。
SBのもう一人はセメド。今シーズン、シティはウルヴス相手にダブルを達成。
守備に追われて2列目の位置を任されながらもほとんどの時間カンセロのケアをしていたので、その不遇さも含めてランクイン。
SHはハメス・ロドリゲスを追加召集。
アンチェロッティのもと再度輝きを取り戻すかと思いきや怪我がちで安定感はなく、シティ戦は途中から出場しても決定的な仕事はできず。
そもそも最終節ではいなかった。レアルマドリードの選手なんだからもう少し頑張ってほしかった。
そして、ランクイン最後の選手はドルトムントのホーランド。
エンバペと同じくチャンピオンズリーグという最高峰の舞台でルベンディアスストーンズに完全に封じ込まれた。
心配性のシティズン史上もっとも不安のなかったベスト8だったと感じた。
そう感じさせたのはホーランドの不発が最大の理由だ。
この並びを見て感じたのは中盤の守備がスカスカになるだろうなということ。
おそらく4-1-5もしくはセメドまで上がって3-1-6になるかもしれない。
ファビーニョはこんなところでも不運なところを見せる。やはり選出して良かったと思った。
監督
今シーズンで引退。リスペクトを集める高貴な監督。
ペップやクロップも敬意を表する重鎮。
今シーズンも引き続きクリスタルパレスを率い、シティ相手に2試合合計0-6で負けた。
1試合目は好調だったエゼをサイドで起用するも、ハイプレスという戦術の理解が薄くそこから崩され、2試合目はエゼを中盤で起用したり、ラポルトにプレスにいかずロングボールを蹴られまくる事態に。
唯一シティ戦で良かったのは右SBウォードの起用ぐらい。
今シーズンで監督業を引退する73歳のホジソン。
率いたチームは20チーム。その中にはリバプールやインテル。イングランド代表などもある名将だ。
監督として過ごした日々はおよそ39年。
私が生きているより長く監督をやっているホジソンは素晴らしいと思う。
まあ、しかし、この企画は活躍できなかったというところなので、心苦しさはありながらも彼をピックアップさせてもらった。
余生を優雅に穏やかに過ごせることを私は願っている。
終わりに
どうだっただろうか。
それぞれ頭で思いうかべていた選手は受賞していただろうか。
ビッグネームとして市場価値で10人ずつ並べてみたもののなんだかんだシティ相手でも活躍している選手が多かったことがわかり感心した。
どんなに相手が強くても個人として持ち味を出せる選手はやはりそれだけ選手としての価値が高いのだと感じた。
また、シティ1チーム相手に活躍できなくてもそれ以外でものすごく活躍できる選手もいる。
エンバペやホーランドは国際舞台でしか当たることのない選手。1年間のほとんどは安定して活躍できる能力を持っているのだ。
本当は、本音では「市場価値高いくせにシティ相手になにもできなかったじゃないか!」と煽るつもりだったが、そうはいかなかった。
こういった企画は違った角度からシーズンを振り返ることができ、非常に楽しい。
これを見て、たくさんの意見、議論が繰り広げられることも期待している。
ここに名前の挙がらなかったビッグネーム以外でも、今シーズン活躍しているのにシティ戦ではだめだった選手を教えてもらえるとまた、私の意欲がわくと思う。
シティの話をすると数日後についに待ちに待ったチャンピオンズリーグの決勝。ぜひ勝ってほしい。
悲願を達成してほしいが、どんな結果であれ最高の舞台に連れてきてくれたマンチェスターシティというチームを私は誇らしく思う。
シーズンオフにはユーロが開幕。
我々が休む暇は今のところない。
それでは!
