ManCityを追うものは一兎を得ず

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マンチェスターシティとレアル・マドリー。時々それ以外

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帰ってきた戻るべき場所 第20節 vs ウェストブロムウィッチアルビオン

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こんにちは。

tadashiです。

 

戻ってまいりました。

1月チェルシー戦以降の3連戦はのちのちまとめて書いていくとして、水曜日のゲームを振り返っていきたいと思います。

ウェストブロムウィッチアルビオンWBAとの試合です。

前回対戦は第13節。痛恨のドローゲーム。

僕もここで大層な愚痴を吐いてしまいました。

 

tadashicity.hatenadiary.jp

 この直後WBAのビリッチ監督が解任し、今のアラダイスにかわっています。

監督交代から流れがよくなっているわけでもなく、

失点が失点を呼んで、新監督就任後すでに22失点しているようです。

まだ7試合しかしていないので毎試合3点取られている計算です。

すごいですね。

 

 

今日の試合は実に素晴らしい結果でした。

これでついに単独首位。

 

 

 

 

結果

WBA 0 - 5 マンシティ

 

6' ギュンドアン(asisst by カンセロ)

20' カンセロ(asisst by ベルナルド)

30’ ギュンドアン

45’+2 マフレズ(asisst by スターリング)

57’ スターリング(asisst by マフレズ)

 

 

ハイライト


HIGHLIGHTS | WEST BROM 0-5 CITY | CANCELO, GUNDOGAN, MAHREZ & STERLING GOALS

 

 

スタメン

両チームのスタメンはこちら

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ホーム WBA 4-4-1-1

チェルシー戦からというもの4バックのチームとの試合が続きます。

GKはプレミアセーブ数現在No.1のジョンストン。まあ、失点の多いチームですから、シュートを打たれる本数も当然多くて、この試合の前にすでに78本のセーブ数でした。彼がいなかったらいったいこのチームは何失点していたのでしょうか。

前節ダイナミックなボレーを決めたグラントは左SH。

前節出場していた若いギャラガーは今回は出場せず。

 

 

アウェイ マンチェスターシティ 4-3-3

前回対戦では繰り返される4-2-3-1に怒りを感じていたことが遠い昔のように感じます

そんな気持ちを払しょくする見慣れた4-3-3は、デブライネの怪我により、ベルナルドシルバがその位置に入ります。

アグエロはいまだに復帰せず、ジェズスもファーストチョイスにならない現段階でペップが選んだ1トップはマフレズでした。

WGはチーム内得点王のフォーデンと突然髪形を戻したスターリンです。よほど不評だったのか、あの髪形じゃ点が取れないのか、早かったですね。

そしてSBには我らがジンチェンコが名を連ねています。今日は後半IHにもポジションを移していたので後半はそこを書いていきたいと思っています。

 

 

前半 WBAが狙ったもの

前半開始。

大方の予想を裏切り、開始から攻勢に出たのはWBAでした。

 

試合の開始から最終ラインを押し上げ、シティのパスにも臆せず前からハイプレスをかけてきます。おそらくシティ側もここまでのハイプレスは予想しておらず、少し受けてしまった印象でした。

ファーストシュートは2分。WBAです。左サイドのロングスローからチャンスを作られました。混戦になりボールがこぼれ、前に残っていたアジャイがシュート。エデルソンのセーブで難を逃れます

シティがクリアしても即時奪回を狙う。セカンドボールへの反応が早かったです。

 

負けじと3分にはスローインからのクロスを跳ね返し、ベルナルドが中央をドリブル。左を走っていたフォーデンが受け、切り込んでシュート。これはジョンストンの素晴らしいセーブ。

 

 

展開が早く、さっそく両チーム1本ずつシュートを打った5分間。まだ、お互いのゲームの運び方も見えてないところで、先制点が入ります。

 

