第4節 vs リーズユナイテッド ~ペップの見る未来とは~
こんにちは。
tadashiです。
今日もよろしくお願いします。
第2節ウルヴス戦、第3節レスター戦は1勝1敗。そして迎えた第4節。
ペップが尊敬するビエルサ率いるリーズユナイテッドとの一戦です。
メキシコで選手を引退し、バルセロナBの監督としてバルセロナに戻る前のペップが、アルゼンチンにいたビエルサに話を聞きに行ったというのはあまりにも有名な話です。11時間も話をしたとかしないとか。(睡眠や食事はどうしたんでしょうね)
前節レスター相手に5失点。
ペップの監督キャリアで初の5失点は、守備の意識はもとより、背後のスペースを空けてしまうなど、守備に晒されることに対して組織化できていないことが原因だったと認識しています。
オフが短くフィットネスが整っていないとか、怪我人が多いと言ってしまえばそれまでですが、この試合ペップはチームに対してどのようなアプローチで守備の弱点を対策するのか。
10月5日に移籍マーケットが閉じました。
最終的には、フェラントーレス、アケ、ルベンディアスを獲得。CBを2人も獲得しています。
その他に若い選手を獲得し、CFG(シティフットボールグループ)内のチームへレンタルさせています。
開幕前はバルセロナとのやりとりがあり、あの世界的選手の獲得が噂され、ファンの間にも複雑な気持ちがまきおこり、様々な意見が出ました。
バルセロナカンテラ出身のエリックガルシアも物議を醸していました。結局バルサへの移籍はなく、ほぼ100%来夏にフリーでバルサに行くことになりそうです。
そんな選手がいながらもシティでのプレーに希望を抱いていたアダラビオヨをフルハムに完全移籍で売却。
5人目の控えCBとしてエリックガルシアを残したことになり、これまたファンから様々な意見が出たところです。
ピッチ外のいざこざがチームの勝利に影響しないことを信じて、私は静かに見守っていくことにしています。
さっそく試合を振り返っていきましょう。
結果とスタッツ
結果
リーズユナイテッド ⚽
マンチェスターシティ ⚽
リーズ | マンシティ 1 - 1
17' スターリング (assist by フェラントーレス)
59' ロドリゴ
スタッツ
前半
ポゼッション : 51% | 49%
シュート数 : 4 | 12
枠内シュート : 2 | 2
コーナー : 3 | 5
ビッグチャンス : 2 | 0
フルタイム
ポゼッション : 52% | 48%
シュート数 : 12 | 23
枠内シュート : 7 | 2
コーナー : 7 | 10
ビッグチャンス : 5 | 0
#LEEMCI
シュート23本で枠内2本ってどういうことでしょう。
シュートに腰が入っていないよ!
そうではなくて、リーズの守備がシュートコースを切る、利き脚と逆に持っていかせる、というシンプルなことを実行していたからです。打たされて枠外。だと私は感じました。
ポゼッションも負けてますねぇ。最後に書きますが、ペップはなにを明確なビジョンとして今シーズンをやっていくのか気になる。
ハイライト
https://youtu.be/BvGm0Cz1oAc
https://youtu.be/BvGm0Cz1oAc
スタメン
両チームのスタメンはこちら。
■リーズユナイテッドリザーブ
7 ポヴェダ (← 10' アリオスキ out)
20 ロドリゴ ( ← 56' ロバーツ out)
24 リーフデイビス ( ← 77' クリヒ out)
25 カプリール
14 ディエゴジョレンテ
21 パスカル
46 シャクレトン
20 ベルナルドシルバ ( ← 65' フェラントーレス out)
6 ナタンアケ ( ← 71' メンディー out)
25 フェルナンジーニョ ( ← 77' マフレズ out)
13 ステフェン
5 ストーンズ
80 パーマー
48 デラップ
リーズユナイテッド 4-1-4-1
マンチェスターシティからのローンのジャックハリソンは契約上の理由によりシティ戦には出場できません。かわりにアリオスキが入り、それ以外は前節シェフィールドユナイテッド戦と同じです。
マンチェスターシティ 4-3-3
開幕後初のアンカー1枚の4-3-3です。
ベルナルドシルバ、ラポルトが復帰。少しずつメンバーが戻ってきています。
ルベンディアスがスタメン。彼は合流して、トレーニングを2回しかしていないようです。ペップは右利きにこだわってるんですかね。
また、マフレズが1トップの位置に。
これもなにかの狙いでしょうか。
前節レスター戦の課題
前節レスター戦のレビューはこちら
第3節 vs レスターシティ ~お決まりはない~ - tadashicityのブログ
大きな問題としては、守備に対する決めごとがあるようなないようなチームというところです。
①背後のスペースを空ける
ダブルボランチで挑んだレスター戦は、前半にロドリとフェルナンジーニョがそれぞれ目の前の相手にプレスをかけ背後のスペースを空けてしまいました。このシーンは、フェルナンジーニョがかわされ、そこから攻めこまれた結果PKを献上しています。
また、フェルナンジーニョが交代してからは、デ・ブライネ、ロドリ、ウォーカーと後ろのことを考えないプレスを連発。
この試合は、アンカーを一人置いた中盤構成なので、レスター戦とは状況が違います。そもそも背後のスペースをケアするためのアンカー1人の4-3-3だったのだと思います。
②SBで1対2を作られてしまう
先日のレビューでは「飛び込めない状況に持ち込まれる」と書いていますが、改めて読み返すと問題点は「SBに対して数的不利を作られている」ということだと思いました。
特にレスター戦では、WGが内側に絞っていたので構造上、SBへのフォローはほぼありませんでした。
今回どのように修正したのでしょう。
両チームの狙い
リーズユナイテッドボール保持
まずは、ホームのリーズについて。
リーズの魅力は走力を活かしたダイナミックな攻めですが、その攻撃のスイッチは中央に入るフィリップス。
前後半通して、リーズは「フィリップスに前向きでボールを持たせる」ということを狙っていました。フィリップスから前線に配球し、後ろからの攻めあがりを絡めながらフィニッシュに行くのが理想です。
しかし、前半は思うようにいかず。
前半はマンシティの守備意識が高く、リーズの形を阻害しようとしていたので、うまくはまらなかったようでした。
リーズはGKから始まるとき、CBがサイドに開き、その中央にフィリップスが顔を出します。
SBは大きく開き、IHはフィリップスとSBの間のラインにポジションを取ります。
マンシティはおおむね図のようなエリアで守っていたと思います。SBはあとで対応し、まずは要のフィリップスに仕事をさせてはいけない!という気持ち。そして、受けてたつこと対してかなり慎重にプレーしていました。
前半は大成功。後半は出し抜かれて失敗。
まあしかし少なくとも、レスター戦での背後のスペース放置はなかったから良かったなと思いました。
マンチェスターシティボール保持
アウェイマンシティ。
明確にマンツーマンで対応してくるリーズに対して、マンシティは「目の前の相手を抜く」という対策を実行。
一人振りきったことで空いてくるスペースを前線が使っていこうという狙いが見てとれました。
特に左サイドのメンディーとラポルトは、何度も自分のマークをドリブルで抜き去り、スペースを創出していました。
一人が抜かれるとだれかが出ていかないといけないので、必然的に別のだれかのマークがずれていきます。だれかがフリーになるということ。リーズは抜かれてもその選手がボールを離してもなんとかついていこうとしていましたが、前を向かれている相手に後ろから追いかける一人で対応させるわけにはいきません。
メンディーはサイドでボールを持ち、内側に切り込んでいたので、マンシティのIHをマークする選手の位置をずらしたり、ボールウォッチャーにさせる目的があったのだと思います。が、しかし、私はそこまで効果的であったとは思えませんでした。詳しくは後で書きます。
ラポルトの攻めあがりも効果的でした。
最終ラインからひとつ前に運ぶことでマークのずれを生み出し、サイドの選手をフリーにすることができていました。
しかし、チャンスとなっていたのは、リーズの攻撃をしっかり守ったあとの攻撃が多く、今日のマンシティは普段とは異なるゲームの作り方、入りかたをしていました。
前半はリーズを止める
前半開始
前半のポイント
・マンチェスターシティの守備
・マンツーマンの剥がし方
まず、マンチェスターシティの守備。
CBにプレッシャーをかけるのは両WGのスターリングとフェラントーレス。外側からアタックし、中央へのパスコースに限定させます。
