ManCityを追うものは一兎を得ず

水色と白

マンチェスターシティとレアル・マドリー。時々それ以外

MENU

プレミアリーグ 第36節 vs ボーンマス ~残留の執念に巻き込まれる~

f:id:tadashicity:20200717000515j:image

 

こんにちは。

tadashiです。

 

今日の試合は日本時間2時からでした。

2時というのは日勤の人からすると非常に微妙な時間帯ですよね。試合が終わる頃には4時近く。朝から仕事だと考えると、なかなか厳しい。しかし、来シーズンに向けてどのようにチームを再構築していくのかファンとしては追っていかなければいけませんので、当然、この試合もリアルタイムで見たいとおもっていますし、見るべきだと感じ、自分を律し、たきつけ、心の衝動をおさえて、仮眠をとりました。

 

最初に白状します。

朝は一瞬です。

 

朝はだれにでも平等にやってくるけど、それがいつ来るかわならないのはなんとも不平等ですね。

 

ごめんなさい、すぐに朝でした。

 

 

前回対戦記事はこちら


PL 第3節 vs アウェイBournemouth戦 - tadashicityのブログ

前回は5-4-1なんですね。

ボーンマスは、フィジカルの強い選手が多く、シティはそこに苦戦してました。

 

目次

 

 

結果

Manchestercity ⚽⚽

Bournemouth ⚽

 

得点

6' ダビド・シルバ (FK)

39' ジェズス (assist by ダビド・シルバ)

88' ブルックス (assist by カラムウィルソン)

 

スタッツ   マンシティ : ボーンマス

ポゼッション  72% : 28%

シュート数 8本 : 15本

枠内シュート  4本 : 3本

パス 756本  :  285本

パス成功率  88%  :  65%

ペナルティエリア内のシュート  6本  :  13本

 

スタッツを見るだけでも両者の戦い方が目に浮かびますね。

いつものようにパスを繋いで崩していくマンシティ。

相手のパスを引っ掻けて手数をかけずに攻めきるボーンマス

普段のスタッツと違うのはマンシティが倍もシュートを打たれているということです。今日のボーンマスは、残留がかかっていることもあり、気持ちが入っていたし、狙いも明確で、戦略的でした。

 

MOM

ダビド・シルバ 

1ゴール1アシスト

 

ハイライト


https://youtu.be/9tYvS5gHuyk

 

 

フォーメーション

f:id:tadashicity:20200717072119j:image

4-2-1-3 vs 4-5-1です。

中盤フラットのボーンマスがどのように守り、攻撃へ切り替えてくるのか。

 

マンチェスターシティ


f:id:tadashicity:20200717072338j:image

ホームのマンチェスターシティ。

ギュンドガンフェルナンジーニョのダブルアンカーで、ダビド・シルバがトップ下に。

フォーデンは今日も左WG。

ジェズスは今日も解説粕谷さんとの組み合わせ。

 

後半両SBは交代します。右SBはエリックガルシア。人が足りないんですかね。

 

ボーンマス

f:id:tadashicity:20200717072644j:image

中盤5枚がフラットに並ぶ布陣。ハーフスペース対策だと思います。

ソランケ、キング、ビリングとフィジカル能力の高い選手が揃う。

ケリーは21歳の左利きCB。貴重!

控えにも、ブルックス、ダブルウィルソンと、早かったり走れたりする選手が充実している。対マンチェスターシティであれば、フィジカルバトルで勝てそうなメンバー。

 

前半 ダビド・シルバボーンマスの決まりごと

試合開始。

前説で2位が確定したマンシティと残留争いの渦中にあるボーンマス。試合に対するモチベーションは大きく異なる両者の試合。どのように動いてくのか楽しみです。

 

普段は15分まで両チームの動きやフォーメーションを確認していますが、試合はさっそく動きました。

 

 

5分

ウォーカーから斜めのグラウンダーのパスがシルバへ。シルバにファウル。

ペナルティエリア手前の位置でFK。シルバの左足は美しい軌道を描きゴールマウスへ。少し、ボーンマスの壁のつくりが甘いかと思いましたが、それでもまたシルバはFKでゴールです。

まさかのこんな早い時間に得点が入ります。

 

 

ということで、仕切り直し

 

簡単に両チームの狙いをおさらいします。

この試合の図式は単純に遅攻と速攻です。

 

マンシティの遅攻に対してボーンマスの速攻です。(マンシティにも速攻ありましたが、そこまで印象に残っていないですね)

 


f:id:tadashicity:20200717214428j:image

青がマンシティ

 

今日の基本セットはこんな感じ。ギュンドガンが左SBの位置に下り、メンディーを高くあげるスタイル。そのときのボーンマスの配置が赤のマーク。

スタートのフォーメーションは4-5-1。しかも中盤フラットです。

 


f:id:tadashicity:20200717214622j:image

1トップのソランケはリバプールにもいた若いFW。彼に与えられたタスクは単純明快。

 

「ロドリを離すな。チームがボールを奪ったら素早く飛び出せ。なるべくいろんな方向に」

 

ソランケは忠実に任務を遂行。

 

 

中盤の選手は以下のように動きます。

・右SHはメンディーについていく

・CMは一人シティのCBにプレスをかける

・左SHは左SBがシティのSBについていったスペースをうめる

・全体的にコンパクトにハーフスペースを消す

この場合はボーンマス右SHがディフェンスラインに吸収され5-4-1に。

 


また、中央からゆっくりシティが攻めてくる場合は中盤がフラットに並びます。

ボールがある目の前の選手がプレスをするという作戦のようでした。岡田監督がワールドカップ2回目の指揮のときのカメルーン戦のようなイメージです。ピッチを縦に5分割し、ゾーンのように守ることで効率的に相手へプレスをかけることができました。

 

また、別のシーンではアンカーがダビド・シルバをマークし、残りの4枚がソランケと連携してプレスをかけるという守備も見せました。形としては4-1-4-1。

 

シティの動きに対してさまざまなアプローチで守りを固めるボーンマス

これは前半よりもモチベーションの差が出る後半に効果がありました。

 

 

一方、ボーンマスの攻撃はというとシティのパスミスを狙ったり、アンカーの押し上げの遅さを利用してダビド・シルバとアンカーの間を利用したり、SBが上がった裏を使ったりとこれまたけっこう多種多様に攻めてくる。

ボールはキープされるけど、シュート数はボーンマスの方が多いという結果が出ています。

 

例えば

 

22分にはシティのプレスの連動が悪く、クロスをあげられる。

 

31分には、チェルシー戦で見たようなギュンドガンが目をそらしたすきにメンディーがパスをして、取られる。それに対応で与えたファウルでFKをいいところに打たれるもエデルソンのスーパーセーブ。

 

37分には、ペナルティエリア内でボールを持ったゴブリンから、ソランケへラストパスで決定機

 

というようにいつの間にか前半だけで8本のシュートを浴びたシティ。後半に向けて非常に嫌な空気を感じました。

 

 

 

さて、そんな嫌な空気を一時的に戻したのが我らがキングオブ困り顔ガブリエルジェズス。

39分にダビド・シルバから受けたパスをペナルティエリア内で相手のタイミングを外すようなトラップでディフェンスをずらし、シュートを決めました。

 

ダビド・シルバは加入から10シーズン連続で2桁アシストを記録していて、シティへの貢献度がわかります。

もういなくなってしまうなんて悲しい。。

 

 

それにしても前半もしっかりと粕谷さんのジェズス批評が繰り出されていましたね。

アグエロと比較し続ける粕谷さん。ジェズスへの期待の現れなんでしょうか。

 

しかし、今日の粕谷さんのコメントには考えさせるものがありました。

「ジェズスはアグエロに比べて、状況に応じたポジション修正が足りない」 

たぶんこの人ジェズスも大好きですね。

的確すぎます。

 

 

後半 左サイドの脆さ

後半開始

 

シティはウォーカーをエリックガルシアに、ベルナルドシルバをスターリングに変えます。

 

これによりボーンマスはさらに攻勢をかけることになります。

ボーンマスは残留争い真っ只中なので、2点、いや、3点取りたいぐらいです。

シティのビルドアップを受けてたって拾えたらカウンターなんてやってる時間はありませんので前線からガンガンプレッシャーをかけます。

 


f:id:tadashicity:20200718120809j:image

ボーンマスのプレイエリアです。

心なしかラインも高くコンパクトですよね。ディフェンスラインの高さはシティとも変わらないぐらいです。

GKにもCBにもプレスをかけるボーンマス。これによりシティ側はボールを前進させなければいけなくなりました。

 

今までは、自分たちのタイミングでボールを前進させ、サイドに寄せて逆サイド、もしくは中央にボールを動かしていましたが、今日の試合の後半に限ってはプレッシャーの強さにボールを前進せざるを得なくなり、攻撃したあとにボーンマスに攻められたり、ボールをカットされて攻められるというシーンが目立ちました。

 

マンシティのチャンスは、ダビド・シルバにボールがうまく入ったときぐらいでしたね。

 


f:id:tadashicity:20200718121558j:image

フェルナンジーニョのヒートマップです。

前に出すぎてはいませんか?

試合を見ていたときは、

「今日のジーニョは積極的に上がるし、むしろギュンドガンよりポジション高いときもある。気持ち入ってる。」

と勘違いしていました。

 

ボーンマスからするとフェルナンジーニョが後方で控えていない方が攻めやすいんですよ。

 

少しずつペナルティエリア内に侵入されることの多くなったシティ。勝っているのに、前にボールを送ることになる展開に、アンカーの守備に対するアンテナが機能してなかったのだろうと思いました。

 

68分には、

ソランケ → カラムウィルソン

スタニスラス → ブルックス

ゴズリン → クック

ボーンマスが動きます。より走れる選手を投入しました。

 

そこで狙われたのがマンシティ左サイドです。元々、メンディーが高い位置をキープするので、裏をとれば対人守備に強いオタメンディをサイドに引き出せます。

63分のシーンがまさにそれです。ボーンマスのクロッサーへのプレスがオタメンディになっていました。

 

メンディーをジンチェンコに変えても状況は変わらず。

なんと後半のシュート数は2本です。少ないですね、びっくりです。

 

 

ボーンマスは4-2-3-1の形で猛攻。絶えずプレッシャーをかけ続け、シティのミスも誘発。

 

88分にようやくボーンマス同点に。

高いラインを保つシティDFの裏をカラムウィルソンが走り、真ん中につめていたブルックスにラストパス。

サイドからとても簡単に失点。

勢いはさらにボーンマスへ。

 

89分にもカラムウィルソンに決定機がありましたが、ここは入らず。

 

ボーンマスの厚みのある波状攻撃に苦しめまれましたがなんとか試合終了。

2-1で逃げ切ることができました。

 

 

SBのクロスの質

ウォーカーとメンディーのクロスの話です。

 

解説の粕谷さんも言っていましたが、ウォーカーのクロスはとてつもなく早いんです。時々シュートかと思うようなクロスをあげます。

 

一方で、メンディーは、怪我した足をかばっているのか、早いクロスというよりは若干ふんわりしたクロスをあげてしまいます。

しかも、精度もそこまで高くなくチャンスになることと少ない。アーリー気味に早く低いクロスをあげるときはそれなりに良いですがメンディーの少しもったいない部分です。

 

ジンチェンコの方がまだ低いクロスへの意識はありますが、ウォーカーには劣る。

ウォーカーがすごすぎるんですよね笑

 

ちなみに、なぜマンシティは、デ・ブライネも含めて、弾道が低く、早いボールを、クロスとして選択するのか。

 

それは、シティ攻撃陣の身長と攻撃スタイルに関係してます。

 

まず、身長。

 

FW

アグエロ 173cm

ジェズス 175cm

 

WG

ベルナルドシルバ 173cm

フォーデン 171cm

スターリング 170cm

マフレズ 179cm

マフレズ意外と大きいんだ。

 

IH

ダビド・シルバ 170cm

デ・ブライネ 181cm

ギュンドガン 180cm

 

背の高いマフレズ、デ・ブライネ、ギュンドガンに限って戦術上ゴール前に飛び込まないシティ。

185cmでも低いと言われるプレミアリーグの屈強なDFに競り合いでかつには駆け引きとボールの質が不可欠です。

 

では、攻撃のスタイルではどうでしょうか。

 


f:id:tadashicity:20200718114650j:image

マンシティの攻撃はボールを回しながら相手の配置をずらして、攻めていくスタイルです。

大きく分類すると4つのパターンにわけられます。

 

① 後方でのビルドアップ

② サイドからDF-MF間、もしくはハーフスペースに侵入

ペナルティエリアの隅を攻略

④ 触るだけでゴールとなるラストパスと、それを受けるためにここに入り込む

 

という手順になります。

ポイントは②から③に移行するときに前線中央には人が一時的にいなくなることが多いのです。

FWも一回引いて、クロス上がる前に走りこむのが通常で、フィジカル系のFWとは違いゴール前に準備していることはほとんどありません。

 

以上の2点から考えると、マンシティの攻撃として組み込まれるセンタリングは、

「空いたペナルティエリア内のスペースに走りこんだ選手がさわる」

もしくは

「そのクロスが流れた先にいる選手がさわる」

ことで得点が生まれるものでなければチャンスにはならないということです。

 

メンディーのクロスもボーンマスの選手に合わせるなら効果的かもしれませんね。

 

ちなみにこの話の例外はCLベスト16レアルマドリー戦のデ・ブライネのクロスからジェズスのヘディングでのゴールです。

あれは、ジェズスの駆け引き、ポジショニング、デ・ブライネのドリブルと切り返しからクロスまでの早さ、様々な要素がぴったりはまった素晴らしいゴールでした。

 

 

まとめ

今日の試合は、両チームのこの試合に対するモチベーションの差がそのまま現れたゲームでした。

そのなかでもボーンマスが果敢に攻めていく姿勢がこのゲームを面白くしたと言ってもいいと思います。

 

ボーンマスペナルティエリア内のプレー精度がもう少し高かったら同点にも、逆転もできただろうなと思いました。

あのプレーができてなんで降格しそうになってるのか不思議でした。

 

 

一方のマンチェスターシティ。

左サイドの欠点をつかれたような試合。どのかのだれかが補強箇所は左SBと言っていましたが、まさにそうだと思います。

メンディーはコンディションに並みがあり、数試合連続で出場すると筋肉系のトラブルが発生し、ジンチェンコは本職DFではないので守備に不安がありますね。

 

エリックガルシアの右SB起用はいまいちわからず。かの偉大なCBも初めはサイドバックだったぞという天の声が聞こえてきましたが、明らかにあたふたしてました。

 

スターリングの1トップ。ジェズスがいながら後半はスターリングを1トップにしていたのは、「アグエロ後」を見据えていると思います。

 

 

以上です。

今シーズンは残り2試合。レビューマラソンも残り2試合。

プレミアリーグの試合だけとはいえすべての試合で感想を書くのは大変です。とても勉強になる。

2位フィニッシュが決まったことで、チーム全体になんとなくふわふわした感じがあるマンチェスターシティですが、残り2試合もしっかり応援していきたいです。

 

それでは!

