フリーの選手を作るために。 PL 第20節 vs Sheffield United
引用:Mancity公式Twitter
こんにちは。
tadashiです。
年の瀬にもプレミアリーグは止まりません。
ペップもクロップもおそらく選手も、この日程に疑問を持っているはずです。
26日、29日、1日と年末年始に休みのない過酷なリーグ。その他の4大リーグはクリスマス前には各チーム休暇に入っているのにも関わらずです。
さて、前節ウルヴスにシーズンダブルを達成され、リバプールとの優勝争いに「現実的ではない」とPepが言いました。ファンとしては落胆と同時に少し納得の気持ちも。CLはまだ残ってるのでそこに賭けていくしかありません。
常に5人は怪我人がいた前半戦。それを考えると監督やスタッフは頭が痛い。
プレシーズンマッチでSaneが長期離脱。
もしかしたらここから嫌な流れがあったのかもしれない。
思い付く限りで
Leroy Sane
Nicolas Otamendi
John Stones
Aymeric Laporte
Zinchenko
David Silva
Sergio Aguero
が怪我で長期離脱していた。
現在も4人の選手が離脱。Pepは悩んでばかりだろう。
そのなかでなんとか3位をキープしているのはゲームプランがしっかりしていて、チームに浸透しているからだと思います。そんななかで勝ちきれないのは、リバプールやレスターのような一発逆転できる選手がいないことでしょう。
Mancityにとっては、Saneがその選手に値すると僕は思っていたのでかなりの痛手であるのは間違いなかった。さらに言えばDFラインの安定感。リバプールで言えばファンダイクとマティップか、レアルマドリードで言えば、ヴァランとセルヒオ・ラモスがいない状況。考えられない。
擁護するわけではないけどよくやっていると思う。ただ、それを理由にしてはいけないんだ。
話を戻して今日の試合を見てみましょう。
[フォーメーション]
◻️Mancity
4-3-3
試合が始まったら確認ができたが、タブルボランチではなくアンカーをRodriに置いた433で前半をスタート。Agueroが前節に続きスタメン。前節はEdersonの退場により10分で交代。PepもAgueroはまだ90分フルは難しいという話をしていたので、どこまでフオームが戻っているのか注目です。
Zinchenkoが3節以来のスタメン。Zinchenkoが不在の間はMendyとAngelinoを争わせていて、ここまではMendyが一歩リードしているようでした。ここでZinchenkoが復帰してくれるのはとてもいいですね。Walkerは古巣対戦です。CBにはE.Garciaが起用されています。
◻️シェフィールドユナイテッド
3-5-2
今期プレミアリーグ初挑戦にて、現在8位と素晴らしい結果を残しています。
攻撃時にCBがWBを追い越してかけ上がる姿が印象的なチームです。
なんとアウェイ9試合を今のところ無敗で終えています。これは1947-48シーズンのバーンリーの10に迫る勢いです。
GKのHendersonはマンチェスターユナイテッドからのローンの選手です。
[今日のポイント]
◻️ずれを作らないシェフィールドの守備
◻️フリーの選手を作るために
◻️お茶目なAguero
◻️ずれを作らないシェフィールドの守備
まずはお互いのプランを整理。
MancityはZinchenkoが戻ってきたことで、ダブルボランチによるビルドアップをやめ、両SBを内に絞らせ、両WGを張らせるようにしています。
一方のシェフィールドは守備時にきれいな5-3-2のラインを作ります。
なるべくコンパクトに保つため、5バックなのにサイドに張ったMancityのWGは完全に余らせるようにしています。
また、Mancityの上下の動きをマンマークでついていくことにしています。左右のCBが余る形でWBと真ん中のCBは相手にチャレンジすることが可能となります。(左右のCBがカバーに入れる)
次にシェフィールドの攻撃ですが、重心を低く守るので主な狙いはカウンターです。ボールを奪ったら、背が高くスピードのあるMoussetに素早くボールを送っていました。