一方、今日の1トップはマフレズ。最初の予想は、マンツーマンで来るリーズに対してマフレズが下りたり右に動くことでマークに迷いを持たせ、フリーの選手を作ることを目的としていたのかと思いましたが、始まって気づいたのは、マフレズがショートカウンターの中継役になるんだろうな、ということ。
攻撃の話をしてしまいましたが、守備では、意識的にフィリップスへのパスコースを消していました。GKに返しても追わず、CBとフィリップスのコースを消します。
前半はマフレズの後ろでフィリップスが受けようとしてロドリが出てきたシーンが見られ、不安を感じましたが、流れの中での対応だったようです。
フィリップスが横に動いてマフレズの後ろでボールを受けようとするので、IHの二人がフィリップスのトラップを狙ってボール奪取をしていました。特にデ・ブライネは執拗にフィリップスを狙い、思い付くだけでも3回はボールを奪うことに成功していました。
また、SBからのフィリップスへの横パスにも素早く囲むことができ、背後のスペースを闇雲に空けてしまうプレスはしていなかったと思いました。
一方のリーズは前述の通りマンツーマン。そして1トップに対して1枚余らせています。なので、攻撃側の方が常に一人少ないような構図に。
そこで、ペップは1対1のドリブル突破を狙うことにしました。
1分のメンディーの内側への仕掛け、6分のフェラントーレスの縦への突破、16分 決定機となったスターリングのペナルティエリア内での突破などなど、その他にもラポルトが中央をドリブルすることもあり、チームとして目の前の相手を抜いてマークのずれを生むことを意識していたと感じます。
際立ったのは左SBのメンディー。対峙するエルデルコスタ相手に1対1に何度も勝利。中に切り込んだり、強引に縦に突破という形を何度も見せ、およそ前節のような曖昧なプレーではありませんでした。エルデルコスタは、メンディーの積極的な突破に手を焼き、なかなかいい場面は見せれなかったですね。
というように、これまでの選手の配置により、ボールを動かして相手を動かすのではなく、ドリブルにより相手の陣形を崩すこれまでとは違うアプローチとなりました。
リーズにボールを持たれることを許容し、中盤でのカットからスピードのあるショートカウンター、というのが前半のマンシティの攻めとなっていました。
その狙いが実ったのが17分の先制点。
CBからGKへプレスをかけ、中途半端なパスをメンディーが回収。フェラントーレスが拾い、スターリングへ。スターリングが2枚のDFを剥がし、右隅に決めました。
これは、守備から始まる攻撃で、これまでなかなかマンシティでは見られなかったゴールだったと思います。
リーズも黙って見ていたわけではありません。
24分のバンフォードのシュートは、マンシティのビルドアップをカットしたところから。
37分の決定機は、中盤背後のスペースをクリヒが使ったことで速攻を仕掛けます。シュートを打ったのは左SBのダラス。
前半ロスタイムにはメンディーの背後の広大なスペースへ右SBエイリングが飛び出し、フォローにきたラポルトまで交わし、ゴールまで迫りました。ここはエデルソンがスーパーセーブ。
前半はリーズの方がパス本数が多かったというデータがあります。
ボールの前進をドリブルに頼っていたことが数字として現れていました。
後半のビエルサ
後半開始
後半のポイント
・メンディーを止めろ
・フィリップスをフリーに
・走りきりたかったリーズと落ち着かせたかったマンチェスターシティ
リーズは、後半頭からポヴェダを投入。ポヴェダはマンチェスターシティのアカデミーにいた選手。小柄ですがスピードとドリブルテクニックがあります。
そのポヴェダを前半調子の良かったメンディーのサイドに配置し、エルデルコスタは左サイドに移りました。
後半開始早々にポヴェダがメンディー相手に突破を見せたことで、シティの左サイドはビエルサの采配に軍配があがりました。
これ以降メンディーはポヴェダの突破を嫌い、前半ほどのアグレッシブなドリブルはなくなり、押し込まれる形に。結局アケと交代することになりました。
また、フィリップスが前を向くための工夫が後半で見られます。
前半では、GKやCBからフィリップスに直接パスをしていましたが、後半からは、前線やIHが下りてきて、マンシティのブロックの上を中距離のパスで越え、落としのボールをフィリップスに預けるようにしたのです。
三人目の動きの三人目をフィリップスとすることで、前向きでのボールキープが可能となりました。
後半は、勢い的にはリーズが優勢でした。カウンター合戦となり、打ち合い状態。こういった試合に慣れているリーズと不慣れなマンシティ。それでも一人一人の技術が高いマンシティのカウンターもそれはそれで魅力がありました。
その2分後にはコーナーキックからロドリゴが同点ゴールを決めました。
投入後はバンフォードと2トップのような形で、カウンターだけでなく、下りてきてパスコースに顔を出すなど気のきいたプレーも。いい補強ですよね。
話は逸れますがバレンシア。クラブが悪いのかなんなのかこの移籍でなんという体たらく。9人の選手を放出して、補強は0だったようです。さらには監督まで交代しようとしているとか。
9人のなかにはもちろんこのロドリゴもいますし、ビジャレアルで久保の同僚となったパレホとコクランなんかもそうです。
その昔クーマンがバレンシアの監督になったときにぐちゃぐちゃにされたという話をジャーナリストの小澤さんのYouTubeなどで聴きましたが、今回はバレンシアファンからするとどんな感じなんでしょうね。
話が逸れました。
65分に、フェラントーレスに替えて、ベルナルドシルバ。ようやく復帰です。
フォーデンをひとつ前に上げ、ベルナルドはIH。試合終盤になって感じましたがベルナルドの献身制と機動力、走力がリーズの勢いを寸でのところで防いでいました。
71分にメンディーからアケ、77分にはマフレズからフェルナンジーニョに替え、4-2-3-1の形に。
リーズの終盤の勢いに対して守ることと、前に急ぎすぎるゲーム展開を落ち着かせる目的だったと思います。
試合後にビエルサも言っていましたが、フェルナンジーニョ投入の効果はおおいにあったようです。
Just a little interesting one. Bielsa praises Guardiola's decision to bring on Fernandinho: "It was very very intelligent, it helped them control the game again."
— Sam Lee (@SamLee) 2020年10月3日
Sam Lee on Twitter: "Just a little interesting one. Bielsa praises Guardiola's decision to bring on Fernandinho: "It was very very intelligent, it helped them control the game again.""
後半はよりオープンな展開で両チームのGKのファインプレーが飛び出しながら、1対1の引き分けで終わりました。
リーズは走行距離が5.5kmマンチェスターシティより多く、スプリント回数が20回以上マンチェスターシティより多かったようです。すごすぎる。
マンチェスターシティはこの打ち合いの展開に対してゲーム自体を落ち着かせることに成功。得点を追加するよりも、失点して逆転されないところに重きを置いたのかもしれません。
メンディーに期待すること
さて、後半に関する戦術的分析は多くの人たちが行っています。ビエルサの様々な選手配置は「へー、なるほどー」と思うことが多く楽しかったです。そんなことは、もっとサッカーに詳しい人にお任せするとして、このブログではやはりSBに言及したいと思います。
今日の試合のメンディーはこの数試合のメンディーよりも良かったと感じました。
その理由は二つ。
・パスではなくドリブルが前進の手段だったこと
・押し込まれる展開はカウンターによるものだったこと
つまりどういうことかと言うと、メンディーの苦手なことが表に出なかったということです。笑
微細なポジション修正、それに伴う正確なパス。特にSBには大外のレーンから中央に向かって、DFと中盤の間に通す必要があります。メンディーはなかなかそれが上手じゃないようで、だからといってドリブルで行けるとこまで行っていいかというとそういうタスクではなく、迷っているのが普段のメンディー。
また、メンディーは守備が苦手。大柄だがヘディングは好きではない。強いわけでもない。丁寧にメンディーのサイドを攻略されるとやられてしまうのは、ここ近年のマンチェスターシティを見ていてもわかると思います。
しかし今日の試合はカウンターからのカウンターが目立ち、相対的にメンディーの守備がクローズアップされることがなかったんです。
なんの解決にもなっていないじゃないか!