満身創痍の勝ち点1 ラ・リーガ第35節 レアルマドリード vs セビージャ
こんにちは。
tadashiです。
今回は、レアルマドリードのレビューをしていきたいと思います。
リーガ優勝戦線に辛うじて残っているマドリー。
多くのけが人に悩まされながら、CLベスト4、リーガでの優勝争いを演じているジダンには頭が上がりません。
リーガでは、ライバルチームの足踏みにも助けられてはいますが、ここまで踏みとどまっているのは、選手たちのがんばり、ジダンのモチベーターとしての手腕のおかげです。
チェルシー戦のことは終ぞ語るつもりはありません。
スタメン
両チームのスタメンはこちら
■ホーム レアルマドリード
チャンピオンズリーグチェルシー戦で、ラモスとメンディーが再び怪我。
ルーカスバスケスとカルバハルもいないことから、サイドバックは右がオドリオソラで、左がマルセロ。
もはや選択肢はありません。
マルセロはキャプテンを務めるとともに偉大な先輩ロベルトカルロスと並びブラジル人の出場記録第一位となりました。
■アウェイ セビージャ
前半開始はオカンポス、前半の途中からパブ・ゴメスがトップの位置に。おそらく0トップ。
右サイドバックのヘスス・ナバスは35歳。怪我もなく元気です。どういうことですか。
前節、審判への抗議で退場しているロペテギ監督はイエローカードをもらい、なんと累積でベンチに入れず。
両チームの状況を整理
■2位 レアルマドリード
首位アトレティコと3位バルセロナの試合がドローで終わったことで、この試合に勝てば単独首位となるレアルマドリード。
この試合の前の段階で、複数怪我した選手もカウントして57回の怪我を数えている。
構想に入れていなかったカスティーリャの選手もベンチに入れないともはや人数もそろえられない状況。
4月のクラシコは勝利したものの、ヘタフェやベティスに引き分けるなどなかなか調子が上がらない。
■4位 セビージャ
前節ビルバオに敗戦。
いよいよ優勝戦線から離脱したかと思いきや、アトレティコバルセロナの試合がドローに終わり、レアルマドリードに勝利すればまだ可能性が残っていた。
ビルバオ敗戦前はリーグ5連勝。それどころか3月から負けていない。
シーズン通したポゼッション率はマドリーよりもセビージャの方が高い。
しかし、セビージャは枠内シュート率がエイバルに次いでリーグで下から2番目という不名誉な記録もあります。
マドリーの守備
試合はマドリーボールでキックオフ。
大方の予想通りボールをキープするのはセビージャ。
開始2分にショートカウンターでヴィニシウスがドリブル突破を見せました。
お互いのチームの入りから、マドリーには、セビージャのポゼッションを阻害して縦に速く攻めたい印象を受けました。
セビージャは両SBが高い位置を取り、WGの二人がハーフスペースに入り込むことで、相手のDFラインの前に人数を割きながら、幅を取って守備組織を広げ、フィニッシュに持っていこうという狙いが見えます。
後ろにはフェルナンド、クンデ、ジエゴカルロスと守っても運ばせてもパスを出させてもハイレベルな選手が3人いるので、ほかの選手たちは安心して前に出られるのです。
ここはマドリーも同じかもしれませんね。
ということで、マドリーの守備をクローズアップします。
以下のツイートは私が試合中に見て感じたことです。
バルベルデがWGをやるのが常に「相手のサイド攻撃を食い止める」という守備戦術的側面が大きくて、エレガントなプレーで観客を魅力していたジダンは監督としてはリアリストなんだなと思う。
— ただし (@tadashi0716) 2021年5月10日
バルベルデをインサイドで起用する戦術的側面が今の起用理由を上回らないとなかなか変わらないだろうな。
この試合もバルベルデがWGで起用されています。
クラシコでもそうでしたが明らかに守備のためのWG起用です。
しかも、今日に関してはヴィニシウスに対しても守備のタスクを課していました。
ポイントとしては以下
- ベンゼマはアンカーのフェルナンドをマーク
- 両WGは、高い位置と取るセビージャのSBをマーク
- 4バックはコンパクトにラインを形成
- 残りへの対応はモドリッチとクロース(セビージャのビルドアップに対して前に出るのはモドリッチとクロース)
スパルタすぎますね。ジダン。
攻撃は奪った後のカウンター。
肝はベンゼマ。
もちろんベンゼマはその役目をまっとうしますが、得点は得られず。
22分に先制点を与えてしまいます。
それでも少ないながらもチャンスを作ったマドリー。
12分に右サイドからオドリオソラがクロスを上げ、ベンゼマのヘディングシュートがネットを揺らしましたが、オドリオソラがオフサイドで得点ならず。
29分にもヴィニシウスがドリブルで切り込んでシュート。
ヴィニシウスとマドリーらしさ
ヴィニシウスすごくいいけど、ほんとにシュートだけだな。がんばれまじで!