6 カンセロから、前方へ飛びだしたギュンドアンへ浮き球のスルーパス。後方からのボールを左足でトラップしてすぐさまミドルシュート!これでギュンドアンリーグ戦3試合連続ゴールです

WBAは流動的に動くシティの前線につられて、ラインがぐちゃぐちゃでした。

一応ゾーンで守っているように見えたけど、サイドバックスターリングの位置により、下げさせられて、ギュンドアンオフサイドにならずにボールを受けることができました。

 

 

ここでようやくボールが落ち着いたので両チームのシステムを確認。 

 

マンチェスターシティ ボール保持

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基本はジンチェンコが下がった3-2の形でビルドアップ

ここまではいつもと変わりませんが、今日の試合はマフレズの0トップを採用します。

マフレズは前線にポジションを取り続けるのではなく、ロドリの近くまでボールを受けに引いてきます

前半5分のハイプレスから落ちついてしまったWBAは、引いてブロックを作ります。マフレズは密集した中央を避け、そこから離れるようにフリーでボールを持つようになりました。当然、常にフリーでボールを動かさせるわけにはいかないので、だれかしらケアしにいかなくてはならず、4-4のブロックは少しだけ間延びしてきます。3分のフォーデンのシュートからもわかるように、WBAのブロックは非常にコンパクト。おそらくサイドチェンジへは対応ができないほどだと思いました。

 

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マフレズの0トップによりマークにあいまいさが生まれたWBAに対して、シティはさらにマークのずれを生み出させる動きを見せます。

それが上の図になります。点線は人の動きを表していますが、矢印が多すぎて戸惑いますね。

これこそがシティがWBAディフェンスに仕掛けたものでもあります。

 

 まず、左サイド。

 元々マフレズのいた位置にはギュンドアンが入り、その空いたハーフスペースにはフォーデンが、さらにフォーデンが動いたことで出てくるワイドのスペースにはジンチェンコが動きます

 

 続いて、右サイド。

 コンパクトなWBAディフェンスは、左サイドの動きにより混乱が生じます。ゾーンでありながら、選手の距離が近いため、マークの受け渡しは曖昧になり、管轄のエリアから飛び出した選手がフリーになることもしばしば

 そんな状況を利用して、スターリングは斜めの動きでDFラインと中盤の間やDFの背後を狙って動いていました。その空いたエリアにはベルナルドが入り、下りてボールを受けたマフレズへのスペース確保も忘れません。

 

 そしてなんといってもこの試合最大の特徴は、ここ最近のカンセロロールです。

 崩しの局面では、ロドリの前にカンセロを置き、その攻撃センスをいかんなく発揮させていました。サイドチェンジ、ラストパス、くさびと攻撃に関するほとんどタームで絡んでいたカンセロ。特に今日のWBAはなるべくペナルティーエリアに侵入させないことを第一に守備ブロックを敷いていました

 そのコンパクトな中央のブロックを動かすために、左右それぞれのサイドでオーバーロード(攻める側で人数をかけ、相手守備を寄せる)して、カンセロやギュンドアン経由でサイドチェンジ。そこからの素早いフィニッシュ、というのがうまく機能していたと思います。カンセロが真ん中にいてただでさえ守備に不安のあるカンセロがいる右サイドは大丈夫か?と思うかもしれません。

 

でも、安心してください。

ストーンズが大きく開いた状態で攻撃をしているので、カウンター時はストーンズが右サイドにいるんですね。なんにも心配いりません。

 

 ■マンチェスターシティ非保持

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続いてシティの守備、WBAのプレス回避→ビルドアップです。

結論から言うと90分を通してWBAのビルドアップ以降の展開はありませんでした。試合のほとんどをシティが支配し、得点を重ねようが手を抜くことはありませんでした。

 

さて、上の図はWBAゴールキックの場面です。マフレズが最前線。スターリングが気持ち前に位置し、フォーデンが後ろに下がる形。ベルナルドも右にずれるようになり4-4-2となります