と思っている方も多いと思います。
安心してください。
私も思ってます笑
この試合を見て、メンディーに「こうしてもらいたいな」と思ったことがありまして、それを発表します。
それは「ドリブルした後のことはドリブルする前に考えよう」です。
今日のメンディーは1対1勝ってましたね。縦と中を使い分け、エルデルコスタを翻弄。
しかし、メンディーは抜き去ったあとにどこにパス出せるかなと考えてしまっていたのです。
時間帯忘れましたが、内に切り込んで、エルデルコスタに後ろから終われながらピッチの真ん中までボールをドリブルしたシーンがありました。
あれは一見すると、メンディーのドリブル冴えてるなぁと思うんですが、マンツーマンのリーズ相手にこれやってしまうと他の選手のプレーエリアがより狭くなってボールロストの可能性は高まる気がしてならないです。
ドリブルする前に考えようというのは特に逆サイドへのサイドチェンジ。ラポルトのように一本で局面を変えるプレーを見せてほしいです。(この試合ボールを運んだときに使える足が、ラポルトは利き脚の左でしたが、メンディーは右足だったので簡単にサイドチェンジとは言えないのですが)
今シーズンのペップ
試合は1対1のドロー。非常にエキサイティングな試合でした。
得点は2点しか入っていませんが、両チーム合わせて35本のシュートが飛びかい、片方のカウンターに対して、カウンターを繰り出すというカウンター合戦となりました。
ペップ体制5年目。
人が動いてボールが動く魅力的なサッカーから、ボールが停滞し、人の動きが少ないサッカーになっているように感じます。
また、今日の試合は守備のために重心を下げ、奪ったらカウンターというおよそペップのチームとは思えませんでした。(一人一人の技術が高く、高次元の攻めに見えますが、やってることはカウンターですよね)
バルセロナとバイエルンミュンヘンで確固たる地位を築き、満を持してやってきたイングランドプレミアリーグで、自分のポリシーを放棄して守備重視のカウンターをリーグ序盤で披露する。
なにをしに来たのだろうか、と厳しいことを言いたくなります。
それでいいのか!?
というのが個人的な感想なんです。
常に変わっていかないといけない、トレンドやその時々の状況に対応しないといけない、というのもあるのかもしれませんが、5年目の最終年。思いっきり振り切ってくれてもいいのになって思います。
ポゼッションvsストーミングという構図はよく見ます。今でも見ます。しかし、その代表格でもあるマンチェスターシティとリバプールが昨シーズンあたりから少しずつ変化を見せています。
マンチェスターシティは縦に早い動きを取り入れ、リバプールはボール保持を取り入れた。
今シーズン、デ・ブライネのトップ下でより早いカウンターを見せる一方で、リバプールはペップの申し子チアゴアルカンタラを獲得し、中央からの繋ぎを強化。
最適なサッカーはどんどん近づいていくようです。
なんでもできなければいけないのが今のサッカー。なにかに突出した選手は、なかなか活躍できない世界になりつつあります。
といってもまだ全体としては4節。マンチェスターシティも14位という順位ではありますが、残りは35試合。長い長い戦いは始まったばかり。それどころかCLなんかは始まってもいません。
純粋なFWが、いない中でよくやってると個人的には思います。アグエロが戻ってきたというニュースがありました。ここからまた得点を量産するサッカーが見られると信じています。
今後もペップシティの動きに注目していきたいです。
ここから代表ウィークに入ります。
各国の代表選手が在籍するチームはこの期間が不安でしかない。いつ怪我して帰ってくるか…。
現に開幕前に関してはカンセロ、ベルナルドが代表帯同中に怪我していますから。
次節はアルテタ率いるアーセナルとのゲーム。
昨シーズンリーグでは勝ち、FAカップでは負けました。今回の対戦はいかに。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
それでは!
J1リーグ 第29節 浦和レッズ vs FC東京 17年という時間とブラジルとの関係
こんにちは。初めまして。
tadashiです。
私はマンチェスターシティの試合レビューやマンチェスターシティの変な企画をブログに書いておりますが、今回初めてJリーグの試合を書きます。
これまでは「Jリーグ」そのものを楽しんでいましたが、勝ち負けで盛り上がりたいと思い、より熱を入れてFC東京を応援することにしました。
よろしくお願いします。
毎試合追いかけるようにしたのは昨シーズン。2位でした。惜しかった!
今年はどうなんだ長谷川健太さん!
それでは、試合を見ていきましょう。
スタメン
浦和レッズは4-4-2。興梠と武藤の2トップで中盤はフラットな4枚です。
ベテランの年齢にもなっている柏木、槙野がスタメンに入っています。
アウェイのFC東京は1トップに永井、トップ下にレアンドロを置いた4-2-3-1。ダブルボランチは、安部とアルトゥールシルバ。
安部は今シーズンとてもいいですね。運動量もあって、過密日程の中チームを救っていると思います。
個人的に推したいのは、内田篤人が引退した翌日ぐらいに東京で初出場を果たした中村拓海です。ボールの持ち方がどことなく内田篤人っぽくて、冷静だし、良いなぁと思っています。
両チームの狙い
浦和レッズの攻撃
まずはホーム浦和レッズ。
SBが高い位置をキープし、東京のSHの押し下げていました。
システムは4-4-2ですが、柴戸がバランサー。汰木が内に入ってきてアンカーとIH2枚のような形にもなっていました。
長澤は2トップに近い距離を取り、2トップと合わせて1トップ2シャドーにも見えました。
攻撃時のシステムは2-1-4-3とも言えます。
1試合を通して浦和レッズを見ましたが、特に前半はビルドアップに固執してませんでした。後半は攻めなければいけないし、東京も下がっていたのでポゼッションせざるを得ない状況だったかなと思います。
興梠が前半はポストプレー、後半は東京DFラインの裏を取るなどやっぱりベテランとして経験を存分に活かすようなプレーだなと感じました。武藤とポジションを変えながらパスコースに顔を出してチームに貢献。
あと目に留まったのは、汰木。システムでは4-4-2の左SHだけど、IHのように振る舞ったり、ワイドでボールを持ったときに切り込んでシュートも打てる。万能だなと。
気になったのは柏木。プレーがサッカーという感じがしない。前の選手に当ててなにも考えずにポジションを上げるシーンが多く、背後のスペースへの危機管理が少ない。それも影響してか、特に後半はビルドアップのパスが東京に何度も引っ掛かる。
立ち位置が悪いんだと思います。
東京の守備にも言及します。
先制したのもあってリトリートの時間が長い。追ったとしても永井が前線で追うぐらい。受けてたって、取れたらショートカウンターというのが東京のスタイル。
そのなかでも、ダブルボランチの安部とアルトゥールシルバの距離感、相手が崩れたときのレアンドロのスプリント、SHの運動量はこの勝利に間違いなく役立っていた。
後半は体を投げ出したりするシーンも見えて、気持ちがまず浦和に勝っていた。見ていて、応援したいと思った。
今シーズンの東京は4-3-3を採用し、高萩や若手の品田をアンカーとして起用していましたが、高萩も怪我をして(この試合で復帰)、品田も疲労してることを考えるとダブルボランチという選択になったのかもしれません。
当初は、上で述べている浦和の1トップ2シャドーに対して、2CBとダブルボランチで対応する意図があるかと思いましたが、過去の試合を見ると品田が出ないときはダブルボランチにしていました。
上の図では、浦和のSBにSHが下りてるように描いていますが、あくまでこれはボールサイド。反対のサイドではSBが浦和のSBをケアしていました。
FC東京の攻撃
アウェイ FC東京の攻撃。
浦和と同じようにビルドアップには固執せずに前線に蹴り混みカオスを創出。狙いは田川が多かったかな。
セカンドボールを拾えると、技術力もあるチームなので三田やレアンドロも加わりながら永井へのスルーパスを狙ったり、レアンドロがドリブルを仕掛けたりしていました。
受けてショートカウンターが基本スタイルだと思っているので、スピード感のある攻撃が見ていてとても気持ちいい。
特にいつも思うのが原大智。レアンドロからのパスを受けるため、クロスしたり直進したり、途中交代で体力も余ってるため、浦和の守備の空いてるスペースに爆走。身長があり、スピードもあり、将来が楽しみです。もっとパスが来るようになれば得点ももっと取れるはずだと思いました。というか思っています。
永井は中央を基本ポジションとしながら、浦和SBの裏を狙う動き。
2人のSHは内側に絞り、SBのオーバーラップするスペースを空けておきます。
こういうスピーディーなチームはSBが深いところまで上がれないことが多いです。戻るの疲れるから。中村も小川もCBのパスの逃げ道になりながら、チャンスを伺ってゆっくり前進していました。
三田のようなボールを持てる選手がいてくれるとSBは安心してオーバーラップできますね。
少しだけ浦和の守備
トーマスデンの個人能力が高いのでそこに甘えている印象もありました。
柏木が背後のスペースを捨てて上がってしまうのでレアンドロや田川はやりやすかったのではないかと。
2トップは東京のダイヤモンドの形に対して、ボールホルダーへのプレスとアンカーへのパスコースをしっかり消していたので、東京はSBに当てる→CBに戻す→GKへ→ロングボールで田川というのは何度も見られました。しかし、このロングボールを狙っていたわけでもなく、逆に利用されて前進を許していました。
うーん、守備に関してははっきりしていなかったと感じたのが正直な感想です。
試合の経過
前半開始
15分間見て思ったのがやっぱり興梠はうまい。下がってボールを受けるのが抜群にうまい。Jリーグではもうゆとりすら感じる。15分で巧妙に二回。
7分
左サイドのパス交換から武藤のミドル。柏木と汰木と武藤の3人。
苦手意識があるからなのか初めは押し込まてるようにも感じました。
18分
レアンドロと永井で浦和にプレス。15分を過ぎてからは、浦和のビルドアップに綻びが見えたらプレスにいっていました。
「綻び」というのは、例えば、浦和が左の槙野からトーマスデンにパスが出されるときに、永井が槙野のパス方向に進める状態で、トーマスデンが受けて、トラップを右に流したときです。そこでレアンドロが真正面、永井がトーマスデンの左からプレスをかけるという感じ。
このシーンはまさにそうですね。
ボールを奪ってゴール前までいきましたが、さらにそれを捕られて浦和のカウンター。武藤から興梠へスルーパス。シュートは枠外。
東京はこの時間まで、SHが中に入ってSBのスペースを空けるけど、前半は浦和に押し込まれてる印象。やっぱり浦和の両SBが高い位置キープするからなかなか思いきって上がれませんでした。
33分
槙野のパスをレアンドロがカット。そのままシュート。
30分を過ぎた辺りから浦和のパスが引っ掛かり始めます。東京からするといい流れ。
37分 永井のゴール!待望の先制点!!