— ただし (@tadashi0716) 2021年5月10日
これも私が試合中にツイートしました。
彼に決定力が備わったらすぐにでも世界最高のプレーヤーになれます。
22分の得点後、引き始めたセビージャ。
ブロックを作ってトップの選手からパスコースを切る守備を見せるセビージャでしたが、むしろそういうドン引きしすぎない守備ブロックの相手の方が力を見せるマドリー。
37~38分のシーンです。
クロース+CBでセビージャの選手を3枚つり出し、ビルドアップに関与しないカゼミーロがベンゼマと縦関係になったところを狙って、崩しの縦パスを入れます。
レアルマドリードのビルドアップから崩しの中でよく見られるのがその縦関係です。
あえてパスコースに入るように立つことで相手の注意を”本当にパスを出したい相手”から引き離すことができ、間に立つ選手がスルーをしてパスを繋いでいくやり方です。
ビルドアップにも、崩しの局面にもマドリーは多用します。
このシーンもまさにカゼミーロがスルーをしてベンゼマにボールが入り、そこから左ハーフスペースのヴィニシウス、右のモドリッチとセビージャの視線を大きく動かし、大外右のオドリオソラにパスを出しました。
このシーンは、バルベルデとオドリオソラが一瞬被ってしまい、アクーニャにカットされましたが、マドリーらしさの出た良いプレーだったと思います。
引いたセビージャにオドリオソラ
前半追いつくことができなかったレアルマドリードは、攻める必要が当然あります。
一方のセビージャは後半開始から引いてブロックを形成。
試合はマドリーがボールを保持しながら、セビージャがカウンターを狙うという前半とは逆の展開となりました。
ここで意外にも効いていたのがオドリオソラでしたね。
オドリオソラは足が速い。どうやら速いようです。
攻めに転じるマドリーはマルセロもオドリオソラも高い位置を取ります。
足の速いオドリオソラを止めるために、アクーニャやオカンポスが下がってきて、オドリオソラの後方をCBやモドリッチが比較的プレッシャーのかからない状況でボールを持つことができました。
円の箇所がプレッシャーのかからない位置。
モドリッチは積極的にこの位置でボールを受けていましたし、ナチョやミリトンもこのスペースにドリブルでボールを運んでいました。
面白いことに形としては、前半セビージャが攻めていた様子とほぼ同じです。
違うのは、マドリーの場合アンカーのカゼミーロがトップ下のような位置に行くことです。
これにより今シーズンはいくつか得点をあげているので、重要な配置でした。
52分、59分、60分とマドリーは立て続けにシュートを放ち、少しずつ得点の可能性も感じ始めます。
そして、67分にようやく同点ゴール。
モドリッチと交代で入ったアセンシオがファーストプレーでゴール。
セビージャのビルドアップをカットしてからのショートカウンター。
これもハイライトを見てもらうとわかりますが、クロースがペナルティーエリア手前で持った時にカゼミーロがクロースを追い越し前線に走っていったことで、スペースが生まれアセンシオへのラストパスに繋がりました。
これで状況はイーブン。振り出しに戻ります。
ここで、この試合珍しいことが起こりました。
珍しいこともあるもんだなぁ。
— ただし (@tadashi0716) 2021年5月10日
ベンゼマが倒されてPKか?
