中央に寄せて外側に届けて最後は中央 ~足りないピース~ PL第24節 vs Tottenham Hotspur ()アウェイ
引用:Mancity公式Twitter
こんにちは。
tadashiです。
いよいよ2月に入りました。
FAカップではフラムに4対0の大勝で5回戦へ、カラバオカップは試合には負けましたが2戦合計でマンチェスターユナイテッドに勝利し、決勝へ。カップ戦は2月末にレアルとのCL16ラウンドもあり、順調です。
プレミアリーグは。残り3ヶ月。リーグ戦はリバプールが独走体勢。南野も少しずつ試合に出始め得点までもう少し。
そんなライバルを横目にMancityは来期のCL出場権に向けて戦いを続けます。
前回対戦の記事はこちら。第2節にホームで対戦していて結果は2対2の引き分け。
PL 第2節 vs Tottenham Hotspur - tadashicityのブログ
今日の戦いは、1番やってはいけない負けかたをしたと思います。やられるべくしてやられたのではなく、勝てた試合を落としたとも言えるでしょう。
目次
まずは両チームのフォーメーション。
[フォーメーション]
◻️Mancity
4-3-3
CBは、FernandinhoとOtamendi。LaporteとStonesはベンチ外。リザーブにはE.Garciaが入ります。
左SBにはZinchenko。最近Mendyが使われていましたが、彼が怪我したというのもあってこれからはまたZinchenkoが入ると思います。Angelinoをレンタルでライプツィヒに動かしたので左SBの状況はよくありません。
今日の中盤はRodri、Gundogan、そして今もっとも勢いのあるDe Bruyneです。プレミア15アシスト。3シーズン連続の15アシストはプレミア初?
今シーズンはFodenを要所で起用しながら、D.silvaを適度に休ませることに成功しています。(勝利が少ないことに成功と言っていいのかわかりませんが、、)
Gundoganも契約更新しましたし、来シーズンもなんとかなりそう。
3トップは左からSterling、Aguero、Mahrez。Agueroは2020年に入ってもう6ゴール。Mahrezも新たな武器(裏への飛び出しとピッチ中央での組み立て参加)を会得してスタメンに名を連ねる回数が増えています。Sterlingが心配です。いつから点が取れていないのか…。
CBは怪我人が多いですが、現時点ではベストとも言えるメンバー。
◻️Tottenham Hotspur
4-2-3-1
前回対戦時から監督が変わりました。(ポチェッティーノ→モウリーニョ)
トッテナムの攻撃を牽引していたエリクセンがインテルへ移籍し、かわりにPSVからベルフワイン、ベティスからレンタル中のロチェルソを完全移籍で獲得しました。
モウリーニョのスパーズは就任初戦を見たところ可変式の4バックを採用していてなかなか面白そうだと思いましたが。
そのベルフワインを先発で起用し、怪我のハリーケインのところにはルーカスモウラを入れています。
4バックは右からオーリエ、アルデルヴァイレルト、ダビンソンサンチェス、タンガンガ。この並びからキーマンは左SBのタンガンガかな?と推測。
たぶるボランチはロチェルソとウィンクス。フィジカルでピッチを制圧するタイプではない2枚を後ろに並べるモウリーニョ。トップ下はデレアリ。モウリーニョはデレアリをチームの中心に据えるようですね。
右サイドにはソン・フンミン。エバートン戦の件からプレー後のラフな部分を指摘されてはいますが、アジアではナンバーワンのアタッカーです。
以上のスタメンを頭に入れつつ続いて両チームの配置を確認します。
[両チームの配置]
◻️Mancity:ボール保持、Tottenham:ボール非保持
ボール保持のMancity
ZinchenkoがSBのときにはあまりやらなかったZinchenkoが幅を取る形になっていました。Sterlingをよりゴールに近いところでプレーさせたいのだと感じます。Pepの優しさなのでしょうか。
両チームを並べると以下の形。
青がシティ。
実際はもう少し形がいびつではあったが、Zinchenkoをワイドに張らせて、後ろの3枚+Rodriでビルドアップを狙う。
トッテナムの守備のタスク①
デレアリを前に一列上げた442
デレアリとモウラは、後ろの3枚特にWalkerやFernandinhoがボールを持っているときはプレッシャーをかけず二人がRodriのそばに立つ。サイドを変えるためOtamendiの兄貴にボールがわたり、少し運ぼうとしたところにどちらか片方がOtamendiの方へ出る。
Otamendiが逆にボールを振るとまたRodriの近くに戻ります。
トッテナムの守備のタスク②
両WGはハーフスペースを消し、シティの幅取り役にたいしてはSBがケア
おそらくサイドにボールを運ばせ、そこから中央に入る斜めのパスをカットし、そこから機動力のある前線4枚で手数をかけずにフィニッシュまで持ち込むつもりだったのだろうと思います。
実際に何度かそのような攻撃が見れたが、FernandinhoやWalkerにより阻まれていたのが前半である。