また、7分や27分に見られたようにシェフィールドの代名詞CBのオーバーラップも攻撃の一つです。相手のマークを混乱させ、抜け出たCBがクロスやラストパスを前線のMoussetに合わせていきます。
Mancityはというと、ボールはキープできましたが、中央にボールが収まりません。Mancityのボール回しは、相手の配置をずらして、そのずれを狙って攻めていくのか基本的なスタイルです。ですが、シェフィールドはマークの受け渡しが絶妙で、ポジションのずれがなかなか生まれませんでした。
青がMancityですが、WGとSTにはしっかりとマークをつけ縦の動きにはそのまま対応させます。IHとWGのポジションチェンジには受け渡しで対応。WGやIHの飛び出しに対しては余った左右のCBがついていくことができるようになっていたので、なおさらMancityは効果的な攻撃ができていませんでした。
Mancityはペナルティエリアの際を常に狙うようにしています。これはもうPepが来てから変わらないスタイルです。今日の試合は中一日の疲労もあったのか動きの重さは全選手に感じました。26分のDe Bruyneの雑なロングボールのミスも本来は他の選手の動きにより、ロングボールを出さなくてもいいはずでした。
ペナルティエリアの際にB.silvaが飛び出してとパスは出ないし、スペースがないのに動きがないし、ボールホルダーを追い越す動きもない。D.silvaのように1mでの細かいエリアで違いを出せる選手もいなかった。
前半は思うように試合を運べず終了。
シェフィールドはMancityに対してうまく守って無失点で後半に迎えるので理想の展開であるのは間違いありませんでした。
◻️フリーの選手を作るために
ハーフタイムが終了し、後半開始。
まったく攻めがはまっていなかったことに対してどのような工夫が施されるのか気になっていたところでした。
ゲームが始まってMancityがボールを持ったときはこのような配置になっていました。
アンカーのRodriがCBの間に入り、SBをワイドに。IHだった二人をボランチの位置で横に並べました。3トップが非常に近い距離を保ち3-4-1-2のような形になりました。
これは前半Agueroがボールに絡めなかったこと、シェフィールドの守備組織がMancityの構造に相性が悪かったことから、切り替えたのだと思います。
青がMancity。
前半はシェフィールドの3枚のCBに対して2枚が余っていたため、それを改善する狙いでした。Mahrezがトップ下のように振る舞いフリーで前を向いてボールをもらえるように仕向けています。
しかし、この戦術は前から考えていたんでしょうか。前節のウルヴス戦からヒントを得たのでしょうか。
とにかく、この配置の変更はシェフィールドにとってあまりに効果的でした。
中央に3人いるので、両SBから中央へのパスが入るようになり、運動量豊富なDe BruyneやB.silvaがボランチに入ることで相手の3センターは質的に不利になり、広範囲のエリアをMancityが制圧することができるようになりました。
52分
そんななかAgueroのゴールです。
Zinchenkoが斜めにいれようとしたパスがミスとなりルーズな展開になりました。かろうじてボールを拾ったシェフィールドは主審がブラインドになりボールロスト。そのボールがDe Bruyneにわたり、前線で動き出していたAgueroへラストパス。ニア上にシュートを突き刺して先制です。
シェフィールドが混乱している間にしっかりと先制点を取って、ゲームはMancityのペースとなります。
Mancityにとっては予想通りの展開です。Mahrezが一人余り自由に動けるようになります。ボールがキープでき、ドリブルでも運ぶことができるし、シュートも打てる。そんな選手がトップ下にいること相手からしたらやりにくい。フリーでやらせたくないので、マークにつくと、そこから少しずつずれがでてきます。
70分のシーンもそうです。Mahrezの動きが起点となりマークのずれが生じています。
シェフィールド戦のこの前線3枚の流れるような攻撃。すごい好き。これもサイドバックからの斜めのパス。前半まったく入らなかったのに配置を変えるとこんなにうまくいくんだ。サッカーって面白い。 pic.twitter.com/PZcIFuMh1G