 

 

プレミアリーグ第35節 vs Brighton ~ブライトンになにがあった?~

f:id:tadashicity:20200712114339j:image

こんにちは。

tadashiです。

 

 

目次

 

 

はじまり

Jリーグも始まり、Jの試合のレビューが増えるなか、私はひたすらマンシティの試合を書いていきます。

 

 

タブレットのなかには非現実な世界がある。それはどこか遠く懐かしい気持ちになり、体験のできない高揚感を生む。

僕はとびきりのウイスキーをロックで用意して、深呼吸をひとつ。

時間は日本時間で4時。周りは一人だけみたいな、朝でも夜でもない不思議な時間。

画面の向こうで写し出される色、光。読み上げられる声。

ホイッスルが鳴ったら僕は夢の世界に入っていく。

 

 

起きたら10時でした。

DAZNのこの見逃し配信機能は本当に素晴らしい。

試合を見終わったのはついさっきです。

 

 

今日はブライトンとのアウェイのレビューです。

前回の対戦では4点取ってクリーンシートで勝利。昨シーズンは最終節に戦って、勝利を飾りリーグ2連覇を決めた相手。

正式にはブライトン&ホーブアルビオンです。

 

前節対戦記事[第4節]


PL 第4節 ホーム vs Brighton - tadashicityのブログ

ブライトンは5-2-3でセットし、前線3枚でロドリを囲むような守り方。攻撃時には、左WBが一つポジションを上げて4-2-3-1というフォーメーションでシティ相手にも果敢にビルドアップを深い位置から行うチームでした。

 

結果

Manchestercity ⚽⚽⚽⚽⚽

Brighton 

 

■得点

21' スターリング (assist by ジェズス)

44' ジェズス (assist by ロドリ)

53' スターリング (assist by マフレズ)

56' ベルナルドシルバ

81' スターリン

 

■MOM

スターリン

ハットトリック

 

■ハイライト


https://youtu.be/YnxRNxhH5EU

 

 

フォーメーション

f:id:tadashicity:20200712233706j:image

ホームのブライトンは4-4-2もしくは4-4-1-1でセット。前回の5-2-3とは大きく変えてきました。

ビスマ、プレパー二人のボランチが鍵を握ります。

アウェイのマンシティは、左IHにベルナルドシルバ以外は基本のメンバーです。ジンチェンコとメンディーでは今のところメンディーが一歩リードしてるのでしょうか。

 

ブライトン


f:id:tadashicity:20200712234016j:image

前回左CBをつとめていたバーンや、アーセナル戦で決勝ゴールを決めたモペイが控えにいます。

 

マンシティ


f:id:tadashicity:20200712234111j:image

前節MVPの活躍をしたダビド・シルバは控え。今日はブラボではなくスコットカーソンがGKの控えになっています。ギュンドガンはベンチ外です。

 

 

前半 人が変わったブライトン

ブライトンの狙い

試合開始

 

ホームのブライトンを確認

前回対戦では、後ろから臆せずパスを繋いでゆっくり前進しようというゲームプランでしたがこの試合は違うチームとなっていました。

繋げるところは繋ぐけど、なるべく早く前線にボールを渡し、左サイドのベルナルドやビスマのフィジカル、右サイドのモントーヤやモーイの経験とテクニックを使い分けながら攻めようという意志が感じられました。

 

f:id:tadashicity:20200713002524j:image

ブライトンはCBがボールを持つと中盤のビスマとプレパーは、CBのパスコースを作ろうと動きます。両SBもパスを受けられる位置をキープしますが、上の図の両チームの配置を見るとブライトンのビルドアップがあまりうまくいかなかった理由がわかります。

それはシティの守備のせいです。

CBがボールを受けるとシティのWGがSBへのパスコースを切りながらプレスをかけ、ワントップのジェズスは下がりながらボランチを消します。仮にボランチにパスが出てもシティのIHがついてきているので、そこで潰すことができます。

さらにその後ろはシティのアンカーとSBにマークされるので、CBとしてはパスコースがほぼ見えないことになります。

 

まあ、ブライトンとしては最初からそこまで後ろから繋ぐつもりもなかったように思えたので、そこまで気にしてなかったのかもしれません。

 

ビルドアップに明確な狙いがなかったブライトンの最大の狙いは「FWを残して、攻撃後の相手チームの背後を使う」ということです。

 

なので、どちらかというとシティの攻撃後が、ブライトンの攻撃のスタートとなっていたようです。

攻め込まれているときも、コーナーキックのときもFWのコノリーが一人最前線に立ちます。

ボール支配率が70%を越えていたシティ。さらに相手陣内に攻めている時間の多かったシティ。

コノリーは、この試合でもっともテレビに映らなかった選手だろうと思います。

 


f:id:tadashicity:20200713211332j:image

ちなみにこれがブライトンのFWコノリーのプレーエリアです。

攻められていたなかでも高い位置をキープ。何度かシティディフェンスラインの背後を狙っていた姿勢も伺えます。

センターサークルが濃く赤くなっているのは、攻められ続け、シティの最終ラインが高かったからだということもわかってしまいますね。

 

ベルナルドシルバの適応力

一方、アウェイシティのビルドアップは、いつもの形です。


f:id:tadashicity:20200713072503j:image

黒がマンシティ

 

ブライトンは、コノリーとグロスの2枚で、ロドリを挟み、シティのビルドアップ対策を敢行。ベルナルドやデ・ブライネの動きに対してもある程度はついてくるようです。

後ろはパスの受け手をマークするというのも定石のような形です。シティとすればいつもと変わらない相手の守備とも言えます。

 

個人的に驚いたのはこのブライトンの守りに対するベルナルドシルバの動きです。
f:id:tadashicity:20200713073035j:image

ベルナルドシルバは、CBラポルトの脇に下り、ボールを受けます。SBが本来いるべきポジションでゲームを作ろうとする姿をあまり見たことがなかったので、いつの間にかIHとしても完全に順応している!と思いました。

これまではもう少し中継ポジションにいて、ジンチェンコが内に絞るときのような位置でプレーしていたような気がしましたが、まるでマドリーのモドリッチのようにSBを高い位置に押し上げるためのポジショニングを取っていました。

さすがにここまでついていくと中央ががら空きになるので、プレパーはついていけません。マークが曖昧になったブライトンはスペースをシティに譲るような形になりました。

 

両チームの狙いがわかったところで、時系列で振り返りましょう。

 

3分のブライトン。

シティの右サイドから左に展開。モーイとモントーヤのコンビネーションでクロスまで。

 

5分

メンディーのクロスからジェズスのヘディング。

ここで出ました粕谷さんの辛口コメント。

 

14分にはモーイの飛び出しもありました。

 

先制点は21分のスターリング。

右サイドでボールを繋ぎ、マフレズがルックアップ。人に対してマークしていたブライトン。マフレズが前線へパスを出したときには、後ろにはCB2枚しか残っていなかった。一方、シティはジェズスとスターリングの2枚。質的には圧倒的にシティが上回りたった二人でフィニッシュまでいきました。

 

22分には、右サイドのスローインからマフレズが中央突破。左サイドを猛烈にかけあがるメンディーへ。

メンディーがそのままシュート。これが彼の魅力ですね。

 

この間ブライトンも黙っているわけではなく、アンカーを一枚にしたり、前線のセットを変えたり、工夫を施します。

25分のトロサールのシュートや、39分のシュート。

 

しかし、44分のコーナーキック

ロドリがヘッドでそらして、ジェズスがプッシュ。

久しぶりにコーナーキックからの得点を見ました。

ちなみにジェズスはこれまでプレミアで32点取っており、そのうち30勝をしているようです。すごい勝率。

すかさず粕谷さんも「このデータを糧にもっと頑張ってもらいたい」とのこと。この人ジェズス嫌いなのか笑

 

 

後半 アグエロがいなくても…?

技術の重要性

後半開始

 

 

後半は47分のメンディーのドリブル突破からスタート。

その後立て続けに、FKからデ・ブライネがポストにあて、53分にスターリングの2点目。

さらには56分のベルナルドシルバのゴール。

 

これによってほぼゲームは決まってしまいましたので、両チームとも残りは消化試合のような雰囲気に。

 

 

 

後半のポイントは「ブライトンのミス」です。

 

ビスマはボール奪取能力が高いけど、取られる回数も多い。

ベルナルドは、前ばかり見ていて視野が狭い。

ライアンはベルのど真ん中へのシュートをファンブル

 

せっかくいい位置でボールを繋ごうとしても

横パス、ポジショニング、ビルドアップとことごとく狙っているプレーを技術的なところでミスをし、シティにチャンスを与えていました。

 

前半から32分、35分、54分など中盤でのミスを連発。ミスを真剣な数えたら10は越えていたような気がします。

 

ブライトンは後半シュート「0」でした。

 

後半、メンバー交代をしたブライトンは、スティーブンズをアンカーに、ビスマやベルナルドが高い位置に。バーンが左SBなのかどうなのか、ベルナルドは非常に中途半端な位置が気になりました。

もし、前回対戦のときのように5バックから可変的に4バックへ移行させるつもりだったら、シティに攻めこまれすぎて、ベルナルドが戻れもせず攻めれもせずになっていたのでなんとなく事象に対する納得ができます。

きっとそうなんだろうなぁ。

 

 

スターリンハットトリック

63分にジェズスが交代したあとは、スターリングが1トップとなります。

 

スターリングは、IHの位置まで下りてくることも多かったのですが、その切り替えも素晴らしく、次の瞬間には前線に飛び出します。ポストプレーも可能で、万能さも感じます。

 

77分のシーンはまさにスターリングのポストプレーから、マフレズの飛び出しのスペースと時間を作り出しました。

 

さらに81分のスターリング3点目は、まさにその飛び出しからのゴールです。まあ、頭にあたっただけなんですけど、あれがそのまま入ってハットトリックとは珍しいゴールでしたね。

 


f:id:tadashicity:20200713202012j:image

スターリングのヒートマップです。中央でのプレーはおそらく1トップになったあとでしょう。左寄りではありますが、アグエロがいなくなったあとでも1トップの問題はスターリングでも計算できるんじゃないかと思います。

得点力、プレーエリア、スタミナ、だれをとってもアグエロやジェズスと同程度のクオリティだと言えます。

 

今日のハットトリックで、プレミア19ゴールとなり、アグエロを抜いてチーム内得点王となっています。

 

 

まとめ

マンシティのプレーエリアを振り返り。


f:id:tadashicity:20200713204423j:image

スターティングイレブンのプレーエリア。プレーエリアは試合を通した平均の位置なので、右サイドのようにデ・ブライネとマフレズが重なってるように見えますが、これはお互いがお互いの位置を意識しながらレーンの移動を頻繁に行っていたことの結果です。

 

特筆すべきは20番のベルナルドシルバです。左IHでの出場のはずなのに、プレーエリアがアンカーのロドリとほぼ同じです。それだけピッチを広くカバーしていたということでしょう。途中から右IHに移ったことも理由かもしれません。

 


f:id:tadashicity:20200713204746j:image

交代選手も含んだプレーエリアです。

中央から人がいなくなりました笑

特に、左サイドは、ジンチェンコ、ダビド・シルバ、フォーデンがかなり近い位置でプレーしています。

メンディー、スターリング、ベルナルドシルバの組み合わせよりもそれぞれの距離感を大切にしているようにも思えました。

 

