1月のリーグ3連勝 ~シティのABC ブライトンなパレスをビラにしてやった~
こんちには。
tadashiです。
今日は1月のプレミアリーグ3連戦をまとめて振り返りたいと思います。
結果
マンチェスターシティ 1 - 0 ブライトン
44' フォーデン (assist by デ・ブライネ)
■第19節 クリスタルパレス WIN
26' ストーンズ (assist by デ・ブライネ)
56' ギュンドアン
68' ストーンズ
88' スターリング
■第1節 アストンビラ WIN
79' ベルナルドシルバ(assist by ロドリ)
90' ギュンドアン
ホーム3連戦は3連勝で乗り切りました!
ブライトン戦こそ1点差というスコアでしたが、残り2試合は複数得点かつ3試合連続のクリーンシート。
守備が安定し、攻撃のパターンなにより選手たちの自信がうかがえました。
相変わらずの過密日程で、選手を休ませながら、交代も使いながらやりくりをしている様子がわかります。しかし、調子のいい選手や替えのきかない選手は試合に出続けなければなりません。
この3連勝の最終戦ビラ戦では、右SBのウォーカーと攻撃の要デ・ブライネが負傷交代。
デ・ブライネへの依存が薄れ、少しずつかつてのデ・ブライネが顔を出していてこの3試合も2アシストと好調でしたが残念です。
どうやら4~6週間の離脱が予想され、リバプール戦やトッテナム戦、もしかしたら2月のCLラウンド16ボルシア戦も出場が難しいとか。
ペップシティの真価が問われます。
スタメン比較
せっかく3試合分まとめるので、スタメン比較と相手のシステムを比較してみます。
まずはフォーメンション図
マンチェスターシティのスタメン
システムは3試合ともアンカーを置いた4-3-3
セインツ戦での上向きの状況からペップはある程度のメンバーの固定をしています。
■3試合スタメンの選手
エデルソン
ルベン・ディアス
デ・ブライネ
フォーデン
ベルナルド・シルバ
ターンオーバーのことも考慮すると、
ロドリとカンセロもペップの中のスターティングメンバーに入っていると思います。
11人のうち実に9人が今のペップの固定メンバーとなります。
SBの片方をロドリと並べる3-2のビルドアップとギュンドアンがハーフスペースやゴール前に積極的に出るのは3試合共通。
ジェズスが出たパレス戦以外は、0トップを採用しています。
右WGは毎試合選手を変えています。マフレズ、ベルナルド、スターリングで、サイドに対して逆足、逆足、順足となっています。この配置に関してはそれなりに考えがあるようで、時間帯や状況に合わせてサイドを入れ替えたりしています。
ちなみにこの固定メンバーの中で唯一異なるポジションで試合に出ているのがベルナルドです。
ペップは気づいていしまいました。ベルナルドがいるだけで、デ・ブライネの負担を軽減し、ハイプレスのファーストディフェンダーを担い、ピッチ全体を網羅する運動量で、だれかのミスをカバーできる全知全能のゼウスであると。
ジンチェンコも多用されるようになり個人的にはいい傾向だと思っています。
対戦相手について
ブライトン
基本フォーメーションは3-4-2-1ですが、シティのGKからのプレス回避には4バックで前からのプレスに人数を割き、ハーフラインを越えたところで両WBが下りて5バックとなります。シティの幅を取るWGへのプレッシャーをかけるのはWBだったので4バックを相手にしていたと言ってもいいかと。
ブライトンボールになったら繋ごうとはするが、繋げずシティにボールを渡してしまう展開でした。右WBとCBのバーンが左右に幅を取り、左WBのベルナルドが中に入ります。
基本的にゴールキーパーから、幅を取った二人に中距離のパスか、空いたところに落ちるプロパーを使っていました。アンカーとして振る舞うベン・ホワイトは、ベルナルドシルバがしっかりパスコースをふさいでいました。
苦しめられた選手
■トロサール
攻撃はほとんどこの選手から始まっていたと思う。
シティDFに対しても勇敢にドリブルで仕掛け、何度もクロスを送っていた。