→うーん、ブヌの手が当たってると言えば当たっている
→その前のコーナーでミリトンがハンドしてる
→セビージャにPK
75分 セビージャのコーナーからカウンターを仕掛け、ベンゼマの飛び出しにセビージャGKブヌがファウルを犯したシーンで、最終的にその前のコーナーでミリトンがハンドをしていた、というVARの判定。
これにより獲得したPKで勝ち越したセビージャ。
勝てば優勝の可能性がまだ残ります。残るはずでしたが。
満身創痍でも勝ち点1
満身創痍です。
今日のジダンの采配は、ずばり的中という感じでしたが、ここにきてようやくアザールが試合に出られるようになったところで、けが人が多すぎてもうどうすればいいのかわからないといったように見られます。
そもそも戦術家ではないジダンは、限りのある戦力で相手チームを分析し、「少ない力で最高の効果を」という監督でなないので、能力のある選手が軒並み試合に出られないのであればそれは難しいことでしょう。
それでも、依然としてリーガのタイトルの可能性を残しているのはさすがジダンというべきか、なんとまあジダンというべきか。
個人的にはジダンの元に、戦術家タイプのアシスタントコーチか、若手育成に定評のあるアシスタントコーチを置いてほしいと思います。
この試合のあと、気づけば62回目の怪我人が出ました。メンディーは今シーズン終了、ラモスも不透明。オドリオソラも怪我のようです。
グラナダ戦はだれが守るのでしょうか。
しかし、それでもまだ可能性を残しているジダンマドリー。
敗戦濃厚だったこの試合もロスタイムに同点。しかもアザール。
しぶとすぎます。
結果
レアルマドリード 2 - 2 セビージャ
22' フェルナンド(assist by ラキティッチ)
67' アセンシオ(assist by クロース)
78' ラキティッチ(PK)
90’+4 アザール(assist by クロース)
それにしてもここまでどのチームも頭一つ抜けないのはなんとも情けない、とは思います。
下のチームと差が広がってきたというわけではないですよね。
マドリーも同様ですね。
しかし!勝利の女神はまだレアルマドリードを見捨ててはいない!
というこで、金曜日のグラナダ戦に文字通りすべてをかけて、勝利をもぎ取ってほしいと思います。
それでは!
CL準決勝 vs PSG マンシティはいかにしてPSGに逆転したのか
こんにちは。
tadashiです。
あと2勝
マンチェスターシティが目指した頂はもうすぐそこまで来ている。
ペップグアルディオラが招聘されたときにだれもが思った。
準決勝第1戦 PSGのホーム パルク・デ・プランス
それでは振り替えっていきましょう。
プレビューはこちら
両チームのスタメン
両チームのスタメンはこちら。
特筆すべきはこのコロナ禍の過密日程の中で怪我人がどちらにもいないことです。
前半:PSGが狙ったこと
それはたった二つ
・シティのビルドアップを中央で奪う
・最初にネイマールとエンバペを見る
パリの狙いは開始2分にさっそく見られました。
中盤でのビルドアップで、ロドリにボールが入ったところでカット。
シュートを放ちます。
シティからすると開始早々のロドリのロストは試合の流れを左右するものでした。
トゥヘルのときと比べて、ポチェッティーノはあまりポゼッションに固執しない監督なので、この試合もシティにボールを持たれることを嫌っているようには見えませんでした。
むしろ積極的に持たせて、狩場に誘導してゲイエ、パレデスで奪うという戦術を基本としていました。
ネイマールとエンバペの二人が守備でもアンカーを消したり、サイドに追ったり、パスコースを限定したりしていたのがこの作戦の肝であり核。
18分のシーンでは、シティのスピードを中盤で落としたところをネイマール、エンバペが下りて挟んでボールを奪っています。
本気のときのPSGは、全員が守備をするのです。
PSGの攻撃はどうだったかというとこれまた非常にシンプルです。
4-2-4と前からくるシティに対して、ビルドアップでパレデスがCBの間に下りてSBを押し上げ、ヴェラッティがシティの配置の穴をついたりと工夫が見られましたが、
崩しの局面では、どれだけネイマールとエンバペに気持ちよくプレーさせるかという点に気を配っていたと思います。
顔を上げたらネイマールとエンバペを探すのが攻撃のスタートに見えました。
特に、ヴェラッティとディ・マリアはネイマールのポジションに合わせて、下りたりサイドに広がったり、中に入ったり、ドリブルでネイマールのスペースを作り出したりと、良い意味での接待サッカーをしていました。
前半に限って言えばカンセロの裏をSBのフロレンツィが狙うシーンがありました。