きっかけは林からのパントキック。ルーズボールが浦和の方にこぼれて、柴戸が持ち上がろうとしたところをアルトゥールシルバがスライディングでカット。距離感がいい!
その瞬間に中村拓海が右をかけあがる。ハイライトでもよくわかりますが、中村は即座にポジションを上げ、アルトゥールシルバからのパスを呼び込んでいました。
中村拓海のダイレクトのグラウンダーのクロスでDFラインが下がり、レアンドロが浮いた。こぼれ球がレアンドロの前にこぼれ、あとは永井がしっかりとつめてくれました。
45分
これまたキーパーから。
ルーズボールを中村拓海。永井が浦和のDFライン背後に裏抜け。スルーパスを通しました。
後半開始
田川→内田に交代。田川も悪くなかったです。
後半始まって感じたのは、東京はSHが浦和のCBまでプレスに行ってしまうこと。同サイドのSBは大変だし、全体のスライドも面倒。永井かレアンドロがいくように決めればいいのに、と思っていました。
それなのに割りと守りが効いたのは浦和のビルドアップの繋ぐエリアが狭い。詰められたその先をデザインしてない、もしくはわかりやすくて狙えてるからだと思いました。
浦和は得点がほしいので4バックに対して、4枚を並べてチャンスを作ろうとします。しかし、東京の中盤がパスコースを塞いでるので結局ブロックの外側を回すことになる。
中盤2~3枚でパスコースがなくなる浦和の立ち位置は考えた方がいい。というのが感想です。
55分、64分は私の大好きな勝利への執念。
53分は内田のサイドライン際のふんばりと小川のフォロー。結果的にクロスまで行っているし、64分の東京の体を投げ出したシーンもとても良いです。
さすがに東京は引いて、浦和が攻める展開。浦和は浦和から見て右からが多く、右に右にボールを回す。狭くなってスペースが消えていました。
70分 レアンドロから原大智へのスルーパス。ここ最近言われている
このシーンはネットでも盛り上がっていました笑
今日はね、アダもディエゴもいなかったので。
75分
浦和のクロスから興梠のバックヘッド。
幅とってカットインからのクロス。
興梠のボール予測が素晴らしい。自分だけ残ってバックヘッド。
76分 高萩が復帰します。永井と交代。レアンドロがトップに入り、高萩がトップ下。
高萩はベテランの年齢になってより熟成されたように感じる。顔を出す位置、パスのスピードや場所、試合の流れを読み取って的確なプレーを選択。ベストじゃなくても瞬時にベターが選べる。橋本拳人がいなくなって、頼れる中盤は高萩だよ!
東京はスペース埋めるのが早く浦和の縦パスが全然入らない。プレッシャーも試合終盤でも早い。後ろ向いたら絶対一人はプレスにいく。
最後まで浦和の攻撃を守りきった東京が2003年以来の埼スタでの勝利!そしてシーズンダブル!森重の表情がこの感動を物語っていました。
ところで浦和はなにか抱えているのか?って思うほどいまいち。
なにがいまいちかって、ビルドアップで捕まりすぎてる。みんなボール受けてから次を考えてる。東京はそこを突いて、早いプレスを繰り返していたので「猛攻」というほどの攻撃を受けずに済んでいました。
あと、何度も言いますが中村拓海。本当にいいです。
ぜひ、彼がボールを持ったときのボールの位置、見ているところ、前線への上がるタイミングに注目してください。
あと、Jリーグで有望な若手SB教えてください!
結果
FC東京 ⚽
37' 永井(FC東京)
ポゼッション 65% : 35%
シュート 13本(2本) : 11本(5本)
シュート一本に対するかかった時間で見たら面白そうな結果になりそうでした。
今回はここまでです。
FC東京の試合を書く、という気持ちで試合を見たけど、普段見ている印象と全然変わりませんでした。
しかし、ブラジルトリオではなく、レアンドロ+日本人で浦和に勝利というのはうれしい結果です。
レアンドロはボールの扱いもうまいし、ここぞというときにスプリントもするし、ブラジル人同士のコンビネーションも素晴らしい。ただ、その他の選手とのコンビネーションやフィニッシュへの形が少なく感じているので、もっともっと連携を深めてブラジル人だけに頼らない攻撃を構築してほしい。
また、書けたらいいです。
それでは!
第3節 vs レスターシティ ~お決まりはない~
こんにちは。
tadashiです。
プレミアリーグは第3節。続々とリーグ開幕3連勝をしていくチームが出てくるなかマンチェスターシティも続きたい。
前節苦手なウルヴスに勝利し、波に乗れるか。
相変わらず出場不可の選手が多いですが、ペップはだれを選ぶでしょう。
スターティングメンバー
両チームのスターティングメンバーです。
ホーム マンチェスターシティは前節と同様に4-2-3-1。ジェズスも怪我により3週間ほどの離脱となってしまったので1トップにはスターリングが入ります。マフレズが復帰。
アウェイ レスターは5-4-1。ロジャーズ監督は開幕2連勝した4-1-4-1ではなく、昨シーズンもマンシティ相手に採用した5バックを採用しています。前節からは、右SHのぺレスが外れ、DFラインを一人増やしています。
13 ステフェン
11 ジンチェンコ
14 ラポルト
69 ドイル
21 フェラントーレス ⇒ 64' フォーデン out
80 パーマー
12 ダニーワード
28 フース ⇒ 80' エバンス out
11 オルブライトン
20 チョウドリー
17 ぺレス
10 マディソン ⇒ 69' プラート out
14 イヘアナチョ ⇒ 85' ヴァーディ out
結果
マンチェスターシティ ⚽⚽
レスターシティ ⚽⚽⚽⚽⚽
4' マフレズ
37' ヴァーディ PK
53' ヴァーディ (assist by カスターニュ)
58' ヴァーディ PK
77' マディソン (assist by メンディー)
84' アケ (assist by マフレズ)
88' ティーレマンス PK
両チームの狙い
ボール支配率はマンチェスターシティが71%であったこの試合。ロジャーズ監督は明確にマンシティ対策を練って試合に挑んでいました。
Brendan Rodgers:
— Man City Report (@cityreport_) 2020年9月28日
"For this game it was important from a tactical perspective to take the keeper out of it, because if you press @EdersonMoraes93 too much - he could play as a centre-half in some teams, he's that good with the ball."