マカリスターがトップ下のようにふるまい、トロサールが2トップの一角のようにプレーをする可変式。特にシティ攻撃時にはあまり下がらず、カウンターとなればカンセロのいない右のスペース(ブライトンからすると左サイド)に向かって斜めに走り、素早くボールを引き出していました。
もう少し彼にフィニッシュまでのイメージやプレーの質が伴っていれば1-0のスコアではなかったと思います。
パレス
4-1-4-1でバイタルエリアにアンカーを置き、シティの崩しを潰そうと考えていたのかもしれませんが、ザハもいない状況で守備から攻撃という展開かなかなかうまく得られなかったとは思いました。
3試合のうちもっともポゼッションが高かったのがパレス戦。引かずに前からプレスをかける作戦に出たパレスでしたが、プレミア初挑戦のエゼがチームの狙いをうまくくみ取ることができず、幅を取るベルナルドシルバを起点にゲームを作りました。上の図のようにエゼが中途半端な位置にいることで、ウォーカーへのプレスはかからず、ベルナルドシルバもフリーに。なにより、エゼがどちらをマークするのかわからないため、左SBのミッチェルはマークに迷うこととなっていました。
右のタウンゼントはしっかりと外側のパスコースを切りながら中央に誘導していたのに。おそらく右サイドの動きがパレスの狙いだったと思います。
苦しめられた選手
特になし
ビラ
シンプルな4-2-3-1を採用し、グリーリッシュを左に置いています。これは昨シーズンと変わりませんが、今シーズンはチェルシーからバークリーを夏に獲得。トップ下のポジションをそのバークリーに担わせています。
左SBに入ったカンセロがロドリと共にビルドアップに関与。タイミングを見て高い位置にも進出します。ビラはカンセロロールにドウグラス・ルイスを当て、さらに前二人の片方がパスコースを切り、もう一人がロドリをマーク。パスコースを限定させるような守り方をしていたのが印象的でした。
それでもやはりシティなのでビラの陣内に入っていきますが、2枚目の図のように、ハーフスペースの選手を狙い撃ち。シティが使いたいハーフスペースをボールの狩場として設定。また、その狩場もなるべく左サイドに寄せることで、カウンターをグリーリッシュで発動することができていました。
79分まで0-0で試合を進めていたところからもビラの守備はかなり良かったと思います。失点がCBがボールの処理を誤ったこととハンドでのPKというのがもったいなかったと思います。
守備面でのビラの変化はグリーリッシュがプレスバックすることです。
元々守備の予測も高い左SBのターゲット。昨シーズンのシティ戦では、左サイドを一人でバランスを取り、数的不利でも食らいつく姿が見えましたが、今シーズンはグリーリッシュもワイドの選手や後ろに控えるシティのSB(この試合ではウォーカー)にもきちんと対応してくれるのでターゲットへの守備の負担はかなり減ったのではないかと思いました。
バークリーがトップ下にいるため、グリーリッシュがボール非保持でも中にいる必要はないというところもあるのかもしれないですね。昨シーズンまではグリーリッシュが左から中に自由に入っていくことで、攻撃を作っていましたがバークリーのいる今シーズンはボールが真ん中で収まるので安心してグリーリッシュはゴールに向かうことができるのだと思います。
ただ、この試合のバークリーは試合にあまり絡めず、ボールもうまく収まりませんでした。
苦しめられた選手
■マルティネス
枠内シュートを9本打たれ、実に7本ものシュートをセーブ。そのうち5本がエリア内からの被シュートなので素晴らしい活躍。負けたチームの中でも高い評価を得ていました。
シティはシュート数が多いので、必然的に相手GKが目立ちます。アーセナルであまり目立った活躍のできなかったマルティネス。ビラでしっかりと活躍しています。
■ターゲット
左SBの選手を選出。攻撃参加はほとんどなくグリーリッシュをどう気持ちよくプレーさせるかという視点で試合をこなす影のキーマン。怪我により75分で途中交代してしまいましたが、インターセプト4回、タックル5回、クリアが4回と守備でのスタッツは素晴らしかったです。特に読みの部分が優れていて、危険なところ、パスがでそうなところを察知するのが早い。