WBA4バックなのでゴールキックではCBが開いて、つなぐ意思は見られました。しかし、5分間のWBAのようにシティもハイプレスを仕掛け、パスコースは失われます。CBが開いた中央にDHのだれかが下りようものなら、シティのIHがついていく。

プレス回避は結局SHへのロングボール一辺倒となってしまいました。

 

 

15分を過ぎてから、もう前からいけなくなってしまったWBA

仮にWBAがボールを回収しても前から2枚プレスに行くようにしているシティ。ギュンやベルナルドでボランチへのパスコースもふさぎ、CBやGKは中途半端に蹴るしかない。それを回収し、また攻撃を再開します。

 

そんな展開が続いた21分。シティに待望の追加点が入ります。

これは仕方ないというルールの穴というかなんとも言えない得点。カンセロがプレミア初ゴール。変なタイミングのオフサイドフラッグの旗。笛を吹かない主審。決まったゴールに対するVARはオンサイドでした。

 

 

前半はまったく展開が変わらず。 

30分にはギュンドアンが2ゴール目。

裏へのスルーパスWBAがクリアしたが、ルーズになったところをハイプレス。ベルナルド、ギュンドアンと連動したプレスはWBAのミスを誘い、ギュンドアンがボールをカット。そのままペナルティーエリア内で切り返して左足で流し込みました。直近8試合で7ゴール。ストライカーかよ。

 

 

3点目で試合は決まりましたがとどめのゴールがロスタイムにも決まります。

右でキープして中央ワンツーからのギュンドアンにフライスルーパス。そのクリアをキープし、左でDFを寄せてまた右へ展開。マフレズが受け、シルキーなトラップからカットインでシュート。

 

これでほぼ負けが確定したWBAホーム連続3失点以上の記録が連続4試合になるという不名誉な記録がつくことがわかり、前半が終わります。

 

 

後半 ジンチェンコのIH振り返り

後半開始

カラム・ロビンソンがバートリーにチェンジ。最終ラインの真ん中に入ります。

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これでWBAは5-4-1となりグラントを最前線に。勝利をあきらめ、これ以上の失点をしないようになシステムに変更したアラダイス監督。いいのか、それで。

と、前回対戦時にシティに言った言葉をアラダイスに捧げます。

 

ところで途中出場したバートリー。実はアーセナルU23にもいたらしいです。その後レンジャース、スウォンジーバーミンガム、リーズを経て、WBA。転々としている29歳。なんと身長194㎝。前半4失点に対して、後半1失点。バートリー投入の効果は多少出ていたかもしれませんね。

 

後半はスターリングがほぼ1トップの位置にいます。変わらず優勢に試合を進め、4点差で勝っているにも関わらず、およそ手を抜く様子はありません。

まず51分のロドリのミドル。バーをかすめる見事なシュート。左右に振られすぎて、WBAペナルティエリアの前でプレスがかけられません。

 

52分ほとんど勝ちが決まっているシティが動きます。

ギュンドアンとフォーデンがアウト。

ラポルトとフェラントーレスが入ります。

 

そうです。ジンチェンコがIHです。

 

 

 

WBAは5-4ラインをコンパクトに保ちます。ブロックを深く作り、カウンターで一矢報いる。そんな作戦を感じます。

それに対してロドリの前にジンチェンコ、ベルナルド、カンセロを並べる。3-1-3-3の布陣で殴り続けるシティ。

 

そして57分。スターリングがシティ5点目を決め、完全に試合は終了しました。

左からジンチェンコがラポルトの縦パスを受けてフェラントーレスへスルーパス。中央のスターリングにパスをし、トラップしてシュート。跳ね返りをロドリが広い、右マフレズに浮き球。そのマフレズはダイレクトで中央スターリング。見事な得点でした。

 

 