プレーエリアを見るだけでもマンシティの左右での考え方は大きく違うことがわかります。

SBの位置、IHとWGの位置にここまで差が出るのかという感じです。

 

少しだけSBにも言及

22番のメンディー、11番のジンチェンコ、2番のウォーカーのプレーエリアを見てください。

 

まず左SB同士の比較。

メンディーとジンチェンコのプレーエリアを見ると左SBの周囲にいる味方の距離が違います。

ここからわかることは、メンディーが独力での攻めることを計算し、ジンチェンコが周囲との連携で攻めることを計算しているということかな、と。

 

次に両SBの比較です。

ウォーカーの位置が左SBよりも低い位置です。

ウォーカーのスプリント力は攻守両面で活かしたい。今日の試合でも43分にあったような後ろからの持ち上がりで一気にかけ上がることもできる。カウンターのときもだれよりも早く戻り、失点を防ぐ。

さらには、マフレズとデ・ブライネの攻撃性を最大限き引き出せる。(守備の負担を減らすということ)

指揮官としてこれほどまでに有能なサイドバックはいないでしょう。

 

 

最後に

最終的には、個人の力もチームとしての力も差があって押しきられたブライトン。なによりも中盤でのボールロストが多すぎました。シティだけではありませんが、強豪チームが相手のミスを見逃すわけがありません。

パスミス、トラップミスは、特に自陣でのミスはそのままゴールになる可能性も高い。繋ぐ意識が、リーグ終盤になって低くなっているとは言え、ブライトンはゴールキックでCBに繋ぐ場面も何度か見られ、その度にと言っていいほど、プレパー、ビスマのところで引っかかっていたのでここは改善が必要です。

というのは、前回対戦のレビューでも書いていました。そこが改善されずビルドアップへの固執をやめたのかもしれません。

 

プレミアリーグも残りあと4試合。

今節の勝利で2位が確定しました。9敗したけど、なんとか2位。リバプールは置いといてプレミアリーグ全体のレベルが上がったんだろうと思います。

 

カップ戦3冠目指してシティは勝ち続けますし、来シーズンのチームをつくる期間でもあるので、大事にしてもらいたい!

 

FFP違反のCAS結論が出ました。

  シティはCLに出場できるし、罰金も30万ユーロから10万ユーロに減額。

   FFPっていったいなんなんでしょうね。と思ってしまう判決です。

    ファンとしてもなんとも複雑な気持ちになりました。

 

次の試合も応援しましょう!

それでは!

プレミアリーグ第34節 vs Newcastle戦

f:id:tadashicity:20200709221555j:image

こんにちは。

tadashiです。

 

前節の敗戦からもう試合です。

 

今日はニューカッスルとの試合。

前節のセインツ戦では、統率のとれた守備に苦しめられながらエリックガルシアの持ち上がりと相手を崩す縦パスからチャンス作り来シーズンに向けた光を見つけたシティ。

今節はいかに。

 

前回対戦記事はこちら


困り顔ジェズスとドヤ顔ケビン PL 第14節 vs Newcastle united (アウェイ) - tadashicityのブログ

前回の対戦ではうまくやられてるんですよね。コンパクトに守ってジョエリントン、アルミロン、サンマクシマンで引っ掻き回す。見事にはまってドロー。

逆転したデ・ブライネのミドルも試合終盤のシェルビーのミドルも素晴らしいシュートでした。

 

 

目次

 

 

結果

Manchestercity ⚽⚽⚽⚽⚽

Newcastle

こんなに点を取るかってほど無観客のホームで点をとりまくっています。

 

 

■得点

10' ジェズス(assist by ダビド・シルバ)

21' マフレズ(assist by デ・ブライネ )

58' own goal

65' ダビド・シルバ FK

90'+1 スターリング (assist by ダビド・シルバ)

 

■MOM

ダビド・シルバ(マンチェスターシティ)

 

 

■ハイライト


https://youtu.be/4RWVLkCeGZg

 

フォーメーション


f:id:tadashicity:20200709234306j:image

ニューカッスルの予想は5-4-1でしたが、試合が始まると4バックでした。

ジンチェンコが高い位置をとるため、右サイドのラザロがジンチェンコをマーク。結局5バックのようにもなっていました。

 

マンチェスターシティ

f:id:tadashicity:20200709234351j:image

ウォーカーがベンチに復帰。フォーデンがスタメンで左WGです。

控えにドイルがいます。

 

ニューカッスル

f:id:tadashicity:20200709234505j:image

ニューカッスルは4-4-2、もしくは4-4-1-1のような形。シェルビーがジョエリントンの隣にいたり、中盤に吸収されたりとよくわからないフォーメーション。

アルミロン、サンマクシマンは怪我のようです。

個人的にはロングスタッフを使ってほしい。

 

ニューカッスルの読めない意図

前半開始

 

ニューカッスルは試合開始直後からハイプレスでシティを追いかけます。

シェルビーがジョエリントンと同じ位置に立ち、CBにもプレッシャーをかけます。とれなかったら即座に戻り、シェルビーとジョエリントンでロドリを挟み込みます。


f:id:tadashicity:20200710011236j:image

CBにボールが出たときもSHが追いかけるシーンが多く見られました。

 

解説の水沼さんも言っていたけど、このまま続けてほしいと思うほどアグレッシブなニューカッスル

 

ここまでは良かった。

 

ただ、10分に早々と失点してしまったのは、ニューカッスルに意図がまったく見えなかったからです。

FAカップの反省点から、引きすぎない陣形を組むのはいいが、シティが一番狙っているペナルティエリアの角への侵入を簡単に許してしまいました。

 

1失点目はダビド・シルバ、2失点目はデ・ブライネがそれぞれ飛び出します。

 

4-4-2であれば、ボランチの2枚がIHについていくのが定石だと思いますが、そのような指示は監督からはなかったようですね。

 

 

2枚でロドリを見ていたら、カンセロに持ち上がられて、サイド振られてハーフスペースの奥をダビド・シルバに取られてグラウンダーのクロスあげられてジェズスがフリーでシュート。ゴール。
2トップだけ原則守ってもチームでの連動が必要ということがよくわかる。

今日のニューカッスルは、チームとしての連動が取れていない典型的な例となりました。

 

一応、原則っぽいものは他にもあって、「CBにプレスをかけるときは外側から」というもの。どちらにしろ前線の守備にしか原則が定められていなかったようです。

 

前半の2点目も同じところをデ・ブライネに狙われました。

攻撃でも繋ぎもせずジョエリントンめがけたただのロングキック。パスでもなんでもありません。

 

さらにジンチェンコが高い位置をキープし出すと右SHが下りてましい5バックとなり、フォーデンやダビド・シルバにかなり自由を与えました。


f:id:tadashicity:20200710011415j:image

 

ピッチの中の選手たちもこの戦術に疑問を抱いていたのではないでしょうか?

 

ちなみにニューカッスルの選手で一番だめだなと思ったのは、リッチーです。

消極的すぎますよね。ボールを受けたらまずは後ろ。ニューカッスルのような組み立てはスルーするチームにおいて、相手陣内でのバックパスは愚行そのもの。チームの戦術を頭に叩き込んでから試合をしてほしい。

 

 

後半も多くのチャンスを作ったシティ。結果は5-0で圧勝です。

ダビド・シルバはFKでの1ゴールと前半と後半の2アシスト。見事にMOMに選出。

 

デ・ブライネもアシストしたので、これでシーズン18アシスト。02-03シーズンにアンリが記録した20アシストまであと少し!

 

 

ところで、今日はシティのアカデミー出身トミードイルくんがプレミアデビューを飾りました。

堂々とプレーしていましたね!

デ・ブライネと背格好が似ているようにも思えました。なので、そのままプレーも真似てしまえばいいと思いますね。

 

ドイルが入ったあとのシティは全体的に右に寄っていて、左にはほとんどジンチェンコしかいませんでした。ポジション的にはデ・ブライネが左だったのかな?

 

ニューカッスルのモチベーションの問題なのか、シティの戦術がはまったのか、どちらにしろ勝利というのは良いものです。

 

 

ジンチェンコはどちらがいいのか

SBとは

4バックもしくは5バックにおいて左右もっとも外側にいる選手のポジションをSBと呼ぼう。

古くは、フルバックと呼ばれていたこのポジション。私も小学生の時代からおよそ高校までつとめていたポジションだけど、まあ、なんにせよ疲れる。それにあんまりうまくいかない。

ピッチの上下運動を繰り返し、CBのパスコース、SH、FWのフォロー、時には囮役としてプレーする。オーバーラップをしてもボールが来ないことなんてざら。

無駄走りがこれまでどれぐらいあったか。

無駄に走った距離で日本一周できるのではないか。

 

ジンチェンコは元々攻撃的なポジションの選手にも関わらずマンチェスターシティではSBとしてプレーする。

 

実に変態ですね。

頭がおかしいと言わざるを得ない。

特にシティでのSBは単に上下運動を繰り返していれば誉められるわけではない。組み立てに参加して、スペースを埋めて、逆にスペースをつくって、なにかあればカウンターを防ぎ、なんでかわからないけど屈強な相手のFWから狙われたりする。

それなのに、自分のポジションみたいにプレーしている彼はとてつもなく変態だ。

そんな変態を私は愛しているし、できれば長くシティに残ってほしいと思っている。さらに言えばダビド・シルバがいなくなったあとに少しでもいいから、IHとしてプレーできるようになってほしい。 

始まりはラームではあったけど、セルジロベルト、キミッヒ、ジンチェンコと、チームが攻撃的なポゼッションサッカーなゆえにその攻撃的センスと走力を見込まれSBにコンバートされるなんてたまったもんじゃない。

 

ということで、SBはなかなかに奥が深く面白いポジションなのである。

 

 

ジンチェンコのプレーエリア

ニューカッスル戦の前後半のパスエリアを記録してみた。

例のごとく手書きである。

 

これが前半

f:id:tadashicity:20200710003550j:image


こっちが後半

f:id:tadashicity:20200710003610j:image

 

青が成功したパス。赤が失敗したパスを表します。

データサイトから数字を持ってくるとパス数は76/83で成功率は92%。クロスが2本、ロングボールが1本でどちらも失敗しています。

 

前後半通して相手陣内でプレーをしていたことがわかる。

また、後半ではロングキックはゼロでした。

 

 

そしてこれがヒートマップ


f:id:tadashicity:20200710001254j:image

赤ければ赤いほどその位置にいたことになる。

 

パスエリアとヒートマップから、ジンチェンコはハーフラインとペナルティラインの間に位置していることが多かったことがわかる。実はパスを受けて、パスを出しているエリアとほとんど変わらない。

ハーフラインより高い位置をキープして、相手のSBを引き出したり、ハーフスペースを生むために、サイドでボールを動かす役目をジンチェンコは担っていたわけです。

時にはサイドチェンジや後方からのロングボールを受け、センタリングも上げています。

 

前半10分の先制点なんかは、ダビド・シルバへのラストパスにつながるパスを出しています。

状況に応じて中央に場所を移しても遜色なくプレーできるのはジンチェンコの魅力であり、シティのSBに求められる部分です。

ただ、ポジション的にミスがピンチに直結するので難しいパスが狙いにくいという点があります。セーフティに意識が向かう傾向にあるので、今後IHとしてもプレーしてほしいので、通ればチャンスだけど難しいパスを狙う気持ちは忘れないようにしてほしい。

 

セインツ戦のダビド・シルバへのスルーパスはまさにそのようなパスでしたね。

 

 

偽SBと高い位置をとるSBどっち?