— Tadashianimo (@tadashi0716) 2020年1月1日
76分
シェフィールドは前線の枚数を変えます。352だったのを343もしくは3412にしました。
MancityはやはりDFラインが不安定なので、ドリブル突破やロングボールの対応など、狙いどころがたくさんあります。シェフィールドも何度か狙っていて90分には決定機もありました。DFの要が怪我で離脱しているとは言え、優勝争い、CL争いをするには不安すぎます。
80分にAgueroがFodenに代わります。他の選手に比べて疲労の少ないFodenには走り回ってほしいものです。
Aguero交代直後の82分にDe Bruyneの追加点が入ります。
デブルイネ。切り返してDFを外して、ブロックのために伸ばしてきた脚の間を射抜くシュートめちゃ上手い。
— とんとん (@sabaku1132) 2019年12月30日
pic.twitter.com/kROhoObUui
中盤でボールをカットしたDe BruyneはMahrezへパス。そこから猛然とスプリントをしたDe Bruyne。Mahrezは前を向き一人かわしてDe Bruyneにラストパス。
De Bruyneはワンタッチ目で内側に入って相手の体を開かせます。ファーサイドに打つと思わせてニアサイドの股下を抜くシュート。動きも滑らかだし本当にうまい。
スコアはそれ以上動かずに終了。
Pepの幅の広さが見られたし、Agueroがゴールを決められたことも良かった。前半、中央の起点がまったく作れなかったことに対して、起点をサイドや後ろに動かすのではなく、同じ狙いで配置を変えたのはさすが。
シェフィールドももう少し早めに前線の枚数を変えていたら違っていたかもしれない。
Zinchenkoが戻ってきたのも好材料で、あとはCBだけ。Saneが移籍するのかも悩ましいところです。
◻️お茶目なAguero
スタメン復帰して勝利に貢献したAguero。
ワントップながらもDFラインの位置まで下りてきてディフェンスをしたり、後半はうまくボールに触り、先制点の場面はスペースを作る見事な動きでDe Bruyneのパスを引き出しています。Aguero不在中のJesusもがんばっていましたが、Agueroの安定感はやはり違いますね。プレー精度はもちろん高いんですけど、ゴール前でなにかしてくれるだろうって感じがとてつもない。これはFWにとって必要なものだと思います。
Agueroは80分でFodenと代わりました。主審から近いところから出ろと言われゆっくりと戻っているときにDe Bruyneのゴール。
When you're subbed-off but the boys bag a goal!
— Manchester City (@ManCity) 2019年12月30日
😂 @aguerosergiokun
🔵 #ManCity pic.twitter.com/4buG5FMoCF
Manchester City on Twitter: "When you're subbed-off but the boys bag a goal! 😂 @aguerosergiokun 🔵 #ManCity… "
すでに交代してるのにピッチにいち早く入って喜びを共有していました。選手の素の喜びを見るのもファンとしてはたまらないですね。
Agueroは、De Bruyneが切り返した時点で腕を挙げています。De Bruyneぐらいの選手だとあの時点でゴールは容易いんでしょうか。あれが彼のゴールパターンなのかもしれませんが、ああいうシーンを見るといろんな想像が膨らんでまた楽しいです。
ということで、結果は2-0でした。
次節はエバートン戦。直近で監督が替わり、Mancity戦が交代後の初戦だったと思います。ベースは変えないのかがらっと変えてくるか。
しかし、1月2日にもう試合なんて信じられない日程ですね…。
[試合結果]
Mancity⚽⚽ 2 : 0 Sheffield United
Aguero(52)、De Bruyne(82)
MOM : Kevin De Bruyne
とりあえず勝てて良かったです。
結局最後はファンの視点になってしまいますね。
それでは!