しかし、攻撃に関する特徴がなく、ボールロストも10回。自分の前が攻撃センスの塊であるグリーリッシュだからいいものを今のSB像を無視したナイスガイです。
スタッツ比較
3試合のスタッツをいくつか比較してみましょう。
そこからなにかパターンが見えるかもしれません。
ブライトン(B)
クリスタル・パレス(C)
アストン・ビラ(A)
(図らずもABCですね)
■得点
Average 2.3点
B:1点 C:4点 A:2点
■ポゼッション
Average 68.7%
B:65% C:72% A:69%
■パス本数(成功率)
Average 700本(89.3%)
B:726本(90.0%) C:747本(90.0%) A:628本(88.0%)
■シュート数
Average 19本
B:16本 C:13本 A:28本
■エリア内シュート/枠内シュート
Average 13.3/7
B:13/6 C:7/6 A:20/9
■ブロックされたシュート
Average 7.3本
B:6本 C:4本 A:12本
■被シュート/被ファウル
Average 6本/9.7回
B:5本/12回 C:2本/8回 A:11本/9回
全体とした傾向で言うとやはり4バックには強いということです。そこまで大きな差が出ずに似たり寄ったりなスタッツでした。
強いて言うなら、当然ではありますが、前からプレスをかけたパレスと残り2チームではシティが受けたシュートはパレスの方が少ないし、枠内にシュートが入った率は高いです。前から来てくれればシティの選手たちであれば相当高いレベルでのプレスでなければ簡単にはがせますし、シュートまでの余裕もあったのだと思います。
すべてクリーンシートというのも素晴らしいです。
ジンチェンコの出場機会
この3試合に出場したジンチェンコはすべて左SBでの出場です。
■ブライトン戦
左SBでフル出場
■パレス戦
左SBでフル出場
■ビラ戦
前半28分から左SBで出場
ビラ戦に関してはウォーカーの負傷でしたが、出場時はしっかりとプレー。ビルドアップの部分で大きくチームを助けていました。
崩しに関しては、ベルナルドシルバが1トップの時に限っては、彼が偽9番のようなふるまいをするので発揮されませんが、相変わらず中盤とDFラインの間のバイタルエリアへの斜めのパスは効果的です。高確率で受けた選手を前向きでプレーできるようにしているので、チャンスに繋がりやすいです。
メンディーやアケの調子が上がらないため、今後も左SBで出場を続けると思うので、武器をしっかり磨いてチームに貢献してほしいと思います。
まとめ
3試合をまとめると以下のようになります。
- 相手は守備時4バック
- 相手チームにはサイドにキープレーヤーがいる
- シティは3-2のビルドアップ
- 幅を取るのはWG
- ギュンドアンが高い位置
- デブライネを含めネガティブトランジションの意識が高い
- 引いた相手に攻めあぐねがち
- すべてクリーンシート
といったところでしょうか。
試合が終わってから振り返るには忘れていることも多いし、データを用いているわけではなく、なんとなく感想のような日記のようになってしまいました。
ただ、この1月の戦績というのは非常に良く、折り返し地点で首位に立てていることは好材料です。
マンチェスターシティを応援する身として、もちろん優勝を見たいですし、得点を見たい。失点しているところは見たくない。
1月のイギリスは本当に雨が多い。僕の試合中のメモには必ず「雨」と書いてありました。暗く重たい雲の下で無観客で行われる試合。コロナウイルスというのは本当に様々なものを僕らから奪っています。それでも少しでも明るいニュースがあればいいなと思って、僕はシティの試合を見続けています。
冒頭にもの書いていますが、
ビラの試合で、デブライネとウォーカーが怪我をしました。
デブライネはおそらく6週間ほどの離脱。リバプール戦、CL16のボルシア・メンヒェングラートバッハ戦もおそらく出られないとのこと。
心配ではあるけれど今ではすっかりデブライネ依存を克服したシティであれば勝利という結果を僕らに示してくれると信じています。
試合は続く。
それでは!