[via @footballdaily]pic.twitter.com/5HwHkL1UTe
ロジャーズはこのインタビューで「マンシティのGKを相手の戦術から取り除くことが重要」と言っています。
マンシティは前節同様にCBとダブルボランチのスクエアを形成。
サイドバックがワイドに開き、WGは中に絞ります。3-1-6のような形に。
明確に前2節と変えてきたのはレスター。
5-4-1の形で後ろに重心を置く。ヴァーディはロドリのそばでビルドアップへの関与を阻害。中盤はCBやフェルナンジーニョにはプレスをかけず、持ち上がってきたら中央のパスコースを消してブロックの外に誘導するように仕向けていました。マンツーマンでもあり、ゾーンでもあり、昨シーズンから見たマンシティへの対応の完成版のようでした。
ロジャーズ監督の言うGKを取り除くというのは、上の図のように、ボールを持ち運ばせて後ろで繋がせないこと。エデルソンの長短のパスを出させないように高い位置でマンシティがボールを回すように陣形を組んだことでした。
ロジャーズ監督の目論見通りに試合が運ぶだけじゃなく、思った以上にマンシティのパスがひっかかるので前半の35分以降、特に後半は狙った通りにチャンスが作れていたと思います。
ペップもあんな苦い顔になまりますね。
前半良い形が作れたのは、ウォーカーがワイドから内側に絞り、マフレズが大外レーン、デ・ブライネがハーフスペースからチャンネルランという場面。
ゴールには繋がらなかったとはいえ、ここはマンシティの強み。
前後半を通してデ・ブライネのチャンネルラン、デ・ブライネのペナルティエリア外からの高速クロスぐらいが得点の可能性を感じたプレーでした。
しかし、後半ウォーカーがカウンター対策で下がってからは本当にチャンスらしいチャンスはありませんでした。
苦しめられた選手
■ティーレマンス CH
5-4のブロックをコンパクトにして、スペースを消す守備はマンシティにとても効果的でしたが、あとはどうやって点を取るか。というところで、ティーレマンスの落ち着き、視野の広さ、状況判断にやられました。
特に前線の選手が飛び出してマンシティDFを下げてくれるので、そこはあえて一つ横パスを入れ、マンシティを間延びされるプレーを何度か見せていました。
詳しくは下で図解します。
■ジャスティン WB
5バックのWBは押し込まれる時間帯が多いと、DFラインに張り付くことになり、攻撃参加は試合を通じて数回。特に今日のレスターはペナルティエリアの幅に5バックを並べ、ボールサイドに中盤と連携して全体でスライドする守備でした。中位以下のチームであればボールは繋がず大きくクリア。攻撃は得点能力のある前線に任せ、WBがかけ上がることはほとんどない。
しかし、レスターはボールを奪うやいなや、チームとしてボールをキープ、ボールサイドのWBだけでなく、逆サイドでもWBが高い位置を取っていました。
ジャスティンに関しては57分。
まず、ロドリのロングパスをワントラップで前に出ようとしたマフレズを止めたところから攻撃がスタート。
さらに、バーンズの内側をインナーラップして、ウォーカーがバーンズに当たりにいけない状況(ウォーカーがジャスティンを気にしなければいけない)を何度か作り出していてすばらしいプレーだなと思いました。
詳しくは図解します。
マンシティの失点
今日はなんと5失点。
マンシティの守備
これは思った以上に深刻で、攻撃が対策されはじめたことで守備に転じることが多くなった。それによりさらに弱点が浮き彫りになった感じです。
35分 PK献上
53分 右サイドを崩されてヴァーディの技ありシュート
57分 PK献上
77分 ペナルティエリア前で十分な時間を与えてマディソンからのスーパーミドル
86分 PK献上
この5失点に共通していたことを簡単に述べるとたった2つ。
・背後のスペースを意識しないプレッシング
・飛び込めない状況を作られるとアクションがなくなる
まず、背後のスペースを~は35分のシーン。
次に、飛び込めない状況を~は57分のシーンを例にとって図解します。
さっそく35分のシーン。
レスターCBエバンスからレスターアンカーのメンディーにボールがわたったときに、デ・ブライネとフェルナンジーニョが縦で挟み込もうとします。
おわかりだと思いますが、この状況ではDFラインの前には広大なスペースができます。ロドリもメンディーの体の向きを見て、ティーレマンスにプレッシャーをかけたのだと思いますが、ここを簡単にかわされ、右サイドのバーンズへ。
ウォーカーは局面1対2の状況で、飛び込めなくなりました。
ずるずると下がってPKのシーンです。
問題なのは、ダブルボランチのチームなのに背後ががら空きになっていることです。マフレズも懸命に戻りましたがバーンズに前に入られ奪えず。
ロドリはフェルナンジーニョのカバーを考えるべきだったと私は思います。
このロドリの動きに、守備に対するチームの決め事がないように感じました。DFラインの前のスペースは潰しておくこと。これはとても重要です。それを放棄してしまうプレーをしてチームでなにも言われないのは少し危険な感じがしました。
ちなみにヴァーディが足早いのわかってるんだからCBが一つ前にでてスペースを埋めるのは論外です。ヴァーディに好きなように飛び出されてしまいます。
フェルナンジーニョはこのプレーを反省して前半はパーフェクト。ロドリ、デ・ブライネがプレスをかけたあとの潰しを彼が引き受けました。
自分まで行くと背後ががら空きになる。
プレスの連動がシステマチックになってないマンシティにおいてフェルナンジーニョの存在は防波堤です。それを彼自身も久しぶりのアンカー2試合で思い知ったことでしょう。
しかし、得点、勝利がほしいペップは、フェルナンジーニョを下げ、17歳長身のアカデミー出身デラップを投入します。(彼がプレミアリーグで有名なロングスローのデラップ選手の息子とは当然私も知らなかったです)
防波堤を失ったマンシティ。背後のスペースを忘れた選手たちが不用意にプレスをかけ、53分の右サイド、77分のマディソン放置、86分のペナルティエリア内のマディソンフリーなど立て続けに失点に直結するプレーを連発しました。
次に、57分のシーンです。
マフレズがジャスティンに止められたところからレスターの攻撃がスタートします。
ティーレマンスがボールをもったとき、ヴァーディなど前線の選手の動きにより、DFラインが下がる。
ティーレマンスはあえてバーンズにつける。間延びして空いたスペースをバーンズに使わせるためですね。
本来であればウォーカーがプレスをかけたい。フリーで運ばれるのは危険です。
しかし、マフレズからボールを奪ったジャスティンがそのまま上がっていてバーンズの内側をインナーラップ。ウォーカーがバーンズに当たりに行けば即座にスピードアップしてウォーカーの裏をとっていたでしょう。それぐらい絶妙な位置でした。
これによりウォーカーはボールウォッチャーにならざるを得なくなり(なぜかロドリも見てましたね)、PKのシーンへ進みます。
5失点がほとんど同じパターンというのは見てる側も悪い例として紹介しやすい。教材っぽい失点でした。
もう一つ言うならば
自らのミスで相手ボールになってからほんの数十秒での出来事です。
ネガティブトランジションが機能していない、いや、そもそもデザインすらされていない恐れがあります。
ちなみに最後マディソンにPKを与えたメンディーのプレー。ペナルティエリア内で軽率だったとは思いますが、対応として悪くはなかった。
マディソンをあの付近でフリーにしたのは、メンディーではありません。スターリングかアケです。アケが気づいて身振りで知らせたところいち早く反応したのはメンディーです。
まあ、その他のプレーはあれでしたけど笑
このような試合を開幕2試合目で露呈してしまったのは幸か不幸か。
まだ修正ができると思うか、残りの36試合で相手にさらに対策させやすくしてしまったか…。
怪しいなと思っていたマンシティの守備は、これまで圧倒的なボール保持と攻撃力、そして即時奪回により明るみに出ていませんでした。
しかし、昨シーズンから、ボール保持させられ、中央を固められ、即時奪回に対してはショートカウンターで剥がされることが増え、守備をしなければならない状況がついにやってきました。
この試合は「守備をしなければならない状況」に対応できなかった。
マンチェスターシティは決断に迫られています。
長所をさらに磨くか、短所を克服するか。
なんでもできることが今のサッカーのスタンダードになりつつあります。メッシやロナウドのような圧倒的な個性でない限りみんながなんでもできる必要があります。
攻撃だけでなく守備も。
チームとしてなにを優先して、なにを後回しにするかをこれから見ていきたいと思います。
最後に
好きなものを、好きじゃなくなるときはある。好きなものをどれだけ好きかもその人、その瞬間で様々。
それを周りのせいにするのはおかしいですね。
巷では、ペップが来て戦術大好きな人たちがこぞってマンシティを取り上げ、冷めていった人たちが増えたと指摘している人がいます。
こういう論争が起きることが、マンシティの日本での歴史の浅さを感じます。特にうまくいかない時期ほど。
アーセナル、マンチェスターユナイテッド、チェルシーの日本のファンは、うまくいかない時期でもチームに対して愛がありました。めちゃくちゃ文句言ってるけど笑。
黙らなくていいけど、応援の仕方は人それぞれ。結果に一喜一憂して、うなだれる人がいてもいいし、敗戦の原因を解明する人がいてもいいし、特定の選手を応援する人がいてもいいし、プレーに文句を言う人がいてもいい。それはみんな好きだから、期待しているから言うのだから。
私はジンチェンコが好きですが、今日の試合メンディーのかわりに同じタスクでジンチェンコが出ていても結果は変わらずだったと思います。
なにも考えず言うのであれば、WGが外張って、SBがアンカーの脇にいたときの方が強かったなぁって感じます。
マンチェスターシティ初優勝のときより云々というのは、それはそれで昔からのファンに失礼だし、昔からのファンからしたら、こっちはお前らの生まれる前からファンだわ!となりますから、そこはどうでもいいと思います。そうやって、にわかは黙ってろ!みたいな風潮も最低です。
多様性を享受したいところです。
反省を活かしてほしいなと思いつつ結果に一喜一憂していきたいと思います。
それでは!