ジンチェンコはコンバート直後からつい最近まで主に偽SB的なポジション。つまり、SBの位置からピッチの中央に移動し、アンカーの横でビルドアップの出口を担っていた。

しかし、最近ではフォーデンが左WGをやることが多かったり、スターリングがよりゴールに近い位置でプレーするようになったため、大外レーンにSBが入ることが多くなったシティ。

 

当然、ひとりで打開できる能力も必要になるためファーストチョイスはメンデスになりがち。

しかし、今日の試合を見るに、組み合わせ次第ではジンチェンコの方が機能するだろうなと思った。

特に、ダビド・シルバとフォーデンという狭いスペースで容易にプレーができ、判断スピードも早く、ペナルティエリアの角を最終地点として狙っている選手と組み合わせればジンチェンコはラストパスの前のパサーとして十分な役割を果たすことができると感じた。

今日のような試合ではメンディーでは、逆にパスの回りが滞っていたと思う。

 

偽SBとしてスタートしたジンチェンコのSB人生だが、ここにきてSBとしての可能性が十分に見えてきたと言ってもいいと私は思っている。

 

左SBというのは長らくブラジル人が覇権を握っている。

昔はロベルト・カルロス。今はマルセロだ。

そこに割って入るのが二人のメンディーと二人のアラバである。

日本人で言えば長友をこえる存在がいないのが少し寂しい。

いわゆるタレントが少ない左SB。もっと日の目を見るために、ジンチェンコにはもっと騒いでもらいたい。

 

 

ダニーローズとの比較

最後にニューカッスルの左SBと比較をしてみよう。

 

ヒートマップ
f:id:tadashicity:20200710002628j:image

 

自陣にいた時間が多い。あれだけ攻めこまれて、点をとられたらそりゃそうだ。ボールをキープする選手もいなくて、サイドバックとしては不安でオーバーラップもできない展開でした。

 

元々ダニーローズはダイナミックな上がりで攻撃にアクセントを入れるような選手ではなかったけど、ここまで静かにしてるような選手でもない。出場機会を求めて移籍したけど移籍したチームが悪かったとも言える。

 

あまり意味はないが、パスエリアも見てみる。

 

前半
f:id:tadashicity:20200710004241j:image

 

後半

f:id:tadashicity:20200710004258j:image

 

数えられるほどの少なさ。SBがボールをさわる回数はそのチームのボール保持に対する方向性を示すと私は思っている。

右のイェドリンのデータがないので断言できないが、ブルース監督はボールを保持することになんの期待ももってないのではないか。

それほどまでにダニーローズはボールを触っていない。

 

そもそもポゼッション見たらそのなかでニューカッスルの選手がボールを触る回数なんて

たかが知れてますか。

 

ちなみに、ダニーローズ。ボールタッチは51回もしていたが、パス数は30だった。ジンチェンコのおよそ3分の1。

 

SBとしてはなんともつらい試合となってしまった。

 

まとめ

試合開始直後のニューカッスルが、少なくとも前半まで続いてたらなにかしら変わっていただろうか。

ジンチェンコが高い位置を取るからといって、右SHのラザロをジンチェンコのマークにつかせたら、せっかく4バックで攻撃のことも考えていたはずなのに、結局5バックとなっていた。5バックになってしまったのに、ハーフスペースが締まらず、チャンネルランには無防備に後手の対応。

これではシティに勝てるはずもない。相手は昨シーズンのチャンピオンなんだから。前回対戦のときの方がシステマチックで、監督の指示にも意図が見えていました。

武藤が最後に出場したが、役割もよくわからない左SHに入れられた。守備のために投入したのか、たまには出してやるかもいう気持ちだったのかなんなのかはわからないけど、少し残念。

前回対戦では2-2のドローだとは到底思えない試合だった。

 

大差で勝利したシティは、ダビド・シルバの退団、デ・ブライネのアシスト記録と残り試合にも注目できるポイントが多くある。

この過密日程のなかで、ドイルなどの若手がどれだけ使われるかも気になる。

ハーウッドベリスもどこかで出てくるだろう。

ストーンズも復帰し、センターバックが戻ってきた。ここにきて怪我人がアグエロだけとなり、ペップは来シーズンに向けて色々とためしながらダビド・シルバの最後を盛大に連勝で彩ってほしい。

 

個人的にはジェズスに得点が生まれたのがうれしい。

中断明け初ゴールのようです。おめでとう!

 

 

ということで今回は以上です。

分析でもなんでもなくジンチェンコへの熱い思いと単なる感想で終ってしまいました。

 

これでもレビューです。

 

次の試合も勝って、8月のCLに準備していきたい。

 

それでは!

 

プレミアリーグ第33節 vs Southampton ~セインツが 今日は狙うよ ジンチェンコ~

f:id:tadashicity:20200706221751j:image

こんにちは。

tadashiです。

 

過密日程の限界が近づいてきました。

今日もレビューというか感想です。

 

セインツことサウサンプトンとの一戦。前回対戦では、左SBを狙い打ちをし、アンヘリーニョが苦労した試合です。

 

前回対戦記事はこちら


シティの右サイドはだれがいいの? PL第11節 vs Southampton - tadashicityのブログ

 

 

目次

 

 

結果

負けました!やられた!

 

■スコア 1-0

Southampton ⚽

Manchestercity

 

■得点

16' Adams (Southampton)

 

■スタッツ

[シティ]

ポゼッション 73.7%

シュート数 26本 (枠内 6本)

ブロックされたシュート数 11本

チャンス 18回

決定機 5回

パス成功数 723本 (成功率89%)

 

[セインツ]

ポゼッション 26.3%

シュート数 8本

チャンス 6回

決定機 2回

パス成功数 209本 (成功率 70%)

 

■MOM

マッカーシー (セインツ)

 

■ハイライト


https://youtu.be/1Ltadt_PZyY

 

フォーメーション

f:id:tadashicity:20200707002649j:image

 

マンチェスターシティ

いつもの4-3-3
f:id:tadashicity:20200707002744j:image

フェルナンジーニョが久しぶりのアンカー起用。

エリックガルシアはまたしても右CBでスタメン。

ウォーカーとメンディーが両方とも揃ってベンチ外。休養を取らせたようです。

 

サウサンプトン

中盤がボックス気味な4-2-2-2
f:id:tadashicity:20200707002804j:image

 

 

前半のジンチェンコ

今日の主役は良くも悪くもジンチェンコでした。

 

統率のとれた両チームの狙い

まずは簡単に両チームの狙いをおさらい

 


ポゼッションが試合を通して70%を越えているので基本セットは、シティが保持してセインツが守る図式

f:id:tadashicity:20200707010004j:image

セインツは中央をしめ、4-2-2-2のように両SHが絞る。

後ろのボールにはプレッシャーをかけずに、フェルナンジーニョのパスコースを2トップで消すことを徹底。

 


f:id:tadashicity:20200707010207j:image

図のように状況に応じてフェルナンジーニョはCB間に入り、そのときはSBがアンカーポジションに。

 

それでもセインツの基本スタンスは変わらず。ワイドの選手にはマークはつかず、パスが出たら寄せる。

サイドチェンジされたらスライドする。

ひたすらに忠実にこれを繰り返すセインツ。

 

おかけて、シティはピッチの外側をぐるぐると回す展開が増える。終始この形。

また、おそらくラポルトの左足も警戒されていました。

 

一方シティは、セインツに対してハイプレスを敢行。苦し紛れのロングボールを回収してすぐにマイボールにする狙い。

逆にセインツはロングボールを蹴ってルーズな状態で単独突破もしくは少ない人数で少ないパスてシュートまで行くことが狙いのようだったので、シティが保持してないときは、シティが回収したり、シュートまでいかれたりというどっち付かずな感じ。

 

ある意味で両チームともしっかり統率がとれていました。

 

問題の16分

そしてシティの失点シーン
f:id:tadashicity:20200707011405j:image

ラポルトからアンカー位置にいるジンチェンコにパスが渡りますが、スッと寄せるセインツ。

パスコースないからずらそうと左アウトサイドでボールに触ったところをカットされ、こぼれたボールをアダムスがダイレクトでゴールに。

前に出ていたエデルソンの頭上を越えました。。

 

失点直後、スターリングが「なんだあれは!」か「おれが空いてたよ!」みたいなジェスチャーしてましたが普通に出せないですよ。

上から見てたら出せたように見えるけど、寄せも早いし、体勢悪いし、そもそもあの場面ラポルトがわざわざジンチェンコに当てる必要ない(スターリングに当てれば良かったと僕は思う)し、という。

ジンチェンコが唯一できたのはダイレクトでラポルトに落とすことぐらいか。

GKをビルドアップに組み込むことのリスクが失点に繋がったシーンでもあったし、セインツが取りどころを共有していたのがわかるシーンでもありました。

 

というジンチェンコ。前半ロスタイムには、スターリングとの守備の連動が取れておらず、イングスの決定機をサポートしてしまいます。

いまいち前半のれてなかった印象です。

 

 

左SBを狙い撃ちすることに定評のあるセインツはその後も地味にジンチェンコを攻撃。

失点後、大外ワイドにポジションを取ることが多くなったジンチェンコに対しては、パスが通ったときに強くあたり、パスコースを誘導してカット。という展開を何度か作られます。

嫌な予感しましたが、後半まで通してそこから崩れることはなかったので、純粋にすごいなぁと思いました。僕ならメンタルブレイクしてました。

 

シティの対応

そんなこんなで、セインツはフェルナンジーニョにいじわるするし、ラポルトも警戒するから、残ってるエリックガルシアを活用します。


f:id:tadashicity:20200707012353j:image

最近、ポストプレーがいたについてきたジェズスへエリックガルシアから縦パスを通すことにしました。

思いのほか通るのはセインツが中央をしめながらも人への意識があるからでしょう。

 

2トップでアンカー位置を消す、その2トップはCBにはプレスをかけないということを利用し、アンカー位置を経由しない組み立てを狙います。最初から2人守備に参加してないって考えられますから、アンカー飛ばした方が効率的ですね。

言ってやれる人がいるのがやっぱりプロってすごいです。

 

29分はまさにそのエリガルが持ち上がりジェズスに縦パスが通ったところからチャンスまで持っていったシーンでした。

 

このままいけるかなと思ったんですが、40分にあったように、せっかく崩してクロスあげてもジェズスが間に合わない(下りてきて縦パスを受けてるから)ことがあり、ほかの選手が飛び込むわけでもなく、跳ね返されるシーンが見られました。

 

 

セインツの一体感

前後半通して、セインツはチームとしての一体感がありました。

狙いどころが明確で、プレーに迷いもありませんでした。寄せも早くハーフスペースも埋めていました。

中央をしめることで、シティにはクロスをあげるという選択肢しかなくなり、ディフェンスは屈強で跳ね返せるという算段があったんだと思います。(けっこう競り負けてましたが)

 

それよりもなによりもゴールキーパーマッカーシーが素晴らしいセーブを連発。

最後の最後でセインツが失点しなかったのはマッカーシーのおかげです。

さすがのマンオブザマッチ。今日の結果に関しては異論はありません。

 

守備の基本

セインツの守備でお手本になるようなシーンがありましたので、試合中を例にとって説明します。


f:id:tadashicity:20200707013142j:image

32分。左サイドからCBを経由してぐるっと回ってカンセロにボールが渡ったシーンです。

スムーズにスライドしたセインツの左SHが例のごとくスッと寄せ、すぐ後ろにCHも寄せます。左SBもマフレズより前に出てカンセロに近寄り、残ったCHは中央に。

これにより見事にボールを回収しました。

 

サッカーはピッチが広いので守ろうとすると選手同士の連携が不可欠です。だれかが遅れるとそこが隙間となり相手にチャンスを与えるかもしれません。

今日のセインツはこの部分がしっかりと共有され、特に前半はシティをうまく抑え込んでいました。

正直、心のなかでは負けそうだなって思いました。

 

後半のジンチェンコ

後半です。

 

後半はひたすらシティのターンです。

途中何度かシュートまでいかれる場面もありましたが、試合のほとんどの時間はセインツの陣内で行われることになります。

 

後半シティが行ったことは以下の3つ。

 

・長く早いサイドチェンジでスライドを遅らせる

・低くて早いクロスで合えば得点となるボールを入れる

・CBSB間を攻略

です。

 

さすがにセインツも疲れてくるので意外と効いてきます。しかし崩れなかったのはセインツのゴールキーパーと体を投げ出す気持ちでした。

 

 

さて、前半に失点に絡むプレーをしたジンチェンコは、後半大外ワイドを基本ポジションとし、右からすばやく展開されたボールをアーリー気味に早く低いクロスを連発。

残念ながらジンチェンコのクロスが決定機にはなりませんでした。

 

いいところがなかったわけではありません。

 

53分のダビド・シルバの決定機では、ジンチェンコの素晴らしいプレーがありました。

 

右サイドからジェズスへ出た縦パス。

ワントラップして、ジェズスはジンチェンコに落とします。

その瞬間の図です。


f:id:tadashicity:20200707014651j:image

ジンチェンコは体を外側に向けてスターリングへのパスを意識させたところで中央のダビド・シルバにスルーパスです。

得点にはなりませんでしたが、攻撃センスの光るプレーだったので、やっぱりIHで使ってほしいなと思ってしまいます。

 

 

49分には、CBSB間をフェルナンジーニョが取り、カンセロのスルーパスからフェルナンジーニョが抜け出し、クロス。ラポルトがシュートしますがディフェンスブロック。

 

さらにシティはフォーデンとデ・ブライネを投入し、猛烈に攻めるモードに。

しかし、結局、90分間セインツの牙城を崩すことができずタイムアップ。

リーグ8敗目です。

 

 

この試合は組織的な守備を披露したセインツをほめたいなと思いました。

 

 

ジンチェンコのスタッツ

なんとクロス数 12本…笑

あげましたねぇ。

 

その他は

パス成功数 90% (97本)

キーパス 2本

タッチ数 139回

 

失点に絡むミスがやはり痛かったですね…。

 

 

まとめ

この試合、主にジンチェンコの目線にフォーカスして書いてみました。

試合を通して見ると前半は内側に絞るところから始め、狙われてるとわかったあとはワイドに開く形に。ヒートマップを見ると全体的に大外レーンに集まっていたので、元々今日のSBは基本的に絞らないような戦術になっていたのかな、と思いました。

 

後半、スターリングとマフレズがピッチを退くと単独突破の可能性は皆無となり、パスや中へのボール運びありきのセインツの守備が見えました。

 

そうなったときに打開できる手段は、なんとなく今日の試合でも見れましたがフィニッシュの部分は今後大いに課題になりそうです。エリックガルシアが縦パスを連発していたのは、左右両方から重要なパスを通せることがわかり、来シーズンに向けて好材料ストーンズには申し訳ないけど、試合に出るごとにエリックガルシアは成長しています。

それにしてもマッカーシーが良かった…!