開始早々の4分は、ディ・マリアにつられたカンセロの裏。
33分は、ネイマールから右に展開し、ディ・マリアとフロレンツィで崩したシーンでした。
SBが押しあがることで、シティのWGは下がらざるを得ません。それをさぼればフロレンツィのオーバーラップのようにシティのSBの裏をうかれクロスを上げられてしまうのです。
一方のマンチェスターシティは、デブライネの0トップでかつ、ギュンドアンがロドリの横に並びます。
デブライネが左のハーフスペースに下りてきてしまうので重心が重く、パリのDFラインの前にはシティの選手がいない状況もかなり多くありました。
縦パスを入れてもリターンが多く、相手を動かすことにはならず、前には進めどゴールが遠い状況。
唯一のチャンスらしいチャンスは、前半はまらなかったプレスがふとしたときにはまったときでしった。
32分にDFラインでのビルドアップにプレスをかけたところをパリの方でミスがあり、シュートまでいけたシーンでした。
後半に向けてのポジティブなことは、このDFラインのミスの可能性ぐらいだったかもしれません。
前半終盤はボールを持つこともできない時間帯もあり、おそらく0トップだったときの作戦をポチェッティーノに持たれていたと考えられます。
前半のスタッツです。
シティは最短でサイドチェンジを行い、PSGを揺さぶりたいのに、その過程で奪われてショートカウンターを受けるという展開で前半が終わってしまいました。
ポゼッションは上回っているが、負けているという嫌な展開。
なにより、プレミアでは考えられないほどの圧倒的な個が組織だったシティを内面から削り取ってくるようでした。
得点となったコーナーキックにつながったネイマールの左サイドでのワンツー。あんなのプレミアでやってる人見たことないです。
不覚にも楽しい…!と思ってしまいました。
後半:メンバーチェンジなしで見せた変化
昨シーズンの決勝戦を思い出す
19-20シーズンの決勝。
バイエルンvsPSGの試合を思い出すと、PSGは前半からバイエルンにハイプレスを慣行。
この作戦が良かったのか、前半はスコアレスドローで折り返しました。
しかし、問題はここから。
前半から繰り返してきたハイプレスは少しずつ弱まり、唯一奪われた1点により敗北し、準優勝という結果に終わったのでした。
プレッシャーラインは昨年より低い位置だったとは言え、ネイマールやエンバペにも守備をさせ、マンチェスターシティのビルドアップを中央で阻害したPSG。
その勢いそのままに後半に挑むことは、ポチェッティーノにはできなかったのだと思います。
だからこそ、ネイマールとエンバペの守備を減らし、ブロックを作るようにしたPSG。これが結果的にかなりマイナスに働いたのです。
フォーデンの位置
後半に入るタイミングでのメンバー交代がなかったマンチェスターシティは、配置の変更で状況を盛り返します。
PSGが引いた守りになることで、後ろの選手たち(ストーンズ、ディアス、ロドリ、ギュンドアン)が、前半よりもゆとりを持ちボールを捌くことができるようになりました。
それに合わせて後半からはフォーデンを真ん中に固定し、ギュンドアンとフォーデンの間にデ・ブライネをおろすことで、デ・ブライネをプレッシャーの外側に置こうと考えました。
前半はDFラインの前という選択肢がなかったことで、PSGにパスコースを予測させやすくしていたので、選択肢を増やして狙いを絞りにくくさせようとしたのだと思います。
現に、これにより前半にはなかったくさびのパスも通るようになっています。
守備の基準
もう一つ変えたことが守備の基準点です。
4-2-4や4-3-3でWGが外切りする守備をベルナルドシルバを1列前に上げたシンプルな4-4-2に修正。
さらにロドリとギュンドアンでパレデスとゲイエを見ることにしました。
この修正により、PSG側に余る選手がいなくなり、よりシンプルに守ることに成功します。PSG側は、中央の2人が不自由になったため、パスコースが限定され、DFラインからボールを繋ぐことができなくなっていました
ボールは常にシティが持つようになり、ゲームをコントロールし始めます。
前半と逆転してしまったPSGはゲームプラン通りなのかはわかりませんが、全体として引いてブロックを作るようになります。
プレミアリーグでシティがよくやられる中央を締め外側でボールを回させる守備です。
ジンチェンコの投入
後半の15分間は、ボールをシティが持ちながら一進一退の攻防が続きます。
シティには、左から何度かクロスがあったり、60分にはクロスのこぼれをデブライネがバイシクル気味のボレーシュート。
PSGには、56分のペナルティーエリア内のエンバペの突破からのクロスや、59分にはPSG陣内からディ・マリアがカンセロをかわし、エンバペにスルーパスを送ったシーンがありました。