vs レスター 瞬間プレビュー
こんにちは。
tadashiです。
瞬間湯沸し器のようなあっという間に終わってしまう瞬間プレビューです。
■試合日時
2020年9月28日 0時30分キックオフ
■スタジアム
エティハドスタジアム
■昨シーズンの戦績
マンシティの2勝
第18節
マフレズ vs ヴァーディの元チームメイト対決 プレミアリーグ第18節 vs LeicesterCity - tadashicityのブログ
第27節
今日のコンパニーはみんなに愛される困り顔 ~PKはチャンスではない~ PL第27節 vs LeicesterCity (アウェイ) - tadashicityのブログ
■20-21レスター
開幕から2連勝。
昇格組 WBAに3-0
第2節はバーンリーに4-2
2試合で7得点と大爆発。特に昨シーズンの得点王ヴァーディはすでに3得点。年齢とともに得点を重ねるというなんとも渋い。
■レスターのフォーメーション
引用:sofascore
2試合とも4-1-4-1で戦っています。
攻守のポイント
[攻撃]
・IHのティーレマンスはアンカーの横でビルドアップに加担し、プラートはひとつ前。4-2-3-1に近い。
・ヴァーディは、サイドが釣り出されればそのスペースに動く。基本は中央。
・両SBが、逆側の攻撃時にはペナルティエリアまで入り込む。(バーンリー戦は左のジャスティンがゴール、カスターニュがアシストをしています)
・SBは高い位置で、SBがボールを持つとSHとヴァーディで深さを取り、CBと中盤の間にプラートが顔を出す。
[守備]
・クロスから2失点している
・4-1-4-1で守るが深いところまでSHがバックするので、落とされたときのプレスが遅れる。(バーンリー戦の失点はこれ)
・SBが上がったスペースはアンカーで埋めるように見られるが、2試合を見ると間に合ってない
■マンシティが狙うべきこと
・サイド深い位置を取って、デ・ブライネに落として必殺クロス
・レスターが戻りきる前に中盤のインナーラップ
■マンシティが気をつけるべきこと
・ティーレマンスとプラートの位置に注意。マンシティが4-2-3-1にしたときに、プラートにペナルティエリア前を使われないように。
・ヴァーディのスピード
・レスターのSBへのマークの受け渡し。ペナルティエリアに侵入してくるので、だれかがサボるとやられる。
■マンシティのinjury list
ジェズス
ジンチェンコ
ベルナルド
カンセロ
■マンシティの予想フォーメーション
おそらくダブルボランチを継続するのかなと思っています。
マフレズとデ・ブライネで右サイドの深くに入り込み、下げてクロスを狙いたい。
アグエロとジェズスが怪我をしたワントップは、デラップが云々と言われていますが、現実的にはスターリングかと。
ギュンドアンが出場可能であれば4-2-3-1と4-3-3を使い分けられるからありかもしれないですね。その場合はアンカーはフェルナンジーニョがいいです。
■一言ネタ
ベイルとハメスが移籍。人員整理が進んでいます。
ルベンディアスがシティ移籍に合意。
オタメンディの譲渡が条件のようです。兄貴がいなくなって、アグエロが寂しがってしまうのが心配です。
あと、デ・ブライネがインスタのストーリーでゴルフクラブとともに笑顔を披露。ベイルを思い出します。
さて、試合まで各々の時間を過ごしましょう。
それでは!
20-21シーズン 所属選手一覧
こんにちは。
tadashiです。
19-20シーズンの基本フォーメーション
※中断明けをメインとしています
主に相手の守備によって二つのフォーメーションを使い分けています。
アンカーを置く4-3-3
アケは左利きなので、ラポルトの控えなのか、左SBのオプションなのか。
そしてこのチームには左利きが多すぎます。
デ・ブライネを解放する4-2-3-1
CBがシーズンを通して安定するなら、ロドリとフェルナンジーニョのダブルボランチも見てみたいと思います。
若手のローン
まずは、シティの若手のローン先をチェック
ポジション/名前/年齢/ローン先
[確定]
GK/ムリッチ/21/ジローナ
WG/飯野/22/リオ・アヴェ
CHDH/パラベサ/20/ヘタフェ
SB/ポルロ/21/スポルティング
WG/ジャック・ハリソン/23/リーズ
WG/アルザーニ/21/ユトレヒト
DF/カボレ/19/メケレン
CBDH/板倉/23/フローニンゲン
SB/アンヘリーニョ/23/ライプツィヒ(買い取りオプションあり)
FW/パブロモレノ/18/ジローナ
SB/ヤンクート/18/ジローナ
FW/ヌメチャ/20/アンデルレヒト
GK/グリムショウ//ロメルSK
20-21所属メンバー
名前
ポジション/背番号/国籍/年齢
GK
エデルソン・モラレス
GK/31番/ブラジル/ 27歳
ザック・ステフェン
GK/14番/アメリカ/25歳
GK/33番/イングランド/35歳
DF
ウォーカー
SB/2番/イングランド/30歳
CB/5番/イングランド/26歳
CB/14番/フランス/26
メンディー
SB/22番/フランス/26
カンセロ
SB/27番/ポルトガル/26
サンドラー
CB/34番/オランダ/23
CB/50番/スペイン/19
アケ(ボーンマスから4,530万€)
CB/6番/オランダ/25
ハーウッドベリス
CB/78番/イングランド/18
ルベンディアス(ポルトから6,800万€+ボーナス)
CB/3番/ポルトガル/23
MF
CH/8番/ドイツ/29
ジンチェンコ
IHSB/11番/ウクライナ/23
ロドリ
DH/16番/スペイン/24
デ・ブライネ
CH/17番/ベルギー/29
ベルナルドシルバ
CHWG/20番/ポルトガル/26
DH/25番/ブラジル/35
マフレズ
WG/26番/アルジェリア/29
フォーデン
WGIH/47番/イングランド/20
パトリック・ロバーツ
WG/19番/イングランド/19
FW
WGST/7番/イングランド/25
ジェズス
STWG/9番/ブラジル/23
ST/10番/アルゼンチン/32
WG/21番/スペイン/20
20-21予想フォーメーション
予想フォーメーション
初戦のウルヴス戦を見て、基本は4-2-3-1になると思います。
アンカーは控えギュンドアン
WGはフェラントーレス、フォーデン
トップ下の控えはジンチェンコでお願いします。
希望フォーメーション
ダビド・シルバの後にはぜひジンチェンコを。
退団選手
最後にマンチェスターにたくさんの歓びと栄光を与えてくれた選手たちの退団情報を。
ダビド・シルバ → レアルソシダード(フリー)
クラウディオ・ブラーボ → ベティス(フリー)
レロイ・サネ → バイエルンミュンヘン
アレクシス・ガルシア → ブカレスト
トシン・アダラビオヨ→ フルハム
以上です。
今シーズン優勝に向けて応援しましょう!
(間違っていたり最新情報があれば教えてください)
それでは!
プレミア第2節 vs ウォルヴーハンプトン ~フェルナンジーニョの破壊力~
こんにちは。
tadashiです。
リーグとしては第2節ですが、シティは第1節ボーンマス戦が順延となっています。
初戦の相手は昨シーズンダブルをされたウルヴスです。
3連敗はなんとしても避けたいところです。
昨シーズンの中断明けは、フィジカルコンディションを考慮し、交代は5人まで認められていましたが、今シーズンからはこれまでの3人に戻っています。
結果
スコア
マンチェスターシティ ⚽⚽⚽
ウルヴス ⚽
20' デ・ブライネ (PK)
32' フォーデン (assist by スターリング)
78' ヒメネス (assist by ポデンセ)
90'+5 ジェズス (assist by デ・ブライネ)
スタッツ
■ウルヴス
ポゼッション 34.8%
シュート数 10本 (枠内1本)
決定機 1回
インターセプト 15回
キーパーセーブ 6回
■マンチェスターシティ
ポゼッション 65.2%
シュート数 14本 (枠内9本)
決定機 3回
インターセプト 4回
キーパーセーブ 0回
MOM
ケビンデ・ブライネ
初戦のマンオブザマッチはこの人。1ゴール1アシストの活躍!