トッテナムの守備のタスク③
シティのIHはCHがケア
右サイドでDe Bruyneの飛び出しにはCBではなく、CHのウィンクスが対応していた。
上記の3つのタスクにより、パスコースが消されてしまったので、後ろやサイドで起点を作ることになると思っていた前半。
だが、前半は中央でパスがつながり、中央から決定機をつくりだしていました。
◻️Mancity:ボール非保持、Tottenham:ボール保持
ボール保持のトッテナム
あまり繋がずロングボールやショートカウンターが攻撃の基本だったため細かくはわからないが、右SBのオーリエが高い位置をキープし、ベルフワインが内側に位置していることはわかった。
ウィンクスが真ん中からCBの間におりたり、その代わりロチェルソがパスコースに顔を出しボールを引き出そうとはしていたが、効果的なビルドアップには繋がりませんでした。
ロリスのファーストチョイスはシティ陣地のコーナーフラッグ。
シティの攻撃後、手薄になるピッチの隅をソン・フンミンやベルフワインで狙う作戦です。後ろで繋ごうとするよりも効果的であるのはMancityにとってはすごく不安になります。
ロリスのパントキックを見るにソン・フンミンとベルフワインでサイドをドリブル突破も狙うのだと思っていましたが、ベルフワインはだいぶ内側に侵入し、サイドを空けていましたね。先入観で、ベルフワインはタッチライン際をドリブルで制するタイプのプレーヤーだと思っていたので驚きました。
また、タンガンガがまったくオーバーラップしないので、左サイドでボールを持つ選手は例外なく孤立していました。ベルフワインもソン・フンミンもルーカスモウラも。
せっかく右サイドから展開したボールも無情にも切り返して同サイドに戻すことになってしまった。
モウリーニョが何を考えていたのか試合が終わってもわからなかった。
オーバーラップしないSBと内側にポジションを取りたいサイドハーフの組み合わせ。わからない。
それでは、試合の流れとともにポイントとなる部分をおさらいしていきましょう。
[中央に寄せて、中央で仕留める]
前半開始
試合開始早々からMancityがボールを保持する展開。
上述の通りトッテナムはブロックをつくり守りを固めますが、MancityはAgueroがいつもより深くおりてきて組み立てに参加することで素早くボールを展開していました。
青がMancity。
ベルフワインがハーフスペースを消し、タンガンガがMahrezについていく。De Bruyneにはウィンクスがマークをつくとなると中央が空いてきます。その中央の隙間にAgueroが顔を出します。
CBの2枚は試合を観た感じだとAgueroが落ちるときについていくことは考えておらず、Agueroが中央に顔をだすことで局面的に3対2を作り出し、Mancityが数的優位になっていました。
おそらくですが、CBは、Agueroが下がることへの対応よりも、De Bruyneが突破したあとのフォローや、Sterlingが狙う斜めの飛び出しのケアをしなければならず試合全体を通してAgueroのポジションがすっかり空いている状態にありました。
これにより、中央で起点が作れたMancityは中央からサイドに一度展開し、そのボールをまた中央に戻し、その過程でうまれるトッテナムのずれをついていきます。
元々狙っていたのか、試合が始まってからトッテナムの動きを見て判断したのかはわかりませんが、非常に効果的だったことはスタッツからもわかります。
それ以外にも中央への飛び出し、中央でのワンツーも多く見られ、トッテナムの守備のタスクが、逆にMancityにとっては効果的に中と外を使える仕様になっていました。(もちろんいつも狙うペナルティエリアの際、CBとSBの間のスペースは狙いつつ)
24分のDe Bruyneのミドルシュート、28分ぐらいのAgueroの決定機は、トッテナムのパスミスが始まりではありましたが、「中央から中央」で攻めていたところからも今日の攻撃の狙いがうかがえました。
[流れの変わった2つのプレー]
決定機までボールを運べるMancity。
このまま一点でも取っていればそのまま勝てていたと思っていましたが、前半から後半にかけた2つのプレーが勝敗をわけます。
①前半39分のPK失敗
②後半60分のZinchenko退場
試合の流れと共に二つのプレーを見ていきます。
①36分にペナルティエリア内でAgueroが倒され、一度は流されましたがVARによりPKの判定。VARにより3分前のプレーが判断される。というのもなかなか慣れないものですがとにかくビッグチャンス。
しかし、ここ最近のMancityはPKを外す外す。今回のキッカーはGundogan。
結果はやっぱりはずします。ロリスが完全にコースを読んでまし。その後のSterlingのセカンドボールへの反応も早かったのですがロリスはノーファウルでコーナーに逃げることができました。
もんだいはこのあと。
このとき、両チームの選手たちが言い合いというかいざこざが発生します。特にZinchenkoが熱くなってしまい、言い合いをしていたAlderweiqeldと二人にイエローカードが出されます。