 

以上です。

 

試合は続きます。

 

我々は応援するだけです。

 

それでは!

プレミアリーグ第32節 vs Liverpool ~原点回帰とカウンター メンディーの風を感じて~

f:id:tadashicity:20200703133108j:image

こんにちは。

tadashiです。

 

前節チェルシーに負け、リバプールの優勝が決まったことで、残りの試合は以下のことに注目が集まるプレミアリーグ

リバプールの獲得勝点

・CLEL争い

・残留争い

・得点王

そして

・デ・ブライネのアシスト記録

 

もちろんリーグ戦は続きます。

今節は、そのプレミアリーグを優勝したリバプールとの試合です。

 

前回対戦記事はこちら

コミュニティシールド


2019-20 コミュニティシールド - tadashicityのブログ

 

■第12節


Pep vs Klopp PL 第12節 vs Liverpool - tadashicityのブログ

 

リバプールの守りになにもできなかったシティ。アンカーを無効化され、押し込まれてしまったことをどう改善するか。

 

目次

 

結果

Manchestercity ⚽⚽⚽⚽

Liverpool

 

■得点

25' De Buryne ,PK

35' Sterling (assist by Foden)

45' Foden (assist by De Buryne)

66' own goal

 

■MOM

De Buryne(Mancity)

1得点1アシストの活躍!

フォーデンが活躍してもMOMは譲らないデ・ブライネでした。

 

■ハイライト

 

フォーメーション

f:id:tadashicity:20200703180502j:image

両チームとも4-3-3。

このチームの対戦はSBに注目したくなる。

 

メンディーとウォーカー

アーノルドとロバートソン

 

今日の試合では、メンディーの一人勝ちと言っても良かったぐらいメンディーがいつもより良かった。逆にアーノルドは4失点目の要因にもなったりして、シティの戦術にはまった感じもする。

 

Manchestercity

f:id:tadashicity:20200704114645j:image

リザーブも含めた今日のラインナップ。マフレズが久しぶりのベンチスタート。

 

Liverpool

f:id:tadashicity:20200704115652j:image

リバプールのラインナップ。こちらはベストメンバーですね。南野がベンチにいます。もっと早く出てきてほしかったです。

 

前半 わかったところで変えていく

試合開始~10分 6人で2人を囲まれる

 

両チームのビルドアップを簡単に整理

 

■シティゴールキック時(10分まで)

「6人が2人に囲まれる状態」
f:id:tadashicity:20200704204809j:image
シティは、ダブルボランチと2CBでビルドアップ。SBが大きく開き、WGが絞りながらハーフスペースを狙う。というような形。

これは開始すぐに変えることになります、

 

リバプールは、マネとサラーがCBにアプローチをし、フィルミーノがパスコースを切る。

また、3センターがダブルボランチの背後に立ち、6人でたった2枚の選手を囲む陣形を組んできました。

それにより、シティはなかなか前進ができません。

 

開始早々の2分にメンディーからジェズスへスルーパスがありましたが、その後はリバプールの押し込みが上回っていた印象です。

 

 

10分~18分

■シティゴールキック

「アンカーの脇と大外レーンで、WGとSBをフリーにする」

 

f:id:tadashicity:20200704204838j:image

10分がすぎてシティは、状況を打開するために動きます。ゴールキックのときにギュンドガンをCBの間に下ろしてきました。

さらに、元々ギュンドガンがいた位置にはデ・ブライネが下がります。

リバプールはCBにWGがプレスをかけるので、大きく開くSBがフリーとなります。

これにより、リバプールのIHはシティのIHかSBを、SBはシティのWGかSBを見なければならずマークに迷いが生じさせようとしていました。

このビルドアップの狙いは、アンカーの脇をWGが下りてフリーで前を向くということです。

この変更により、少しずつシティが試合を握っていくことになります。

 

 

■シティビルドアップ 引き付けて外へ

「中央をしめるリバプールを逆に利用する」

 

f:id:tadashicity:20200704204902j:image

6分のシーンを元にシティのビルドアップを見ていきましょう。

CBが開きつつ、ダブルボランチが出口となるように動きます。SBは大きくワイドに開くことで、リバプールがケアできないエリアを作ります。

このシーンではロドリとギュンドガンがフィルミーノの脇をつきながらボールを引き出し、前を向けたロドリが左SBのメンディーへ。メンディーにボールが渡ったときにはデ・ブライネが左に流れ、スターリングが中央へ。

ここでは、メンディーの斜めのパスがスターリングに渡ることはありませんでしたが、リバプールが中央を締め、ダブルボランチを包囲する守備に対する回答のようなビルドアップでした。

 

 

リバプールビルドアップ 原点回帰の4-4-2

 

f:id:tadashicity:20200704204935j:image

一方で、リバプールのビルドアップはどうだったのかというと、シティにしっかりと対策されていました。

 

中断明けに採用していた守備ではなく、デ・ブライネが一列前に上がる今までの442のブロックを組みます。リバプール相手に原点回帰ですね。中央にパスを通させない守備を実行します。

リバプールは、フィルミーノやSBにいい形でパスが通らないので、裏へロングボールを蹴るのがメインに。この試合も繋げなければサラーやマネに向かってロングボールを蹴り混みます。

この戦い方は特に時間に限らず続けていた攻めですね。しかし、これがシティには効くんです笑

 

18分~

リバプールビルドアップ

「シティのプレー選択を惑わせる」

 

f:id:tadashicity:20200704204955j:image

ロングボールは通っていたけど流れはシティが良くなってきたので、リバプールはアンカーのファビーニョを一列下げて3-2-1-4のような形に。

 

18分のサラーの決定機。これがリバプールの狙いです。

このシーンでは、アンカーからCBへボールを動かしたときに、スターリングがプレッシャーをかけに来ました。

本来であればデ・ブライネがプレスをかけ、スターリングはSBのアーノルドをケアしないといけません。

しかし、後ろでボールを回しながらデ・ブライネから距離を取り、スターリングが仕掛けやすいCBのポジションを取ることで、マークのズレを生み出し、SBにパスが渡ったときには前線の3枚が走り、素早くゴールに迫るというわけです。

 

 

■流れの中の狙い


f:id:tadashicity:20200705122315j:image

シティが何度か実践していて、リバプール相手に狙っていた形が「デ・ブライネで3センターの背後を取る」という形です。

左から中央に移動したデ・ブライネに縦パスを出すことでゴールまでの最短ルートが現れます。

ジェズスの飛び出しにデ・ブライネのスルーパスで決定機。この17分のシーンはオフサイドとなってしまいましたが、狙い通りのプレーでした。

デ・ブライネは、左にファーストポジションを取りながら、中央や左ワイドに動き、相手のマークを撹乱。スターリングがCBのゴメスとやりあうので、リバプールの右サイドは受け渡しが非常に大変だったと思います。

 

 

こういった戦術的な攻防がありながら、先制点は思わぬ形で入ります。

 

 

25分

リバプール陣内でのシティのスローイン

メンディーからペナルティエリア内のスターリングにわたります。

スターリングはボールをキープしながら素早く切り返し、見事にPKを獲得しました。

この試合、中央に位置することの多かったスターリング。積極的にゴメスと対峙し、CBを一人とらえていました。ジェズスは逆にファンダイクとのマッチアップが多く、苦労してましたね。

 

ボールロストする場面もあり、相変わらずサラーやマネの裏への抜け出しには苦労していたシティ。試合を見ているとチャンスはリバプールの方が多かったです。

得点後もその状況は変わりませんでしたが、シティは待望の追加点

 

35分です。

リバプールの横パスをメンディーがカット。中央のギュンドガン、縦に降りてきたジェズス、それを右のフォーデンに展開。

デ・ブライネのスリーランにより、フォーデンへのマークが薄くなり、中央にドリブルするフォーデン。空いたスターリングにラストパス。

スターリングは冷静にゴールに流し込みました。

まさかのカウンターで得点。

リバプール相手にこの形で点が取れたのはうれしい。

 

45分にはだめ押しの3点目。

これはフォーデンとデ・ブライネの技術の高さからくるもの。

まさか、前半で3-0のスコアになるとは思っていませんでした。

※すべてハイライトにあります。

 

後半 カウンターデ・ブライネ

リバプールは、CBのゴメスを変えて、チェンバレンを投入。ファビーニョをCBにして挑みます。

 

f:id:tadashicity:20200704162546j:image

 

ゴメスがイエローカード一枚もらっていること、CBからの供給されるパスを増やすことを狙っての変更。結果はあまり変わらなかったけど。

 

 

3点リードしているシティは、前半よりもしっかりパスを繋ぎます。

 

なぜなら、後半のビルドアップの目的が

「点を取りに来るリバプールをより前がかりにする」

だからです。

SBも控えめな位置をキープし、攻めすぎないようにバランスをとります。

 

逆にリバプールは攻めに来ますし、シティのビルドアップでもさらに前から激しくハイプレスに来ます。

前への推進力、アグレッシブさを求めてのチェンバレン投入でしたが、それによりディフェンスと前線で分断してしまい、中央がぽっかりと空いてしまう格好に。

 

その中央にはデ・ブライネが下がらずに待っているので、カウンターがばんばん決まります。

得点には繋がらなかったが、48分、50分、51分、54分と立て続けにゴールに迫ります。

 

ただ、攻め続けていたわけでもなく、その間もリバプールには裏をつかれてますが、今日はラポルトが守備で大活躍。

ウォーカーもメンディーも守備の意識が高く、背後をとられたあとの戻りもしっかりしてます。エリックガルシアも大変そうだったけど、なんとかリバプールの攻撃陣に食らいついていました。

 

 

最後の得点は65分

リバプールコーナーキックをクリア。

そのこぼれをアーノルドが拾いますが、処理が甘くマフレズがカット。

すぐに中央でパスを受けたデ・ブライネがドリブルし、フォーデンのフリーランによりフリーとなったスターリングがラストパスを受けシュート!

ボールはチェンバレンに当たりゴールへ。

これで4-0です。

 

 

ロスタイムに幻のマフレズのゴールがありましたが、VARでハンドの判定。

5得点とはなりませんでしたが、内容からは想像のできない点差での勝利となりました。

 

リバプールがハイプレスで来ることに対して、技術で真っ向勝負を挑み、空いているデ・ブライネやWGに託すシティの戦術がばっちりはまりましたね。

点を取られなかったのは本当に運が良かったと思うぐらい前半はやられてました。ウルヴスもそうだけど、圧倒的な個性に弱いシティのディフェンスライン。

来シーズン、クリバリが来るという噂ですがどうなるのでしょうか。

 

とにかく、今日の試合はリバプールに一矢報いた形で朝から最高でした!!

 

 

今日のメンディー

いやー、メンディー良かったですね。

今日のメンディーにはほれぼれしました。

 

開始2分のジェズスへのスルーパスに始まり、80分過ぎのフォーデンへのラストパス。マフレズの幻のゴールもメンディーからの斜めのパスがマフレズに入ったことによるものでした。

35分の得点シーンではメンディーのパスカットからショートカウンターが決まりました。

久しぶりのメンディー1人勝ちと言ってもいいでしょう。

 

パス成功率85%

クロス3本

ロングボール5本

キーパス1本

タッチ数77回

デュエル勝利100%

タックル勝利100%

SBとしては素晴らしい数字です。ボールロストもなかったんじゃないでしょうか。

 

前半は、リバプールが届かないポジションでボールを展開し、守備ではいち早くカバーリング

後半は攻めてくるリバプールに合わせてバランスを取りながら、攻撃時には幅を使って最低限のパスを供給。

チェルシー戦が嘘のようでした。

 

さて、今日のメンディーはものすごく余裕が感じられましたが、それはなぜかというと、シティのビルドアップ時にはリバプールのIHもSBも別の選手への対応が迫られていて、SBへのプレッシャーが薄かったことがあげられます。


f:id:tadashicity:20200705113538j:image

この試合リバプールのIHのタスクの1つは、シティのダブルボランチを囲み、展開させないことでしたし、SBはWGを見つつ、WGがハーフスペースに降りていったら的確に受け渡しをしなければいけませんでした。

そのため、メンディーにボールが渡ったときはたくさんの時間が確保され、冷静な対応が可能であったと言えます。

また、左足でボールを持つメンディーに対してリバプールディフェンスが中ではなく、縦を切っていたのも要因の1つ。

デ・ブライネやスターリングの縦のフォローを囮に、中へ切り返し、ビルドアップをやり直す余裕ができました。

そして、リバプールディフェンスが中を切ると、今日の試合何度も出ていたような斜めのパスを前線に通していました。

 

与えられた時間と状況により、複数の選択肢からよりベターな答えを持ってきた今日のメンディーは、花丸です。

アーリークロスをDFとGKの間にいれるシーン(13分など)もあり、左サイドはメンディーのものでしたね。

 

ただ、リバプールチェルシー戦のように、IHがSBへもプレスをかけてくる守り方だったらまた展開は変わっていたかもしれません。

 

 

リバプールのSBも数字だけで見ればメンディーよりも上回っていましたが、チームの得点に影響を与えるプレーはできず。

むしろアーノルドは、ボールの処理を誤り失点を演出。

今日はデ・ブライネの存在に手を焼いていたような印象でした。ゴメスとの連携があんまりなのか、SBCB間を使われていたと想いました。

 