ハイライト
📺プレミアリーグ第2節ハイライト📺
— Manchester City (@ManCityJP) 2020年9月22日
🐺@Wolves 1-3 @ManCityJP🔵
20' @DeBruyneKev (P) ⚽
32' @PhilFoden ⚽
90+5' @gabrieljesus9 ⚽
🔷 #ManCitypic.twitter.com/5ZlGpM4RhF
Manchester City on Twitter: "📺プレミアリーグ第2節ハイライト📺 🐺@Wolves 1-3 @ManCityJP🔵 20' @DeBruyneKev (P) ⚽ 32' @PhilFoden ⚽ 90+5' @gabrieljesus9 ⚽ 🔷 #ManCity https://t.co/5ZlGpM4RhF"
スターティングメンバー
両チームのスタメンはこちら
■ウルヴス 3-4-3
この移籍期間にジョタがリバプールへ、ドハーティがトッテナムに移籍。
その関係でアダマトラオレが右WGに入ります。
■マンチェスターシティ 4-2-3-1
このオフのシティは、ナタン・アケをボーンマスから、フェラントーレスをバレンシアから獲得。
そのアケがさっそくのスタメン。フェラントーレスはリザーブメンバーに入ります。
ザック・ステフェン/オタメンディ/ドイル/ベルナベ/フェラントーレス (←82' スターリング)/デラップ/マフレズ
■マンチェスターシティ怪我人
アグエロ ⇒ 膝の怪我
ベルナルドシルバ、ジンチェンコ ⇒ 筋肉系のトラブル
エリック・ガルシア ⇒ 頭部外傷
カンセロ ⇒ 足に問題あり
■ウルヴスリザーブ
ルディ/オスカル/キルマン/ヴィチーニャ/ヴィナーグレ (←8' マルサウ)/デンドンケル (←78' モウティーニョ)/ファビオシウバ (←78' ネト)
前半
両チームの狙い ~前半15分
まずは、スタートのシステムから両チームの形をおさらい
マンチェスターシティ
シティは4-2-3-1でスタート。
デブライネをトップ下に置いて、守備の負担を軽減させる形です。
今日の試合で目立ったのはトップ下デブライネの横のレーン移動。中央を起点に、右に左に自由に顔を出す姿が見られました。左に流れることの方が多く、右WGのフォーデンが入ってくるスペースを開けておくことためだと思われます。
ダブルボランチの二人は、相手の守備ブロックの後ろからハーフスペースにパスを配給する役割と同時に、ロドリはメンディーを高い位置に押し上げるために、SBの位置に落ちてくるプレーが何度か見られました。
スターリングをジェズスと並べ、よりゴールに近い位置でプレーさせ、メンディーの個人能力の高さを活かそうという形だと思います。
今日の右サイドは、左サイドよりも複雑で、フォーデンとウォーカーは状況によってレーンを細かく移動。それだけでなく、先制点を呼び込んだデブライネのチャンネルランのように、彼が走るスペースを残すためのポジショニングが必要でした。
ウルヴス
ウルヴスの3-4-3は、ほとんどの場面で5-3-2のように見えました。
ウルヴスが狙いたいのは、2枚のCHからの展開とヒメネスによりCBを動かすこと。しかし、後述するシティの守備により、2シャドーの一人であるネトが中盤をフォローすることが必要でした。
これにより前進は、右サイドに委ねられることになりますが、そこにはアダマトラオレがいるので、その他のチームよりは難易度は高くないと、見ている方も思ったと思います。
3枚のCBは攻撃に関与するよりは、守りのタスクに重きを置いていました。
マンチェスターシティのボール非保持
前述の通り、ウルヴスは5-3-2で前進を試みます。繋げなければシンプルにヒメネスへ。こぼれ球を拾ってトラオレでメンディーの裏をつく。
チームとして最初の狙いだったと思いますが、今日のシティは昨シーズンよりも低い位置でプレーするトラオレをボール奪取のポイントと設定したところがこれまでの戦いと異なるところだったと言えるでしょう。
3トップ+デブライネ(必要に応じてロドリが加勢)で、ほぼマンツーマンでセット。
パスコースのなくなったウルヴスはヒメネスめがけてロングボール。
このシーンは、ヒメネスの落としをトラオレが拾ったシーンです。トラオレがボールを持った瞬間に3選手がプレスをかけ、パスコースとドリブルのコースを消し、見事にマイボールにしました。
その他にもドリブルのコースをふさぎつつ、2CHへのパスを制限し、精度の低いパスを出させるなどして前半はウルヴスの攻撃、トラオレの突破を完全にシャットアウトしていました。
マンチェスターシティのボール保持
まず、後ろの4人。2CB+2アンカーですが、この4人はウルヴスの2枚に対して常に四角形を形成してビルドアップしていたように感じました。正方形、長方形、ひし形とさまざまな形を取りながら前進を成功させていました。
現に試合の多くの場面で、ロドリやフェルナンジーニョが素早くCBの横に走っていく姿が見られたからです。
また、簡単に前進できたのには、デ・ブライネとフォーデンの位置取りにも関係が。
3枚で中盤の守備を形成するウルヴスに対して、シティはウルヴスの3枚の外側でボールを呼び込もうとします。また、DF5枚と中盤の間ではジェズスとスターリングがスタンバイ。
仮に、だれか一人がシティのビルドアップに対して加勢しようものなら空いたところから即座にフィニッシュまで持ち込んでいたと思います。
何度かポデンセが後ろを気にしてプレッシャーをかけられそうなときにためらっていたことがありましたが、ウルヴスとしてもシティのビルドアップに前から行くことができないと感じていたのだと思います。
10分のジェズスがFKを獲得した場面は、その前にトラオレのパスコースを限定してモウティーニョからボールを奪った狙い通りのシーンでした。
デ・ブライネとフェルナンジーニョ ~前半終了
18分 シティにシーズン初ゴールが生まれます。
右サイドにレーン移動していたデ・ブライネのランニングから生まれたPKで、自らが決めました。
サイドに張るフォーデン、ハーフスペースに位置するウォーカーでパス交換。その間デ・ブライネが寄ってきてハーフスペースをふらふらとします。
一度、ストーンズにボールが戻りますが、ストーンズは、ウォーカーを飛ばしてフォーデンに鋭いグラウンダーのパスをいれます。
フォーデンが顔を上げるとまだそこに滞在していたデ・ブライネが5バックの間をフリーラン。スルーパスを受けたデ・ブライネはそのままサイスをかわそうとして足がかかりました。
これもおそらく狙っていたプレーの一つ。幸先良く先制です。
25分を過ぎたあたりからモウティーニョがたまらずアンカーまでプレッシャーをかけ始めましたが、上述の通りこれは逆効果。より押し込まれることになり、頼みのWBは、ウルヴスの攻撃時に出遅れてしまいます。
ドリブルが始まっても怖くはない位置にいるトラオレにボールを預けなければいけないシーンも見られ、シティの2点目はそのトラオレのパスをカットしてからのショートカウンターでした。
32分の流れるような攻撃はシティファンみんながガッツポーズしたと思います。
そして、なによりもフェルナンジーニョのアンカー。
これは世界中が再認識した事実。
フェルナンジーニョはアンカーの選手
無駄がないというか、縦パスのタイミングも絶妙だし、微細なポジション修正も瞬時に行い、チームメイトがいてほしいところにいる。確実にチームがボールを前進させられるベターな手をいくつも持ってるみたい。
昨シーズンずっとCBでプレーしていたけど、今日の試合を見て、フェルナンジーニョがアンカーでプレーできるスカッドになったことが一番の補強だと思いました。
さて、狙いががっちりはまったシティとトラオレのポジションが仇となったウルヴスと対照的な前半を過ごした両チーム。
後半に進みます。
後半
抑えきれない苦手意識 ~70分
両チームメンバー交代はなく後半開始。
後半が始まって10分間は良かった。
トラオレにプレッシャーをかけるよりも、ネベス、モウティーニョに寄ってパスの成功率を下げさせる作戦はとても効いていました。
流れが傾いたのは54分。
トラオレがパスをせずに単独突破。メンディーが簡単に抜かれ、ポデンセへラストパスを送られたシーンです。
見ている方も「あれ?」と思ったはずです。
後半と変えてないんですが、なにも変わってないと思うんですが、明らかに流れが変わりました。
前半はトラオレにプレッシャーをかけ、トラオレのパスとそのパスの先を狙っていました。しかし、トラオレは狙われているのが自分だと思い、こんな考えに思い至ります。
パスはしないでメンディーぶち抜こう
これが攻めこまれた10分間の理由です。
これは誤算だったのか、わかっていて対処できなかったのかわかりませんが、これまたメンディーが1対1に弱い弱い笑
54分、60分とあっさり抜かれてクロスをあげられます。しかも割りと余裕で。
左SBが昨シーズンから狙われ始めた理由がこの試合を見てわかったと思います。
ディフェンスの練習をしましょう。
また、59分のシーンは初めてウルヴスの狙いが成功したシーンです。
ヒメネスがアケを背負った状態で下がってきたところで、モウティーニョがすぐさまフォロー。ヒメネスがボールを落としたときには後ろの広大なスペースにポデンセが飛び出します。
前を向いてフリーなウルヴスCHはいとも簡単にスルーパス。決定機でした。
ポデンセのループシュートはギリギリでゴール上へ外れました。
CBのスピードにもよりますが、シティにおいてCBが引き出されるのは致命的です。今回のシーンはメンディーのパスミスにより陣形が崩れていたとはいえ、ダブルボランチも間に合わず、ただボールの動きを見ているだけしかなかったシティ。ここは改善の余地があると思いました。
シティが疲れてきたのか、ウルヴスのエンジンがかかったのか、ウルヴス3-4-3で前から仕掛けてくることになります。
デ・ブライネも下がり、後半は3トップ+中盤3枚でウルヴスの2CHを囲み、ウルヴスの攻撃をなんとか食い止めていた印象でした。
最後はハードワーク ~後半終了
試合は終盤へ。
ウルヴスはより明確に左サイドから攻撃を仕掛ける。
75分 質的優位を保ったトラオレがメンディー相手に仕掛けてCKを得る。
そのタイミングでポルトから加入した18歳ファビオシウバが入ります。
ものすごく期待はありましたが、まだフィットしていないのでしょうか。目立つこともありませんでした。今後に期待。
78分 そのCKからウルヴスが得点。
CKの跳ね返りを確保したトラオレからボールを受けたポデンセは、対峙するデ・ブライネをまた抜きでかわし、クロスをあげた。
その先に待ち構えたヒメネスがだれよりも高い打点でヘディングを突き刺しました。
うーん、終盤になるとプレーに荒さが目立つデ・ブライネはなんとかならないですか。と数シーズン前から思っているところです笑
その直後にフェラントーレスがシティデビュー!