あわやというシーンもエデルソンが飛び出し事なきをえます。
この直後の61分にジンチェンコを投入。
傾いていたシティのペースは完全にシティのものとなりました。
ジンチェンコは普段の試合と同じように的確にボールをキープし、ボールを手放し、すぐにまた自分のもとに呼ぶなど、左サイドを完全に制圧していたと言っても過言ではありません。
パスだけでなく、守備においても、ネイマールをマークし、エンバペの突破を止めていました。
ジンチェンコが入ったことで、フォーデンは真ん中でのプレーに専念でき、ギュンドアンが近づくことで、ジンチェンコ、フォーデン、ギュンドアンのトライアングル+ルベンディアスでパリDFを揺さぶりにかけることに成功していました。
このあとの展開は、みなさんが歓喜した素晴らしい展開でした。
64分のデブライネのゴール(アシストはジンチェンコ)
71分のマフレズの技あり直接フリーキック
77分のゲイエにレッドカードで一発退場
PSGは万事休す。
試合は1-2でアウェイのマンチェスターシティが1stレグを制しました。
終盤は、ネイマールもボールをもうらためにかなり下がってきていました。
ホームで敗戦は避けたいはずですが、攻撃的なカードを切ることができなかったのは予想外だったと思います。
後半のスタッツです。
PSGが引いてくれたのがかなりプラスに働きました。
得点となったフリーキックに繋がったファウルやゲイエのレッドカードなど前半であればあそこまでパスをつなぐ前にネイマールかエンバペがプレッシャーをかけてきていたはずです。
その守備のタスクをはがしたことが、PSGの敗因とも言えますね。
今日のジンチェンコ
今日のジンチェンコを振り返ります。
■スタッツ
30分前後のプレー時間でした。
パス成功率は96%
もはやミスしてないです。
タックルも2回成功していて、思い出す限りネイマールとエンバペを1回ずつ止めています。
デブライネの得点では、ジンチェンコがアシスト。
コーナーキック時に真ん中にポジションを取るジンチェンコ。精度の高いパスがあるので、あの位置で持ったジンチェンコに強くプレスがかけられず、守備の目線を外す真横へのパスを選択したジンチェンコは称賛に値します。(あのスピードとコースを狙って蹴ったデブライネは変態です)
■プレーエリア
上の図がパスの位置をプロットしたもので、下の図がボールタッチしたエリアを表しています。(タッチマップはクリアなどのパスにならなかったボールタッチも含まれている)
ハーフラインでは、サイドライン際で味方のパスコースの選択肢となり、相手陣内に入れば、より内側に侵入し、アタッカーの後方支援に回っているような動き方に見えます。
ロドリとギュンドアンがアンカーの位置で横並びになっていたので、ほとんどそのエリアに入っていないことも読み取れると思います。
■プレー振り返り
カンセロがスタートで、そのカンセロとかわって入りましたが、負けている状態での投入にも関わらず落ち着いたプレー。
取れそうで取れないスピード、タイミングでパスを出していくので、相手としては厄介だったでしょう。
17分 ジンチェンコのディフェンス。エンバペへのパスをクリアしてマイボールに。
18分 ジンチェンコのカット。自分のトラップミスで奪われた後にすぐに戻り、ディ・マリアから奪います。
19分 デブライネのゴールをアシスト。
31分 美しいアウトサイドトラップ。右からのロングボールをアウトサイドのクッションコントロール。何度もリプレイしたい映像です。
結果
PSG 1 - 2 マンチェスターシティ
64' デブライネ(assist by ジンチェンコ)
71' マフレズ
2ndレグ
ビハインドを見事に逆転し、貴重なアウェイゴールを2つ奪っての勝利。
言うことはなにもありません。
個人的なベストプレイヤーはストーンズとルベンディアスのCB。
エンバペのシュート数0は、今シーズンのチャンピオンズリーグで初めてのことです。
第2戦はPSGもスタートから本気で来るでしょう。
ポチェッティーノがあの状況で、数ある攻撃のカードを切らなかったことがなんとも不穏ではありました。(退場者を出していたことも関係しますが)
2点を奪うことができたけど、プレミアで見せているような相手陣内深くへの侵入はなかなか見られず、効果的にゴール前を脅かしたシーンも少なかったというところは気になるところですが、
あまりうまく攻めることができてないのにペナルティの外から2点取れた
という事実がこの5年のチャンピオンズリーグでの成長の証とも言えるでしょう。
残り2勝。
悲願のビッグイヤーを掲げているかどうか。
それでは!