 

出場選手の感想

スタメン

■エデルソン

リバプール相手にクリーンシート達成。サラーのシュートがポストを叩く場面もあったが、3分にきたピンチはしっかりストップ。

 

■エリックガルシア

王者相手に堂々のプレー。シティSBが空けたスペースを狙うリバプールFWにも冷静に対応。ビルドアップには多く関与しなかったが、今後に期待。

 

ラポルト

ビルドアップでは、リバプールのマークをずらすようにアンカーに出しては受けながらリズムをつくっていた。

守備ではシュートブロックも多く、クリーンシートに大きく貢献。

 

■ウォーカー

今日はバランスを見ながらワイドな位置が多かった。前にいるフォーデンが主にハーフスペースに顔を出すので必然か。

逆サイドのメンディーより前に出る回数は少なかったが、それは全体のバランスを見ていたから。構造上、背後をマネに使われていたが、戻りが早い。

 

■メンディー

今日の裏MVP。大外レーンからリバプールCBの前に斜めのパスを通すプレーから、チームのボールロスト後に素早くプレスしボールを回収。得点の起点にもなっていた。

始まって2分で、ジェズスへスルーパス出したプレーからなにか違う雰囲気を感じた。

プレーの選択肢にいたる判断がとても良かった。

 

■ロドリ

今日はダブルボランチでプレー。攻撃ではギュンドガンのサポート、守備ではサラーに引き出されたこともあったように1対1でディフェンスラインのサポート。

リバプールに狙われ、ボールロストの場面もあったけど、75本のパス成功数95%の成功率はさすが。(いつもこれ言ってる気が笑)

 

ギュンドガン

ダブルボランチとしてプレー。ロドリと同様にリバプールに狙われていたが、ラポルトなどに救われていた。

ゴールキックではGKの横まで下りてビルドアップのスタートになり、攻撃ではロドリより前に出て、デ・ブライネへの縦パスやその他への配球を任されていて、どんだけ大変な役割なんだよと試合を見ながら思う。今のシティだとこれできるのギュンドガンだけなんだけど、今後どうするのか…

 

■デ・ブライネ

マンオブザマッチが大好きな男。

アシストを増やし、これでプレミア17アシスト。自らの記録にあと3つと迫りました。

トップ下のデ・ブライネは、ギュンドガンからの縦パスを何度か受けチャンスを演出。なんと6回もチャンスを作りました。

PKはこれからデ・ブライネが蹴るんですかね。

 

スターリン

1ゴール。これでプレミア13ゴール。

左から中央に流れながらシュートまで行くシーンもあり、左大外はメンディーよろしくって感じ。

ゴメスとマッチアップして、うまくPK獲得したからやってやったぜ!って思ってそう。

最後のゴールはスロー見ると枠外っぽかったからチェンバレンに感謝。

 

■フォーデン

この過密日程によりいきなり成長した。

この日も1ゴール1アシスト。なんという10台だよ…。最後の10分はまさかのトップの位置で、0トップとしての振る舞い。ディフェンスラインを見ながら上下する姿は、練習してた?とも感じた。

デ・ブライネと並んでたのが良かったのかも。WGで使われるプレー、攻めの姿勢を会得して、早くIHでのプレーが見たい。

 

■ジェズス

オフサイドを気にしない果敢な飛び出しで、リバプールの守備が受け身になったと思う。

ファンダイクにはスパッと止められてたので今後は体格差のある選手への対応か。

フォワードでシュート2本は少し寂しい。純粋なストライカーよりもWGやシャドウストライカーが合いそう。

 

リザーブ

■マフレズ

ぬるぬるドリブル再び。シザーズも早すぎて、ファンダイクもついていけず。

フォーデンのハンドは納得いかない判定だけど、しっかり役割を果たした。

4点目は、マフレズがアーノルドから奪ったボールからのカウンターだったので良かったかなと。

 

他の選手は短い時間だからよくわかりません!

 

まとめ

リバプールがハイプレスで来ることに対して、技術で真っ向勝負を挑み、空いているデ・ブライネやWGに託すシティの戦術がばっちりはまりましたね。

しかし、点を取られなかったのは本当に運が良かったと思うぐらい前半はやられてました。ウルヴスもそうだけど、圧倒的な個性に弱いシティのディフェンスライン。

来シーズン、クリバリが来るという噂ですがどうなるのでしょうか。

 

とにかく、今日の試合はリバプールに一矢報いた形で朝から最高でした!!

 

それでは!

プレミアリーグ第31節 vs チェルシー ~やり返されたチェルシーの罠~

f:id:tadashicity:20200627145206j:image

 

こんにちは。

tadashiです。

 

前回対戦記事はこちら


止めれずMahrez PL第13節 ホーム vs Chelsea - tadashicityのブログ

 

 

目次

 

 

結果

Manchestercity ⚽

Chelsea ⚽⚽

 

■ポゼッション

Manchestercity 64.7%

Chelsea 35.3%

 

■シュート数

Manchestercity  11本

Chelsea 15本

 

■得点

36' プリシッチ(Chelsea)

55' デ・ブライネ(Manchestercity)

78' ウィリアン:PK(Chelsea)

 

■MOM

プリシッチ(チェルシー)

 


https://youtu.be/HjLb6rgubOk

 

フォーメーション

両チームのスタメンはこちら

 

f:id:tadashicity:20200627151218j:image

 



ペップの奇策

前半開始。

スタメンの並びからスターリングが1トップかと思ったら最前線にいたのはベルナルド。

試合が始まって予想通り0トップでした。

 

シティのビルドアップは、両CBがワイドに開いたところからスタート。(青がチェルシー)

ビルドアップの出口として、ロドリだけでなく、ギュンドガンがアンカーの位置まで下がります。


f:id:tadashicity:20200628002953j:image

青がチェルシー

 

デ・ブライネと同じ位置までベルナルドが下がり、その一列前にWGの二人が位置する。

中盤の枚数を増やし、数的優位を作り出そうと試みました。

試合開始直後は、マークのずれを生じさせ、テンポよく攻めることができていました。

9分、11分のメンディーの上がりでチャンスを作ったシーンは、右サイドや中央で数的優位をつくり、パスを回し、相手がくいついたところで、左サイドに展開する理想的な攻撃。

 

一方、チェルシーはシティのビルドアップに対して、プレスをかけない守り方をしてきました。

 


f:id:tadashicity:20200628004657j:image

 

ジルーは、CBとアンカーの間に立ち、ボールを持ったCB側のWGがしぼる。プレスはかけません。

出口となるロドリやギュンドガンにボールが渡ったときに初めてIH、WG、STで挟み込もうとします。SBに出たときに一気にプレスをかけます。

ベルナルドに対する対応が決まってなかったので、最初のうちは後手に回るプレスになり、小気味良くダイレクトパスで外されてしまいました。

 

展開が変わったのは、10分を過ぎてから。

カンテがベルナルドについていくのをやめ、中央でしっかりにらみをきかせることに専念し始めたカンテ。


f:id:tadashicity:20200628005408j:image

 

これにより、シティはいつもの形に持っていけなくなってしまいました。

理由は単純で、それは、チェルシーがパスの先をつぶしたということです。

 


f:id:tadashicity:20200628005037j:image

まれにCBからチェルシーのプレスラインを突破することがありましたが、その瞬間ボールホルダーに詰め寄るのではなく、目の前の選手を捕らえパスコースを消す動きをチェルシーは見せます。

たまらず、シティはボールを後ろに返しますが、そのときには前線の選手ももどってきて、ロングボールを蹴るしかなくなる。そのロングボールは簡単に回収できます。なんせ0トップですから。

 

 

さて、これにより少しずつ試合の流れを引き寄せられるシティ。前半は指をくわえて見ることがしかできない、というような状態だなと私は思いました。

 

それは、チェルシーの攻撃がシティの特徴をうまく利用しているからです。

チェルシーのビルドアップを見てみましょう。

 


f:id:tadashicity:20200628005613j:image

シティと同じように両CBがワイドに開きます。

カンテが中盤の底で、ボールを引き出すために動きますが、それにあわせてマウントが下りる。WGが引いてくる場合もあります。


f:id:tadashicity:20200628010332j:image

 

ボールの出し所がなければ迷わずジルーへロングボール。フィジカルのあるジルーが簡単にボールを保持するため、ジルーへのパスを合図にIHとWGはジルーへのフォローに走ります。


f:id:tadashicity:20200628010511j:image

 

図を見てもらうとわかるように、シティは中断明けから守備組織を変えています。CBへのプレスはWGの役目になり、相手のアンカーには、1トップがパスコースを切り、アンカーがマークをつく形です。

今日の試合で言えば身長のあるロドリがカンテの位置まで上がってしまいます。

それにより、ジルーの前でボールを跳ね返す選手がいなくなるので、体を預けられたCBがジルーのポストプレーを許す展開となってしまいました。

 

ロドリが引いてCBとジルーを挟めば良かったんですが、、、そうはならず試合は進みます。

 

そしてシティファン絶叫の問題の35分へ。

 

シティのコーナーキックからの跳ね返し。

ボールは残っていたギュンドガンとメンディーの間へ。


f:id:tadashicity:20200628011241j:image

 

ギュンドガン「(右手をあげながら)メンディー開け!」

メンディー「イルカイに預けよ」

 

チョン…

 

ギュンドガン「…!?」

 

プリシッチに奪われ、焦るメンディーはすぐに戻り、相手に対峙しますが、簡単に足を出すというディフェンダーとしてあるまじきプレー。悪い意味で震えました。

 

サッカー経験者ならわかると思いますが、あれは悲惨です。

タイミングを図っていたプリシッチもうまかったですが。

 

前半はそのまま終了。

0トップで始めたシティは、本当に文字通りの「前に人がいない」という状態のまま試合が進んでしまいました。

 

 

ランパードの策略

後半開始。

点を取らなければいけないシティでしたが、少しずつ使いたいところを使えるようになってきます。

 

51分のシーンは、スターリングが広がって、そのスペースをメンディーとベルナルドでペナまで攻略。メンディーが焦ってシュートを売ってしまいましたが、チェルシーにスペース出てきた。

 

54分についにジェズスが入ります。

ベルナルドとロドリが交代し、ジェズスとダビド・シルバがピッチへ。

 

直後の55分

デ・ブライネのFK。やっぱりすごいわ、この人。

 

その前段でも、デ・ブライネから中央に入ったマフレズに縦パスが入っています。

 

これで同点。反撃だ!

58分には、コーナーキックからのカウンターで、スターリングが決定機。流れるようなカウンターで、チェルシーを置き去りにしましたがボールは無情にもポスト。

 

その後、メンディーをジンチェンコに代え、これにより、いつもの形になるシティ。

 

ボールを回せるようになったシティ。

 

隙あらばCBにプレッシャーをかけつつ、外に誘導したいチェルシー

しかし、前線にジェズスも入ったので中央が使えるようになる。ジェズスがいることで、ディフェンスラインと中盤の間も開き、ハーフスペースをがんがん使うシティ。

これはいつものように攻め立ててゴールを奪うなぁと思った矢先の62分にエデルソンのパスをマウントがカット。決定機。枠外でしたが、少し嫌な予感が。

 

70分のプレーで、さらに嫌な予感が増幅。

ポゼッションして、CBの裏をスピードでついていこうという狙いがチェルシーにあります。

 

ここから数分間シティがボールを回しますが、チェルシーはとにかく中をしめます。外に外に、後ろに後ろに誘導する守り方をします。

得点が必要なのでシティは、両SBも高い位置をとらせ、IHは中継役として下りてくるという形です。

 

そして、74分

 

SBの位置におりたデ・ブライネが、中央に入れたパスをカンテがカット。そのボールをウィリアンが単独突破。ジンチェンコとデ・ブライネを簡単なタッチで抜き去り、右サイドから決定機を演出。

一度はキーパーが止めますが、エイブラハムがつめたことで、フェルナンジーニョがハンド。

レッドカードでPK。終了です。

 

 

最後のシーンをプレイバック

得点後、チェルシーは重心を低くカウンターを狙っていました。

得点直後は、スペースができ、ハーフスペースを使えるようになりましたが、すぐに修正をして、ボールを前に運ばせても、途中で下げさせるように成功。

そんななか時間のないシティは、どこかで必ずほころびをつくるためのパスをいれないといけません。

チェルシーはそこを狙いたい。

 

f:id:tadashicity:20200628120622j:image

デ・ブライネが左サイドでボールを受ける。

チェルシーは5枚並べてボールサイドに圧縮。

 


f:id:tadashicity:20200628120712j:image

デ・ブライネのルックアップにあわせて、ダビド・シルバがカンテの後ろに向けて動き出す。

デ・ブライネはコバチッチとカンテの間にパス。

カンテがカット。

 


f:id:tadashicity:20200628120842j:image

同時にウィリアンが動き出す。

パスを受けたウィリアンが二人を抜き去りゴール前へ。

 

という流れです。

 

 

 

ごちゃごちゃ書いたけど決定機もあったし、決めるべき時に決めておかないと負ける。

 