楽しみだったんですがほとんどボールにも絡めず与えられたタスクも読み取れずで、ファビオシウバと同じくこれからに期待という感じです。
90分が近づいてからは、ボールキープで時間を使うシティ。
ウルヴスに勝つ、ということの意味を選手たちはよく知っている。走るしかないし、時間を使って時計を動かすしかない。
そんななか生まれたもっとも欲しかっただめ押し弾!
ガブリエル・ジェズース!!!!
ドヤ顔のはずなのに困ってそうな表情。たまりません。
しかも、このゴールは左サイドの混戦からデ・ブライネの足にボールが当たり、ジェズスへ。
そのジェズスが右足で振り抜くとウルヴスDFにあたりゴールへ。
ゴールがほしい!
その気持ちがしっかりと現れた最高のゴールでしたね。
最後にSBのプレーについて
最後に言わせてください。今日のSBの選手たちのことを。
ウォーカー
素晴らしいの一言。フォーデンとも息がぴったり。ケースバイケースでレーン移動を緻密に繰り返してビルドアップに貢献。守備では再三仕掛けてくるヴィナーグレをがっちりと止め、左から攻められたのはほとんどなかったと思います。
メンディー
悪いところが全部出た試合。
対人の弱さ、仕掛けない消極性。なかなかシティの左SBとして殻を破れないメンディー。
試合後のインスタ。トラオレとのマッチアップの写真あげてるけど惨敗してるじゃん!
唯一感心したのは前半ロスタイムの内側への動き。フェルナンジーニョのパスを引き出した非常に効果的な動き。
トラオレとの1対1はスピードを気にして重心が後ろになる気持ちとてもわかる。でも、踵までつけてちゃだめだ!メンタルの後ろ向きなところが体に出てましたね。
アダマトラオレ
驚異。
前半はシティにはめられて、チームの穴のようになっていたけど後半は圧巻のドリブル。
バルサのカンテラ育ちだからなのかドリブルだけでなくキープもできる。2シャドーの一人だったら本当にこの試合も危なかったと試合が終わって冷静に思う。
ヴィナーグレ
新加入マルサウが8分で負傷交代。準備もままならないなか投入されたが、後半は良かった。
ウォーカーに対して何度も仕掛け、チームへの意識を前に向けるプレーを連発。今、プレミアリーグで右SBと言えばウォーカー。そんな選手に向かって物怖じせず立ち向かっていく姿には応援したい気持ちすら芽生えさせる。まだ21歳。ポルトガル。
いやー、ポルトガルは良い選手たくさん出てくるなぁ。
ということで、レビュー一発目。久しぶりだったし、新しくTacticalistaを使わせていただくので、非常に難しかった。
だがしかし!
ウルヴスに勝てたということがとてもうれしい!
怪我人がさっそく多くて今後に不安があるけれど、アケの落ち着き、ストーンズの復帰がとてもポジティブに見えました。
相変わらずデ・ブライネは鬼だし。
それでは!
スタメン予想 ~不運の星の元にだれが生まれたのか~
「あ~今シーズンは21アシストだな」
※引用:ManCity公式Twitter
こんにちは
tadashiです。
日本時間で22日の4時15分。
ようやくマンチェスターシティのプレミアリーグ20-21シーズンが開幕します。
目次
はじまり
楽しみですね!
今シーズンは昨シーズンの反省を活かして、中断後の攻撃力、ものにしつつある守備ブロックを強化して、リバプールを倒して覇権奪回!
え?
CBが足りないって?
クリバリの合意の報道が甲子園出場校の紹介に聞こえるって?
アウアーはどうしたって?
IH足りないだって?
だまれ!!!!
だまりなさい!!
ペップを信じて、応援しよう!
(ヨーロッパサッカーの総合移籍サイドでマンチェスターシティの動向を逐一確認しながら)
シティの初戦を直前に控えて、昨シーズンのようにシティ開幕のスタメンを予想したいと思います。
出場に向けて
ごめんなさい。
まずは出場不可の選手をピックアップ
■怪我等
CB ラポルト
⇒ 新型コロナウイルス陽性反応により自主隔離(症状はありません)
MF ベルナルドシルバ
⇒ 代表で怪我をしてしまったようです。
MF マフレズ
⇒ 新型コロナウイルス陽性反応により自主隔離(症状はありません)
FW アグエロ
⇒ 膝の怪我が長期化しています。バルセロナでの手術からリハビリは続けていると思いますが。
個人的にまだ出場は早いと思う選手
■合流直後
CB アケ
⇒ ボーンマスから加入
MF フェラントーレス
⇒ バレンシアから加入
■man who mistakes as a professional soccer player
反省しろ!
SB ウォーカー
MF フォーデン
スタメン予想
ババン
多くの人が予想している4-2-3-1を予想。
まずはDFライン
メンディーが開幕に合わないだろうなと勝手に思って左はカンセロ。右は自粛期間のあれこれを考慮してもウォーカーしかいない。
CBは加入すぐにアケを出すとは思えず、オタメンディの兄貴とフェルナンジーニョをセレクト。ストーンズがコンディション整っているならぜひフェルナンジーニョはスターターから外してあげたいのですが…。
続いて中盤
ダブルボランチを予想します。
ギュンドアンとロドリです。ギュンドアンにCB脇に落とさせてカンセロを高い位置に置くかなと推測。
ロドリは中央でさばいてくれ。
トップ下はパスの鬼デ・ブライネ。シーズンオフに第三子が生まれ、ちびらいねに囲まれ勢いはさらにパワーアップ。もはやデ・ブライネを王様としてチームを組み立ててもいいのでは?と思います。
デ・ブライネの欠点はなんと言っても、感情がプレーと表情に出ることです。時々、「はー、だめだめ、無理」と適当に蹴ることあるんで、今シーズンのキャプテンフェルナンジーニョはそこに喝!を入れてほしい。張本さんのように。
最後にFW
中断明けはジェズスに任せていた前線は今シーズンとしばらくこのキングオブ困り顔に任せることになりそう。
本当は、フォーデンは試合に出したくないのです。あんなこと絶対にやってはいけません。
でも、
人がいないんです笑
フェラントーレスは加入から日が浅く、ペップがいきなりスタメンから使うかな?と疑問に思います。
それはDFのアケも同様です。
というのが僕の予想でした。
このフォーメーションの問題は右サイド。ウォーカーを偽SBとインナーラップという昨シーズンのようなプレーをさせると内側に入ってくるフォーデンとスペースが被ります。
右サイドでどのように攻撃するのか見物です。
ということでこれが僕のスタメン予想でした。みなさまはどう予想しますでしょうか。
が、しかし
僕はどうしても使ってほしい選手がいます。
希望スタメン
最後に希望スタメンを載せて終わりにしたいと思います。
ジンチェンコー!!!
個人的な感情入りまくり笑
顔の似てる二人で撹乱するしかないですね。
冗談です。
このスタメンは、左サイドのトライアングルが魅力になるはずです。
ペップさん
ぜひお願いします!
ちなみに対戦相手のウルヴス。
昨シーズンはシーズンダブルをやられてます。
ウルヴスは中2日だか3日だかで、アダマトラオレがフル出場してるようですよ!あの人に疲労なんてあるのかとても心配ですが、少し疲れてくれてるといいですね笑
とにかく。
シティのシーズンが始まります。結果に心踊らせ、結果に落胆する忙しい10ヶ月が楽しみで仕方ないです。
それでは!