残りはジンチェンコIH

さて、残りの時間はひたすらにジンチェンコのIHでのプレーの記録を残していきます。

フォーデンよりもオフザボールの動き出しが良いフェランとの縦関係を作ります。

 

70分 ジンチェンコがコーナーキックのキッカー

中央にいるディアスを狙ったいいキックです。

 

IHに入ってはいるものの、だいぶバランスを気にして、最前線に行かないようにしていると感じました。狭いところで背負って受けるのが苦手なのかもしれません。

 

73分 またもコーナーキックはジンチェンコ。ラポルトを狙う。ヘディングシュートを演出。

 

74分 右サイドでボールをもっているときに、左から斜めに中央へランニングを見せました。

 

ダイレクトプレーがほかの選手よりも多い。ドリブルもキープしてルックアップもほとんどなし。

 

76分 ペナルティーエリア手前中央で縦パスを受けて最高のターンから左へ展開。

 

 

77分 コーナー3回目。今回は合わず。

78分 コーナー4回目 次は大外へ。密集の裏にいるジェズスを狙った。4回とも左からアウトスイングになるコーナー。

 

79分ラポルトをあげてCBとラポルトの間の位置に。

 

85スターリングとのワンツーを狙う。浮かしたけど相手の足を越えず。

 

88分 中央でペナルティーエリア内へスルーパス。惜しくもシュートまで行かず。

 

90+1分 ジンチェンコペナルティーエリア内を走る。カンセロが中央でボールを持ち、右足で切り返したときに抜けたがパスは出なかった。

 

ここで試合終了。

 

 

感想は以下

ビルドアップ:WBA中盤の4枚の背後から顔を出し、はたいたら左にずれ、ラポルトを上げる。

崩し:ペナルティーエリアに入っていく姿勢も見せ、サイドのエリアを空けておくためなるべく中央に位置していました。

 

4点差の状態でのポジションチェンジ。

シュートチャンスもなく、攻撃の活性化でジンチェンコをIHにしているわけではないのかもしれないと感じました。前半からぐいぐい前に行き、攻撃性を発揮していたカンセロとは役割が全く違っていました。

気になるのはハーフスペースへのポジションが少なかったこと。

もっとゴール前に飛び込んでもいいと思います。点差が離れているってのもあると思うけど、

安定感だけじゃIHで試合に出るのは難しいのかなと思いました。まあ、シティにおけるジンチェンコの魅力はワイドから繰り出される味方を前向きでペナルティーエリア手前でプレーさせられる斜めのパスですからね。あとはテンション

 

 

シティ好調の分岐点

さて、プレミアリーグは半分の19節が終わり、折り返しの20節に突入しました。

マンチェスターシティはコロナの関係でエバートン戦が延期になっていますが、12勝5分2敗という成績で単独首位。13失点はリーグ最小です。

 

序盤は特に毎試合課題が露になり、失点はするが得点が取れない。引いてカウンターを狙うチームに攻めあぐね素直にカウンターを受けて失点。

 

そんな負の連鎖がたち消えた瞬間というのが14節のセインツ戦でした。

スコアは1-0の勝利ではありましたが、これまでのデブライネ依存が解消されました。

 

その要因が、ベルナルドの起用と、SBのIH化でした。

これにより起きた現象は、デブライネをあらゆるタスクから解放したことにあります。

細かい戦術的なことを言えばたくさんあるのですが、マンチェスターシティにとってのデブライネは絶対的な選手でありながら替えもきく選手でなければなりません

 

その光がこの試合で見えたと僕は思っています。

 

 

ということで今日は以上になります。

 

この試合の勝利の後、単独首位となったわけですが、それはブレイズ(シェフィールドユナイテッド)がマンチェスターユナイテッドに勝利したからです。

次節はそのブレイズとの試合です。デブライネとウォーカーはおそらく引き続き欠場となる可能性が高いですが、今のシティであればだれがでても絶対に勝てると信じています。(できればジンチェンコをスタメン起用してください。)

 

それでは!