デ・ブライネのパスをカットされたのも、ランパードの策のように表現したけどあんなの試合中いくらでもあること。戦術に結びつけて、戦術のせいにすることはいくらでもできるけど、この過密日程、プレッシャー、無観客である異常性からプレー精度が落ちると思うので、そこは個人の問題でもあったり。

 

さらに問題はあの場面でウィリアンに対して、ジンチェンコとデ・ブライネがタイミングを変えて、同じ1対1を仕掛けて負けたこと。少くともウィリアンの軸足が上がっているときに二人目がいってほしかった。

シティは今やタレントも豊富で、攻撃力がとてつもない。それは素晴らしくて、得点を取らないとサッカーは勝てないので続けてほしい。

ただ、そこが大きく写りすぎて若干守備はいいかなと思われてる。個で守れるようなCBは確実に補強してほしいなと思います。

 

 

 

メンディーのこと

SBのメンディーについて、語らないわけにはいきません。

 

今日のメンディー。入りも悪くなかったし、インナーラップ、オーバーラップどちらも行っていて、攻撃のひとつの形として躍動していました。

 

多くのシティファンが感じたことは、失点のシーンとその後の対応でしょう。

 

問題のコーナーキック

SBはよほど競り合いが強くなければ基本的にはキッカー以外、後ろでカウンターに備えることになります。

現代サッカーは守備と攻撃の境目がほとんどなく、コーナーキックはチャンスと同時に相手にカウンターを与えやすい。

 

今回の場合、コーナーキックで跳ね返されたボールはとてもイージーなボールで、チェルシーもプリシッチだけが来ている状態でした。

考えうる選択としては、

・再度前線にロングボールを放り込む

・キッカーにボールを戻してあげる

・プレスに来た一人を剥がしてスルーパス

・セーフティにクリアー

 

メンディーはほんとなにを意図していたんでしょうね。唯一、理解ができるとしたら、ギュンドガンにボールを預けて、自分が開こうとしたのかな。

 

プリシッチへの対応も悪い。プリシッチは足が早く、スピードでいかれたら止められません。やるべきことはチームメイトの戻りを待つこと。

SBでコーナーキックのチャンスというときは、跳ね返されるなよといつも思っていました。下がりながらスピードのある選手をディレイするのは言葉で言うよりもはるかに難しいです。

 

実際、メンディーの対応も気持ちはすごくわかります。

こちらのアクションで相手が判断ミスをすれば多少時間を稼げると思ったのかもしれないです。

プリシッチが一枚上手でしたね。

 

 

その後はミスを取り返そうとするメンディーの姿が見られましたが、焦ってシュートを打ってしまったり、流れについていけてないような感じに。

この試合の結果によってはリバプールの優勝が決まる、というプレッシャーもあったかと思います。58分の交代も至極当然であった、と私は思います。

 

 

メンディーは59分間プレーし、以下のスタッツを記録

・タッチ数66

・クロス4本

・パス52本(成功率 88%)

・シュート1本

両チームのSBの中では最多のクロス本数です。タッチ数もロドリとほぼ同数。

 

今日に限っては敗因と言われますが、メンディーならまたいつも通りプレーしてくれると信じます。

やっぱり怪我に恐れてるんですかね。。。

 

 

デ・ブライネのFK

負けましたが、最後にもう一度だけ気持ちよくなりましょう。

 

 

最高です。

グレイトです。

マーベラスです。

 

 

シティ出場選手の感想

スタメン

■エデルソン

シュートストップを連発。失点シーンは2本ともGKとしてはつらい部分だったことを考えると十分なプレーができていた。

PKの前のシーンもギリギリまで失点を防いでいた。

ビルドアップにも積極的に絡み、悪いところは見当たらなかった。

 

フェルナンジーニョ

痛恨のハンド。次節も出場停止。一発レッドは複数試合とかあったっけ?

パスの出し所を探すのに苦労していた印象、

 

ラポルト

今日はあまり目立たなかったラポルト

しかし、ロングボール12本で、10本成功はさすが。ギュンドガンと並んで84本のパスを成功。パスばっかり目立つ。

 

■ウォーカー

一試合ぶりの出場。失点を防いだビッグプレーもあり。

メンディーがイケイケだったので、レーン移動しながらビルドアップや攻撃に関わるのがメイン。CBと前線の橋渡しとして中間ポジションを取っていた。

 

■メンディー

敗戦の要因の一つ。コーナーの跳ね返りをあそこまで不用意に扱えるのは意識改革が必要では。

しかしながら、チェルシーの狙いもあり、メンディーからの攻撃は何度か見られただけに、0トップで中央が薄くなってたのは、もったいなかった。

 

■ロドリ

2試合連続のスタメン。アンカーの位置でボールを受けるだけでなく、IHを追い越してスペースを作り出そうとする意識は感じた。

チェルシーのビルドアップに対して、一列高い位置でカンテをマークしていたが、それによりジルーが解放されてしまった。戦術的な問題ではあったので、ロドリの評価には関係ない。アンカーの位置でパス成功率は95%なので十分。

 

■デ・ブライネ

あのFKは恐ろしすぎた。縦回転で縦に落ちるドライブシュート。あそこまでたどり着くとは世界一の選手になる日も近い。

デ・ブライネは、難しいところ、相手が崩れるところを狙うのでパス成功率がずば抜けて高くないのと引き換えにしっかりとキーパスは2回。

そういえばミュラーがシーズン21アシストで、デ・ブライネのブンデス記録を更新。シティでさらにその記録抜いちゃおう。

 

ギュンドガン

ギュンドガンとメンディーの組み合わせは好きなのだが、今日はメンディーにしてやられたギュンドガン。ベルナルドおりてくるし、アンカーまで落ちなきゃいけないけど、スターリングのフォローもいかなきゃいけないので、運動量が多い。

この試合では両チーム合わせて84本のパス成功数を記録。いぶし銀である。

ギュンドガンがいるかいないかというのはシティが1シーズンを戦うことにおいて、GKがいるかいないかということぐらい大事。

 

■マフレズ

変態的なドリブルはいつも通り変態。

スターリングの決定機など、チャンスをもっとも演出した。年々ドリブル以外の能力が備わってきていて、さらにドリブルが止めにくくなってる。

前節カットインでぶち抜いてゴールを決めたので、チェルシーには警戒されていた。

 

スターリン

決定機を決めきれなかったのは痛かった。マフレズからパスが出て、決まった!と思ったのは全シティファンだけではない。

ベルナルドが下りて、メンディーが上がってくるのでだいぶポジションが中央よりだった。それだと最初からマークつかれてしまうから、もっとサイドから始めればいいのに、という感想を持った。デ・ブライネが中央にいるときもあったけど。

 

■ベルナルドシルバ

0トップとして、中央での数的優位を創出する予定だったが、いつの間にかアンカーの位置まで来たり、カンテからは無視されるしで、結局パスも24本しか出していない。それだけボールが来ていないということ。

ペップも二度とやらないだろうなと思った。

 

リザーブ

オタメンディ

ラポルト疲労を考慮して兄貴出場。

フェルナンジーニョのハンドのシーンは、一発でウィリアンのクロスを弾きたかった。

 

■ジンチェンコ

スターリング、ダビド・シルバとのトライアングルが久しぶりに実現。スムーズなパス交換で前進していたのを見て、シティにおける個の活用方法に難しさを覚える。

 

ダビド・シルバ

ジェズスの投入にあわせて、ハーフスペースをがんがん使ってくれたし、ペナルティエリアの角めがけて斜めに走ったりと、短い時間で確実にいいプレーをするシルバさん素晴らしいです。

プレミアリーグで見られるのはあと8試合。

 

■ジェズス

途中から入って、しっかり役割をこなす。前半にはいなかった場所にいるようになったので、チェルシーの陣形も間延びして、縦パスが途端に入るようになったので、交代成功でしたね。

 

 

 

 

まとめ

ジョルジーニョが難しいパスを狙ってくることを利用して、ゴールを決めていた前回対戦と同じことを仕掛けられ、デ・ブライネのパスをカットされ、失点シーンまで持っていかれました。

ベルナルドの動きにもついていかず、泳がせて切られるという前回シティがチェルシーに勝利した後半の戦い方のようなやられ方をしました。

 

チェルシージョルジーニョがいなかったからこの戦術としたのかもしれませんが、ベルナルドの0トップと相まって、うまく機能させられてました。

 

 

以上です。

これによってリバプール優勝。

30年ぶりの優勝にリバプールファンは歓喜しているでしょう。プレミアリーグの歴史に、また、1つ刻まれた優勝チーム。

来シーズンはまた、優勝を手にしたい。

残り8試合。来シーズンにつながる試合を期待したい。

 

それでは!

プレミアリーグ第30節 vs バーンリー

f:id:tadashicity:20200623173104j:image

 

こんにちは。

tadashiです。

 

今節はバーンリーとの試合。

 

前回対戦の記事はこちら。

 

前回も同じようなこと書いてますね。ただ、ジェズスの動きが全然違うと思います。どちらも良かったですが。

前回もロドリはマークされちゃうんですね。

 

 

目次

 

結果

Manchestercity ⚽⚽⚽⚽⚽

Burnley

 

■ゴール

22' Foden (assist by Bernardo Silva)

43' Mahrez (assist by Fernandinho)

45+3' Mahrez (PK)

51' David Silva (assist by Bernardo Silva)

63' Foden (assist by Jesus)

 

■MOM

Foden

 

■ハイライト


https://youtu.be/DG7TZUfL4kM

 

 

スターティングメンバー

両チームのスターティングメンバーです。


f:id:tadashicity:20200623203246j:image

バーンリーはけっこう前回対戦とメンバーが違います。

 

 

Manchestercity

f:id:tadashicity:20200623191751j:image

前節のアーセナル戦から、8人を入れ替えてバーンリー戦に臨みます。

フェルナンジーニョは今シーズンはCBとしてプレーさせ、アンカーはロドリとギュンドガンで回すのでしょうね。

左サイドの組み合わせが予想できない組み合わせなのが楽しみでした。

 

控えメンバー

Carson 

Walker

Mendy

Laporte ←61' Fernandinho

Gundogan

De Buryne ← 61' Mahrez

Sterling

Sane ←79' Foden

Jesus ←45' Aguero

 

Burnley

f:id:tadashicity:20200623191818j:image

バーンリーは4-4-2です。前回対戦では、4-4-1-1だったのですが、チームとしての考え方はどちらでもあまり変わりません。

控えメンバーは9人まで登録できるのですが、バーンリーは7人。しかもそのうちユースからの昇格が3人です。

バーンズやブラッドリーなどが怪我で戦列を離れています。

 

控えメンバー

Peacook-Farrell

Jensen

Pieters

Long

Thomas

Dunne

Thompson

 

交代で投入できる攻撃的選手が一人だけとは頭が痛い…。

 

フォーデンの苦悩

 

■前半のポイント

・サイドは無視される

・フォーデンの適正ポジション

・左サイドの組み合わせはこれじゃない

 

前回対戦の時と同様にアンカーを挟み込むバーンリー。

さらに、両サイドもコンパクトにし、ペナルティエリアの幅を保ちながらシティの攻撃を阻害しようとします。


f:id:tadashicity:20200623220503j:image

フェルナンジーニョがボールを持っているときの両チームの形です。

シティのサイドの選手はほぼ無視です。

 

19番のジェイロドリゲスがロドリをぴったりマークします。試合開始早々は2トップが引いて横並びになっていましたが、10分を過ぎたあたりからは2トップは縱関係になっていました。

シティは、CBが開きGKのエデルソンがリベロのように前に出てビルドアップに参加している時間もありました。

ジンチェンコがいつもよりもサイドに開いてる時間が多く、フェルナンジーニョのドリブルのコースやフォーデンとダビド・シルバの降りてくるスペースを確保するように、前半のシティペースになるまでは、動いていたと感じました。

 

15分にカンセロのシュートまでは、両チームにシュートはなく、落ち着かないゲームだという印象でした。

 

少しずついつもの調子を取り戻したシティは、22分にフォーデンが後の大量得点の口火を切ります。

ショートコーナーから中央でボールを受けたフォーデンが、バーンリーディフェンスの寄せる前に左足を振り抜きます。

解説の下村さんも言っていましたが、バーンリーは相手の枚数よりも多くの選手をコーナーで配置するので、ペナルティエリアの外への対応が遅くなります。そこを狙ったシュートだと思います。

ショートコーナーを多用するシティ。プレミアの中では上背のないチームなので、普通にコーナーキックをするよりも得点の可能性は高い、とふんでいるのか。それでも今回はバーンリーのチームとしての穴を見抜いてショートコーナーで2点なので、分析チームの仕事は素晴らしかった。

 

フォーデンは、51分にダビド・シルバのゴールの起点に、さらに66分にはゴールを決めてマンオブザマッチ

 

先制点のおかげで、バーンリーが前からボールを取りに行こうとする時間が生まれ、スペースが多くできましたので、今日は最高の活躍でしたね。

 

 

さて。

フォーデンは、マンチェスターシティのアカデミーの選手です。シティには生え抜きの選手がいないという評判のなか、現時点での最高傑作とも言える選手だと思います。

 

ただ、イングランド代表監督には、もっと試合に出ろと言われるし、シティには優秀なIHが多いので、起用されるのはWGが多いし、本人がどこでプレーしたいのかわかりませんが、フォーデンにも苦悩はあるのでしょう。

ジンチェンコもIHでプレーするとなるとそのポジション争いは熾烈です。

 

そもそもダビド・シルバ退団後に代わりの選手はいらない、フィルがいる!とペップが言っていたそうで、WGでプレーさせているのはなにか意味があるのだろうか。

 

 

ダビド・シルバがボールを持ってドリブルをしたとき、ジンチェンコもフォーデンもダビド・シルバに近すぎるというシーンが目につきました。ジンチェンコが普段よりも外でのプレーとなっていましたが、確認できた中では深い位置でのクロスは1本だけです。

スターリングがいないと、左サイドで攻撃を終えることができなかった試合でした。

 

 

ラポルトがパスを出したそうにボールを持つ

 

■後半のポイント

ラポルトのパスの出したさ

・シュートミス? アシスト?