Mancityは前半のロスタイムにも決定機をつくりますが得点ならず。
後半開始
後半も流れはMancity。
48分にも決定機。決まらず。もやもやしてきました。
Walkerは外にポジションは取らず前線にあがるときもインナーラップでかけあがります。このプレーにより、被カウンターへの対応もしっかりとれていました。
一方でパスが繋がらないトッテナム。中央にボールを集める今日のMancity。それによりトッテナムの選手たちも中央へ寄ってしまい攻撃時も狭く狭くなっていた。Mancityの弱点である攻撃後の裏のスペースがうまくつけていなかったと思えます。唯一ロリスがシティ側のコーナーフラッグめがけてパントキックをしたときにMancityの守備の不安定さがかいまみえました。
②60分のMancityのコーナーキック。高さで分が悪いMancityは、フェイクでグラウンダーのコーナーを狙いますがウィンクスに読まれます。
ウィンクスがそのままドリブルし一人はがし、持ち上がろうとしたところZinchenkoが進路を塞ぐ形で体をあて、2枚目のイエロー。
この二つのプレーにより展開は一気にトッテナムへ。モウリーニョの狙いだったかどうかはわかりません。
ただ、私のメモに「この展開はまずい。Mancityにとっては嫌な展開。トッテナムは中途半端なプレーでジャッジを惑わせばいいかも」と書いてあった笑
何度もあった決定機を外し続けて10人になったMancity。
ただまだスコアレスドローなので、攻めなければ行けません。PepはJesusを準備させ10人ながらも勝ちにいこうと考えていました。
しかしその数分後の63分。痛恨の失点。
コーナーのこぼれ球を拾われベルフワインにゴールを決められます。
クリアが中途半端だったのはありますが、ベルフワインへもプレッシャーがかけられずにうまくシュートを打たれてしまいました。
65分にJesusではなく、AgueroからCanceloに。
その後の展開は予想通り。
攻めるMancityに対して、引いてブロックをつくり、ボールをカットしてショートカウンターを行うトッテナム。
70分にエンドンベレが出てからはさらに厳しい展開になります。フィジカルが強く、ボールの運べるこの選手がデレアリの位置に入ったので、人数が少ないのにこの選手に気を配らなければならず、Mancityはやりにくくなったことでしょう。
71分のソン・フンミンのゴールのアシストはその途中交代のエンドンベレ。一瞬の隙をついたスルーパスで試合は決着がつきました。
残りの15分、Mancityは10人でありながらもボールをキープし、いろんな種類やタイミングのクロスをあげ、チャンスを作りましたが、結局ゴールはあげられず。(引いたトッテナム相手に10人でチャンスを作ったのは良いことかもしれません)
ロスタイム5分。
95分のモウリーニョのニヤリ顔で試合は終了となりました。
[結果]
0 - 2 敗戦
63分Bergwijn,71分Son
トッテナムはシュート3本で2点。Mancityは19本で0点です。
少なかったトッテナムの攻撃に対しても今日はOtamendiも落ち着いていたしミスも少なかった。Fernandinhoもだいぶ冷静な対応ができていたと思います。
今日に関して言えば、2試合連続無得点の攻撃陣に非難の目が向けられそうです。
[ハイライト]
見たくないけど見よう。なんで負けたのか…。https://t.co/ZzCwmiZ7ra
— Tadashianimo (@tadashi0716) 2020年2月4日
動画元:Mancity公式YouTubeチャンネル
[Mancityに足りないピース]
Zinchenkoが退場するまで、何度となくチャンスを作ったMancity。しかし、今日の試合明らかに足りないものがありました。
それは左サイドでの仕掛けです。
これまではMendyがSBのときは、大外レーンをMendyに任せ、アグレッシブなオーバーラップでチャンスを演出し、ZinchenkoがSBのときはSterlingがワイドに開き、外から中に切り込むことでチャンスを作っていました。しかし、ここ最近のSterlingの不調を考え、よりゴールに近い位置をとらせたいPepはこの試合ではZinchenkoを大外レーン担当に置きました。
代表では攻撃的ポジションを担っているZinchenkoなので、いい位置までいくことはできるが、個での突破ができない。結局クロスがあげられず同じルートをたどってパスを戻すことになっていました。
やはり待たれるのはSaneの復帰です。ドリブルでサイドを制圧しながらもゴールも狙えるプレーヤー。早く戻ってきてくれ!
カラバオカップの2ndレグ含め2試合連続の無得点。なにかを変えるべきなのか変えなくてもまた点を取り出すのか、それにしても今日の敗戦は今後のリーグテーブルにかなり影響が出そうな結果です。
しかし、Pepも言っていましたが、Mancityのプレーは悪くなかった。点は入らなかったがそこに至るまでのプレーは非常にエレガントだったし、不安定な守備を露呈することもなかった。(とは言えないですが…)
次回の試合に期待しましょう!
まずは、DFライン復帰してほしい!
それでは!