ベスト4 PSG戦直前のあれこれ
こんにちは。
tadashiです。
チャンピオンズリーグ20-21シーズンも残すところあと5試合となりました。
準決勝各2試合と決勝戦です。
決勝は5月29日。コロナ禍の中で行われた長い長いシーズンはようやく終わりを迎えます。
本日はペップシティ初のベスト4ということで、簡単に現状と対戦相手のPSGについて書いていきたいと思います。
リスペクトポイント
チャンピオンズリーグにおけるペップシティを語る上で欠かせない指標がこの「リスペクトポイント=RP」です。
この指標は私が勝手に言い出して、まったく浸透もしなければ、だれも一度も使っていない言葉です。
ペップグアルディオラが相手を研究し、研究に研究を重ね、敬意を表しすぎて、奇策に出ることが多いことから、
奇策に出る可能性をリスペクトポイントで表せるだろうという仮説を立て、今のところ仮説のまま大切に神棚に供えられている状況です。
パッと思いつくのがリヨンですね。
突然の3バック。なにもできず敗戦。という悲しい出来事がシティズンの頭によぎります。
ということで、これ以降読み進めるにあたりリスペクトポイントを定義しておきたいと思います。
「ペップの考える試合展開を覆す戦術、もしくは選手の個性により、敗戦を余儀なくされたチームもしくは監督に対するペップの相手の尊敬」
つまり悔しさです。
マンシティ公式戦直近5試合の成績
直近は3勝2敗です。
4冠の可能性が消えたFAカップチェルシー戦、ビエルサに出し抜かれたリーズ戦の敗戦以外は、順当に勝利。
直近の5試合にペップシティ初のベスト4に進めたドルトムント戦があるのが気持ちが良い。
■直近5試合
PL リーズ 1-2 L
CL ドルトムント 2-1 W
PL アストンビラ 2-1 W
ん?全部1点差の勝利ですね。
これは相当消耗している予感。
直接対決
CLの対戦
15-16シーズンの決勝ラウンドでPSGと当たっています。
PSGホームの第1戦2-2のドロー
シティホームの第2第1-0のシティ勝利
で、次ラウンドに進んでいます。
ペップはこのあとにシティにやってきたので、シティの監督としてPSGと戦うのは初めてということになります。
リスペクトポイントに関係しないことは良いことですね。
ペップvsPSG
ペップは、2008年からバルセロナ、バイエルン、マンチェスターシティと指揮をしていますが、まだPSGとの対戦はないようです。
そもそもPSGが常勝軍団となり、CLに当たり前のように出られるようになったのは2011?2012?年ごろからですね。
ここでもリスペクトポイントに影響はありません。
監督対決
ポチェッティーノとの直接対決は、ペップの10勝3敗5分です。
ポチェッティーノがエスパニョールの監督のときにバルセロナと、トッテナムの監督のときにマンチェスターシティと試合をしています。
監督としての個人成績を見てみましょう。
■ペップグアルディオラ(50歳)
694試合518勝
■ポチェッティーノ(49歳)
539試合254勝
※Sofascore参照
数字だけ見ると素晴らしいですね。リスペクトポイントはまったく関係なさそ…ではないです。
あの忌まわしきチャンピオンズリーグの記憶……
18-19シーズンの敗戦。
VARによる得点取り消し。アウェイゴールによる僅差での敗戦。またもベスト8の壁が破れなかった絶望。
リスペクトポイントはハイパフォーマンスを記録しています。
ペップはおそらくポチェッティーノの試合とPSGの試合を見続けてネイマールやエンバペのファンになっているかもしれません。