・サネ復帰

 

前半のバーンリーは、コンパクトな陣形を保ちハーフスペースを徹底的に消していました。シティは、前半ほとんどと言っていいほど効果的な縦パスを入れられず、チャンスは長短含めたサイドから中央への斜めのパスです。

むしろバーンリーの方が縦パスをバンバンいれていたと思います。4-4-1-1の守備から一気に攻撃に転じるために、ある程度までは2トップを残しながら守っていました。ボールを取ったらすばやくヴィドラに当てるというのはチームの決まりだったんでしょうか。

 

さて、そんな状況を快く思っていなかった人物が一人。

 

そう。ラポルトです。

 

ラポルトは、ウイスキーグラスを持つようにボールを持つおしゃれを具現化した選手です。

 

こんな前半の状況に黙っているわけがありません。しかも、今日先発したフェルナンジーニョが見事なサイドチェンジでマフレズのゴールをアシスト。俄然燃えてます。

 

 

タバコに火をつけ、その火を見つめながら、グラスを傾ける。透明で、しかし、きれいな黄金色をした液体が彼の体内を通る。喉を一瞬熱くさせ、無駄な言葉と一緒に飲み干す。

 

「頼まれたら仕方ない。やってやるさ。」

 

そう言って、立ち上がる彼の名は、ラポルト。このバーの常連だ。

 

※ふざけすぎました

 

 

後半61分から途中出場したラポルトは33本のパスを出し、成功率は100%でした。そのうち縦パスを通したのは3回。どれも左足でピッチ中央にいる選手へパスを通しています。

あんなに難しいパスを出したいオーラを発揮していながらきちっとパスを通すのはさすがです。

左足でタイミングを取りながらボールを持っているので、周りからしたら好きなタイミングで入っても、ラポルトからはパスが出ます。変幻自在のタイミングとでもいうのか、常にパスを狙っているのでボールの置き所が抜群なんですね。

 

 

さて、63分にフォーデンが決定的な5点目をとります。

その前のボールカットからデ・ブライネのドリブル、ベルナルドシルバのグラウンダークロスまでは非常に素晴らしかった。

それを受けたジェズスが右足で触れたボールはバーンリーディフェンダーをすり抜けて、フォーデンへ。

つめていたフォーデンは素晴らしいですが、ジェズスはパスなのかシュートなのか。

 

みなさまはどちらだと思いますか?

 

 

 

最後に。

ついにサネが復帰しました!

躍動するサネを見て、感動したのと同時に、退団を希望していることがもったいないと思います。

10分ちょっとのプレーでは、調子はわかりませんが、怪我したところを気にしているようには思えなかったので、本調子に向けて試合に出ていってほしいです。

 

 

SBのパスのエリア

シティを好きになった理由のひとつにSBの多様性がある。メンディーもいればジンチェンコもいるし、ウォーカーやカンセロも。ここまでSBのタイプが異なる選手がいるのも珍しいと思う。

それに自分自身がSB出身であることだし、もっとSBを掘り下げてみようと思います。

 

今回は、ジンチェンコとカンセロのパスをすべて洗いだし、出した位置と方向からなにか導き出せないかと試みました。


f:id:tadashicity:20200624000124j:image

たぶんですね、専用のアプリとかありますよね。ソフトとか。

手書きですよ手書き笑

青が成功したパス、赤が失敗したパス、黒丸はシュートの位置、矢印の長さと向きはそのままパスの長さと向きを表しています。

 

Zinchenko


f:id:tadashicity:20200624072102j:image

前半のパスマップ

 


f:id:tadashicity:20200624072129j:image

後半のパスマップ

 

前半は、中央や後方からのパスを受けて、サイドに張るフォーデンとのパス交換から、また、逆サイドに振るという潤滑油のような役割。もしくは、ダビド・シルバめがけて、決定機の前の起点となるパス。

後半は、サイドにポジションしながら、前進にも絡み、横や後ろへのパスを多く供給していることかわかります。

 

どちらも共通しているのはボールを受ける位置がハーフラインよりも前だったということです。

 

 

Cancelo


f:id:tadashicity:20200624072200j:image

前半のパスマップ

 


f:id:tadashicity:20200624072219j:image

後半のパスマップ

 

一方、カンセロはというと、ジンチェンコに比べてパスを出す位置がピッチの中央よりで、前に長いパスを送っています。カンセロがより内側にポジショニングを取り、マフレズやベルナルドが開くという右サイドでの形がよく現れています。

 

左サイドと同様に、長いパスにミスがあります。

 

 

両SBのパスのエリアを見ても、ペナルティエリアのラインに侵入するのはSBではなく、WGかIH。

後半の方が中に絞ってのボールキープとなっていて、それも図の中にでています。

 

 

IHのキャラクターによってSBのパスの長さと位置はまったくことなると思います。

ダビド・シルバが中央に入る代わりにベルナルドはマフレズとポジションチェンジを頻繁に行うほどサイドに流れていることがなんとなくわかります。

 

やってみて思いましたが、これはどう分析すればうまく使えるのかわかりません。

SBの試合を通したポジションがわかり、チームがどう攻撃して、どうボールをキープしているのかがわかるような気もするんですが、それはシティの攻撃を知ってるからかもしれないという気持ちが拭いきれません。

 

こんな中途半端な考察でもうしわけないです。

 

 

シティ出場選手の感想

■エデルソン

2試合連続クリーンシート!とはいっても2試合とも枠内被シュートは0なので、エデルソンは試合中に流れの中でボールをキャッチしてない笑

リベロのように振る舞い、前進に貢献してました。

 

フェルナンジーニョ

もはやCBの選手のように振る舞っているベテラン。この試合、ロドリがマークされながらも前進できたのは、フェルナンジーニョがボールを運ぶことでスペースを作り出していた。中断前はあんまり思わなかったけど、ロングボールの競り合いすごい強いんだなって印象。ほとんど負けてないのでは。

 

オタメンディ

兄貴は今日もセンタリングやロングボールをばしばしと跳ね返してくれた。

自陣で後ろ向きのボールキープは苦手で焦りが見えたけど、ほとんどミスもなく。フェルナンジーニョラポルトと組むことで、細かなビルドアップに絡まずに済むから気持ち的にも安心か。

 

■ジンチェンコ

久しぶりにプレーを見た。ビルドアップでは本当に安心感が出てきたし、ダビド・シルバとの組み合わせは熟練されてきた。(残り数試合…)

DF-MF間への斜めのパスを2本通してそのどれもがチャンスに繋がっている。あのパスは、受ける人のポジショニングも大事だけど、間を通しながら前を向いてすぐ次のプレーに移れるような位置と強さも大事。

でも、できればIHとしてプレーしてもらいたい。

 

■カンセロ

前半18分のプレーはいただけない。オタメンディがゴール前で後ろ向きに、相手からプレスをかけられていたシーン。

カンセロのパスを受ける意識が低く、オタメンディはボールを蹴るしかありませんでした。

パスセンス含めた攻撃的なセンスは高いんですが、守りの面やCBへのフォローの意識が低いように思えます。ウォーカーがフォーストチョイスというのは納得できるところです。

しかし、パスセンス高いですよね。この試合ではそこまで目立ちませんでしたが。

 

■ロドリ

ジェイロドリゲスにマークされ、最初のうちは窮屈そうだったけど、時間がたつにつれ、ジンチェンコが入ってきてマークが分散した後はしっかり散らすことができていた。

身長があるから、ロングボールやセンタリングも少し安心感が増す。

前半に一本だけ、フォーデンの飛び出しにあわせてDFの裏にボールを出したけど、シティ全体的にもっとああいうのがあってもいい。ロドリは出せる。

ちなみに依然として、ボールロスト時のフォーストディフェンダーの役割はうまくいってない気がする。

 

ダビド・シルバ

シティでのラストゴールになるかもしれない得点を記録。

ジンチェンコからの斜めのパスを引き出すポジショニングは達人。詰まったときも預けられる安心感がある。

いつもと同じ調子なのであまり書くことはない。

ユニフォーム買ったよ!

 

■ベルナルド・シルバ

相変わらず変態的なタイミングでボール動かしてしっかりボールキープ。一度仕掛けてくれるので、ベルナルドのドリブルで二人は釣り出せるからサイドチェンジなど、その後の展開がやりやすい。

マフレズがサイドでキープしてインサイドを抜ける動きが一本。ダビド・シルバへのアシストは、シルバが触るだけの絶妙なパス。

自粛期間を得て、少し顔が変わったと思うのは自分だけ?

 

■フォーデン

マンオブザマッチを獲得。前半は、シルバとの位置が近いかな、とも思ったけど、結果だけ見ればばっちり。

前半のゴールは、チームとして狙っていた形だったと思うけど、抑えのきいた素晴らしいシュート。ダビド・シルバのゴールの起点となったベルナルドへのスルーパスは、ルックアップしてクロスもしくはシュートを意識させた視線によるフェイント。前節もそうだし、この試合の2点目もうそうだけど、フォーデンはゴール前にちゃんと走るのが素晴らしい。さぼらない。

 

■マフレズ

今日はマフレズのオナニーと言われるぐらいのプレーでした。

フェルナンジーニョからのロングボールをトラップして、相手のサイドバックをキックフェイントでゆさぶり右足でゴール。今のサッカー界でもっともセクシーなキックフェイントを持っている。

ちなみにキックフェイントと言えばレアルにいたルイスフィーゴ氏。あれはどちらかというと荒々しいワイルドなキックフェイントでしたね。

一つめちゃくちゃいやらしいトラップもありましたね。今シーズンのマフレズはボールキープだけでなく、裏への飛び出しもうまくなって絶好調です。

 

アグエロ

残念ながら怪我により前半で交代。前半もあまりボールに絡めず。

いいところはなかったんじゃないかというぐらいゲームに入れていなかった。

怪我のためにバルセロナに向かったらしいけど、ぜひシーズン終了までにもどってきてほしい。

 

リザーブ

ラポルト

ご存知ハードボイルドなパサー。守るよりも三度の飯よりも難しい縦パスが好き。

今日も途中出場から縦パスをバンバン通していた。

後半はひたすらボールをキープしていたシティなので、ラポルトが守る場面は少なかった。本来ディフェンス能力も高いはず。次のチェルシー戦を見たい。

 

 

■デ・ブライネ

今日は途中出場。フォーデンのゴールにつながるベルナルドへのスルーパスで勝利に貢献。すでに大差で勝っているときの投入なので、相手からしたら嫌なことこのうえない。

早い攻撃よりも試合を閉めることを優先して、バランスを取る練習。この試合は出なかったけど、デ・ブライネは攻撃が早すぎるときがある。

デ・ブライネには、ダビド・シルバの退団後のチームのキャプテンとしても引っ張ってってもらいたい。

 

■サネ

おかえりなさい!

ついに復帰。シティにおいて、個で相手を壊せる存在。今日は守備のときもしっかり寄せながら、引くこともしていた。

10分ちょいの出場だったけど、あの爪先で姿勢よくボールをなめらかに動かすドリブルが懐かしい。

短い時間ながらシュートも打っている。ゴール前のフリーキックも蹴っていた。CLシャルケ戦のスーパーゴールを思い出す。

ぜひ、残ってほしい。(…けど、本人が退団希望なんだよな)

 

■ジェズス

後半頭から出場。フォーデンへのアシストも含め、精力的にチームに貢献。

個人的にはもっとエゴを出してもいいと思う。

2試合を見て思ったのは、ラポルトとの相性がいいということ。ラポルトのタイミングでジェズスが顔を出す。ジェズスが引くことでIHやWGがスペースに入れるようになる。

それにしてもパスの引き出しかたがうまくなった。中断前からそうだったっけ?と思うぐらい。アグエロが怪我で離脱とするとジェズスの正念場か。

フォーデンへのアシストの場面は、アシストだったとしたら視野の広さを誉めるべきだけど、4点差で勝ってるし、打ってもいいんじゃないかなと思うのはだめだろうか。

 

 

以上です。

金曜日にはもうチェルシー戦が控えています。

私の頭も指も追いつかないかもしれません。

 

しかし、少しずつ自分の目的としたSBへの着目は精度を高めていきたいと思います。

SBというのはどれだけつらいポジションかというのもどこかで書けたらと思います。

 

シティにおけるSBの役割はもうわかっているので、対戦相手のSBの役割を分析してみても新しい発見がありそうです。

 

2位をキープできるように、応援していきます!

 

それでは!