唯一の救いはポチェッティーノがトッテナムを率いていないということです。
怪我人リスト
■マンチェスターシティ
直近のカラバオカップ決勝では、デ・ブライネもアグエロもいました。
怪我人はDFのサンドラーぐらい。
選択肢が多くて、それはそれで心配になります。
■PSG
直近の公式戦でエンバペが怪我をしたとの報道が。マルキーニョスも怪我だとか。
風向きはびゅんびゅんとマンチェスターシティに向かってますね。
向かい風で後退しないように気をつけたい。
キープレイヤー
ネイマール対デ・ブライネ
という図式にはならないと予想しています。
もはや一流同士の戦いですから、キープレイヤーはお互いの左SB
ディ・マリアと対峙するジンチェンコとマフレズと対峙するディアロもしくはクルザワ。
ここの勝敗がそのまま試合の勝敗に直結すると予想します。
先制されても勝てないというジレンマもこの直近の5試合で払拭し、勢いのあるシティ。
まずは、アウェイでどこまで戦えるか、決勝を経験したことがあるのはギュンドアンとペップのみ。ベスト4以降を経験したことがないマンチェスターシティの選手たちは、いつも通りプレーすることができるのか、という方がポイントかもしれないです。
※ベスト4経験者は今のメンバーにもいるとご指摘いただき少しだけ修正しています。
予想スタメン
マンチェスターシティは共通。
アウェイであり、攻撃力抜群、個性で勝負の傾向が強いPSGに対してサイドの守備は重要なポイント。
曖昧な守備のマフレズではなく、しっかりと二度追い、三度追いのできるベルナルドシルバを右WGに配置。
SBはウォーカーとジンチェンコ。
二人とも内側に入り、ロドリの脇を固める作戦です。
1トップはジェズスか、フォーデン0トップで左スターリングとも考えましたが、ここ最近の調子とCBをつり出すための動きを知っているジェズスをチョイスしました。
ヴェラッティが出場可能な場合は4-3-3でネイマールを左に置いてくると予想します。
SBは、フロレンツィヨよりもダグバ、バッカーやディアロよりもクルザワをチョイス。
1トップはモイズキーンで、身体能力を活かした攻撃を見せるのかな、と思っています。
ヴェラッティが出場不可の場合は4-2-3-1を予想。
パレデスとゲイエのダブルボランチで中央を固め、ネイマールのトップ下でロドリの脇を使うイメージ。
1トップはイカルディで、得点感覚に期待してゴール前でなにかを起こさせる。
ネイマールに攻撃に専念させるために、サラビアを左に置いています。
※PSGのメンバーが発表。なんとマルキーニョスもエンバペもいました。
二人とも頭から出場可能なら、おそらく4-3-3のCBはマルキーニョスとキンペンベの組み合わせ、1トップはエンバペになるだろうと思います。
CLはなんと言ってもPSGが唯一本気になるコンペティション
なので、そんなPSGとシティが試合をするのはとても楽しみです。
特にネイマール。
CLでは本気で守備します。体張ります。
それでいてドリブルの精度は超一流。早く見たくて仕方がないです。
エンバぺが怪我により出場できなかったら、一サッカーファンとしては悔しいですが、シティファンからしたらラッキーです。
シティが4-2-3-1だけは本当にやめてほしいと思っています。
わくわくしますね。GWは外出もできないし、より観戦に力を注げるだろうと思います。楽しみです。
まずは明日の朝、マドリーチェルシーからベスト4決戦のスタートです。
※結果はドロー。アウェイゴールを与えたマドリーの2ndレグに期待。
それでは!